S.T.A.L.K.E.R.: F.E.A.R. of approaching Nightcrawler   作:DAY

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Interval 16 Ecologists

 数日ぶりのベットでの睡眠は悪くないものだった。

 明け方に二段ベットの上で寝ているユーリのいびきで目が覚めたフィアーは、さっそくシャワーを浴びることにした。

 久方ぶりのシャワーはなかなか爽快で、ユーリがあれだけ拘っていた理由も分かるというものだ。

 

 更に広めの更衣室には洗濯機と乾燥機まで置いてあったので、それも使用させてもらうことにする。

 洗濯機で洗えるものは全て洗濯機に放り込み、洗えないものはシャワールームで洗って乾燥機に放り込む。湿地帯で泥まみれになったブーツを丸洗いできたのはありがたかった。

 その後フィアーは洗面台に向かい、剃刀で伸びてきた髪を刈り込み、無精髭を剃ると、地下道で拾った煙草を口に咥えて一服した。

 

 ……不味い。しかしシャワーと同じく久しぶりに文明に接触した気分は悪くはなかった。

 

 暫くそのまま更衣室で煙草を味わっていると、ミハイルがやってきた。

 

「おはようフィアー。随分と早いな」

 

「ユーリのいびきで目が覚めたのさ」

 

 そう返すとミハイルは笑った。

 

「気持ちはわかる。俺達もたまに寝ているアイツの口に布切れを詰め込みたくなるからな。ああ、エコロジスト達は朝飯も出してくれるそうだ。ここのトーストと目玉焼きは絶品だぞ」

 

「随分とサービスがいいな。ここはホテルか何かか?」

 

「元々ここに入れるのは彼らが認めた一握りのストーカー達だけだ。彼らは優秀なストーカーに対しては親切なのさ。後は単純に彼らの機嫌がいいというのもある。あの雷キメラの爪や体組織は貢物としては上物だったようだ」

 

 彼らに付いてきたことで伝手もコネも無しに、飛び入りでここに入れたことは結構な幸運だったのかもしれない。

 だがフィアーは文明的な生活を送るためにここに来たわけではなかった。

 

「機嫌がいいならついでにナイトクローラーの事についても聞きたいんだが、そちらのほうはどうなった?」

 

「それに関しては朝食の時に直接彼らに聞いてみるといい。ユーリが聞き出したところによるとクルグロフ博士が一度彼らに襲われたって話だ」

 

「……あいつらと接触してよく生きてたな」

 

「いや、助手や護衛が殺されたって話だ。あんたが奴らを痛めつけるつもりなら、クルグロフは喜んで喋るだろう。……その煙草一本貰えるか?」

 

「ああ、構わんよ。ただし不味いぞ」

 

 その後二人揃って煙草を一本ずつ吸った後、ミハイルもシャワールームへと入っていった。やはりミハイルも不味いという感想だったが悪くは無さそうだった。

 やがて洗濯と乾燥が終わったことを確認すると、フィアーは服やブーツを取り出して着込んだ。

 乾燥機の乾燥機能は強力で衣服はまだ熱を持っていたが、その清潔な熱はむしろ心地よい。

 朝食まではまだ小一時間はあるのでフィアーは、外部と通信できるかどうかを確認しにエコロジストの元へ行った。

 

 ZONEに入ってからは、ZONEの上空に存在しているアノーマリーのせいで外部との通信はさっぱりだったが、ここは科学者のラボだ。外部との通信が可能かもしれない。

 例の防弾カウンターの向こう側では、この早朝にも相変わらずサハロフ博士がなんらかの研究をしていたので声をかけて、この施設の通信システムのことを尋ねてみる。

 

「外との通信?それなら問題なく使えるよ。この施設には外部との通信用の強力なアンテナがついてるからね。PDAがあるなら施設の無線ネットワーク経由で、外とやりとりができるようになってるからやってみたまえ」

 

 そう言われてフィアーは自分のPDAのシステムを確かめた。PDAでこのラボの無線ネットワークを拾って接続。そして海外へのネットワークへと接続出来るということを確認する。

 しばしの沈黙の後、PDAがF.E.A.R.本部のネットワークに接続した時、フィアーは目を疑った。

 なぜならF.E.A.R.本部のネットワーク・システムが凍結されていたからだ。

 これはF.E.A.R.が実質的に活動停止状態になっていることを意味することに他ならない。

 暫く黙考した後、フィアーはベターズへの個人的な回線に繋げることにした。

 この回線を使うのは最後の手段だと念を押されていたのだが。

 この回線すら凍結されていたら最早お手上げだったが、暫くコール音がなった後、回線が繋がった。

 

「……やあ軍曹。どうやら無事ZONEに侵入できているようだな」

 

 久しぶりのベターズの声。しかしこの腕利きの作戦コーディネーターの声はいつもより精彩が欠いているように聞こえた。

 

