S.T.A.L.K.E.R.: F.E.A.R. of approaching Nightcrawler   作:DAY

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Interval 18 Wild Territory 

 それは死体だった。

 至近距離からのライフル弾は彼の右頬を穿ち、その後ろにある大脳の一部を吹き飛ばしていた。即死ではないかもしれないが概ね死に至る重症だ。

 少なくともフィアーはこんな状態から蘇生した人間等、お目にかかったことがないし、それ故相手に対する警戒を緩めていても仕方のない事だっただろう。

 

 もっともそんな言い訳など誰も聞かないのが戦場だ。その動き出した傭兵の死体がゾンビだったとしても。

 いずれにせよそのボスと呼ばれていた死体は、ゾンビとは思えないほどの機敏な動きで腰から拳銃を引き抜き、フィアーに向け立て続けに引き金を引いた。その顔は血まみれだったが傷はない。

 

 フィアーは殺したはずの相手が無傷という事に疑問を抱きつつも、同時にスローモーを発動させ銃撃を横っ飛びに回避。そこで彼もまた転がりながら同じく拳銃を引き抜く。

 

「死ねぇ!」

 

 その隙に憎悪の叫びとともにボスが、自分の目の前にあった軽機関銃に飛びつき、それを振り回してこちらに向けようとして―――そこで終わった。

 彼が軽機関銃の引き金を引くよりも早くフィアーの拳銃弾が今度こそボスの額に突き刺さったのだ。

 

「お…おのれ…」

 

 信じがたいことに彼はまだ息があった。手にした軽機関銃の狙いはぶれ、引き金を引く力もないようだがそれでも生きている。

 胴体の急所に被弾して息があるならまだしも、思考を司る部位である頭部を撃ちぬかれて尚、喋れることができるとは。

 半ば感心しながらもフィアーはショットガンを引き抜くと、散弾を連続でボスの顔へと撃ち込んだ。近距離での散弾の連撃にボスは顎から上を吹き飛ばされて今度こそ永遠に沈黙した。

 

「おい?! どうした! 敵襲か?」

 

 上の回からユーリたちが慌てて駆け下りてくるのがわかる。突然の銃声に驚いたのだろう。

 フィアーはこの状況をどうやって説明したものかと首を捻った。

 

 

 ◆   ◆   ◆

 

 

「こりゃアーティファクトだな」

 

 死体を調べ終わったミハイルが開口一番そういった。

 それを聞いたフィアーは顔をしかめた

 

「アーティファクトには死人を生き返らせる効果もあるのか」

 

「いや、そんな大層なもんじゃない。コイツは最初から死んじゃいなかったんだ。見ろよこれを」

 

 そういってミハイルは頭部の無くなったボスの腰に取り付けてあったアーティファクト容器を開いてみせる。

 そこにあるのは蛍を思わせる光で構成された輪郭のないサイコロ状のアーティファクトだった。

 

「これはfireflyっていってな。回復型のアーティファクトとしては最上位のものだ。これの持ち主は殺される限り死ぬことは無いとまで言われてる。頭に穴が空いたぐらいじゃコイツは蘇生させちまうのさ。……流石に頭が無くなったら無理だろうがな」

 

「そのまま死んだふりしてりゃよかったのにな。それとも意識が戻った所にちょうどフィアーがやってきてパニックにでもなったのか?いずれにしても運の悪い奴だぜ。折角一度命を拾ったのにな」

 

 流石に気の毒そうにユーリがボスの死体を爪先で小突きながら言った。

 確かに後数分フィアーがやってくるのが遅ければ、あのボスはここからひっそりと逃げることも出来たかもしれない。

 脳を再生されて意識を取り戻した瞬間、フィアーを認識したのなら反射的に攻撃に移っても仕方がないだろう。フィアーとしては貴重な情報やアイテムを失わずに済んだので助かったが。

 

 とりあえずフィアーは先ほど拘束し転がしておいた捕虜に蹴りを入れた。くぐもった悲鳴。

 

「ボスがあのアーティファクトを持ってるってわかってたな? 俺をハメるつもりだったか?」

 

「知らなかったんだ! 信じてくれ! ボスは重要そうなアーティファクトや情報は全部独り占めしちまうんだ! あんなアーティファクト持ってるなんて俺達も知らなかった!」

 

 このままで殺されるという雰囲気になりつつあると察したのか、彼の懇願は必死なものに変わっていった。

 その哀れな姿にフィアーも怒りの感情が収まっていくのがわかった。

 

「いいだろう。だが次に似たようなことが起きたら殺す」

 

