覇王とイチャイチャしたい   作:初音 茜

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今回でA'sの本編は終わりです。

内容的に端折りすぎてる所とかあるとは思いますが読んでくだされば幸いです。

それではどうぞ


23:翠屋のクリスマス

未來達が楽しくクリスマスパーティーをしている頃アースラでは闇の書事件の処理に追われていた。

といっても粗方の処理は終わっていて残る案件は一つだけ。それは・・

 

Side リンディ

 

「・・・はぁ〜」

 

重いため息をついたリンディの目の前には未來とリインフォースの戦いの映像が映し出されていた。

そう。残る案件というのはこの映像の処理についてなのだ。

未來から受けたO☆HA☆NA☆SHIはこの映像を報告しないこと。もしすれば管理局を潰すとまで言われたのだ。確かにリンディ個人としては夫を救い出してくれた人物の願いは聞き入れたい。だが一管理局員とはしてはそうもいかないのだ。よってリンディは未來に掛け合いミゼットに判断を下してもらうと言うことで落ち着かせて今はその結果待ちなのだ。

 

「なんとかなればいいのだけれど・・」

 

そう呟くと聞こえてしまいそうだが周りに局員達はいない。

既にリンディの命によって全員が各々の部屋で休息を取っている。クロノだけはこの場にいると言ったが提督命令で退出させた。この件が終われば自分がクライドに甘える事になるので先にクロノに父親との時間を取り戻して欲しかったのである。

もう叶わぬと思っていた家族の時間を取り戻してくれた未來の願いが叶うことを願ってリンディは連絡を待った。

 

そしてそれから数分後に着信がなる。相手はもちろんミゼット。

 

「(リンディ待たせたわね。最終判断が決まったわよ)」

 

「いえ。大丈夫です。それで結果は?」

 

「(他の2人と話し合ったのだけれどあの映像は確かに管理局に、いえ上層部には見せない方がいいわ。もし見せたら上層部は何がなんでも未來さんを捉えて実験材料なり無理やり働かせたりすると思う。もしそれが叶わなければ指名手配でもする可能性が高いわ。最悪フェイトさんたちを人質に取る可能性もあるわね。幸いあの映像をカットしても展開的に問題はないので未來さんがあの姿になってる映像だけをカットして報告してちょうだい)」

 

その報告を受けてリンディはとにかくホッとした。

 

「わかりました。すぐに編集して報告いたします」

 

「(ええ。それが終わったらしばらくアースラの職員達には休暇を与えます。もうすぐ日本ではお正月という行事があるのでそれを体験でもしてみてください。)」

 

「はっ!ありがとうございます。それでは失礼いたします」

 

ミゼットの好意に感謝し通信を切ったリンディはすぐさま映像の編集に取り掛かる。

元々問題があったのは件の映像のみ。それをカットするだけならほんの数分でできた。

編集した映像を1度自分で見直して問題がない事を確認したリンディはそれをミゼットへと報告。

そしてミゼットからお疲れ様という労いと1週間の休暇とかかれたメッセージを受けてようやくリンディの仕事は終わった。

席を立つ際にアースラの職員にメールで休暇の事を、未來に希望通りになった事をメールで伝えてリンディは家族が待つ自室へと戻っていった。

 

Side end

 

Side なのは

 

闇の書事件が終わってから私は日常の生活へと戻ってきました。はやてちゃんと守護騎士の皆さんはアースラで保護観察という事になりましたがクリスマスパーティーには出席できるようにクロノ君が手配してくれたので本当にクロノ君様々です。

そしてフェイトちゃんも未來さん達とクリスマスパーティーをしているとの事で私は家で久しぶりに一人で過ごしています。

明後日になればフェイトちゃんと遊べるな〜。

そう考えていると頭に痛みが走りました。

 

「痛〜い!」

 

「この忙しい時に現実逃避なんぞしてるななのは。ほらさっさと注文取ってこい!」

 

そういって私に拳骨を食らわせたお兄ちゃんが急かします。

あまりにも忙しいせいで私はどうやらボケーと突っ立っていたようです。

そう。今日はクリスマス・イブ。店内はカップルだらけです。翠屋は県外から来るお客さんがいる程有名なお店なのでクリスマスは物凄く混雑します。

毎年の事とはいえ忙しい事に変わりはないので本当に大変です。

ましてや明日はお兄ちゃんは夕方からは忍さんとのデートに行ってしまうのでますます人が足らなくなります。

あ、それ考えると私は明日生き残れるのでしょうか?

