俺が初代魔王なんて間違っている。   作:すのどろ Snowdrop

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あ、あはは……
とりあえず、ごめんなさい、申し訳ないです。

お久しぶりです、すのどろです。
アンケートにお答え頂いた方々、ありがとうございました。そのうちこの作品のR18Ver.を出すので、投稿した際にはどうぞ宜しくお願いします。

それでは、駄文ですが、どうぞ


10話:敵には力加減を。味方とは会議を。

10話:敵には力加減を、味方とは会議を。

 

 

 

「契約を使えば信用できるかしら?私からは性欲の解消、貴方からは貴方の得になること、でどうかしら?」

 

「俺に多大なメリットがあったとしても、それは俺だけの判断じゃ、決められないな」

 

五天龍という幹部がいる。それだけでも俺の独断で決める訳にはいかない。そして、今は大切な人達がいる。

人間側にいた賢者を独断連れてきて、後で裏切られたとなっては俺はどうしようもなく後悔するし、復讐を果たしたくなるだろう。

 

「じゃあ、一週間後、再びここで会いましょう?私はいつまでもは待てないけど、それくらいなら待つわ」

 

「そうか。なら、なるべく早めに返答をもってこよう」

 

それを聞くと、プラトルは笑顔で転移していった。

その笑顔に見蕩れてはいない。うん、きっと、たぶん、おそらく。

ふと、地上から複数の魔力を感知した。下を向くと、葉山を筆頭に三浦や相模、童貞風見鶏らが自分の手に魔力を貯めていた。

しかし、魔力込めるのが遅く、質も悪く、密度も悪い。これなら回避なんてしなくてもダメージなんてほとんどどない。唯一、戸部は密度はいい。頑張ればかなり、葉山なんか目じゃないほどに強くなるだろう。

 

「今だ!撃て!」

 

葉山の声と共に数十の属性魔力弾が放たれる。

が、戸部と葉山のそれ以外は十数メートルで霧散した。

質と密度が悪いせいだ。

そして、葉山のそれも俺に届く直前で霧散した。よって、俺が対処するのは戸部のそれだけとなった。深紅に輝く魔力弾は熱を感じさせる。

俺は天然水(いろはすじゃない)のように透明な水を纏い、それを斬る。

勇者はポカンとこちらを見ていたが、俺が地面に降り立つとともに各々の武器を手に、こちらへ駆けてきた。

 

「死なないように手加減するか……」

 

「はあぁぁぁ!」

 

葉山は片手剣を大振りに振り下ろす。槍使い以外は全く同じ動作をする。

こいつらは馬鹿なのだろうか。こんな人間と同じ大きさの敵を相手取るなら1対2か3程度で囲むのが1番とは言えないかもしれないが得策だ。

そんなところを逃す俺ではない。翼も使い数メートル跳ぶ。それだけで同士討ち。特に葉山の剣は聖剣のため、目の前にいた名前も知らぬクラスメイトに直撃した。

 

「なっ!」

「うがぁぁぁ!」

 

そして、そこに追撃とばかりに魔力弾が降ってくる。

いや、なんでだよ……。普通俺が回避した所を撃つんじゃないのか。

もちろん、1発は俺の方に来た。戸部だ。

こいつらと比べるとかなり上手いし、アホでも馬鹿でもない。少し見直した。それが海老名さんを取り戻すための努力なのかは分からないが、うちに欲しいところだ。

が、まだまだだ。エメラルドに輝くそれを弾き返した。

 

「ヒキタニィィ!」

 

あの集団を飛び越え剣を向けたのは葉山だった。立ち向かってくるのは評価するが、遅い、動作がバレバレだ。

俺は斜め前に1歩踏み込み手刀を聖剣の横に振り抜いた。某アニメのキ〇トさんのように、綺麗に武器破壊はできないが、力でゴリ押し、叩き落とす。その際、地面に深く食いこんだが知ったことではない。

そして、その勢いのまま回転し、葉山の首に軽く手を当てた。葉山は気を失い、地面に倒れた。

うむ、上手く加減できたかなっと。

 

「そこの、まだ戦うか?」

 

戦意喪失しているだろうが、一応聞く。大半が俯き、回復魔法が使える者は城内部から駆けてくる。

それを一瞥し、嫌がらせとして聖剣をより深く食い込ませてから転移した。

 

**********************

 

「たでーま」

 

玄関から入らず、ふとリビングに現れたのは八幡。

直接転移した方が楽とはいえ、急に現れれば驚くというもの。特に、女性陣が談笑していたなら尚更。

 

「きゃぁぁぁぁ!」

 

「ぬおおおおお!?」

 