「こちらの任務は一応順調です。ZONEにおいてナイトクローラーの存在を確認。接敵しました。逃げられはしたが、時間の問題です。……それよりそちらはどうなっているのです?なぜFEAR本部のネットワークが凍結されているんです?」

 

「うむ。そちらのほうは順調のようでなによりだ。だがこちらはとてもじゃないが順調とはいえない。

 ……順を追って説明していこう。オーバーンの混乱を納めるためにATC社が乗り込んだって話は覚えているだろう。奴らは俺達の予想以上に上手くやった。

 自分達にとって不利になる証拠を徹底的に排除して、逆にヴォールトのリアクターをふっ飛ばしたのが例のF.E.A.R.隊員だと突き止めた。

 しかも悪いことにその例のF.E.A.R隊員はヘリでの回収中でヘリが墜落して、行方不明になってたんだが、よりにもよってATC社の私設軍に捕らえられてしまった。

 お陰様でオーバーンの悲劇の原因は我々のせいにされつつあり、我々の活動は一時的に停止されることになった。ネットワークが凍結されたのもそれが原因だ。

 そして事故後の迅速な対応によってATC社は正義の味方扱いだ。米軍もオーバーンでの地獄のような環境下に自前の兵士を送りたくないものだから、ATC社が好き勝手しているのを黙認している」

 

 状況はここ数日で予想以上に悪化しているらしい。

 

「それで?ここから我々が逆転のカードを得るにはどうすれば?」

 

「我々のほうで例のF.E.A.R.隊員の奪還を計画中だ。上手く彼を使えばオーバーンのあの状況を解決することができるかもしれない。ただこれには暫く時間がかかるので、この事は今は気にしなくていい。お前はお前の任務を果たせ。

 それとATC社とZONEの繋がりを再度洗った所、気になる部分が出てきた。どうもATC社はZONEの集団となんらかの取引を行っていたらしい。レプリカ兵を運び込んだ記録もでている。どんな集団かは不明でモノリスという単語しかわからなかった。

 そしてもう一つ、ATC社の私設軍―――その中でも非正規戦闘を受け持つブラックオプスと呼ばれる中隊が、勝手にATC社から離脱したナイトクローラーに制裁を与えるために、ZONEに入ろうとしているという情報がある」

 

「随分とZONEが賑やかになりそうですね。ナイトクローラーだけでも持て余してるってのに」

 

「奴らの本当の狙いは制裁などではなくて、ナイトクローラーが持っているであろうフェッテルの遺伝子データだ。アルマの遺伝子データはこちらが完全に処分したから、奴らとしてはもうそれに縋るしかないのさ。

 結局の所どれだけATC社が好き勝手できていても、オーバーンの惨劇は収まるどころか拡大しつつある。米軍からフリーハンドを与えられているとはいえ、アレをどうにかしなければあの会社は破滅するのは間違いないからな」

 

「つまり自分の任務はナイトクローラーだけではなくて、ATC社の連中の手にも遺伝子データが渡らないようにしなければならないというわけですね」

 

「そういうことになるな。いくらお前でも奴ら二つを同時に相手にするのは自殺行為だ。うまく両者をぶつかり合わせて消耗させたほうがいいだろう。

 それとナイトクローラーについて調べた所、新たな事実が判明した。元々奴らはATC社によって作られた、F.E.A.R.のような特殊能力者による戦闘部隊の前身ともいうべき存在だった。

 それも唯の実験部隊ではなく、これらの特殊な能力のデータ取りも兼ねた非合法の戦闘部隊。ATC社の私兵部隊でも最古参の歴戦の部隊で、状況によってATC社との繋がりのある有力者に『貸し出されて』いたようだ。

 我々F.E.A.R.も、奴らのデータを参考に作られたと言っても過言ではない。我々の情報が筒抜けだったのはその辺りが理由だろう。

 奴らは訓練としてZONEで活動し、異常現象下に置ける対応を学び、奴らが纏めたノウハウを元に我々やATCの私設部隊は異常現象下での戦闘術を学んだことになる。

 元々ZONEで活動していたナイトクローラーに比べて、これからやってくるであろうブラックオプスは恐らくは戦力としては一段落ちるだろう。だが奴らは金にあかせて最新鋭の装備と兵器を持ち込んでくる可能性がある。十分注意しろ」

 

「最新鋭の武器を持ってきてくれるなら望むところですよ。こちらにはまともな武器が予想以上に少ないのでね。奴らがストーカー共に身包み剥がされるのが楽しみです」

 

 実際の所フィアーは、そのブラックオプスなる連中に対し大した危機感は抱いてはいなかった。

 最新鋭の兵器も大量の人員投入も、このZONEのアノーマリーの洗礼を受けて壊滅するのが落ちだと考えているのだ。そもそもそういった力技は、ZONEが発生した初期にウクライナ政府軍がやって壊滅的な打撃を受けている。

