どんな人生でも好きなことして生きられれば最高さ 作:はないちもんめ
「おっさん、やっぱり俺帰るわ」
他の用事がこの近くの星にあるということで、カイルまで一緒に来たおっさんに俺は告げる。何だこれは・・・今すぐ帰れと俺の勘が言っている。
「ここまで来て何言ってんだお前は」
「俺クラスになると感じんだよ・・・危険センサーがビンビンいってんだよ、俺の息子もビンビンしてんだよ」
「お前はイチイチ下ネタかボケを挟まないと会話ができねえのか」
「すっかり元気が無くなってるおっさんとは違って俺はまだ現役なんだからしょうがねえだろ?しかもメジャープレイヤーだから。バリバリの」
「いいとこ草野球レベルだろうがお前の何て。それと俺はまだ現役だ。山〇昌くらいまで現役だ」
「てめえ、俺のレインさんなめんじゃねえぞ。確かに少し控えめな所あるけど、やる時はやる子だから。本気出してないだけだから。後、あんたじゃ山〇昌は無理だから。前におっさんの奥さんに聞いたけど、最近萎えるの早すぎってぼやいてたぞ」
「あいつは俺の本気を勘違いしてんだよ。実際俺は後三回変身できんだよ」
「変身した所でたかが知れてんだよ。完全にパワーのインフレに取り残されてんだよ」
「全国のフリ〇ザ様ファンに謝れ、バカ野郎。それよりも、お前が危険を感じるだと?おかしいな、この星にそんな強い奴はいないはずだが」
「スカウタ〇で調べてみたらどうだ?変身前なら持ってるだろ?」
「生憎とベジ〇タに壊されちまってな。お前の気のせいって可能性はないのか?」
「なめんなよ、おっさん。俺はこの勘があったから今まで生き残ってこれたんだよ。あのバーサーカーから逃げ延びることができてんだよ」
「そうだったな。まあ、お前なら何とかなるだろ。あの嬢ちゃん以外が相手なら」
「おい、止めろ。あいつの名前を出すな。来たらどうすんだよ」
「来るわけねえだろ。嬢ちゃんの管轄からどんだけ離れてると思ってんだ」
「絶対って言いきれるか?」
「絶対だよ・・・多分」
「おい、何で最後弱気になった」
「何故だろうな。普通なら絶対にあり得ないことでも、お前と嬢ちゃんなら平然と起こしそうなんだよ」
「だから、そんな風に言うなっつーの!!」
「とにかく、何があろうとお前は依頼を受けたんだからしっかりやってもらうぜ」
「ちっ・・・わーったよ」
「わかりゃ良いんだよ。俺はこの付近の惑星で用事があるから、此処から離れるが二週間くらいでまた此処に来る。その時までにきちんと仕事を終わらせとけよ」
「ほいよ、あんたこそしっかり迎えに来いよ」
「分かってるよ。じゃーな」
そう言って、おっさんと宇宙船は空の彼方へと消えていった。
さて、これからどうするかね・・・
とりあえず、情報収集をしてみるか。そう考えた俺はカイルの首都まで移動し、近くの人たちに質問することにした。
「なあ、婆さん。ゴール・〇・ロジャーの残した財宝を知らないか?」
「悪いが、ラ〇テルには行ったことがないんでね」
「なあ、お嬢さん。俺の息子と接続してみたいと思わないか?」
「お巡りさん、来て下さい。こっちに変態がいます」
全く、冗談も分からないとは悲しい人達だと俺は、ため息を吐く。これくらいの冗談は日常茶飯事だろう。だから、俺を追いかけてるお巡りさん許して下さい、お願いします。
しかし一体何処に、そのバカ共の隠れ家はあるんだ。
あのオッサンも首都の何処かにあることまでは知ってたけど、それ以上の情報を持ってはいなかったので、後は自分で探すしかなくなった。
しかし、良い場所だ。内乱が終わったばかりだから、程良く治安が悪いし、暖かい国だから皆露出度も高い。何より、あのバーサーカー執務官がここにはいない。・・・きっといない。いないに違いない。であるならば、仕事が終わったら移住することを考えても良いかもしれない。