 

「あ、あの〜・・注文いいですか?」

 

おっと。どうやら気が付かぬ内にまた現実逃避していたようです。慌てて注文を取りそれをお母さんとお父さんに伝えるという作業に戻ります。

本当に猫さんの手も借りたいです。誰か手伝って〜と私は思いながらひたすらお客さんの注文を取るために店内を右往左往するのでした。

 

※数時間後

 

「ありがとう・・ございました〜」

 

最後のカップルを見送り閉店のプレートをドアに掲げたことでようやく忙しい1日が終わりました。

今の私は「ゆ、指一本も動かせねえです」な状態です。こうなってはしばらくは体力の回復に専念して・・

 

「なのはお疲れ様。はい。シュークリームとオレンジジュースよ」

 

ガバッ!

 

「いっただっきま〜す♪アムアム」

 

前言撤回。どれだけ体が疲れようともお母さんのシュークリームの前ではへっちゃらです。

労働の後のシュークリームはまた格別に美味しいです♪

 

「ふにゃあ〜」

 

幸せというのはまさにこの時を言うのではないかと私は真剣に考えてしまいました。ですがその幸せもお母さんの一言で崩壊します。

 

「それにしても今年はとてつもない数のお客さんが来たわね。去年と比べて1.5倍は増えてたかしら」

 

1.5倍!?それは忙しいはずなの!

イブでこれだけのお客さんが来るなら本命のクリスマスにはどれだけのカップルが来るのか想像するのは難しくないの。

でも今年はすずかちゃんと忍さんはともかくアリサちゃんは家のクリスマスパーティーが立て込んでて手伝いに行けないって言われちゃったしお兄ちゃんも夕方までしかいないしまさしく絶体絶命なの!

どうしよう・・

私がそんなことを考えているとお兄ちゃんとお母さんの会話が聞こえてきました。

 

「母さん。明日の事なんだけど・・」

 

「それは認めないわよ恭也。貴方はそれでよくても忍ちゃんにとってはとても大事な日なの。きっと今も明日のデートの為にスケジュールを空けるのに必死になってるはず。彼女がそこまでして恭也とデートする為に頑張ってるのに貴方はその思いを店が忙しいからって一言で片付けるつもり?」

 

「い、いやそんなことは・・」

 

「なら明日は予定通り忍ちゃんとのデートに行きなさい。大丈夫よ。明日はなんとか乗り切るからデートを楽しんでらっしゃい。何せ未来の娘の為だもの♪」

 

「か、母さん!!」

 

「あ、デートに行ったらその日は帰って来なくても大丈夫よ。但し避妊はしなさいね。フフフ」

 

「/////!!か、片付けてくる!」

 

顔を赤くしてお兄ちゃんは厨房に戻って行きました。というか避妊ってなんでしょうか?

気になりましたがおそらく私が聞いてもお母さんは教えてくれないでしょう。

なので私もフロアの片付けに向かおうとしたのですが突然肩を掴まれました。

びっくりして振り向くとさっきの笑顔はどこへやら。お母さんは据わった目で私に小声で話しかけてきました。

 

「なのは。よ〜く聞きなさい。恭也にはああ言ったけれども正直日中すずかちゃんと忍ちゃんが来てくれたとしても圧倒的に人手が足りないわ。ましてや明日はクリスマス。そして最大の修羅場は夜よ。

魔法関係で明日手伝ってくれそうな人に声をかけて欲しいの」

 

そのあまりにもな迫力に私はただ首を縦に激しく動かすことしか出来ませんでした。そして私の返事を聞いたお母さんは片付けはやっておくから人手探しをする様に言ってきたので私は自分でもびっくりする程のスピードで家に戻りレイジングハートに相談する事にしました。

 

「はぁはぁ。た、ただいまレイジングハート」

 

『おかえりなさいマスター。どうされました?そんなに慌てて』

 

「じ、実はね・・かくかくしかじかなの!」

 

『なるほど。それでしたらフェイトさんにお願いするのはどうでしょう?おそらくこの時間ならパーティーも終わっているでしょうし聞いてみる価値はあると思います』

 

「そっか!フェイトちゃんなら機動力もあるし戦力確定だね!早速電話しなきゃ」

 

『いや、マスター念話でよいのでは?それに機動力は戦闘の時ですよね?』

 

