硯谷につく前に先生が盲腸で車を運転する人が居なくなったので歩いて向かう事に。
何故俺が。
昴さんや葵さんはともかく俺は男バスのメンバーなんだが。
到着すると
相手の監督が出てきて少し揉めたが俺がいるからOKとなった。条件は練習に参加する事。
翌日の練習に参加すると休憩時間に未有が来て
「白夜!久しぶりね。会うのは。」
「そうだな。県別の代表チームの男女合同合宿以来だな。相変わらず小さいな。」
「白夜が大きいのよ。それに私は女の子だからいいの。」
と未有との話に盛り上がってると硯谷の監督が
「男女の県代表がいる事なので2人には1on1をやってもらいましょう。」と言ってきた。
当然やることになってしまって。
「白夜。手を抜くのはダメだからね!」
「手を抜いたら負けるから抜かないよ。」
と答えると
「それじゃあ攻めは白夜君からね。」
と硯谷の監督の妹さんの人に言われた。
ボールを未有から返されると俺は直ぐに抜きにかかる。
なかなか抜けないな。
「やっぱりお前相手にこのプレイスタイルじゃあダメだな。」
「どういう事よ。」
「もう一つの方で行くからコケるなよ。」
と使えると俺はアンクルブレイクを仕掛けて未有をコケさせてシュートを打つ。
みうはそれを見て
「何よ今の。」
「アンクルブレイク。相手の重心が移る瞬間にボールを入れ替える事で踏ん張れなくなって相手はコケる。そんな技だよ。もう一つの本気のプレイ。速さでの攻めと逆をつく攻め。二種類を相手によって使い分ける。まだ完成したばかりで穴も多いけどね。それとこれで確信したよ。未有は体幹が弱い。」
そう言って俺は守備に着く。
side昴
白夜が今やった技は狙ったのか。アンクルブレイク何て高等テクニックを小学生で完成されるなんて普通は不可能だ。
「ねぇねぇスバルん。」
「どうしたんだ真帆?」
「白兄がやったのって何?」
「アンクルブレイク。相手の重心が移った瞬間に反対方向に動く事で相手をコケさせる高等テクニックだよ。狙って出来るのはプロでも1握りだろうね。」
「要するに白夜は相当すごい技を今あっさりやったんですか?」
「そうだね。あんなの日本じゃあ出来る人はいないと考えていい技だよ。」
sideback
その後俺は未有の攻めを連続で止めて俺の攻めは連続で決まる。
終わってベンチに座ると俺は無意識に一言。
「疲れた。」
と呟いていた。
すると隣に未有が座ってきて
「私の完敗よ。あんなの出されたら勝てるわけないよ。」
「そんな事ねえぞ。最近練習で1on1をやってると見えてくる相手の少し先の動きを使うんだ。目と頭がめちゃくちゃ疲れるんだよ。そんな技を試合中フルで使える訳ないだろ。」
「それもそうね。・・・あの合宿の時の約束ってまだ続いてるの?」
「お前が正月休みになって実家に帰ったら一緒に行こうってやつだろ。」
「そうよ。何だかんだで友達になって2年経つわけだし小6にもなったしさ。」
「去年も同じ事を言って親にダメだって言われただろ。俺はてっきりもっと先の話になると思ってたけど?」
と未有と話していると
「白兄!」
と真帆が空気を読まずに出てきた。
「何で白兄がチビリボンと一緒に!」
「俺と未有は友達だ。一緒にいて何が悪い?」
「明日の最終日に試合があるのに馴れ合うのはダメ!」
「馴れ合うも何も久しぶりに会う友達と一緒にいるくらいいいだろ?」
「友達・・・」
「何か意見があるなら1on1で俺に勝ってから言うんだな!まぁ勝たせる訳ないけど。」
「何をー!今から勝負だ!」
「いいぜ!1回でも俺を抜けたら真帆の勝ちでいいよ。」
「ちょ!白夜。」
「大丈夫。未有でも俺を抜けなかったんだ。智花ならまだしも真帆にはまともにドリブルもさせないよ。」
と言って未有の頭を撫でてから立ち上がる。そして
「それに俺はバスケで手を抜ける程優しくないしね。」
と言って目の前のコートで1on1を始める事になった。
side未有
「それに俺はバスケで手を抜ける程優しくないしね。」
そう言ってコートに向かう白夜の姿が遠くに見えた。
少しして1on1が始まる。
白夜の妹の真帆も白夜に似て動きが速い。でも
「真帆。見せてやるよ。基本のディフェンスを。」
白夜がそう言って試合が始まって
最後までまともにドリブルも出来ない試合が終わった。