進化を続けるこの世界で   作:だゆつー

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お久しぶりです。


第13話

 荷物を持ち電車を降り、初めて帝国の土地に足を踏み入れる。俺たちが着いたときは夜の8時くらいになっていたが、大きめの駅には人が溢れかえっていた。スーツを着た人や観光客らしい人、俺たちのように制服を着た学生もいる。帝国と言ってもそこらへんは聖都とあまり変わらないらしい。

 その中を俺たちは少し歩き、駅内にある少し大きなスペース、団体用スペースと地図には書いてあるがそこで俺たちは荷物を降ろした。立ちながら談笑して数分後、先生方の話が始まった。少し長かったので要点をまとめると、俺たちはこれから帝国内部に入り、ホテルへ直行してその後は自由行動になるらしい。

 交流戦は明々後日。明日は自由に観光をして明後日は交流戦の詳しい説明と、各自作戦会議に1日費やす。俺はチーム戦に出るのだがパートナーがコウタなので何も心配はいらない。2時間くらい軽い作戦を話して終わりだろう。

 いきなりだがチーム戦という単語が出てきたので、今回の交流戦の説明をしようと思う。詳しい話はいつかするので今は簡単に。今回の交流戦は第1回ということで、学校の運動会みたいに何種類も競技はない。大きく分けてたったの2つだけだ。それが個人戦とチーム戦。

 個人戦は1対1の戦いで、先にダウンした方が負けというシンプルなルールだ。チーム

戦は2対2、3対3があるが、違うのは人数だけ。ルールは個人戦と同じだ。

 さて、ちょっとした説明が終わったところで、順番ずつ生徒達が移動し始めた。俺たちが移動するのは少し先らしい。

 

「今日は寝ないで観光を楽しむぞ~!ねっ3人とも」

「いや、俺は寝るぞ」

「私もです。やっとしっかりとしたベッドで睡眠がとれますから」

「え~、そんな~!」

 

 横ではリアの徹夜で観光という意見がコウタとシズによってバッサリと却下されていた。2人に速攻で却下されていたが、リアの意見は分からないわけでもない。初めての外国で今回は何も厄介ごとが起きていない。こんな最高のシチュエーションはここ数年なかったからな、寝るのがもったいないという気持ちは俺も無いわけではない。

 それに帝国は層によって時間帯がずれているので、国全体で見ると朝、昼、夕方、夜が同時に起こっている。故に遊園地にカジノにショッピング、いろいろな娯楽が24時間いつでも楽しめるのだ。そしてこの大きさ、たった数日間寝ずに観光しても帝国の中の観光地の1割もまわれないだろう。全部まわるには少なくとも2、3か月は余裕で必要だ。

 だがそれでも、限られた時間の中でより多くの場所に行きたいと思うのは当然のことであって、それはここにいる生徒全員に当てはまるだろう。

 コウタとシズを攻めるのを一回諦めて、リアは俺の方を向いて太陽のような笑顔で俺に話しかけてきた。

 

「じゃあリョウ行こうよ!」

「嫌だ。眠い」

 

 即答だった。だって眠いものは眠いんだもん!

 

「リョウまで!」

 

 つまんない!と、だだをこね始めたリア。俺たちは思わずため息をついてしまう。こうなるとリアは面倒くさい。リアは俺たちの中で地味に1番好奇心旺盛だからな。初めて訪れた場所ではいつも以上にじっとすることができなくなるのだ。

 昔からこんな感じで誘って来たのを俺たちは初め何回かは断るのだが、結局押し切られて一緒に行く羽目になる。というのが何というか、4人で旅行へ行った時のお約束みたいなものだった。ほら、それを分かっているから他の2人も持参の観光ガイドをバッグから出し始めた。ていうか今回は行動が速いな。結局2人も観光か睡眠かは結構迷っていたらしい。

 そしてやはり、というか当然今回もいつも通りリアに押し切られた俺たちは多少の不満をリアに垂れ流しながら、動き始めた周りの生徒たちにつられて歩き始める。

 