レイジングハートが何か言っていますが私にはフェイトちゃんの携帯のコール音しか聞こえて来ませんでした。

そして4コール目でフェイトちゃんが電話に出ました。

 

「もしもしフェイトちゃん!」

 

「(もしもしなのは?どうしたの?こんな時間に)」

 

「ごめんねフェイトちゃん。急なんだけど明日って用事ある!?」

 

「(明日?ううん、特に用事はないけど)」

 

「良かった〜。お願いフェイトちゃん!明日9時くらいに翠屋に来て欲しいの」

 

「(9時ってまだ翠屋開いてないんじゃない?それにどうして?)」

 

「それはかくかくしかじかなの!」

 

「(なるほど。でも私ウェイトレスなんてやった事ないよ。戦力になるかどうか)」

 

「大丈夫だよ。フェイトちゃんの機動力なら千人力だよ!」

 

「(いや、ウェイトレスにあの機動力いらないから。とにかく少し待っててなのは。母さんと相談してみるから)」

 

「う、うん。わかったよフェイトちゃん」

 

電話が切れた後OKの答えが来るのを私はひたすら星に向かって祈りながら待つのでした。

 

Side end

 

Side フェイト

 

なのはからの電話を切った直後に母さんが声を掛けてきました。

 

「フェイト。なのはちゃんからの電話はどうだったの?何か切羽詰まったような声だったけど」

 

私は電話の内容を伝えると母さんは黙りこみました。

そんなに悩むこと?っと私が思っていると突然ドアがノックされました。

 

「ど、どうぞ?」

 

入室の許可を出すとお姉ちゃんが入ってきました。そこでようやく私は母さんが悩んでいたのではなく念話をしていたのだと気づきました。

まぁ気づいた所でという感じで私が思っているとお姉ちゃんが話始めました。

 

「フェイト。念話でプレシアさんから聞いたけど明日翠屋の手伝いを頼まれてるんだって?」

 

「う、うん。なのはが言うには明日は物凄く忙しくなるらしいんだけどなのはのお兄さんとすずかのお姉さんが夕方には前々から予定していたデートに行っちゃうから人手が欲しいんだって。けど私一人で決めるわけにも行かないからまず母さんに相談してみたんだけど」

 

「なるほどね。なら全員で手伝いに行こうよ。人手が多い方が高町さんも喜ぶだろ?」

 

「え?いいの?お姉ちゃん確か明日は別荘に行く予定じゃなかったっけ?」

 

「そんなのいつでもずらせるだろう。さぁ早く返事をしてくれフェイト」ウキウキ

 

なぜかお姉ちゃんの反応に違和感を覚えていると母さんがジト目でお姉ちゃんに問いただしました。

 

「で?本音は?」

 

「翠屋のシュークリーム食べたい!」

 

違和感の正体がまさかの食い気!?と心の中でツッコミを入れてしまいましたがお姉ちゃんの子供らしい部分を見れて思わず笑ってしまいました。

 

「あはは♪お姉ちゃん子供っぽい〜」

 

「む?何を言っているフェイト。いくら精神年齢が高くとも子供心を忘れてはいけないのだよ!」キリッ

 

キメ顔で言ってきますが全然かっこよくありません。そんなお姉ちゃんのキメ顔をスルーして私はなのはに電話をかけました。

お姉ちゃんの「スルーしないでくれorz」という言葉を受けながら。

 

Side end

 

Side なのは

 

prr..pi!

 

「もしもしフェイトちゃん!?」

 

ワンコールすら鳴らさずに電話に出た私にフェイトちゃんは驚きの声を上げました。

 

「(も、もしもしなのは?電話に出るの早いね・・。もしかして持って待ってたの?)」

 

「違うよ。私の俊敏力のおかげだよ」

 

「(そ、そうなんだ。とりあえず母さんに相談した結果母さんと姉さんとアルフ、そしてお姉ちゃんも手伝いに行く事になったよ)」

 

「本当に!?5人も来てくれるのは本当に有難いの。ありがとうフェイトちゃん」

 

「(ただお姉ちゃんが一つだけ条件があるって)」

 

「え?・・条件?」

 

嫌な予感を覚えながら聞き直します。何を言われるのでしょうか?