 しかしそんなフィアーを窘めるようにベターズは言った。

 

「連中を余り侮らないほうがいいかもしれん。奴らも悪霊と怪物が蠢くオーバーンで活動し、結構な死人を出しつつも、ATC社にとって不利な証拠を人員ごと消し去った実績があるからな。

 ところでこの通話は政府の科学者のラボを経由して、ネットワークに繋いでいるな?彼らはウクライナ政府筋の人間で、アメリカや外国の企業であるATC社とは繋がりは薄い……とはいえZONEで唯一の研究施設だ。もしかしたらそっちのほうとも繋がっている可能性はゼロではない」

 

「この通話の内容がATC社辺りに筒抜けになるかもしれないと?」

 

「そういうことだ。まあ聞かれても大したことは喋ってないから別に構わんがな。だがATC社が本格的にZONEに介入してきたら気をつけた方がいい。

 無法者のナイトクローラーと違って、奴らは正式な政府の許可証を持って乗り込んでくるだろうし、その場合協力を要請されたらそこの科学者達も無下にはできないだろう。F.E.A.R.隊員はATC社じゃお尋ね者だ」

 

「了解しました。それにしても悪いニュースばかりですね。この分だと再就職先も探す羽目になりそうだ」

 

「最悪の場合米国そのものが無くなるかもしれん。その場合ZONEで就職先を探したほうがいいかもな」

 

 軽い皮肉だったがベターズはそれすら笑い飛ばす気力がないらしい。これは本格的に不味いかもしれないな、とフィアーは思った。

 その後ベターズと作戦の方針を話し合った後、通信を切った。

 方針といってもナイトクローラーの持つ遺伝子データをATC社より先に確保する。そしてATC社の私兵部隊はこちらがF.E.A.R.隊員だと知れば間違いなく攻撃を仕掛けてくるから、最初から敵対しているつもりで接すること、と言った程度だが。

 しかしブラックオプスなる部隊がZONEに乗りこんで来ると言っても、大部隊故に準備に手間が掛かり、やってくるまでには最低一週間以上はかかるだろうというのがベターズの見解だった。

 

 そして、エコロジスト達にもブラックオプスに対する警告をしておくことも忘れてはならない。

 ATC社の兵士が、誰かに物を頼む時は相手に銃口を向けることから始まる。政府の許可証と銃を盾に、このラボを接収するぐらいやりかねない。

 そういうわけでこのラボに長時間滞在するのもよろしくないだろう。

 そんなことを考えているとパンの焼ける香ばしい匂いがどこからか漂ってきた。

 PDAの時計を見るともう朝食の時間だ。

 彼はパンの匂いに誘われるようにシェルターの中を歩いて行った。

 

 

 

 ◆   ◆   ◆

 

 

 

「ようフィアー。朝飯はできてるぜ」

 

 シェルターの食堂に入るとユーリが声をかけてきた。

 食堂内部にはストーカー達全員と30代程の年齢の科学者がダイニングテーブルについて食事をとっている。

 彼が、昨日緑色のSFスーツの中身であるクルグロフ教授とのことだ。

 彼はこちらを見ると声をかけてきた。

「おはよう、フィアー君。ここのベーコンエッグは絶品だよ。トーストとスープははおかわり自由だ」

 

 と、開いた席を進めてきた。食事はダイニングテーブルの上にトーストの盛られた皿やオニオンスープの入った鍋等いくつかの料理があり、そこからほしい分だけ自分のプレートに載せるバイキング形式らしい。

 朝食なので種類は少ないが食欲をそそられるメニューだ。

 

「ベーコンエッグもいいが、サラダもオススメだ。ZONEじゃ生野菜はここでしか食えないからな」

 

 席に付くと早速ミハイルがプレートに山盛りのサラダを押し付けてきた。

 ミニトマトとレタスのサラダは確かに美味そうではあったが、流石にボウル一杯近くあるのは盛り過ぎではある。

 ふと周りを見渡すとやはりセルゲイも押し付けられたのか、山盛りのサラダを黙々と処理している。ユーリはそもそも野菜が嫌いなのか、プレートにサラダが乗っていない。

 

 仕方なく、フィアーは適当にドレッシングを振りかけてサラダを片付けはじめた。

 最早サラダを主食にほかの料理を片付けているような有り様だったが、久しぶりの生野菜は確かに美味かった。

 ベーコンエッグはトーストの上に乗せてそのままかじる。脂たっぷりのベーコンエッグは生野菜との相性もばっちりだ。

 更にここは食後のコーヒーまで用意されていた。単なるインスタントコーヒーだが悪くはない。

 

 タバコに続く久方ぶりの文明の味を味わうと、フィアーはクルグロフ教授に早速話を切り出した。

 

