どんな人生でも好きなことして生きられれば最高さ   作:はないちもんめ

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内容が進んでねえ・・・


1.6 地雷は何処にあるか分からないから気をつけよう

剣と拳が激しく激突する。

 

さっきから幾度となく繰り返された後景だった。

 

辺りの風景はこの短時間で著しく変わった。

 

周りの建物は衝撃波で吹き飛ばされ、避けた拳や剣は大地を壊した。

 

そこには、あっという間にちょっとした災害が通りすぎたような景色が広がっていた。

 

しかし、そんなことはレインにとってはどうでも良かった。

 

「何で!何でなんだよ!!」

 

それは、レインの心からの声だった。

 

 

 

 

 

俺は耐えられない思いだった。

 

胸が張り裂けそうだった。

 

こんなことがあって良いはずがない。

 

こんなことは許されないはずだ。

 

昔からずっと決まっていた。

 

それがルールだった。

 

それが当たり前だった。

 

なのに、何で…何で…!?

 

「何で…ナカジマの武器がバットとグローブじゃないんだぁーーーーー!!!」

 

「一体何の話をしてんだ、てめぇは!!!」

 

レインは盛大に吹っ飛ばされた。

何処までも平常運転の男である。

 

 

 

 

 

 

 

 

ふざけた奴だ。

 

率直に言って、それがノーヴェの感想だった。

 

態度にはやる気がなく、言葉はふざけきっている。

 

言動だけ見れば、とてもではないが凶悪な犯罪者には思えない。

 

しかし一点だけ、どうしても認めなければならないところがある。

 

“強さ”

 

これだけはノーヴェは認めないわけにはいかなかった。

 

ふざけきっている言動にも関わらず、ノーヴェの攻撃は一度としてレインに有効打として届いていない。

 

正確に言えば、何度かは当たっている。現に今の攻撃もレインに直撃している。だが

 

(完全に受け流されてやがる……)

 

何てことないかのように、平然とレインは起き上がり、構える。ダメージはほとんどないようだ。何より殴った感触から完全に攻撃がいなされていることが露骨に感じられてしまう。しかも、気配から魔法を使っている形跡は見えない。つまり、レインは純粋な体術だけで攻撃を受け流しているのだ。

 

魔法でも何でもない。唯の“技術”でノーヴェの攻撃を防いでいる。

 

その事実に、どれだけ舐めた態度を取っていようとも、ノーヴェは警戒を緩めるわけにはいかなかった。

 

しかも、ノーヴェにはもう一つ警戒を強めねばならないところがあった。

 

(何で攻撃してこない?)

 

戦闘が一時終わり、再開してからレインはほとんど攻撃をしてこなくなった。

 

その理由も分からず、ノーヴェは嫌な空気を感じ、それを振り払うためにも一層激しい攻撃を仕掛けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

やりづれぇ……

 

それがレインの感想だった。

 

ノーヴェの実力は確かに驚異ではあった。だが、手段を問わずに殺って良いのであればレインには不可能なことではなかった。

 

しかし、先程コイツを殺すのは不味いということが分かってしまった。何故なら

 

(コイツ、原作キャラかよ……)

 

そう。さっきの発言からコイツがあのガキとギンガとスバルの知り合いなのは分かった。しかも、ここまでの戦闘でコイツがカツオ君の友達ではなく戦闘機人であることも分かってしまった。

 

ここまでの情報が揃えば、コイツが原作キャラなのは想像がつく。しかも赤髪で美人で言葉遣いが悪いという特徴まであるのだから、もう決まりである。

 

原作キャラであるならば、殺すわけにはいかない。何故なら、コイツが死ぬことで未来が変わってしまう可能性がある。

 

ティアナの性格が変わったことで未来が変わるだと?アイツは知らん。それに、生きていればおっけ、おっけ。

 

ともかく、未来を変えてしまう訳にはいかない。もし、コイツが死んだことで、主人公である高町なのはが負けるような未来になってしまっては目も当てられない。

 

高町なのはやティアナには馬車馬のように働いてもらい、悪を倒してもらう。

 

その結果、平和になった世界で俺は好きなことをして生きていく。

 

何という素晴らしい考えであろうか。

 

であれば、コイツをここで殺すことは論外だ。

 

更に言ってしまえば、ティアナの知り合いを殺すなんてできるはずがない。そんなことをすれば、俺がティアナに殺される。

 

とすれば、適当にいなすことがベストなのだが、コイツの場合

 

(手を抜いて勝てるほど甘い実力じゃないんだよな)

 

何という面倒くささ。

 

本気を出せば、勝てないことはないが未来もティアナも怖すぎる。

 

しかし、本気を出さなくて勝てる相手ではない。

 

その結果、下手に攻撃も出来ないでいる。

 

再び攻撃が命中し、空高く打ち上げられながら考える。

 

……どうしたもんかな、これは。

 

 

 

 

 

 

 

空中に飛ばされたレインが重力に従い落下していく。しかし、やはりダメージは少なくすぐさま起き上がる。

 

その事実にノーヴェは舌打ちをする。

 

「くそったれ・・・てめえ、何で攻撃してこない」

 

レインは思う。

 

何でと言われてもな。

 

攻撃しない理由がアレすぎてレインとしても伝えることができない。

 

そんなレインの態度を勘違いしたのかノーヴェは続ける。

 

「まさか、私が女だからとかいうふざけた理由じゃねえだろうな?そんな理由だったら、てめえ地の果てまで吹き飛ばすぞ」

 

再びレインは思う。

 

そんなわけねえだろ。

 

女だからと言って加減するなどレインにはありえない。地の果てどころか惑星外まで吹き飛ばすような規格外の女を知っているのだから。

 

しかし、ここまで言われて黙っているのはレインとしても納得がいかない。

 

言われたのなら言い返す。

 

レインは心の小さい人間なのだった。

 

「勘違いしてるようだな」

 

「何?」

 

レインとしてもただ殴られていたわけではない。あれだけ殴られていれば見えてくるものもある。

 

「おかげで一つ分かったぜ」

 

「まさか・・・!?」

 

ニヤリと笑うレインを見てノーヴェは戦慄する。

 

もしかして、今までの戦いは全てこいつの予定通りに進んでいたっていうのか!?

