良いあらすじが思いつかんとです……。
「なんだこれはっ....!」
長門は絶句した。
それは何故か。
見慣れた鎮守府が地獄と様変わりしていたからである。
今日の朝、駆逐艦達が見送ってくれた漁港は血に染まり、穿たれ、壊れている。
「これは酷い.....」
漁港だけではない。
皆が花を植えていた花壇も。
提督と散歩した公園も。
全てが救いようもなくどうしようもなく壊れている。
思い出が、喜びが、幸せが、崩れ去っていく。
呆然と立っていると
「て、提督は?!」
と、熊野が叫ぶ。
その一言に周りの艦娘達も我に返る。
「そ、そうね!皆、提督を探しましょう!」
今度は陸奥が旗艦らしく統率をとる。
そうして私達は地獄と化した鎮守府に走っていった。
昼時だったこともあり、まずは食堂から探すことにした一行。しかし……
絶望だった。
そこにあったのは絶望だった。
血に染まる食堂。
テーブルの上には代わりとでも言いたげに赤黒く染まった塊が乗っている。
しかし、何かというのはすぐにわかった。
「う....ぷ...」
鈴谷がうずくまる....。
そしてあるものが落ちているのに気がつく.....。
落ちていたのは、とある艦娘の帽子だった。
「誰がこんなことを....」
「と、取り敢えず執務室に...」
飛龍がそう言ったところで、執務室がある棟が爆発した。
俺の鎮守府は陥落した。
何故かは言うまでもないだろう。深海棲艦の奇襲のせいだ。
なぜ、あの場から生還できたのかはわからない。いや、もしかしたら、まだ病院で夢でも見ているのかもしれない。
だが、近くにいる艦娘たちの体温を感じ取れるし、さっき転んだときは相当に痛かった。まあ、打ったところが怪我をしている場所だったからなおさらだったが。
俺は今、ある鎮守府の前に六人の艦娘と共にいる。
俺の目論見が上手くいけば、彼女たちは俺の元からいなくなる。とはいえ、俺が提督でない以上、それが正しいのだが。
未だに彼女たちから「提督」とか「司令官」とかと呼ばれるのに何の疑問も持たないのは、それが普通だと慣れてしまったからだろう。
俺は目の前の鎮守府を見、
(これで俺は、ようやく死ねるのか)
と思った。
思ったが、別に命を絶つという意味で死ぬわけではない。提督としてだ。
などと思っていると。
「あの、どちら様でしょうか?」
と、艦娘であろう一人の女性が声をかけてきた。
長い灰色がかった黒髪と橙色の瞳、巫女服のような服装した、全体的に優しげな女性である。
右手に膨らんだ買い物袋を持っているので、買い出しにでも行っていたのだろう。
「……もしかして、提督に何か御用ですか?」
おそらく、六人が艦娘であるとわかったのだろう。そう聞いてくる。
その問いに俺は答える。
「ああ。実は……」