 釘だけ刺しておくと、フィアーは再びボスの死体から装備を剥ぎ取り、調べる作業に戻った。

 ここでいちいち情報を確かめる訳には行かないので、情報メモリとアーティファクトが詰まった袋は自分のバックパックの中に押し込んだ。ボスを蘇生させたアーティファクトについてはガイガーカウンターが凄まじい勢いで鳴り始めたため、アーティファクト容器に厳重に保管することになった。

 

 どうやら強力なアーティファクトになるほど高い放射線をまき散らすようだ。短時間での運用なら放射能中和剤で誤魔化すこともできるが、常時身に付けるのは危険過ぎた。

 そういった意味では、あのアーティファクトはまさしく非常用だったのだろう。

 頭を撃たれたが運良く即死でなかったボスは、朦朧としつつもアーティファクトの使用に成功した。が、傷と意識が完全に回復する前にフィアーに発見されて撃ち殺されたということだ。

 

 しかしもしZONEの奥地にもこういったアーティファクトが存在するというのなら、戦う相手をより念入りに殺さなければならなくなる。

 今回は間抜けな傭兵のボスが相手だったのでどうにでもなったが、ワーム相手にこのような失態を犯せば間違いなく死ぬ。

 

 そんなことを考えながら今度は彼が持っていた武器弾薬を検分する。

 彼の得物はドットサイトが搭載されたM249と呼ばれる軽機関銃だった。5.56mmのライフル弾を使用するこの軽機関銃はその大容量のボックスマガジンによって、長時間弾幕を貼ることが出来るというのが最大の強みだ。

 高速でライフル弾をばらまくこの武器は少々重いが対人戦にせよ、対ミュータント戦にしろ非常に使い勝手がいい。

 

 これらの貴重な装備を自分が一人で独占してもいいのかとミハイルに聞いてみたが、彼は笑ってお前が仕留めたんだから、お前のものだと答えた。

 ならばと遠慮無く頂くことにしたフィアーは、ボスの死体が持っていたM249の予備弾倉2つ、クリーニングキット、自動拳銃、サバイバルナイフ、医療用品に食料と弾倉を全て頂いていくことにした。

 常人ならこれ程の装備を追加すればまともに歩けなくなるが、先日wildterritoryに入る寸前で発見した重量を軽減させるアーティファクト、『Gravi』のお陰で体感的には殆ど重さを感じない。

 ただ質量自体はそのままなので身が軽くても機敏な動きはしづらくなってしまったが。

 

 そうして死体からの装備の回収を終えた頃には、上の二人も剥ぎ取りを終わらせていた。

 フィアーは降りてきた二人の姿を見て、思わず笑いをこらえるのに必死にならざるをえなかった。

 なぜなら彼は傭兵達が持っていたであろうバックパックを、更に二重三重に積み重ねて、無理やり背中に背負っていたのだ。

 その重なりあったバックパックの口からは、複数の小銃と思われる銃火器の銃口が飛び出ている。

 

 もはや兵士というよりは武器商人だ。

 確かにこのZONEでは新型の自動小銃は下手なアーティファクトより売れるとは聞いたが、ここまでして持って帰ろうとするものだろうか。

 そんなフィアーの呆れた目線に気がついたのか、ミハイルが笑いながら弁解するように言ってきた。

 

「安心しろ。本当に高そうで小さな物は適当な隠し場所にデポしておいた。俺達も重量軽減のアーティファクトを持ってるからお前さんの足手まといにはならんさ。後でセルゲイにも持たせるしな」

 

「そんなに気を使わなくてもいいさ。悪党共がもし襲ってくるとしたら真っ先に狙うのは鴨がネギをしょってるような格好をしてるお前さん達だろうからな」

 

「その時は捕虜に囮にしてトンズラするさ」

 

「というか捕虜にも持たせたらどうだ?」

 

「いや、流石に捕虜に武器を持たせるなんて危険な真似はできねえよ」

 

 その辺りの安全管理は流石にストーカーといったところか。

 彼らが重い荷物を付ける分には、フィアーも何も言うことはないので文句は付けないでおいた。

 もっともすぐに後でそれを後悔することになるのだが。

 

 

 

 ◆   ◆   ◆

 

 

 

「走れ! 走れ! 荷物は捨てろ!」

 

「ユーリ! お前この期に及んでなんでまだ荷物持ってるんだ! いくら欲張りにも限度があるぞ!」

 

「ちげーんだよ! バックパック括りつける時、紐を締めすぎたんだ! いつの間にか締まって外れねえ!」

 

 まさか歩き始めて一キロも経たない内から手に入れたばかりの荷物を捨てる羽目になるとは。

 フィアーは胸中でため息を付いた。

 廃墟となった工場群を尻目に、大通りを歩き続けるフィアーとストーカー達が異変を感じたのはつい数分前。

 最初は区域のどこからから聞こえた犬の遠吠えに過ぎなかったそれは、時間が経つにつれて増えていき、わずか数分で何十匹という犬の集団の大合唱になりつつあった。

 それを聞いてフィアーの隣を歩いていた捕虜が顔を真っ青にし始めたのだ。

 