 

「(えっとね?手伝いが終わった後に翠屋のシュークリームを食べたいって言ってるんだけど)」

 

「それならどんとおまかせなの!いっぱいご馳走するの!」

 

容易い条件に私は胸を張った。そしてフェイトちゃんに集合時間などを改めて確認してから電話を切った。

そしてすぐにお母さんにこの事を知らせに再び翠屋に向けて走るのでした。

 

Side end

 

Side 未來

 

AM:9:00

 

翠屋を目の前に俺は一言呟いた。

 

「ここがあの伝説の翠屋か・・」

 

「いや、普通の喫茶店だよお姉ちゃん」

 

「いやいやフェイト。俺からすればここはまさに伝説と呼ぶにふさわしい場所なんだ。あらゆる食通が舌を巻く程のシュークリームを作り出しなおかつ魔王の住処としてこれ程すごい場所はない!」

 

「魔王ってもしかしてなのはの事?それ本人に言ったらスターライト・ブレイカーされちゃうよ。てかなのは達はここに住んでる訳じゃないし」

 

「問題ない。あれぐらいなら簡単に処理できる。それと住処って言ったのは冗談だ」

 

「いや、あれはそんな簡単に言える程の物じゃないよお姉ちゃん・・。それにわかってるなら言わなくてもいいじゃない」

 

「フェイトはあれを直に食らったからそう思うんだろう?でも大丈夫だよ。そのうちフェイトも同じこと言えるようになるから。いや、むしろさせるから」

 

「何それ怖いよお姉ちゃん!!」

 

「さぁとにかく行くぞ〜」

 

「ちょっとお姉ちゃん!まだ話は終わってないよ!」

 

俺はフェイトの話をスルーし翠屋の敷居を跨いだのだった。

 

カランカラン♪

 

「申し訳ありません。まだ営業時間では・・ってフェイトちゃんいらっしゃい。昨日は突然のお願いしてごめんなさいね。今日はよろしくね」

 

「おはようございます桃子さん。紹介しますね。こちらが母のプレシア・テスタロッサでこっちがアリシア姉さん、そして使い魔のアルフに未來お姉ちゃんです」

 

「「「「おはようございます」」」」

 

「おはようございます。なのはの母の桃子と言います。今日は突然のお願いを聞いてくださって本当にありがとうございます。どうかよろしくお願いいたします」ペコッ

 

挨拶を終え桃子の案内で士郎や恭也、美由紀と初めて会うことが出来た。

感無量や〜と俺が思っていると士郎がこっそりと耳打ちしてきた。

 

「未來ちゃん。君は武道をやっているのかな?」

 

「え?えぇ、やっていますが」

 

「そうかい。なら今度手合わせを・・」

 

「士郎さん!!」

 

「な、なんだい桃子・・」

 

「初対面の女の子にそんなこと言っちゃいけません!全く強そうな人を見たらすぐにそうなるんですから・・」

 

「いや、俺は男なんですけど」

 

ピシッ!

 

空気が凍った。

高町家の面々(桃子以外)の顔はまるで信じられないような物を見る顔になっていた。

1番面白いのはやはりなのはの驚きっぷりだろう。

だがこのあとに起こる現象に備え気のバリアでプレシア達を囲むと同時に大合唱が起きた。

 

「「「「えええええええええええ!!!!!!!」」」」

 

キーーーーーン!!

 

さすが戦闘民族高町家。肺活量もトップクラスである。

そんなことを考えながら気のバリアを解除するといきなり美由紀が肩を掴んで詰め寄ってきた。

 

「ほ、本当に!?本当に男の子なの!?」

 

「え、えぇそうです。てか顔近いんですけど」

 

質問に返した途端美由紀は手を離し地面に手をついてorzの状態になり一言呟いた。

 

「負けた。女として何もかも負けた。私はもうだめだ・・」

 

「いや、だから男なんですって」

 

何が美由紀をそう思わせたのかわからないがこのままではいつまで経っても説明が聞けそうにないのでニコニコとこちらを見ている桃子に説明をしてもらう事にした。

 

「それで桃子さん。俺達は何をすればいいんですか?」

 

「そうですね。プレシアさんと未來ちゃんは料理をできるというのは聞いてますが厨房のスペースの関係上プレシアさんに入って頂いて未來ちゃんにはフェイトちゃんと一緒にフロアで注文を取ったり配膳をしてもらいたいです。アルフさんはレジをお願いします。アリシアちゃんは来て頂いたお客様をテーブルに案内するのをお願いしたいのですが大丈夫でしょうか?」