俺はそんなことをわりかし本気で考えながら、近くで買ったハンバーガーらしき食べ物と自分のデバイスを見せびらかすようにしながら裏道を歩く。
気分としては週末に魚釣りに来ている感じだ。違いがあるとすれば、エサは俺で
「おい、兄ちゃん。良いもん持ってんじゃねぇかよ」
「俺たちにも少し分けてくれよ」
獲物は、こんなバカ共だということだ。
ひい、ふう、みい、よう…大体15、16人くらいか?まあ、丁度良い人数か。
予想通りの行動に出てくれたこのバカたちに心からの感謝をしながらハンバーガーを頬張る。こいつらの頭が悪いおかげで俺の計画通りに事が運ぶ。
「おい、何シカトこいてんだ、てめぇ。状況わかってんのか?あ?」
いやはや、ここまでテンプレな行動をしてくれると、こちらとしてもありがたい。話が予想よりも早く進む。ミッドチルダでは、こう簡単にはいかない。こんな奴等がいればたちまち管理局の奴等に捕まる。
しかし、それは悪いことではない。捕まることで反省し、今後の人生を一般人として生きることができる。そうであるならば、代わりに今こいつらを反省させる人が必要だ。心苦しいが俺が悪役となり、今からこいつらに自分達のした行為を反省して貰おう。
「お前らこそ状況わかってんだろうな」
俺は自らのデバイスを構える。
「お前ら最初から最後まで駆られる側の立場なんだぜ?」
ニヤリと笑い、俺は日本刀のような形の自らのデバイスをそのままリーダーっぽい奴の顔面にぶち当てる。うむ、キレイに吹っ飛んだな。
「て、てめぇ」
周りの奴等も急いで武器を構えるが、圧倒的に遅い。さて、これは俺基準では、どう考えても正当防衛だ。加えて、こいつらに反省させるためには少々痛い目にあって貰わなければならない。
日頃バーサーカー執務官のせいで溜まりに溜まってるストレスを発散させたいとかは思ってない。絶対にない。
「lets show time」
「まあ、あいつら程度の奴等の持ってる情報なんてこんなもんだろ。さて、行くか」
俺は戦闘後大人しくなり、快く俺の質問に答えてくれるようになったチンピラ共に幾つかの質問をし、差し出してくれた金銭を頂いてからその場を去った。恐らく、反省させてくれたお礼がしたかったのだろう。
いや、奪ったんじゃないよ?あちらさんが泣きながらくれるって言ったんだよ?
この臨時収入は後でありがたく俺のレインさんのために使わせて貰おう。最近使ってないし。
あいつらの話だと町の東側に胡散臭い奴らが出入りしてたらしい。確かその辺りはハウザーって奴の家がある場所だ。反乱が終わった今でも唯一残ってる貴族階級の人間である。手を出すと面倒だから関わるなよっておっさんが言ってたが、言われなくても関わるつもりはない。俺は平和主義者なのだ。
平和主義者の俺としては、そんな場所に行きたくはないのだが怪しい場所がそこにあるのでは行くしかあるまい。依頼を達成させねば何を言われるか分からんし。
そんな訳で、東側に移動した俺は怪しいと思われる場所を手当たり次第に調べたのだが、まるで見つからない。まさか、あのバカ共嘘を言いやがったか。
これは酷い。反省させてあげた俺に嘘をつくとは許せない行為だ。もしかしたら、あいつらも知らなかったのかもしれないが、それはそれで問題だ。無知は罪なのだ。
そう判断した俺は追加制裁を科すべくバカ共の所に向かったが、その途中で大きな屋敷を見つけた。恐らくこれがハウザーとやらの屋敷だろう。
近づいて見れば、随分と金がかかっている建物であることが分かる。どうせ、全部国民の税金だろう。俺としてはこういうことは許してはいけないと思う。だとすれば、この中にあるものを俺が盗んで換金し、全てこの国で使うことで経済を回してあげた方が皆のためには良いのではないだろうか。
