屠ル女狐ハ狂ヒ廻リテ 作:碗狐
【主な登場人物】
17歳。近未来都市
女の子だが、一人暮らしのせいか少々気が強く、走るのが速い。
意外と可愛いものには目がない、もふもふした物が好き。
推測1300歳。日ノ元国内を駆け回り悪しき妖を喰らう旅をしている。妖狐。一応高位の神。
志羽に一目惚れして居候(強制)している。
涼月狐の人の姿。
スタイル抜群。
【用語解説】
近未来都市 [
日ノ元国の都市の一つ。
最先端のテクノロジーを誇る世界有数の都市。
年の数え方の一種。日ノ本国では一般的。
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[序 春風に舞う妖桜]
──人が喰われたらしい。
そんな噂が最近、志羽の住む近未来都市である[光風]をにわかに騒がせている。
馬鹿馬鹿しい、そんなことあるはずは無い。
何故なら、今は曲暦2090年で、妖がいたとされるのはもう千年も前の話だからだ。
志羽はそう思っていたのだが。
ある日の事だった……
すっかり日も暮れた夜道を志羽が1人で歩いて帰宅しようとしていた。
「暗い……これじゃあ何か出てきそうだな……」
まるで獣のような、と言いかけて目の前に広がる光景に絶句した。
道に広がる血の海原、無残に転がる人、中央に立つ人のような何か……
「嘘……本当に………喰われてる……?」
足の震えが止まらない。
逃げなきゃ、と本能が告げているのに反し、身体は言う事を聞かない。
すると、人型の生物がこちらを向いた。
紅く光る目が闇に映える。
やがて、その生物はゆっくりと近付いてきた。
「…………やだ、来ないで……嫌……嫌ぁっ!」
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[一章 狐と人と妖と何か]
春の暖かな日差しが差し込んだ部屋で、
しかし、目覚めは最悪だった。
「雪ちゃん、雪ちゃん!おはよう!ねーね、朝ごはんどうする?パン?ご飯?あ、その前に朝の支度しないとね!着替え手伝うy」
目を覚ますと目の前に可愛らしい女の子がいた。
「何故お前がここに居る」
「え?あなたが私を貰ってくれたんじゃないんですか?」
「この命かけてもそれは絶対にない」
そんなぁ〜っ……と落ち込むコイツは実は昨日の………
「なぁー、本当にお前は昨日の化物なのか?」
「そうですよー?勘違いしないで下さいね?私が喰らうのは人に化けた妖なのですよ?これでも私は狐だけど高位の神なんですよー?」
そう、昨日の化物なのだ。
あの後、
──やだ、可愛い……!
え?
──ねぇ、私を貰って?
嫌。
──お願い。
嫌。
などというやり取りを繰り返して、結局は家に居候させることになった。
とりあえず、着替えねば仕方ないので退出させた。
休日なのに休めない事を嘆きつつ、自室を出て妖狐のいるリビングへ向かった。
「………おはよう」
机の上には綺麗な朝食が作られて置いてあった。
「あっ、おはよう!冷めないうちに食べてね!」
「この食材どっから出てきたよ……」
きょとんとした顔で、
「買いましたよ?」
思わず、
「妖狐のくせに買い物とかするのな……」
すると、案の定妖狐は怒り、
「私だって買い物くらいしますし、自分で稼いだお金で買い物してますからね?」
と、頬を膨らませた。
あっ、と妖狐は何かに気付き、上目遣いで、
「私の事は、
「それは…………良くない………っ」
何とか朝食を終えた
散々連れ回しておいて、まだ連れ回されそうになったので志羽はとりあえず
そして、案の定問題が起きない訳はなかった。
帰り道の事。
「疲れたねーっ」
「誰のせいだと思ってんのさ……」
ため息をついたその時、
「妖……っ!」
突然、
「キシャァァァァァァァァァ」
それに呼応するように目の前を歩いていた人が奇声を上げて接近してくる。
もはや、その姿は人と呼称するのもはばかられるくらい奇異な姿をしていた。
一閃、風が吹いたと思うと、光の矢が向こうにいる化物を貫いていた。
「
次の瞬間には化物は切り刻まれていた。
「え、何これ」
ようやく思考をまとめた頃には化物は
もう一度
結局その日は
(続く)
初めまして。碗狐と申します。
ローペースで細々やります。よろしくお願いします!