「やばい。スタンピートだ……」

 

「スタンピート? 何が暴走するってんだ」

 

「ミュータントに決まってるだろ! たまにブロウアウトでもないのにZONEの奥からすごい数のミュータントが湧いて、ここの大通りを突っ切って行くんだ!」

 

「そんな時お前らはどうしていた」

 

「ビルの上とか犬が簡単に登れないような所で息を潜めてやり過ごしていた……。不味いぞこの位置は。さっさと逃げないともうすぐ俺達は化け物の餌だ!」

 

 最後の言葉は悲鳴に近い。それを聞いた後フィアーはストーカー達の方を向いた。

 全員が話を聞いていたようで無言で荷物を外すと、後で回収するつもりなのか近くの路地に放り投げる。

 ただ一人だけユーリのバックパックだけがなかなか外れないようで、外すのに悪戦苦闘している時、それはきた。

 まるで狂犬病にかかった犬の犬小屋の中に放り込まれたのではないかと錯覚させる、けたたましい咆哮と共に、大通りに砂塵をまき散らしながら無数の犬が姿を表したのだ。

 

「オイオイオイ」

 

 それを見たフィアーは流石に呻いた。

 なぜなら文字通り大通りを埋め尽くすほどの数のその犬は、全てあの人面犬――pseudodog――だったのだ。その数は間違いなく100頭を超える。フィアーの手には軽機関銃があるがそれを持ってしても押し切られるだろう。

 加えてその人面犬の群れはあの最初に出くわした人面犬やめくら犬と違い、完全に狂気に飲まれ暴走していた。あの調子では群れの先頭を血祭りに上げたところで怯みもしまい。

 如何なフィアーと言えどあの群れに飲み込まれれば、食い散らかされて終わりだ。

 たまらずフィアーは叫んだ。

 

「ユーリ! バックバックの紐を切れ!」

「……今やった!」

 

 その言葉と共にユーリが武器を満載したバックバックを、手近な工場と工場の間の空間に放り込んだ。この期に及んでもまだ後で回収することを考えているとは恐れ入る。

 そしてその後は全員が全力疾走で走り抜けた。とはいえそれでも追いつかれるのは時間の問題だった。

 ミハイルが捕虜に叫んだ。

 

「この辺で奴らをやり過ごせる場所はないのか! さもないとお前を餌にして時間を稼ぐしかなくなるぞ!」

 

「クソ野郎! もう少し行くと駅に出る! そこの見張り台ならよじ登れれば犬どもは追ってこれない!」

 

「あったぞ! あそこだ!」

 

 セルゲイが前方を指さして叫ぶ。

 確かにそこには7メートルほどの高さの見張り台があった。

 登る方法は梯子しかないため、人面犬は登ってはこれまい。

 フィアーは最後尾につくと反転し、軽機関銃を構えながら叫んだ。

 

「さっさと登れ! 俺が足止めをする!」

 

 叫びながらスローモーを発動し、銃弾をフルオートで迫り来る獣の津波に叩きこむ。

 遅滞する時間の流れの中で高速で吐き出される大量の弾丸が、人面犬の顔面に食らいついていく様をフィアーは確かに見た。銃とHMDとの調整も済んでおり、正確な射撃だった。

 しかし胸中で舌打ちする。

 

 (こいつら頭蓋骨でライフル弾を弾けるのか)

 

 必殺を期して、人面犬の頭部に向かって撃ち込んだのが逆に仇となった。どうやら頭蓋骨はこの人面犬の中でもっとも強度のある部位のようだ。大半が一瞬怯むだけで足止めにもならない。倒れた人面犬もいないわけではないが、偶然銃弾が眼球や鼻に飛び込んだだけにすぎない。

 猪や熊は頭蓋骨の厚みと丸みで猟銃の銃弾をも弾くと聞くが、まさか犬のサイズでそれを行うとは。以前蹴散らしたメクラ犬とは生物として比べ物にならないレベルだ。

 

 即座に照準を変更し、頭部ではなく人面犬の足元へ銃撃を集中させる。流石に脚まではそれほどの頑丈さはないようで、次々と人面犬が転倒していく。

 だがこの獣の津波は一波ではすまない。前面の人面犬が倒れても、次から次へと後方の人面犬が倒れた人面犬を飛び越え、踏み潰して飛びかかってくる。

 フィアーがそれをナイフを引き抜き、迎え撃とうとしたその時だった。上空から銃弾の雨が降り注ぎ、迫り来る人面犬を地面へと縫い付ける。

 