「教授。アンタはナイトクローラーって連中に会ったことがあるらしいな。悪いがその時のことを聞かせてくれないか?」

 

 不躾とも言えるフィアーの言い方にコーヒーを飲んでいたクルグロフ教授は、顔を顰めた。コーヒーの苦さでもフィアーの無礼さでもなく、当時の思い出に苦いものがあるのだろう。

 

「ああ、その辺のことはユーリから聞いている。あいつらを追っているんだってね。しかし……奴らは凶悪だぞ」

 

「だから俺に追いかけられる羽目になった」

 

「なぜ追うのか、と聞きかないよ。どうせそこら中で恨みを買っていそうな連中だしね。僕が彼らと出くわしてしまったのは半年程前だ。……とある研究データとアーティファクトを運搬している所に茂みから突然現れて、あっという間に護衛を皆殺しさ。彼らに囲まれて僕は両手を上げるしかなかった。

 その後は銃を突きつけられて持っているデータメモリとアーティファクトを全てよこせと言われて、僕は素直に差し出した。口答えしたら即座に殺されそうだったからね。

 彼らの口ぶりからすると最初から僕のデータ狙いのようだった。どこで情報を手に入れたかは知らないが。

 ともかく、奴らはデータが本物かどうか手持ちのPDAで確認すると改めてこちらに向き直った。ああ、この後僕を殺す気だな、これは不味いぞという時にZONEが珍しく奇蹟を起こしてくれた。

 その場に大量のネズミや豚のミュータントが駆け込んできたのさ。ブロウアウトの前兆だ。流石の彼らもこの事態は想定しなかったようで、混乱した。僕はその隙にミュータントやネズミ達と一緒に一目散に走りぬけ、近くにあった炎を発生させるアノーマリーの中に飛び込んでいった。

 僕らエコロジストのスーツはアノーマリーに対して強い耐性を持っている。炎の中を全力疾走して、アノーマリーを抜けた後、偶然見つけた古井戸の中に入って、その後発生したブロウアウトを凌いだ。そしてなんとかここまで逃げ帰ってきたというわけさ」

 

 彼の武勇談を聞いてフィアーは感心してため息をついた。

 

「……それは運がよかったな。奴らは関わった相手は大抵殺す。例え依頼人でも用済みになったら始末するような連中だ。ところでどんな研究データとアーティファクトを盗まれたんだ?」

 

「盗まれたアーティファクトは幾つかあるが、炎や電気に対する耐性を持たせるアーティファクト。後は高レベルの放射線を無効化するアーティファクトがいくつか。

 だが一番貴重なのはポータルというアーティファクトだ。滅多に発見されないアーティファクトでね。研究データもこれについての物だった。

 このアーティファクトは使えば空間を歪め、別の場所へとワープさせる能力を持っていた」

 

 ワープという突拍子もない単語にフィアーは、眉を顰めた。そういえばシドロビッチのガイドブックにも入ったものを別の場所に飛ばしてしまうアノーマリーが記載されていた。

 

「つまりそのアーティファクトを使えば自由に好きな所に行けれるということか?」

 

 そう問いかけたフィアーにクルグロフ教授は首を振った。

 

「いや、そんなに便利なものではない。このアーティファクトは対になっていて、それぞれが門の役割を果たしている。ある所に片方のポータルを設置して、別の所でもう片方のポータルを使うと一気に設置した場所まで戻れるという仕組みだ。

 つまり行ったことのある所にしかいけないんだ。しかもその移動範囲はZONEの中に限定されるときている。僕はそいつをどうにか量産できないだろうかという研究をしていた。まあ、その研究も現物を奴らに奪われて頓挫したがね」

 

「例えばそれを拠点に設置すれば、いざというときポータルを使って自由にそこに逃げ込めるということも出来るわけか?」

 

 クルグロフ教授は肩を竦めた。

 

「そういう使い方も確かにありだね。後は少数の偵察隊が敵の敷地にポータルを仕掛ければ一気に本隊を敵の敷地にワープさせて送り込むこともできるかもしれない」

 

 その言葉を聞いて、横で聞いていたミハイルが顎に手を当てながら呟いた。

 

「そう言えばナイトクローラーの連中は、神出鬼没な事で有名だったな。いきなり現れたり撤退する時もあっという間に消えるらしい」

 

 クルグロフ教授がその言葉に頷く。

 

「彼らがポータルを使ってZONEを移動している可能性は十分ある。一度使うとポータルは無くなってしまうが、僕の研究データを元に廉価版ポータルを作ることはできるかもしれない。もっともそれには僕達エコロジスト以上の技術力が必要になるけどね」

 

 それならATC社であれば可能だろう。

 

