S.T.A.L.K.E.R.: F.E.A.R. of approaching Nightcrawler 作:DAY
戦利品を確認し終えた2人は早速、100Rads Barの中へと入っていった。
シェパードはC-Consciousnessの単語を聞いた時は、何かを考え込んでいたようだが、戦利品の確認が終わるにつれて、段々と上機嫌になっていった。
どうやらこの遠征は彼にとってかなりの収穫があったらしい。
ホクホク顔のシェパードと共にフィアーは100Rads Barへと続く地下階段を降りて行き、その途中の防弾カウンターにいる警備のDuty隊員に一言挨拶する。マスクで顔が隠れているので同一人物かどうかはわからなかったが、以前の隊員と中身は一緒だったようだ。
「お前か。Barkeepから聞いてたが、本当にDarkvalleyからシェパードを連れて帰るとは大したもんだ。もしよければDutyに入らないか? お前のような戦士なら大歓迎だ」
それに対してシェパードが笑いながら会話に割って入る。
「残念だったな。こいつは俺にお熱なんだ。勧誘はまた今度にしてくれ」
「面白いジョークだ。せっかく拾った命をまた捨てたいと見える」
ふざけた冗談を抜かすシェパードに、フィアーは素早く釘を刺す。言葉の中に秘められた怒気に気がついたのか、シェパードはおお怖い、と言いながら先に地下に降りていった。
それを見たDuty隊員が肩をすくめる。
「あまり気にせんことだ。あいつはいつもあんな感じだ。もっともあんな性格だからか、顔も広いし、友人も多い。あんたにとっても良い友人になるだろう」
「……そりゃどうも」
意外と親切なDuty隊員にそう答えるとフィアーはシェパードの後を追って酒場へ潜った。
◆ ◆
酒場の様子は相変わらずだった。一人で飲んでいる者。仲間と湯煎した缶詰を酒のツマミに談笑している者。飲み過ぎたのかテーブルに突っ伏した者。隅で怪しげな商談を行っている者。
そんなわけはないのだが初めてここを訪れた時と顔ぶれが一切変わっていないような気がする。ちなみにミハイル達三人組の姿はなかった。既に出発したのだろう。
シェパードは酒場の中を進むと、知己と思わしきストーカー達に挨拶しながらBarkeepの元に行った。
シェパードを認めたBarkeepがグラスを拭きながら、楽しげに憎まれ口を叩いた。
「よう、死にぞこない。帰ってきたか」
「当たり前だろ。このZONEで俺が死ぬわけがねえ。俺はZONEの加護を受けてるんだからな」
「ところがどっこい、今回お前の幸運の女神はMonolithでもZONEでもねえ。この俺だ。俺がお前の後ろのターミネーターを派遣しなければ、お前は確実にあの世行きだったな」
「だったら恩義を感じるべきなのはフィアーにであって、お前への感謝はついででいい、ってことだな」
テンポのいい軽口の応酬。この二人はそれだけ付き合いが長いのだろう。
だが楽しげにしてたBarkeepは突然声を潜めると、小さな声で話しかけてきた。
「とりあえず商売の話をしたいが……。ここじゃ不味い。客室を用意しといたからそこで寛いでくれ。手が空いたらすぐに行く」
「ああそうだな。これは気軽に話せる情報じゃない。……ちゃんと冷えたビールでも用意してあるんだろうな?」
「ちゃっかりしたやつめ。冷蔵庫の中のものでも適当に飲んでいろ」
そこで会話を終わらせるとシェパードはフィアーを酒場の奥へと誘った。奥への入り口には強化外骨格を着込んだDuty隊員が守っていたが、話は通っているようで、一歩下がって道を開ける。
「やれやれ。今日は久しぶりにベットで眠れそうだな。……ああ、フィアー。Barkeepへの交渉は俺がやる。お前はX-18の事は喋らないようにしといてくれ。あそこの情報が下手に出回るとあの地下施設に食い殺される犠牲者が増えるだけだ」
「わかった。その辺の交渉は任せよう。こっちとしては武器と装備の話ができればそれでいい」