 

そんなわけはない。

 

しかし、レインと初対面のノーヴェはレインの自信満々な顔を見て盛大な勘違いを続けていく。

 

(確かに、そう考えれば今まで攻撃しなかった理由も説明がつく・・・私の武器を観察していたのか)

 

自然と重心が下に下がり、何時でも動き出せるように体勢を変えていく。

 

緊張からノーヴェの額には汗が浮かぶ。

 

「あんた・・・」

 

不意にレインが喋り出し、左手の剣がノーヴェへと向けられる。

 

何を仕掛けてくるか分からないレインの一挙手一投足をノーヴェは見逃さないように凝視する。

 

「着痩せするタイプだな?」

 

「いきなり何を言ってんだてめえは!!!!」

 

レインの発言に思わず緊張を解いて突っ込むノーヴェ。

 

「おいいいいい!!!!!いい加減にしろよお前!!!!私と会ってからほとんどずっとギャグモードじゃねえか、頼むからシリアスモードになれよ、これシリアスシーンだぞ!!」

 

「ふっ。俺としたことが思わず騙されそうになっちまったぜ・・」

 

「雰囲気でシリアス出してるつもりだろうが、全然シリアスになってねえんだよ!!言ってることはただのセクハラだろうが!!」

 

「確かにボディラインを隠すというお前の戦略は見事だった。それもあえて大きめの服を着るというありきたりな方法ではなく、体に若干フィットする服を選ぶというチョイスもな。隠すことではなく、敢えて見せることでお前は自分をごまかしたんだ・・・大したもんだよ」

 

「嬉しくねえし、そんなこと考えてもねえよ!!!」

 

「だが、俺の目はごまかせない。あれだけ近くで胸が揺れるのを見せられたら・・・な。幾ら隠したことで推測するのは容易だ。ツメが甘かったな」

 

「うるせえよ、このスケベ野郎!!戦闘中どこに注目してんだ!!」

 

「あんたの胸だけど?」

 

「はっきり言うんじゃねえー!!!」

 

顔を真っ赤にし、自らの体をレインに見せないようにしながら突っ込むノーヴェ。恥ずかしさから目が潤んでいる。

 

「やれやれ。あんたも自分の価値が分かっていないな?あんたクラスの美人がいたら男は絶対に胸を見る。もちろん尻もな。賭けても良い。ただ、他の奴はそれを隠しているだけだ。俺は隠さない。俺は常にオープンだ」

 

「うるせえよ、このド変態が!!!」

 

「おっと」

 

真っ赤になりながら頭上から放たれたノーヴェのかかと落としを一回転して躱す。しかし、怒りのままに放たれたノーヴェのかかと落としは地面を砕く。

 

後から振り返ったノーヴェは言う。あれは人生最高のかかと落としだったと。

 

しかし、砕いた地面から発生した砂埃でレインの姿を見失ったノーヴェは自らの失敗を悟る。

 

「ちっ!!あの変態はどこに」

 

「黒か」

 

「は?」

 

突然近くからレインの声が聞こえたが発言の意味が分からなかった。

 

しかし砂煙がはれた後にレインの言葉の意味を悟る。何故なら

 

双眼鏡を使って自分のスカートの中を見ている変態(レイン)がいたからだった。

 

怒りと恥ずかしさから震えるノーヴェ。

 

「な・・・な・・・な・・・」

 

「ん?」

 

「何してんだてめえは!!!」

 

「うお!!??」

 

踏みつけるように攻撃してきたノーヴェの攻撃を避けるレイン。ギリギリだったらしく本人も冷や汗をかいている」

 

「危ねえな。双眼鏡壊れるととろだったじゃねえか。人のものは壊しちゃいけねえって母ちゃんに教わらなかったのか!!」

 

「てめえがそれを言うのか・・・」

 

未だにノーヴェは震えているが、声は小さくなっている。怒鳴っていたさっきまでより恐ろしい。

 

「まあ、そんなに怒んなよ。今度もっとお洒落なパンツ買ってやるから。しっかし、黒とはね。何?色っぽいのを穿きたいお年頃?」

 

ブチっ

 

そんな聞こえるはずもない何かがレインには聞こえた気がした。

 

「もういい。分かった」

 

さっきまで真っ赤になって震えていたノーヴェの震えが止まっている。

 

レインはこの戦いで初めて冷や汗をかく。この感覚はあいつと対峙して以来の感覚だ。

 

無表情でノーヴェは言い放つ。

 

「お前を殺す」

 

そこでようやくレインは気付いた。

 

あれ?俺もしかして地雷踏んだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




学園にて
ティアナ「スバル。ギンガさん。ここの後始末お願いしても良いですか?」

スバル「え?別に良いけど」

ギンガ「何かあるの?」

ティアナ「ちょっと別の奴を始末してきます・・・」

スバル・ギンガ「「はい!!!分かりました!!!」」
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