 フィアーは口の中で呟いた。だがATC社との繋がりまでは言わなくてもいいだろう。余り知りすぎると彼らも奴らに狙われるかもしれない。

 ついでにこの場でエコロジスト達とストーカー達に、ATC社の私設部隊が来るかもしれないことを伝えておく。

 しかし彼らはATC社の事は知ってはいたが、そのお抱えの私設部隊が来ることに対しては懐疑的だった。

 

「ATC社なら知り合いの傭兵がよく言ってたな。あそこはアーティファクトを高値で買ってくれるって話を聞いた覚えがあるが……」

 

 ユーリがそう言うとセルゲイが訂正した。

 

「いや、その情報は古いぞ。あいつらが気前よくアーティファクトに金を払ってたのはZONEが出来た初期の話だ。ここ最近は自前の傭兵部隊を使って、独自にアーティファクトを採掘してるからルートが潰れたってトレーダーが愚痴ってた」

 

「アーマカムは我々エコロジストから見ても商売敵のような奴らさ。ただ政府に多額の寄付金を出しているから大きな声で文句も言えない。彼らに我々の研究や情報が流出している節もある」

 

 クルグロフ教授が続ける。

 

「しかし私設部隊だって?そんなものまで繰り出してくるなんて聞いたことがない。どんな企業もお抱えの傭兵部隊の一つや二つ持ってるものだが、あくまで少数の部隊だ。ZONE全体を制圧しかねないレベルの軍なんて聞いたこともないよ。そんな大部隊、アノーマリーかブロウアウトで全滅するのがオチさ」

 

 フィアーはもその意見に対して同意だったが、先のベターズの意見もある。ATC社のテクノロジーならそれもクリアできるかもしれないと心の何処かで考えていた。

 

「彼らはZONEの初期に全滅したウクライナ軍とは違う。自分達が送り込んだ傭兵達を通じてアノーマリーの脅威を知り、アーティファクトを研究することで対抗策も手に入れているかもしれん」

 

「もしそうなら少し不味いな。大部隊がZONEの中心に入るとクリアースカイの悲劇がまた起きるかもしれない」

 

「クリアースカイの悲劇?」

 

「うん。もう一年近く前の話さ。クリアースカイという集団が遂にZONE中心部へと乗り込み、チェルノブイリ発電所へとたどり着いた。しかしその瞬間、過去においても類を見ない特大サイズのブロウアウトが発生して、彼らは全滅してしまったのさ。

 お陰で彼らは脳をやられ、永遠にその地を彷徨う羽目になったと聞いているよ。これ以前にも大規模な部隊がチェルノブイリ発電所に近づくと、それに呼応するようにブロウアウトが発生するのを確認している。

 だから僕らエコロジストはブロウアウトはZONEの一種の免疫反応だと考えている。何かZONEに致命的な事が起きそうになるとブロウアウトでリセットしにかかるんだ」

 

「それをアーマカムがどこまで知っているかだな。ここ数年のアーマカムの技術の伸びは異常だ。アーティファクトを研究したからそこの技術なんだろうが……あれほどの技術ならブロウアウトへの対抗手段も作っているかも知れん」

 

「彼らがブロウアウトを甘く見てなければいいけどね。クリアースカイの悲劇の時に発生したブロウアウトは、ZONE全域のアノーマリーを増加させ、アーティファクトの性質を変え、地形まで変えた。

 ZONEは意思を持っている。対抗手段を身につけても、それに対抗してより強力な攻撃を仕掛けてるんだ。彼らが無思慮にZONEの中に乗り込めば、僕達も巻き込んでの破滅が待っているかもしれない」

 

「それは多いにありうる。アメリカのオーバーンの事を知っているか?」

 

「ああ……、第二のZONEが生まれたっていうあれか。実に興味深いね。一度行ってみたいと思ってたところさ」

 

 フィアーは吐き捨てるように言った。

 

「やめておけ。あそこにはアーティファクトみたいなお宝は何もありはしない。あるのは底なしの人類への悪意だけだ。……そしてあれを作った原因はATC社だ。奴らの被害を無駄に拡大させる才覚は天才的だ。その才能がここでも発揮されないかどうか心配しているのさ」

 

 流石にその言葉に場が沈む。暫くしてミハイルが場の空気を変えるように言った。

 

「あんたの言いたいことはよくわかった。この話は他のストーカー仲間にも警告してアーマカムに注意するように伝えとくよ。でも実はアーマカムの連中が来るってのは少し期待してる部分もあるんだ。

 何とかして奴らの武器を手に入れることが出来ないかなってな。何しろSFに出てくるような武器を実現させているぐらいだからな」

 

 そのミハイルの言葉にユーリが反応した。

 

「ああ、あいつらの武器なら知ってるぜ。携行式のプラズマ砲とかドでかいパワードスーツとか!イカすよなあれ。ミリタリー雑誌で見てひと目ぼれしたんだけど、何処にも売ってねえでやんの。