 

俺は一同を見渡すと特に不安等はなさそうだった。

 

「問題ありませんよ桃子さん。それでいきましょう」

 

「ありがとうございます。それでは早速皆さんには制服に着替えて欲しいのですがただ一つ問題がありまして」

 

「?。なんですか?」

 

「なのはからフェイトちゃんには2人のお姉さんがいると言う事を聞いていたのでフェイトちゃん達と同じウェイトレスの衣装しか用意してないんです。大丈夫ですか?」

 

「うっ、そ、それはきついので恭也さんの昔の服とかをお借りするのはダメでしょうか?」

 

さすがに女装して手伝うのは抵抗ある為なんとか回避しようとする。が、それは桃子ではなく恭也によって阻止された。

 

「すまないが俺の昔の制服でも君にはサイズがデカすぎるんだ。それに仮にサイズがあったとしても今は家の倉庫に保管しているので開店時間的にも厳しい」

 

「うっ。な、なら・・「あ、なら翠屋のシュークリーム食べ放題でどうかしら?」やらせていただきます!」

 

プライドよりも食欲が勝った瞬間だった。

あまりの変貌ぶりに未來と桃子以外は呆気に取られていた。(それでいいんだ)とでも言いたげな目を向けて。

 

「なら決まりね。じゃあなのは。皆さんを控え室に案内して」

 

「・・・はっ!わ、わかったよお母さん。そ、それじゃあ皆さんこちらです」

 

ようやく正気を取り戻したなのはの案内で俺達は翠屋の奥へと引っ込んでいった。

 

Side end

 

Side 桃子

 

着替えに向かった面々を見送った私達は残りの開店準備をしながら話をしていた。

 

「ふぅ。まさかなのはから聞いていた未來という子が男の子とはな。あれは言われなければ絶対に信じてもらえんだろう」

 

「確かにな。それにあの小柄の体格からも強者のオーラがヒシヒシと伝わってくる。私でも勝てるか分からんがそんな感覚も悪くない。近いうちに手合わせを頼みたいものだ」

 

「いいもん。どうせ私は小学生の男の子にすら負ける女だもん。グスッ」

 

恭也はともかく士郎さんは相変わらず戦う事に拘るわね。これが強さを求める男の性なのかしら?

それと美由紀。いつまでもウジウジしてないで仕事して欲しいのだけれど・・

そんな風に私が考えていると再びドアが開き来客を告げるベルがなった。

 

「おはようございます桃子さん。お手伝いに来ました」

 

「おはようございます桃子さん。今日は日中しかお手伝いできなくて申し訳ありませんがその分精一杯頑張ります。よろしくお願いします」

 

すずかちゃんと忍ちゃんがやってきた。

この人数なら今日とて乗り越えられそうね。

 

「おはようすずかちゃん、忍ちゃん。今日はよろしくね。もうフェイトちゃん達も来て着替えてるからもう少ししたら交代で着替えてきてね」

 

「「はい!」」

 

「あ、それと忍ちゃん忍ちゃん」

 

「はい?」

 

「いい加減桃子さんって呼ばないでお義母さんって呼んで貰えないかしら?」

 

「/////!?そ、それはまだ出来ません!」

 

「ふふ。[まだ]ね。これは近いうちに娘がふえるわね♪」

 

「も、もう!桃子さん!」

 

「ふふふ。楽しみにしてるわよ忍ちゃん。さてそろそろ着替えに行ったメンバーが戻ってきそうだけども」

 

桃子がそう言ったと同時に奥からウェイトレスに着替えた未來、フェイト、アリシア、アルフとコックコートを着たプレシアが出てきた。

似合いすぎていて周りから「ほほぅ」という声が聞こえてくる。

そして5人もすぐにすずかと忍の存在に気づいた。

 

「桃子さんお待たせしました。それで?こちらの方々は?」

 

「そんな時間経っていないから大丈夫よ。こちらは月村 忍さんと妹のすずかちゃん。今日手伝ってくれるメンバーよ。そして忍ちゃんとすずかちゃん。こちらは左からフェイトちゃんのお姉さんの未來ちゃんとアリシアちゃん、使い魔のアルフさんにお母さんのプレシアさんよ」

 

「「「「よろしくお願いします」」」」

 

「「よろしくお願いします」」

 

「さて、顔合わせも済んだ事だし忍ちゃん達には着替えて貰って未來ちゃん達にはやり方を教えていきましょうか」

 