「全員登ったからお前もさっさと登ってこい! お前が餌になっちゃ意味がねえぞ!」

 

 先に見張り台に登ったミハイル達の援護射撃だった。

 フィアーは全力で見張り台の梯子に飛びつくと一気に頂上まで駆け上る。

 見張り台につくと梯子から伸ばした手をユーリが引っ張りあげてくれた。

 狭い見張り台の上で息を整えながらフィアーは一息ついた。全力疾走に加えてスローモーまで使ったため、流石に息切れしたのだ。

 

「とりあえずこれでなんとかなったか?」

 

「とりあえず、な。後はクソ犬共が飽きてどっか行ってくれればいいんだが、あれだけの数が見張り台の真下に屯されちゃ上から撃ち殺そうにも弾が足りねえぞ」

 

 銃弾不足を嘆くユーリに対してセルゲイが皮肉をとばす。

 

「お前がもう少し根性入れてあのバックパックをここまで引きずってくれば、あの犬ころ共を皆殺しにしても釣りがくるぐらいの武器と弾薬があったんだがな」

 

「言ってろ馬鹿。お前こそ真っ先に身軽になって逃げやがって覚えてろよ」

 

「覚えておいてやるさ、忘れない内はな」

 

 そんな二人を尻目に下の様子を見ていたミハイルが叫んだ。

 

「おい! 犬がふた手に別れてくぞ! 結構な数が俺たちを無視してBARの方に向かっていく!」

 

「残念だが手持ちの弾薬じゃこれでも多いぐらいだ。ライフル弾でも一発でも仕留められないとなると後は捕虜を放り投げて餌にするぐらいしか……なんだ? BARのほうに誰かいるぞ?」

 

 そのフィアーの言葉に全員がBARの方向を見た。

 現在見張り台の下の犬は、まるで川の流れのようにも見える。その一部は見張り台の下でグルグルと水洗トイレの水流の様に吠えながら周り続け、残りの大半はBARへと続く道を激流のように走って行く。

 そのBARへと続く道にまるで道を塞ぐような形で長細いバラック状の建物が建っていた。

 他の建物と同じく荒廃し壁は穴だらけドアは無くなっているという有り様で、人面犬にとっては大した障害物にもならないであろう建物。その建物の穴やドアの影から無数の黒ずくめの兵士達が姿を現した。黒のガスマスクで顔を隠し、漆黒のボディーアーマーを身につけたその姿にフィアーは反射的にある存在を脳裏に描いた。

 

 ナイトクローラーか。

 

 そう思い反射的に銃口を向けたフィアーをミハイルが慌てて制する。

 

「待て待て! あいつらはDUTYだ! ……ああ、今PDAのIFFでも確認した。あの建物の中にDUTYの一個小隊がいる!」

 

 そう言われて改めてよく見ると、あの黒ずくめの兵士達の装備はナイトクローラーの装備とは全く違うものだった。武装も西側の銃ではなくAKを始めとした東側製の銃だ。

 その事をフィアーが認識した次の瞬間、DUTYの兵士達が建物内部から迫り来る獣の津波に向けて一斉射撃を開始した。

 

 彼らが装備しているのは自動小銃だけではない。機関銃や連射型擲弾銃、セミオート散弾銃等、軍隊顔負けの重装備だ。それらを装備した十数人の兵士達が同時に発砲したのだ。

 ライフル弾や機銃弾に加えて榴弾や散弾が横殴りの雨となって、人面犬達に叩き込まれる。凄まじい銃声と爆発音が連続して響き、狂犬の咆哮を悲鳴へと上書きしていく。

 

 流れ弾や榴弾の破片が200メートル近く離れているフィアー達のいる見張り台まで掠めていき、見張り台の上にいる全員が慌てて伏せることになった。

 先ほどまで蹂躙されるばかりと思われていた大通りを塞ぐ貧相な建物は、今や即席のトーチカと化して人面犬の群れを薙ぎ払っている。

 

 200匹はいたと思われる人面犬の群れは、DUTYの一斉射撃から僅か十数秒でその数を半分近くに減らしていた。

 とはいえ完全にその侵攻を防ぎきれるものではない。あの人面犬達はまさしく狂犬病でも患ったかのように、仲間達が目の前で挽き肉にされても怯むこと無く突撃していくのだ。

 

 そのうち1匹が弾幕の雨を掻い潜り、建物内部へと侵入することに成功する。しかし数瞬後罵声と共に建物内部でマズルフラッシュの閃光が走り、その人面犬は死体となって外に蹴りだされた。

 うまい具合に迎撃に成功したらしい。

 

 フィアーがDUTYの練度に感心していると腰に付けている無線機が鳴り始める。いや、フィアーだけではない。見張り台にいる他のストーカー達の無線機も鳴っていた。

 全員が顔を見合わせ、ミハイルが通信を受信すると無線機からがなり立てるような声が飛んできた。

 