「あら、観光なら私たちも一緒にいいかしら」

「せっかく帝国に来たんだから、寝るなんてもったいないぜ」

 

 歩き始めてすぐ、俺たちがこれからどこ行くか話し合っていると、聞き覚えがある声が聞こえた。振り返るとそこには、見覚えのあるマッチョと茶髪をワックスでばっちり決めた男性2人、俺のクラスメイトのゴリ・ピエールとソラ・ワンドが俺たちと同じように大きな荷物を持って歩いていた。

 

「おお、ゴリとソラじゃないか」

 

 俺は2人と軽い挨拶をするとそれにつられて他の3人も挨拶をする。

そういえば今回はこいつらも選ばれていたのだった。俺たちのクラスは試験で残っていた生徒が多くなかったので、最後まで残った生徒はそのまま代表に選出されていた。となると、あの俺たちに突っかかって来た3人も選ばれているわけだが……何もトラブルが起こらなければいいが。

 

「そぉいや、お前たちも選ばれてたな」

「ひどいわコウタ、私たちのこと忘れてたの!?」

「忘れてなかったから引っ付くな暑苦しい!」

「お久しぶりですね、ソラさん」

「お、お、お久しぶりです!シズさん!」

「もう、そんなに緊張しなくてもいいのに~」

「ひゃ、ひゃい!」

「ダメだこりゃ」

 

 っと少し自分の世界に浸ってしまった。俺の意識が現実に戻るとゴリはコウタと、ソラはシズとリアと話し始めていて、いつの間にか周りが騒がしくなってくる。さっきまでみんな眠気と戦っていたはずなのだがそんなこと、もう頭にないらしい。

 

「ま、この騒がしさは嫌いじゃないけど」

 

 俺はいつの間にか軽くなった瞼をこすり、観光用に買った本をバックから取り出して開いた。

 

 

 

 

▼▼▼▼

 

 

 

 

 団体用スペースから10分くらい移動して、俺たちは今エレベータの中にいる。そのエベーターは普通のビルにある大きさではなく、100人くらいが余裕で入りそうなエレベーターだ。中は赤いじゅうたんが敷かれていて、壁には高そうな絵がいくつか掛けられている。さっきのエレベーターホールには10台の同じようなエレベーターがあり、それらが俺たちが乗った場所だけではなく、何十か所もあるというのだからそれだけで帝国がどれだけ大きい国かは分かる。

 動き始めて5分くらいたったのだが、まだエレベーターが止まる気配はない。帝国は全部で地下108層からなっており、層から層への移動はこのようにエレベーターを使用する。

 ちなみに今俺たちが向かっているのは38層。帝国の中で観光地として有名な層だ。

38層ならばすぐに到着しそうな気がするが、こんなに時間がかかるということは1つの層にすごい厚みがあるのだろう。そのようなことを考えながら、エレベーターが止まるのを待つ。

 

『38層のホテル地区に到着しました』

 

 エレベーターに乗ってから10分くらいがたったのだろうか、アナウンスが流れた。エレベーターの動きがゆっくりと止まり、独特の浮遊を感じる。扉の上のホログラムに38と表示され、扉が開き始める。周りを見渡すと全員食いつくように扉の方を見ていた。

 そして、扉が完全に開くと外の光景、ボルマーレ帝国の地下の光景が初めて俺たちの目の前に広がった。

 

 

 

 

「ようこそボルマーレ帝国へ!」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「「「「はあああああああ!?」」」」

 

 初めての光景に感動する前に、見覚えのあるライトグリーン色の髪が特徴的な美女がそれはそれは楽しそうに笑いながら立っているのに目がいった。いってしまった。

 

「勘弁しろって……」

 

 俺の一言に、いつもの3人は無言で頷いた。

 




こんにちは、だゆつーと申します。
第13話を最後までお読みいただきありがとうございます。

これからも頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

誤字脱字があれば教えていただけると幸いです。
また、感想とアドバイスがあればぜひお聞かせください。

最後に、次回の話もお読みしていただければ幸いです。

最近、懐かしのボンゴレリングのガチャガチャを見つけて1人でテンションが上がってました。
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