BARの奥にあった客室は高級ホテル並―――には程遠いが、モーテル程度には広く、整えられていた。つまりはZONEに置いては高級ホテル並に貴重な場所だ。
二人は荷物を下ろすと、Barkeepの言葉に甘えて部屋の隅にあった小型冷蔵庫から勝手に酒やコーラと言った飲料を取り出してテーブルに並べた。ついでにチーズやサラミといった酒の肴もあったのでそれも頂く。
そして二人で勝手にそれらを飲み食いして、小一時間ほど経った頃だろうか。ようやくBarkeepが姿を見せた。
部屋に入った彼はテーブルの上にある大量に食い散らかされた酒と食料を見て、顔をしかめた。
「お前らなあ、確かに適当に飲んでろとは言ったが、遠慮ってものは知らんのか」
「遠慮? なんだそりゃ? ZONEじゃ聞いたことのない言葉だな」
ハムの固まりを噛じりながらシェパードが笑う。
ちなみにフィアーは兵士の健康管理の一環として暴飲暴食は控えているので、シェパードに比べると常識的な量にしか手を付けてなかった。
シェパードのこの態度にはBarkeepも慣れているのか、溜息一つで流すと彼も空いている椅子に座り商売人の顔になる。
「それじゃビジネスの話をしようか。シェパード。X-18の中には何があった?」
「ミュータントとアーティファクトと得体の知れない実験施設さ。俺はその辺の知識がないから具体的に何をやってたかまでは流石にわからん。いくつか資料を持ってきたからそれを見たほうが早いな」
そう言って彼はテーブルの上に散らばる食料をどけると自分の荷物から、幾つか紙の資料を取り出してテーブルの上に乗せた。
Barkeepは早速それを手に取ると食い入るように読み始めるが、しばらくしてお手上げと言わんばかりにそれをまたテーブルの上に投げ出した。
「全くわからんな。実験のデータの数字と専門的な言葉の羅列……。アーティファクトとミュータントを研究してたってのはなんとなくわかるが……。こりゃエコロジストの学者達に売りつけたほうがいいかもしれん。
シェパードよ、他にもっとわかりやすい資料はなかったのか? 具体的にはこの施設の奴らがどんな組織なのかとか、何をどんな目的で何を研究してたとか、研究員の住所と氏名と電話番号と家族構成が載ってるような資料とか」
Barkeepの余りにも無茶な要求にワインをラッパ飲みしていたシェパードが、思わず口のワインを吹き出す。隣にいたフィアーは咄嗟にその反射神経を駆使してそれを避けた。
「あるわけねえだろ。そんなもんが欲しければ探偵にでも頼んでこい」
「シャーロックホームズだって、X-18に入って生きて帰ってこれるかよ。しかしこうしてみると手間の割には意外と収穫が少なかったな。何かZONEの謎が解明出来ると思ったんだが」
「仕方ねえさ。どうもX-18は俺達の前にも先客が来てた感じだった。おまけに実験設備や端末PCの大半は壊れるか、持ち去られてたみたいだし証拠になるような資料が殆どなかったんだ。
もっとも幾つかミュータントが巣食っていて入ることもできない場所があったから、もしかしたらそこに何かあるかもしれないが、流石に単独じゃ無理だ。あそこは危険すぎる。腕のいいストーカーをチームで派遣するとかしないとあっという間に全滅だ」
「お前程の男がそう言うならそうなんだろうな。また腕のいい奴らを探してみるとしよう。それじゃあX-18のカードキーを返してくれ」
「ああ、しかしあのX-18のセキュリティは予想以上に頑丈だ。もしかしたらこのカードキーは使えなくなっているかもしれんぞ」
「踏んだり蹴ったりだな、全く。流石はZONEの箱入り娘。安々とドレスの中を覗かせてはくれねえか……」
そう言ってBarkeepはシェパードの差し出したカードキーを受け取った。
そのやりとりを隣でビールを飲みながら聞いていたフィアーは、その不自然さに微かに目を細めていた。
シェパードはX-18βを始めとするX-18の情報をBarkeepに一切渡していない。