『見張り台の上のストーカー共!いつまでぼーっと見物してるんだ!お前らも撃て!ここは観光地じゃねえんだぞ!ぼさっとしてるとお前らも犬ごとふっ飛ばすぞ!』

 

 無線の相手は今まさに人面犬に銃撃を叩き込んでいるDUTYの隊員からだった。ヒステリックな罵声だけでなく、無線相手が乱射している銃声も一緒に無線機から流れてくる。トーチカの方から響く銃声と相まって奇妙なサラウンドを形成していた。

 

 どうやら向こうも余裕が無いらしい。見ると更に人面犬がもう1匹火線を掻い潜り、トーチカの中に飛び込んでいった。同時に無線機から叫び声が上がった。

 その後すぐに一人の隊員が建物の穴から姿を現した。彼の持つ自動小銃には侵入した人面犬が食らいついており、彼はその犬を小銃ごとトーチカの外へと放りなげる。

 

 素早くその犬は小銃を離して空中で態勢を整えて着地したが、即座にトーチカからの火線が集中し射殺される。

 たいした芸当だがこんな真似は早々続かないだろう。このまま放置しておくと不味いことになりそうだ。

 ミハイルがため息をついて立ち上がる。

 

「とりあえず俺たちも加勢するぞ。あいつら血の気が多いからこのままのんびりしてると本気でこっちに撃ってきかねない」

 

 セルゲイとユーリも腰を浮かす。

 

「まああいつらのお陰で犬の数はかなり減ったからさっきよりは楽なもんではあるな。おいユーリ、傭兵から奪った手榴弾があるだろ。あれを放り込んでやれ」

 

「虎の子なんだけどねえ。まあ弾薬代は後でDUTYに請求するとしようか」

 

「あいつらがそんな気前よく払うとは思えんがな」

 

 いずれにしてもここで彼らが敗北すると自分達もこの見張り台の上に取り残される羽目になる。

 フィアーもM249軽機関銃を片手に立ち上がり、銃口を人面犬の群れ―――その先頭へと向ける。

 発砲。指切りをして発射速度を調整しながら銃撃を行う。

 スローモーは使わない射撃だったが、安全が確保されているため充分に射撃に集中することができた。

 

 銃弾は次々と人面犬達に突き刺さり、彼らを撃ち倒していく。無論即死ではないが下半身に当たれば如何に頑丈な人面犬でも動きが鈍る。

 それで充分だ。リロードの隙さえ稼いでやれば、後はDUTYが止めを刺すからだ。

 

 隣ではユーリが犬の群れの中央に手榴弾を放り投げ、セルゲイはドラグノフでDUTYの弾幕をくぐり抜け、トーチカに近づこうとした個体を狙撃している。人面犬達の中心で炸裂した手榴弾が人面犬を見張り台と同じ高さまで跳ね飛ばしてユーリが歓声をあげた。

 ミハイルは捕虜を見張りつつも、モスバーグM500ショットガンで見張り台の下に屯している人面犬達に散弾を撃ちこんでいた。

 

 上と前方から間断なく撃ち込まれる銃弾と榴弾の嵐にはミュータントと言えど早々耐えられるものではない。これが平野なら散開し数にものを言わせて押し切ることもできただろうが、DUTY達が立て篭もるバラックの建物へ繋がる道は大通りだけである。

 

 

 

 限定された侵入路に高い火力を持つ銃座とバリケード。そういった陣地に後先考えず突入することは死を意味する。

 次々と肉片になる同族達を見て熱狂的な突撃を繰り返していた人面犬達も、遅まきながら恐怖を取り戻してきたようで怪我を負い、逃げ出す個体も出始めてきた。

 そうなると崩壊は早かった。

 そこから人面犬が全滅するまで5分とかからなかった。

 

 

 ◆    ◆    ◆

 

 

「それで何の用だ役立たず共。ピクニックでもしに来たか?」

 

 犬の群れを掃除した後、フィアー達は見張り台から降りて、DUTYの篭もるトーチカに挨拶に行った。

 その時のDUTYの隊員の開口一番がこれだった。

 まあ不機嫌なのは仕方あるまい。

 

 フィアー達にとっては安全地帯からの一方的な攻撃だったのに対して、彼らは文字通り命懸けの防衛戦だったのだ。

 例え数匹でもあの火線を突破されて建物内部に侵入されていたら、それだけでこの陣地は大混乱に陥っていた可能性が高い。どれだけ強力な銃火器で武装していても、至近距離でのミュータントとの交戦は極めて危険なのだ。それをフィアーはこれまでの経験から身に沁みてわかっていた。