「止めときな」
いきなり俺に知らない爺さんが声をかけてくる。誰だよ、この人。
「止めるって何を?」
「この屋敷に忍び込もうとしてたろ」
驚愕である。まさか、あのおっさん以外にも禁じ手である地の文読みができる人がいるとは思わなかった。
「そんなに驚くことか。あんだけ悪そうにニヤニヤ笑いながら、屋敷に近づく人がいれば誰でもそう思うわ」
どうやら俺にはポーカーフェイスの特訓が必要らしい。しかし、今はまず聞くべきことがある。
「止めるってことはあんた、この屋敷の関係者か?」
「アホ抜かせ。こんな屋敷どうなろうが構わねえよ。儂が心配してんのはテメエだよ。今はマズイ」
「今は?」
「ああ、今はだ。一時間くらい前に管理局のお偉いさんが二人この屋敷に入るのを見た。わざわざガードがキツイ時に入る必要もあるまい」
「へえ、二人も。てか、何でお偉いさんだなんて分かるんだ?」
「んなもん服装見れば一発だ。一人は普通のオヤジだったが、もう一人はキツイ性格してそうだったが凄い若い美人さんじゃった。儂がカミさんに出会ってなければ口説いてたほどにな」
「年齢考えろよ爺さん。そういうのは俺に任しときな」
「ふん。まだまだ青二才には負けんわい」
元気な爺さんである。まあいい、この爺さんが言っている通りだとしたら、今忍び込む必要はない。わざわざ、虎穴に首を突っ込む趣味はない。
「んじゃ、爺さん。ついでに質問なんだが、この辺に安く泊まれるとこはないか?飯が付いてれば更に良い」
だから、今日はもう休もう。あのバカ共への追加制裁は明日で良い。
「ふむ。あるにはあるが、飯は付いておらんな。飯は何処かで適当に食え」
「おお、ありがとう。んで、場所は?」
「儂の家だ。宿をやっとる。情報をやったんだから、見返りに泊まれ」
とんでもなく商売上手な爺さんだ。これは断れない。
「分かったよ。飯を食べたら行くから地図をくれ」
「ほいよ。これじゃ」
「んじゃ、また後で」
そう言って爺さんと別れた俺は安い飯屋を探した。おお、あそこなんか良さそうだな。値段交渉もできそうだ。
「おい、親父。この弁当の蓋にハナクソ付いてるぞ。割引しろ」
「いや、お前さっき自分でハナクソ付けてたろ。見たぞ」
何という親父だ。自分の非を認めずに相手を疑うとは。これは俺も言い返すしかない。少々強引な手を使っても。
俺はデバイスに手をかけながら、親父と平和的な交渉をするために前のめりになると、誰かが俺の肩に手を置いて、話しかける。
「いや、あなた確かに自分で自分のハナクソ付けてたわよね。私も見たわよ」
「おいおい、言いがかりは止めてくれよ。何か証拠でもあんの?カメラ撮ってるの?そういう大多数で少人数脅すとか俺嫌いなんだよね。悪いけど帰って貰える?」
「残念ながら証拠はないし、カメラも撮ってないわね。でも、他のモノならあるから、振り返って貰える?」
おいおい、何なんだよこいつは。声から女であることは分かる(というか、聞き覚えがあるような)が、女だからって優しくして貰えると思ってんの?今の時代は男女平等だよ?
もし彼女がそのように考えているのであれば、間違いは訂正しなければならない。今の時代は男女平等だし、このハナクソは最初から付いていたのだ。
俺は何があっても絶対に謝らないという覚悟を持って振り返ると、そこには
「この人に今すぐ謝るのと人生にピリオド打つのと、どっちが良い?」
顔中に青筋を浮かばせながら、とてつもないキレイな笑顔でクロス・ミラージュを俺の眉間に突きつける俺の天敵(ティアナ・ランスター)がいた。
俺は何の迷いもなく直ぐに親父に向かって全力の土下座をした。
あまり、物語が進んでないような…