少なくともあの施設に大企業アーマカムコーポレーション出資しているという話や、謎の組織C-Consciousnessが関わっているという情報を伝えれば、間違いなくBarkeepは高額の値段で買い取ってくれるはずだ。
だが彼はそれを伝えるどころか、それらの情報を完全にシャットアウトしている。確かに下手な情報をばらまく訳にはいかないだろうが、むしろ徹底的に情報を握りつぶしているようにすら見える。
そんな疑問を抱くフィアーをよそにシェパードとBarkeepの商談は続いていった。
いつの間にかX-18の内部情報より、彼がそこで手に入れたアーティファクトを初めとする戦利品の話になってる。
数々のアーティファクトや、X-18で屍となっていた連中の貴重な情報の詰まったPDAやノートPCは、X-18の正体がわからずともそれを充分に穴埋めできる成果だったようで、Barkeepは興奮しながらそれらを検分している。
「その程度で驚いてもらっては困るぜ、Barkeep。今回一番の掘り出し物はこいつだ」
そう言ってシェパードは机の上に乗せたのはアーマカム製の携行式ガトリング砲、TG-2A Minigunだった。
ZONEではまずお目にかかれない最新武器にBarkeepは目を丸くした。
「これは……アーマカム製のミニガンか?こんなもんよく手に入れられたな!」
「ああ……、あのX-18の最深部で手に入れた。実際に俺も使って動作確認もしたし、威力は折り紙つき。ミュータントどころかストーカーの小隊だって一瞬で木っ端微塵さ。どうだ?いくらで買う?」
「……10万ルーブルでどうだ?」
「安すぎる! これはアーマカムの最新兵器だぜ!? 外でこいつを手に入れようとしたら100万ルーブルあっても足りるかどうかって話だ! こいつを欲しがるのはあんただけじゃない、DutyやFreedomの連中だって喉から手が出るほどこいつを欲しがるはずだ」
「やれやれ……。わかったよ。20万ルーブル。これ以上は出せん。あとはお前にだけは常に銃弾や食料品、医薬品を二割引で売ってやる。欲しいものがあるなら優先的に仕入れてやるし取り置きもしてやる。これでどうだ」
苦渋の顔でBarkeepが提案する。それに対してシェパードはしたたかな笑みを浮かべた。
「商談成立だ。毎度あり! さてここからは俺達の買い物タイムだ。いろいろと武器や道具を消耗しちまったんでな。悪いが早い所用意してもらうぜ。俺達は明日にはまたここを出ないといけないんでな」
「もう行くのか? お前の武勇伝を聞きたがってるやつもいるだろうに……。まあ稼いでくるってなら止めはしないがな。……フィアー、お前もよくこの馬鹿をつれて帰ってきてくれた。礼を言うぞ」
話を振られたフィアーは口の中のチーズを飲み込むと、肩をすくめて答えた。
「気にするな。仕事だ。それよりも俺の頼んだ品物は用意できているか?」
「ああ、大体の物は揃ったとも。待ってろ、今持ってくる」
そう言ってBarkeepは客室から出て行った。
彼が居なくなったことでフィアーはシェパードに疑問の視線をぶつける。
「……なんか言いたそうだな?わかってるさ。なんでX-18の情報を渡さなかったのかってことだろ?ま、これには色々あって、理由や過程はあえて省くが―――あの施設の事が公になるとZONE全体が面倒なことになる。それを嫌う奴がいてそれは俺の依頼人の一人なのさ。
そしてもう一つは俺自身の判断だ。あそこは悪魔の巣だ。中途半端に情報をばら撒いて大勢のストーカーが押し寄せるようになれば、大量の犠牲者がでる。それはお前もわかるだろ? 俺はな、ストーカーは……いや人間はあそこに近づくべきじゃない。封印するべき場所だと思ってる」
シェパードの言い分に完全に納得できた訳ではなかったが、元よりフィアー自身もZONEの人間ではないし、彼自身隠し事の2つや3つある。
それに彼自身はX-18βの情報が手元にあるのでそれで充分だ。
「お前がそう言うなら、別にそれで構わん。俺はZONEの謎を解き明かしたいわけじゃないからな」