 ましては狭い建物の中で取り回しの悪い大型の機関銃やら擲弾銃で、あの身軽な人面犬とやりあうなどフィアーですら遠慮したい。

 

 更に言うなら彼以外のDUTY隊員は、人面犬の死体の山を不機嫌そうに黙々と片付けている。

 200匹はいるであろう人面犬の死体をこの陣地から、100メートルほど離れた駐車場へと運んでいるのだ。

 そしてそこでは別のDUTY隊員が、ガソリンらしきものを集めた犬の死体にかけて焼いている。

 この人面犬の焼ける不快な匂いは当然こちらにも届いてきており、ガスマスク越しにもその臭気を感じるため意識せずとも顔を顰めてしまう。

 全ての死体を処理するには後半日はかかるだろう。不機嫌にもなろうというものだ。

 

 それはそれとして、あの人面犬の群れがこのトーチカ内に侵入できなかったのはフィアー達の援護射撃のお陰でもある。

 特にフィアーに至っては軽機関銃の予備の弾薬箱を全て使い切るほど銃弾を消費した。盛大に乱射したため、今でも軽機関銃の銃身は熱を持っているぐらいだ。

 礼など期待はしてなかったがこうまで不躾にあしらわれようとは思わなかった。

 どう返事したものかとフィアーが黙考していると、ユーリが笑いながらそのDUTY隊員に話しかけた。

 

「おいおいそりゃねーだろDUTYさんよ。折角貴重な弾薬をありったけばら撒いて支援してやったってのによ」

 

 DUTY隊員は鼻を鳴らして応じた。

 

「俺達がいなかったらお前らはあの見張り台の上で餓死してただろうが」

 

「まあそりゃそうかもな」

 

「だったら恩に着せられる覚えはないな。……おい後ろの奴はなんだ?」

 

「こいつはここに住み着いて悪さしてた傭兵だよ。俺たちで奴らを壊滅させて捕虜にしたんだ」

 

「ああ、あの犬の糞共か。よくやったストーカー。仕事が一つ減った。そいつはBARで本部にでも引き渡しといてくれ。アリーナのコロシアムでバンディットの相手でもさせてやる」

 

 コロシアムというZONEには不釣り合いな単語を聞いてフィアーは首を傾げた。捕虜のほうを見ると顔を蒼白にしている。その疑問に対してセルゲイが答えた。

 

「コロシアム?」

 

「BARの目玉の一つさ。ルールを破ったゴロツキ同士を殺し合わせて金を賭けるんだ。腕に自信があるやつは自分で参加したりもする。あんたは腕がいいから自分で参加してもいいかもな。もし出るんなら言ってくれ。俺はあんたに有り金全部賭けるからな」

 

「よしてくれ。そこまで金には困っていない」

 

「そう言うと思ったよ。だがあんたほどの腕なら稼げるのは確かだ。金に困ったときは考えてみな」

 

 そう言ってセルゲイは笑ったが、ZONEの予想以上の無法地帯ぶりにフィアーは内心呆れていた。

 ZONEには警察はいない。となると住人が自治するしかないわけだが、ZONEの住人には控えめに言っても、法に詳しく尚且つ法を重んじるようなタイプの人間はアーティファクトよりも少ないように思える。

 となると捕まった犯罪者―――ストーカー達にとっての―――がこういった結末になるのはある意味仕方のないことなのかもしれない。

 セルゲイの答えにそんな感想を抱いていると、DUTY隊員が面倒くさそうに指でトーチカを指した。

 

「こんな所でくっちゃべってないでさっさと通れ。俺達は忙しいんだ」

 

 一応は通してくれるらしい。

 もしかしたらこのDUTY隊員は不機嫌などではなく、単に常に口が悪いだけかもしれない。

 そんな彼に対してミハイルがいつの間にかバックパックから取り出した小さなウオッカの瓶を渡した。

 

「あの犬どもに追われて荷物を放り捨てて来ちまったんだ。一度荷物を取りに戻るが後で通らせてもらう。その時はよろしくな」

 

「……ああ。こちらも手助けしてもらったからな。俺たちは暫くこの検問所を守る。ここはいつでも通っていいぞ」

 

 酒は彼の態度を僅かだが軟化させる程度の効果はあったようだ。

 通行の許可を取り付けた一行は、放り捨てた荷物を取りに行くために大通りを引き返していった。

 

 

 

 ◆    ◆    ◆

 

 

 

 それから放棄した荷物を改めて回収し、DUTYの検問所に戻る頃には既に日は暮れ始めていた。

 馬鹿げた量の銃火器を担いで、再び姿を表したストーカー達を見て未だに犬の死体を処理していたDUTY隊員達は、馬鹿でも見るかのような視線をこちらに向けてきたが(そこにフィアーは入っていないはずだ。多分)何も言わずに通してくれた。