女性陣はまだ慣れてないのか、急に現れたことに驚き、材木座はそんな女性陣の叫び声に驚いた。戸塚はニコニコしており、あまり疲れてない八幡だったが、かなり癒された。

 

「おかえり、八幡」

 

「おう」

 

「ちょっと!急に転移してこないでよ!ただえさえお兄ちゃんの転移は空間の揺らぎがないんだから!」

 

小町の嘆きは他の女性陣の心を代弁したかのよう。

 

「おう、すまんすまん。それより緊急会議だ」

 

「了解」

 

小町、めぐり、陽乃は八幡のその言葉に目の色を変え、真剣な口調で答えた。

それを聞くと、八幡はすぐに会議室に転移し、隣の放送室にて、幹部及び五天龍の招集を行った。

 

数分後、円卓には12人が座った。

 

「さて、今回集まって貰ったのは今朝、この城に来た留美のことと、人間側にいる賢者のことだ。まずは留美のこと」

 

「留美ちゃんは、私たちが封印魔導を受けて転生した世界の住人だよ」

 

「して、それがどうかしたのかね、八幡よ」

 

陽乃の言葉に答えたのは砲天龍メギドラ。五天龍で唯一翼を持たない。しかし、身体には多数の砲台があり、単純な火力だけならトップに立つ。

 

「留美ちゃん、だったかしら、その子は普通の人間。なのに、ここにいる。つまりは人間が召喚魔導を使ったとみられる、それくらい誰にも分かるわよね、その子が何故人間側ではなく、ここにいるのか、ということよね」

 

蒼天龍ティアマト。海と蒼空を司り、尚且つ蒼炎を操る力をもつ。その殲滅力は計り知れず、八幡でさえその殲滅力には敵わないだろう。

尚、年齢を聞くと殲滅力にものいわせたブレスや魔導を放ってくるので注意が必要。

八幡が初代だったころ、それを聞いてしまい、八幡がいた、当時統治していた、人間領にほど近い魔族領にて喧嘩(?)が勃発。それは人間側にも飛び火。人間側も魔族側も小国が2,3ほど滅んだ。それが原因で八幡は魔王と呼ばれ、人間側との対立、幾千年も続く戦争の始まりとも言われている。

 

「そういうことだ。そして留美の処遇をどうするか、でもある」

 

「まだ、幼い。そなた、任せる」

 

光天龍エールクレル。光や闇を自在に操り、喧嘩をふっかけてきた者の光を幾度も失わせてきた龍だ。

かく言うエールクレルもまだ幼く、まだ百数年しか生きていない。

まぁ、人間よりかは長く生きているが。

 

「我も貴様に任せようぞ」

 

次天龍ディール。時や空間を司る最強クラスの龍だ。彼に傷を負わせたものは後にも先にも八幡だけ。とはいえ、その傷も一瞬もせずに戻してしまったが。

 

「私は興味がない」

 

死天龍エルドラド。世界最凶のドラゴン。生死を司り、数々の動植物を死に導き、エルドラドが住んでいた場所にはほとんど何も無かったという。

 

「それより八幡の血をくれ」

 

吸血鬼の女王にして幹部の1人、セロ・ツェルン。血を吸った者の能力をコピーし、昇華させる。

 

「……」

 

デュラハン、トーマス・ガールド。人間界最強の騎士王だったが、数々の国に恐れられ、自分の国に裏切られ首を落とされた。

 

「zzz」

 

眠っているのは自由神スノーローズ。あっちへフラフラこっちへフラフラと、とにかく自由に動く。一時期は人間側にいた事もあった。

正直、幹部にしておくには怖いが、何故か情報を誰かに渡すということはしないのだ。

 

「とりあえずこれはあとで私たちが事情を聞いてからだね。留美ちゃん、私たちにあってからすぐに眠っちゃったし」

 

「それよりも賢者よ。あのアマ、次はどうしたの?人間側の男でも滅ぼした?」

 

「実は…………」

 

「実は……?」

 

「……こっちにつくかわりに性欲処理を頼まれた」

 

瞬間、あたりは不気味なほどな静寂に包まれた。

は?とか、え?とか、ごめんもう1回言って?とかではなく、完全な無言、静寂、沈黙。外でさえ、静かになった。

まさに嵐の前の静けさ。

 

(耳塞いどこ)

 

八幡が耳に両手を当てた瞬間

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

普段喋らないトーマスやエルドラド、スノーローズまでもが叫んだ。





次話は今年中には書きたいっすね、はい。

賢者を冥界側の味方につけるか否か

  • 味方にする
  • しない
  • 味方にして、R18指定のストーリーを出す

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