「そう言ってくれると助かるぜ」
そのやりとりが終わると、ちょうどBarkeepが再び客室に戻ってきた。今度は両手に抱えるほどの荷物を持って。
早速彼はその荷物をテーブルの上に広げる。フィアーはそれを見て目を見はった。
「ご注文通り、例の一件の報酬としてあんたのVES アドバンスドライフルを徹底的にカスタマイズしといたぜ。弾薬もたっぷり仕入れてきた。間違いなくこいつはZONEでもトップクラスの自動小銃だ」
BARを出発する際に、もはや弾切れということでフィアーはナイトクローラーから奪った最新の自動小銃、VES アドバンスドライフルをBarkeepに預け、ついでにカスタマイズするように頼んでおいたのだ。
あれから僅か一日程度しか経ってなかったが、Barkeepのお抱えのガンスミスは余程優秀らしく、見事に生まれ変わっていた。
赤外線にも対応している3倍可変光学スコープの上には小型薄型のダットサイトが取り付けられて、遠距離戦にも近距離戦にも対応できるようになっている。
更に銃身の下部にあった大型のフラッシュライトは取り外されて、アドオン式のグレネードランチャー、H&K AG36が取り付けられている。元々この銃はH&K G36のカスタム銃だ。元々のメーカーが一緒の為、取り付けることが出来たのだろう。
そして取り外した大型フラッシュライトの代わりに、より小型のフラッシュライトとレーザーポインターの複合モジュールが銃身の左側面に取り付けられている。
対ミュータント戦では強力なフラッシュライトは獣である彼らの目潰しとしても使えるため、極めて有用だ。
そして銃身の右側面には40mmグレネード弾の予備弾薬を最大3つまで取り付けるための弾薬入れが装着されていた。
おまけに銃剣を取り付ける為のアタッチメントや6.8×43mm口径用のサプレッサーまで取り付けられている。
「随分とゴテゴテとしているな」
生まれ変わったライフルを見てフィアーは見た感想がそれだった。Barkeepは苦笑いして、
「初めて見る銃ってことでうちのガンスミスが張り切っちまってな。まあ結構儲けさせてもらったから、金に糸目を付け無くていいって言ったらこうなっちまった」
フィアーはその銃を手に取ると具合を確かめた。部品のつけすぎで通常のライフルより確かに重いが、元々の銃が軽量化されていたのと、重量軽減のアーティファクトを装備しているせいか、さほど負担は全く感じない。邪魔になるようなカスタムパーツは後で必要に応じて取り外したり、つけたりすればいいだけだ。
「弾薬は?」
「800発は用意できた。全弾徹甲弾だ。マガジンも10は用意した。それとグレネード弾は多目的榴弾が10発。対人にも対装甲用にも使える」
「充分だ。ありがとう。で、もう一つ頼みたいことがあるんだが……こいつらの弾薬はあるか?」
次にフィアーがBarkeepに見せたのは、X-18で手に入れた10mm HV PenetratorとType-7 Particle Weaponだった。これを見たBarkeepはここに来て一番驚いた顔をしてせた。
「お前これは……」
「出処はシェパードと同じさ。最深部で手に入れた」
「お前さんはこいつを売ってくれる……ってわけじゃなさそうだな」
フィアーは肩をすくめた。
「悪いが予約がもう入ってる。ナイトクローラーの連中だ。奴らにこいつの弾薬を腹いっぱい食わせる予定なんでね」
「そりゃ残念。だがその粒子砲はうちじゃ無理だぜ。こいつのバッテリーは特殊なんだ。だが杭打ち機のほうはなんとかなる。以前偶然ナイトクローラーの死体を見つけた奴が、全く同じ武器をうちに持ち込んできたことがあってね。銃と弾薬を幾つか買い取ったんだ。銃は物好きが買っていったが、弾薬はまだ結構残ってる」
「ではそれを譲ってくれ。あと一緒に注文した暗視装置は?」