 あのシドロビッチにも頭を下げて手に入れようとしたが、とんでもねえ値段を見せられて目をひん剥いたぜ。それだけの金があればとっとと引退して南の島で女の尻を追っかけてるってんだよ」

 

 忌々しげに悪態をつくユーリを見てミハイルが笑った。

 

「結局それで数千ルーブルも出してATC社の武器カタログを買って終わったって話だったか。そういえばFreedomの連中がアーマカム製の武器を持ってたな。

 あいつら色んな所にルート持ってるからATC社の連中と付き合いがあっても不思議じゃないが……」

 

「なんだ、そのFreedomってのは?」

 

 問い返すフィアーの言葉に鋭さを感じたのか、微かに怯みながらミハイルは答えた。

 

「一言で言えばZONEのアーティファクトを外に売り飛ばして、見返りに金や武器を手に入れてる連中さ」

 

「……そんな事はストーカーや傭兵でもやっているだろう」

 

「確かにそうだが、規模と考え方が違う。奴らは大々的に西側の企業と組んで、世界中にアーティファクトを売りさばいている。そして次にあいつらは筋金入りのアナキストだということだ。FreedomはZONEは人類の共有財産だと言ってZONEの物をどんどん外に持ち出すべきと考えている。人類とZONEは共生していくべきだとか」

 

 セルゲイがその言葉を聞いて皮肉げに口の端を釣り上げた。

 

「そんなもの組織を動かす為の建前に決まってる。奴らは結局の所、金の為に動いているだけさ。

奴らは節操がなさすぎる」

 

 それに対してクルグロフ教授も頷いた。

 

「ZONEを研究してる身としては彼らのように、そこら中にアーティファクトを売りさばくのは辞めてもらい所だね。気のいい連中だし、金さえ払えば動いてくれるから余り悪くは言えないけど」

 

「で、そのFreedomの取引先にATC社があるかもしれないと?」

 

 フィアーのその問にミハイルが頷く。

 

「アーマカム製の武器なんて高価すぎて、ZONEじゃ早々お目にかからん。持ってるとしたらトップクラスのストーカーか企業お抱えの傭兵部隊ぐらいなもんだ。だが直接取引してるなら手に入れる機会もあるだろう」

 

 その言葉にフィアーは考えた。確かにこれ以上は直接Freedomに聞いたほうがいいだろう。ZONEの二大勢力と言われるならこの先接触する機会はいくらでもあるはずだ……。

 だがそれとは別に、ATC社の私設部隊に関しては念入りに警告しておくことは忘れなかった。

 出来れば関わりあいにならないのがベストだということ。

 彼らの性質はあのナイトクローラーのそれに近いと言うと流石に、その場の全員が顔を引き攣らせた。最後に自分の事を口止めしてもらおうと思ったが、そこまで望むとこちらの素性も明かさないといけないなるのでそれはやめておいた。

 いずれにしてもATC社の私設部隊に自分の存在を知られようが、お互いやることは変わりがないからだ。

 

 「君の警告は覚えておこう。もしそいつらが我々のほうに来たら緊急用回線で情報を送るよ」

 

 「助かる」

 

 食事の後、クルグロフ教授がそう言ってこのラボの無線用周波数を書いたメモと小さなワッペンを渡してきた。ワッペンには赤と青の液体を入れた三角フラスコの刺繍がされていた。

 この周波数はシェルターのセンサーがブロウアウトを感知した際、ストーカー達に警告を促す非常用の回線でもあるという。

 正確に探知できるのはブロウアウト発生数分前ぐらいとのことだが、その数分が生死を分けるということをフィアーは身を持って理解していた。

 そしてワッペンはエコロジストに認められた証とのことだ。この赤と青のフラスコはエコロジストのマークなのだ。

 これがあれば他のエコロジストのラボへの出入り、ストーカーとしての仕事の請負や取引が可能らしい。

 

「何から何まですまないな」

 

「なあに。腕利きの傭兵とコネを作るのはこちらとしても大事なことだからね。そうだ。ZONEの深部へ行くならこのアーティファクトの一覧表を持って行くといい。その代わりアーティファクトを手に入れたら僕らに優先的に下ろしてくれないか?