月村姉妹は翠屋を手伝ってくれた事があるので経験がないテスタロッサ家の皆さんにやり方を伝えていく。

そして説明を終えた頃には月村姉妹も着替え終えふと外を見ると既に何組かのカップルが待っていた。これは開店時間早々忙しくなりそうね。

そして遂に開店時間を迎えた。

 

Side end

 

Side 未來

 

翠屋のシュークリーム食べ放題という魅惑の条件に有頂天になっていた俺は今現在フロアを右往左往していた。

というのも・・

 

「すみませ〜ん!シュークリーム2つとクリスマス限定ケーキ2つにカルボナーラ2つで」

 

「こっちはクリスマス限定ケーキにモンブラン、桃子特性ミルフィーユ2つで」

 

「バンバーグステーキとヒレカツサンド、それとクリスマス限定ケーキ2つにシュークリーム2つ、あ、あとオレンジジュースとコーラ一つ」

 

こういった注文が同時に行われ俺とフェイトはそれを受けるのに必死になっていたのだ。

俺はなんとか全部の注文を書きとめ桃子さんに伝えているのだがフェイトはあわあわとし始め途中から伝票に書くのがミッド語になっていた。

そのまま桃子さんに伝えても読めるわけがないのでフェイトを落ち着かせ書き直した伝票を持っていかせる。そしてその間に俺は出来上がった料理やケーキを持っていく。

持っていった瞬間カップルは2人の空気を作り出しお互いに「あ〜ん♪」っとやっていてマジリア充爆発しろ!と思った。

だが席を離れカップルを見ている内に俺もアインハルトとあんな感じでクリスマスを過ごしてみたいなと思った。

 

Side end

 

Side フェイト

 

あわわわわわわ!よ、予想以上に忙しすぎるよ!

ただでさえ日本語の読み書きをマスターしてないのにそんな一気に注文されても書ききれない!

途中からミッド語になってて混乱しまくってたけどお姉ちゃんのフォローでなんとか冷静さを取り戻せた。

そして桃子さんに注文を伝えた後落ち着いて周りを見ればどういう風に動けばいいかがなんとなくわかってきた。

あ、なんかお姉ちゃんがカップルに向けて一瞬睨んだと思ったら遠い目になった。何考えてるんだろ?

って今はそれよりも動かなきゃ!

すぐさま私は出来上がった料理を持ってお客さんの元へと向かった。

 

※2時間後

 

ただいまお昼の12時。家でならもうお昼を食べてる時間です。ですが私を含め全員が休む間もなく動き回っています。

まぁ始めた頃に比べたら慌てずにこなす事はできるようにはなってきたのですがやはりお昼の時間にこれだけの食べ物を見ればお腹が空いてきます。

早くお昼ご飯食べたいな〜。

そう思いながらもここが正念場とばかりにひたすら仕事を続けるのでした。

 

※1時間後

 

・・現在時刻は昼の1時。未だにお客さんが衰える気がしません。もう私はお腹が空いて限界が近づいて来ました。見ると来たお客さんを案内している姉さんも疲労が顔に出てきています。

アルフも会計をするお客さんがほとんど絶え間なくやってくるのでとても忙しそうです。

そう言えばお姉ちゃんは?っと私が気になり探そうとした時に肩を叩かれました。

 

「え?」

 

そう言いながら振り向くとお姉ちゃんがいて着替える時に入った部屋を指さして話しかけて来ました。

 

「フェイト。アリシアを連れて今から昼休憩に行ってこい。周りから見ても疲れてるの分かりまくりだしな。こっちはなんとかするから飯食ってこい」

 

「え、で、でもお客さん途切れないし全員でやってようやく回ってるのに2人も抜けたら・・」

 

さすがに皆に負担がかかるとわかっているのに抜けられないと告げますがお姉ちゃんは笑っていました。

 

「ふふ。フェイト。よく周りを見てごらん」

 

そう言われてフロアに出ているメンバーを見渡して行きます。えーと相変わらず忙しくしてるよね?・・あれ?あの人どっかで見たような?・・ってクロノ!?それにあっちにはエイミィさん!?。なんで!?