 

 そして検問所を出て30分ほど歩いて太陽が工場の谷間に消えようとしている時、ようやくBARにたどり着いた。

 と言っても別段風景が変わったわけではない。光景としては廃工場の続く殺風景な光景には違いはない。

 違うのは音だ。

 今まで時折遠くからの銃声が響くだけで、死を思わせる静寂が支配していたZONEとは違う、人間の生活音とも言うべきものがフィアーの聴覚に届いてきた。

 

 下手なギターの音。

 喧嘩の罵声。それをはやし立てる歓声。

 DUTYへの入隊を促す広告スピーカーの音。

 ガリソン式発動機の稼働音。

 

 それらの音には今までZONEにはなかった活気があった。

 

 道路で区切られたその区画は建築物とコンクリートの壁で丸ごと外部から仕切られており、出入口と見られる自動車用の通行門は投光機と土嚢と有刺鉄線で陣地化されていて、先のバラック状の建物と同じく一個分隊ほどのDUTY隊員が守っていた。

 

「着いたぜフィアー。この大通りの向こう側が丸ごとBARだ。入るときは正門から入れ。面倒だからって下手に壁を乗り越えたりして入るとDUTYに追い掛け回されることになる」

 

「BARには何人ぐらいの人間がいるんだ?」

 

「大体いつも100人はいるな。DUTYとかも含めるともう少し増えるかもしれん。ZONEでは最大の人口密集地さ。ここで手に入れられないブツはない……ってわけでもないな。科学者やFreedomしかツテがない物もあるしな。だが大概の物はここで揃うぞ。情報もな」

 

 ミハイルの説明を聞いたフィアーは、ふむと呟いた。

 

「そうだな。まずBARのトレーダーに会いたいんだが」

 

「ならついでだ。俺達が連れて行ってやる。この荷物を売らないといけないし、捕虜もトレーダーに引き渡す。……おい」

 

 最後にミハイルは捕虜のほうに声をかけた。

 真っ青な様子で俯いていた彼は怯えた様子で顔を上げた。

 

「お前も隠し持ってる情報があったら全部トレーダーに吐いちまうことだな。もし奴の機嫌を取ることに成功したら命だけは助かるかもしれんぞ。ここじゃ犯罪者を入れておく檻はないってことを念頭にいれておけ。弁護士が出張してくるにはZONEは遠すぎる」

 

「……そうするよ」

 

 絞首台へ向かう囚人のような悲痛な顔で捕虜が頷いた。

 まあコロシアムで殺し合いの見世物も絞首台と大差ないので当然であるのだが。

 哀れには思うが、それを承知でバンディットの真似事をしていたのだから仕方あるまい。

 そんなことを思いながら歩を進めると、通行門のDUTY達もこちらに気づいたようで意識を向けてくるのが肌で感じ取れた。

 

 彼らの視線はガスマスクで隠れているが、フィアーにはそういったものが感覚でわかるのだ。……ここまで鋭敏になったのはZONEに入ってからだが。

 通行門への距離が縮まっていくに連れて、BARへの入り口を守るDUTY達の装備等もはっきりわかるようになってくる。

 

 彼らの装備は先ほどのバラック小屋のDUTY隊員達以上だった。

 隊員の内数名は旧式ではあるが東側製の強化外骨格まで装備していた。

 これは全身を対弾、対爆のボディーアーマーで身を包み、その上から肩から腕、腰から足にかけて油圧式フレームを取り付けて、着装者の動作を補助するという代物だ。

 パワーアシストのためのフレームが外にむき出しの上、油圧システムのせいで着装者は機敏な動作が難しくなるという設計上の不備があったため、この国では正式採用には至らなかったものの、その構造的に生産や修理がしやすいことに加え、高い運搬能力を持つためブラックマーケットで生産されて流通している。

 

 レプリカ兵やナイトクローラーが使っていた最新鋭の強化外骨格に比べると、少々型落ちだがこういった拠点防御に置いては無類の強さを発揮するするはずだ。

 これに加えて強化外骨格を装備したDUTY隊員はほぼ全員が、大型の機関銃を装備している。

 これらの火力と陣地化された通行門の防御力が合わされば、あのナイトクローラーと言えども突破することは容易くはないだろう。

 

 例え自分であっても正面から殴りこむのは手こずるな。

 そんなことを考えながらフィアー達が通行門まで後10メートルと言った距離まで近づくと、彼らの内一人がこちらに歩いてきた。

 

「ようこそBARへ。……ミハイルか。なんだその荷物。トレーダーにでも鞍替えしたか?」

 

 どうやらミハイルと顔馴染みだったようで気軽に話しかけてくる。

 