 後、これもオススメだ。アノーマリーの位置をマップに投影できる新型の空間探知機。これは流石にタダでとは言わないが安くしておくよ、ついでにこれも最新のガイガーカウンターだ。

 性能は今までと同じだが警告音をHMDに繋げれられる。戦闘中余計な音を周りに撒き散らすことがなくなるわけだね。あとは……」

 

 どうやらクルグロフ教授は実に世話好きなようだ。このままではポケットに入れるハンカチまで用意しかねないので、適当な所で切り上げる。

 ただ新型の空間探知機だけは聞き流す訳には行かなかった。

 値段を聞くと一万ルーブル。性能を考えると恐らくは格安だろう。あのシドロビッチの値段設定に比べると大概のものは安く感じるが。

 

 現物を見せてもらうことにした。大きさは今まで使っていた空間探知機と大差ないが、小さな液晶モニターが付いておりそれ単体でも使用できるようだ。

 早速購入して、シューティンググラスのHMDと同期させる。

 視界の隅に自分を中心にしたミニマップが表示され、アノーマリーがあるならばそれを図形として表示させるという仕組みのようだ。

 あの音だけで警告する旧型の空間探知機に比べると随分とハイテクだ。

 やはり自前のHMDと同期させることができるというのは、利便性が高い。ついでもガイガーカウンターのほうも購入した。

 

「こいつは便利だ。これがあればあの旧型の空間探知機の嫌な音に悩まされずに済むってわけか」

 

「だがアーティファクトを手に入れるなら、結局アノーマリーに近づいて探知機で直接探知しないと行けないことには変わりはない。バッテリー切れには十分気をつけてくれよ」

 

 クルグロフ教授とのやり取りを終えると今度はミハイルが声をかけてきた。

 

「今日の予定だが、俺達は昼前にはここを出発してBARに向かう。あんたもBARに行くんなら出発の準備を整えといてくれ。途中で通る工場地帯wildterritoryはバンディットやミュータントがうろつく危険地帯だ。しっかり装備を確認したほうがいいぜ。」

 

「ここからBARまでは歩きでどれぐらいかかる?」

 

「順調に行けば夕方ぐらいには着く。順調じゃなければあのキメラみたいな連中に追い掛け回されて、数日間逃げまわることになるから水と食料の補充は忘れるな。カウンターで購入できる」

 

「了解した」

 

 その後フィアーは再びラボのカウンターへ向かうと、相変わらずカウンターの向こうで研究を続けているサハロフ博士に頼んで、いくつかの食料や水等の消耗品を補充した。値段はそれなりに高かったが、政府のバックアップを受けているだけあって品質がいいのが利点だ。

 ついでにアーティファクト用の容器もいくつか購入しておいた。この先はアーティファクトを採取してそれらを使いこなしていかなければ、進むこともできないだろう。

 

 その際、この辺りの地形の情報をサハロフ博士に聞いたが、ここはZONEでも特に危険な場所のようだ。

 取り分けこのシェルターの北にある廃工場には絶対に近づいてはいけない、と念入りに警告を受けた。

 その廃工場付近は常に精神汚染波が放出されており、近づいた人間を片っ端からゾンビに変えてしまうらしい。

 このシェルターの付近で見かけたゾンビも、その廃工場に挑んだストーカーの成れの果てということだ。

 

「ブロウアウトでもないのにあんな強力な精神汚染波が常時発生してるなんてすごく不自然なんだ。僕らがここにラボを構えているのもあの工場を調べるためでもある。もしあの工場に用事があるなら僕らに言ってくれ。僕達の試作品で何か手助けができるかもしれない」

 

 どうも彼らに手助けを求めると、その代償として彼らの発明品のモルモットにならればいけないようだ。そこまで追い詰められてはいないので丁重に礼を言って話を切り上げ、ラボのストーカー達の個室に戻ると、彼らも出発の準備を整えようとしていた。

 ミハイルはエコロジスト達から譲ってもらったポンプアクションのショットガン、モスバーグM500の整備をしている。

 

 セルゲイも折れた腕は完治したようで、添え木と包帯を外して右手の動きを確かめている。

 ユーリもAKの弾薬をここでたっぷりと調達したようで、スーツのベルトに複数のAK用のマガジンを引っ掛けていた。

 ミハイルは戻ってきたこちらに気がつくと、丁寧に整備された古びたソードオフショットガンを差し出してきた。

 

 「お守りにはなったか?」

 

 そう尋ねるとミハイルは笑った。

 

 「一度も引き金を引かずに済んだのはご利益かもしれんな」

 

 ソードオフを受け取るとフィアーも彼らに習い装備を纏めて、装具点検を行った。

 20分後には一行は全員支度を整え、科学者達に別れの挨拶をして、シェルターの外に出ていた。

 背後でシェルターの頑丈な扉が閉まる音がする。

 

 あの対爆仕様の気密扉が完全に閉まった時、自分達は再び文明から切り離されて、この異常な世界に投げ出されるのだ。

 もっともフィアーのそんな感傷的な考えはシェルターの扉がロックされた音が響いた時、すぐに消えてしまったが。

 人間としての感情を、この世界を生き抜くための兵士としての思考が塗りつぶしていくのを自覚しながらフィアーは、ZONEを歩き始めた。

 

 

 

 

 