私が困惑してお姉ちゃんに説明を求めました。

 

「え?なんでクロノとエイミィさんがいるの?2人はアースラで闇の書事件の後処理してるはずなのに?」

 

「後処理は既に終わってアースラの職員は休暇を貰って全員地球にいるらしい。そして昼前くらいにクロノさんから念話でこれから翠屋に行くって言われたからその時にお願いしただけさ」

 

「そ、そうなんだ。全然気づかなかった」

 

「まぁ話は後ですればいいさ。じゃあとりあえず休憩して来い。賄いは既に桃子さんに頼んで作ってもらってあるから」

 

「う、うん。ありがとうお姉ちゃん。行ってきます」

 

そう言ってその場を離れ姉さんを呼んで私達はご飯を食べに向かった。

 

Side end

 

Side 未來

 

フェイト達を見送った後来店を告げるベルがなった。

案内役のアリシアが休憩に行った為近くにいた俺がお客さんの元へ向かう。

 

「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

 

「わ!可愛いウエイトレスさん!あのツイートは本当だったんだ!あ、すみません 2名です」

 

お客さんの言葉で見過ごせない単語が出てきた。

 

「申し訳ありませんお客様。ツイートというのは?」

 

「あ、えーとこれです。私達はこれを見て来たんですけど・・」

 

「失礼いたします」

 

断りを入れて見てみるとそこには俺達の画像付きでこう書かれていた。

 

【翠屋で可愛いウエイトレスがいっぱいいます。見ているだけで癒されますので皆さん良かったら行ってみてください】

 

それを見た瞬間一向に途切れない客足の謎が判明した。そりゃこういうツイートがあったら見てみようってなるわ〜。

とりあえずお客さんに携帯を返して席に案内する。そして注文が決まったらお呼びくださいと言ってその場を離れまたフロアを右往左往するのだった。

 

※3時間後

 

現在時刻は夕方の4時。

フロアに出ていた面々が順番で休憩を終え客足が弱まってきた所である。

それと同時に恭也と忍がデートに行く時間でもある。

「それじゃあ母さん。俺達はこれで上がるよ」

 

「すみません桃子さん。お先に失礼します」

 

「気にしないで行ってらっしゃい。楽しんで来てね♪」

 

桃子さんがそう言って全員で2人を見送る。

2人が見えなくなった後桃子さんは残った面々を見渡してこう告げた。

 

「皆さん。2人が抜けてしまって辛いこともあるとは思いますがどうかこの後もどうかよろしくお願いします」

 

「はい!!」×全員

 

そして客足が少ない内に軽めの夕食を取って夜に向け英気を養うのであった。

 

※数時間後

 

現在時刻は夜の10時。翠屋の閉店時間である。

フロアのテーブルには高町家以外の面々が突っ伏していた。傍から見たら屍の山である。

まぁそれも無理はないだろう。桃子の予想通り夜になった瞬間カップルが一斉になだれ込んできたのだ。

そして昼間の倍以上に飛び交う注文の嵐に絶え間なくやって来る客の対応で体力と精神力が一気に持っていかれたのだから。

各々が体力の回復に務める中桃子が手を叩いて注目を集める。

 

「皆さん今日は本当にありがとうございました。皆さんのお力が無ければ乗り越えられなかったと思います。せめてものお礼にご馳走をお腹いっぱい食べていってください。もちろんお代は要りません。どうぞ目一杯楽しんでください♪」

 

桃子のその言葉を皮切りに各々がどんどん食べたい物を注文していきその腹を満たす。

そしてプレシアは士郎の入れるコーヒーに夢中になり料理そっちのけで飲みまくっていた。

一方シュークリーム食べ放題の権利を得た未來は皆から少し離れたテーブルに座り料理そっちのけで山盛りにされたシュークリームを頬張っていた。

食べた時の笑顔はとてつもなく可愛らしい笑顔。そして唯一その笑顔に気づいた桃子によって写真が撮られ、後にシュークリームの宣伝写真となり更に翠屋のシュークリームは売上を伸ばしたのだった。

 

そして日を跨ぐ前に解散となり翠屋の忙しいクリスマスは終わりを告げた。

 

 

 

 

 




やっとA's本編を終わらせる事が出来ました。
次から新章に入ります。とは言ってもStrikers編は書くつもりはありません。
正直Strikers編はあまり好きではないので。(好きな方は申し訳ありません)

ちなみになのはが言っていたクリスマスパーティーにはフェイト以外は不参加です。
まぁ会ったこともない人のパーティーに行くのは普通ないので自然と言えば自然ですね。

それではまたです(・ω・)ノシ
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