「ようダニーロ。友人と一緒にwildterritoryを荒らしてた傭兵共を潰してやったのさ。奴らピカピカの最新鋭のアサルトライフルを持っててな。今からトレーダーに売りに行く所だ」

 

「おいおい、折角奴らを掃討するためにDUTYの精鋭部隊が出撃していったってのに無駄足だったか」

 

「ああ、そいつらには道中で出会ったよ。傭兵の代わりにPseudodogの群れをぶっ飛ばしてたから無駄足じゃないな」

 

「へえ。その辺の話は後で聞かせてもらうか。暫くは酒場で飲んでるんだろ?」

 

「早めに来るんだな。大儲けしたから奢ってやるぞ」

 

 そんなやり取りを尻目にフィアーは他のDUTY隊員達の様子を観察した。

 ミハイルとの顔馴染みの隊員はともかくそれ以外の隊員は一切の油断なく、こちらに注意を払っているのが見て取れた。

 銃こそこちらに向けてないが、もしこちらが妙な動きをすれば即座に発砲してくるだろう。

 

 DUTYが元は軍隊だったというのも頷ける。恐らく外周部で会ったウクライナ正規軍よりも練度は上だ。装備もウクライナ正規軍よりいい。

 ガスマスクと一体化したフルフェイスのヘルメットに、全身をくまなく覆う防弾スーツ。先のDUTY隊員達もそうだったのでこれがDUTYの基本装備のようだ。

 スーツやヘルメットの色は黒一色だが、胸が一部アクセントのように赤く塗られている。これは強化外骨格も同じだ。このカラーリングでは予備知識がなければフィアーがナイトクローラーの仲間と思ってしまうのも仕方がない。

 

 彼らの獲物は基本ロシアの装備を使っているようでAK74M自動小銃が一番多い。それ以外にもAK74Mの後継モデルに当たる新型の自動小銃AN-94アバカン、接近戦を想定してかセミオートショットガンのSPAS-12。更にAK74を軽機関銃として発展させて、ドラムマガジンを装備したRPK-74軽機関銃を装備しているものもいる。

 強化外骨格に至っては全員がPKM機関銃か六連装擲弾発射機TsKIB RG-6を装備していた。AKを始めとして東側の武装が大半だがZONEのような環境では、東側の武装の頑丈さはZONEでは頼りになるのだろう。

 

 更にフィアーはBAR内部の建物を見た。

 建物自体はここに来るまでに見てきた廃工場と大差ないが、その屋上に黒い人影がいるのを見逃さなかった。

 スナイパーだろう。ドラグノフ狙撃銃を装備していた。ここが彼らの陣地と考えるなら恐らくは狙撃銃だけでなく、より強力な武器―――例えばRPG―――等も用意していてもおかしくない。

 

 先に出会ったDUTYも強化外骨格は装備していなかったものの、これに近い武装をしていた。

 なるほど。DUTYがこのZONEで一大勢力を築いているというのは確かなようだ。

 フィアーが彼らの装備に感心していると、DUTY隊員と会話を終えたミハイルが戻ってきた。

 

「待たせたな。話は済んだ。さあ、トレーダーにこの背中の荷物を引き取って貰いに行こう!」

 

 そう言うとこちらの返事も待たずに、張り切った様子でBARの通行門の奥へと進んでいく。

 フィアーが夕日を見ると、もはや太陽はその身の大半を建物の影に隠そうとしていた。

 今夜は久しぶりに酒が飲めそうだ。

 

 

 

 




ZONE観光案内 派閥紹介

 ZONEの自治厨であるDuty初登場。
 彼らはZONE発生当初、軍の命令でZONEに突っ込む事になって壊滅的な被害を出した元ウクライナ軍人の生き残りです。
 その後自分達を捨て駒にした軍に見切りをつけ、現地のストーカー達を勧誘しながらZONEの治安維持とZONEの破壊を目的にしています。
 STALKER一作目だと彼らに近寄るといきなりミュータント撃退に手を貸せと言ってきて、慌てて助けにいくと自分たちで敵をあっという間に皆殺しにして「おせーんだよ。役立たずのカスが。消えろ(意訳)」的なことを言われたのを未だに覚えてます。
 まあ単独のストーカーたちからすると、バンディットやミュータント駆除してくれるので意外と頼りになる人たちなんですけどね。

 今回の人面犬のスタンピートも作者の実体験です
 某MODを入れた状態でwildterritoryの大通りを歩いてたら、いきなり数十匹のワンちゃんが大進行してきて慌てて荷物を捨てながら全力疾走。
 wildterritoryの出口にいたDutyの皆さんに全て押し付けて逃げました。
 尚Dutyの皆さんは全滅した模様。
 仕方がないね。悪いのはワンちゃんだからね。(死んだDutyの装備を漁りながら)
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