 ZONE観光案内。

 最近はもう観光案内というかSTALKERの感想になって来た気がするので普通にします。
 というかゲームの感想書いてると、その内後書きが本編より長くなりかねない。

 ヤンター湖。
 ここはZONEでもとびっきり危険な場所。しかも常に曇り空で空気が澱んでる感がやばい。
 エコロジストの拠点がある沼地と謎の工場で構成されていますが、とにかくそこら中に強力なミュータントがいます。
 MODによってはキメラ以上の化け物がゴロゴロしてたりすることも。作者はこのマップに入ってエコロジストの拠点に行くだけで三回死にました。これは四回目で拠点に辿り着いたということではなく三回死んで拠点に行くのを諦めたということです。
 工場の方に近づくとブレインスコーチャーという装置によって、頭がパーンってなってゾンビにされます。

 エコロジストのシェルター。
 アーティファクトを一番の高値で買い取ってくれる科学者の拠点。
 外観は装甲コンテナそのもので、ヘリでぶら下げられて来たらしい。
 恐らくZONEで一番文明度が高い。
 トレーダーとしても機能しており元のゲームでは、貴重なポンプアクション式ショットガンなどを売ってくれる。
 ここに入ってサハロフ博士のハローハローハローという挨拶を聞くと心が安らぎます。
 博士たちの紹介はまた次回にでも。


 あとベターズが言ってたブラックオプスはFEAR2やFEAR3に出てきたアーマカムの私設部隊のことです。
 因みに作中の時系列はFEAR側が2が終わり3が始まる前ぐらい。STALKER側はClearSkyが終わりShadow of Chernobylが始まる前ぐらいになります。




 あとSTALKERをMOD前提の紹介をしときながら、MODの説明していなかったのでそちらの方も補足を。もしSTALKERに興味持ったけど、どんなMODを入れればいいのかわからないという場合、これから紹介するMODがオススメです。

 因みにMODはファンが自分たちでゲーム内容を弄って自分好みにカスタマイズする文化のことです。
 作っている人は外国人が主流なので日本訳までされてるようなMODは希少です。本格的にやるなら自分で翻訳するぐらいの覚悟が必要になってきます。

 初めてSTALKERをする場合、どの作品にも日本語化MODがあるのでそれを真っ先に入れておくべきでしょう。それらは大抵STALKERの日本語wikiを調べればでてきます。
 あとはそれぞれの作品ごとにあるSTALKERの日本語wikiで紹介されているMODが初心者の方にはオススメです。

 代表的なものとして、Shadow of Chernobylなら銃火器が大量に追加でき、銃火器の仕様がリアルになるSpecial Free Play Story MOD(SFPS)と、このSFPSをベースに更に追加要素を加え、よりゲームちっくに楽しめるインスタントちょんまげパック(ICP)。これらの作者は日本人なので日本語化が楽ちんというのが嬉しいポイントでもあります。
 そして基本はそのままにバランス調整をしたSTALKER Complete 2009。

 ClearSkyなら様々な小ネタとバランス調整や武器追加が施された総合MODのShoker MODやCSR MOD Ver1.02。

 Call of Pripyatなら全体のバランス調整や様々なシステムを追加する総合MODのSigerous MODや超難易度のマゾゲーにするMISERY。

 そしてゲームを購入しなくても単独で動く大型MODのLost Alphaなどがオススメです。(つまり実質フリーゲーム)

 この辺のMODは初期の古いものですが古いだけあって、ありがたいことに日本語化がされており、初心者でも簡単に導入できるのが特徴です。(古すぎてネットの海に消えているMODもあるかもしれませんが)
 これらでMODに慣れて、そこからは自分で新しいMODを見つけて、自分で入れていくのがMOD導入の基本になります。
 これらの有名なMODの導入方法とかはネットを探せば大抵やり方が見つかりますが、最新のMODや小規模のMODになると当然日本語化されておらず、環境によってうまく動いたり動かなかったりするのでもう手探り状態になります。

 それも含めてMODの醍醐味という感じになりますね。ヘタしたらゲーム起動してる時間よりも導入の為にPC弄ってる時間のほうが多くなるという。
 ゲームとしてもアマチュアが作ったものなので予測不明のバグやバランス調整が甘かったりといろいろありますが、何度もやってる内にスルメみたいな味わいならぬ楽しみが得られるようになります。 

 因みに作者は自分のPCの性能が最近のMODに追いつかないという悲しい事情によって、ここ数年MODに触っていません。悲しい。 
 そんな訳で作者自身もMODに対して詳しいとは言えないのですが、上記で紹介したMODは日本語訳してあり、導入も比較的簡単、ついでに完成度も高いということでMODをやるならオススメの作品です。逆に言えばこれらの導入にも躓くレベルだとMODは諦めたほうがいいかもしれませんね。

 結局後書きが長くなってしまいましたが、今回はこの辺で。


 
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