「暗視装置ならそこの包みの中だ。ZONEの職人が手を加えたからどんなヘルメットにも装着できるようにアタッチメントがついてる。ただし杭打ち機の弾薬の方は貴重品だから値が張るぜ?」
それに対してシェパードがBarkeepに言った。
「杭打ち機の弾薬代は俺の報酬から差っ引いてくれ。その代わり在庫を全て持ってきてくれ。ついでにボディーアーマーの方も傷んできたんでな。修理の方も頼みたい。フィアー、お前の装備も結構ダメージ受けてるだろ。ここの職人は腕がいい。俺がおごってやるからついでに直してもらえ」
「ではお言葉に甘えるとしようか」
それを聞いてBarkeepは楽しげに肩を広げた。
「オーケーオーケー。いやはや今日は商売繁盛だな。腕のいいストーカー達との付き合いはこれだからやめられん」
「褒め言葉と受け取っておくよ」
「勿論褒めてるんだよ。これからも100Rads Barをよろしく頼むぜストーカー。後でアーマーの職人を向かわせるからアーマーを外して入り口に置いておいてくれ。何、一日あれば新品に逆戻りだ。今日はこの客室を使っていいからゆっくりしていくんだな」
そう言い残すとBarkeepは客室を出て再び仕事場へと戻っていった。
◆ ◆ ◆
その後、シェパードは顔馴染み達に挨拶してくると言って客室を出て、酒場に向かった。
フィアーはここの知り合いなどミハイル達ぐらいしかいないし、別段交友関係を広げるつもりもないので、この客室で体を休めることにした。
先ほどまで酒の肴のようなものばかり食べていたので、Barkeepに頼んで用意してもらった乾燥野菜とキノコがたっぷり入った胃に優しいリゾットを食べ、ついでにビタミン剤やミネラルの錠剤を口に放り込む。
そして客室のキャビネットにあった、高そうなワインを勝手に飲みながら、改めて手に入れた情報を整理していた。
ATC社はこのZONEでなんらかの研究をしていたのは間違いない。とは言え、米国の企業であるATC社がこの東欧の地で活動するには何らかの後ろ盾が必要だ。ATC社はウクライナの政府に多額の献金をしていたが、このZONEで活動するにはまた別の後ろ盾がいる。
それがあのX-18の本来の持ち主であるC-Consciousnessだろう。
しかしそうなるとナイトクローラーの立場はどうなるのだろうか。彼らは元々はATC社の子飼い。それが離反したとなると、C-Consciousnessとの仲はどうなったのかわからない。ナイトクローラーの死体がX-18にあったのは、ATC社の施設であるX-18βを襲うつもりだったのだろうか。
いずれにせよ、現在ナイトクローラーはこのZONEで最大の戦力の持ち主でありながら、完全に孤立しているということだ。今はまだその圧倒的な戦力で他の勢力に対して大きな顔をしているが、補給の当てがなければその内瓦解する。
攻撃的な彼らが逃げる為だけにZONEに来たとは考えにくい。何か目的があるはずだ。
C-Consciousnessという新たなZONEの組織を知ったことで、ある程度予測することはできるが、こればかりはあのワームに直接聞いてみなければわからないだろう。
そんなことを考えていると眠気が回ってきた。アルコールが効いてきたか。
彼は荷物を抱えて寝室に向かうと、並んだ汚れたベット―――これでもZONEでは最高級のベットだ―――の一つに身を預けた。
ベットの側にはコンセントがあった。その配線が生きていることを確認すると、各種電子機器のバッテリーに繋ぐ。後は寝ている間に充電されるだろう。
そしてベットの隣に手に入れたばかりのアドバンスドライフルを立てかけ、自動拳銃を枕の下に隠して彼は眠りについた。
ZONE観光案内人物編
シェパード
ZONEの古参のSTALKER。腕がいいだけでなく、色んな所に伝手がある。
何でも屋でアーティファクトの探索から案内人、果ては顔の広さを利用した複数の勢力の仲裁までなんでもやる。
いろいろとZONEの秘密にも精通しているようだ。
オリキャラ。
因みにBarの客室はMOD導入しないと入れません