進化を続けるこの世界で   作:だゆつー

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第3話

「聞いて驚くなよ、その仕事とは……

 

ダンジョンの調査だ!」

「「「「うん、知ってた」」」」

 

 エレナの衝撃?の告白に俺たちは口をそろえて返した。

 

「何故だ!?これはまだリョウにも言っていなかったのに!」

「いや、お前の朝言ったセリフと新ダンジョン発見のニュースで予想、というかほぼ確信してたぞ」

「エレナが興味ありそうな最新の出来事ってそのくらいだしね」

「お前が持ってくるやっかいごとは大体普通ではありえないことだからな」

「一体何度あなたに振り回されたと思ってるんですか」

 

 ただし、何故エレナが俺たちにそんなことをさせようとしているのかは分からないが。聞いてもどうせはぐらかされるだけなので俺たちも自分から聞くことはしない。

 そう、こいつは行動パターンは簡単に分かるが、その行動の理由は決して明かさない。昔からそうだった。なぜこんなことを俺たちにやらせるのか、なぜ自分から動かないのか、なぜ創造神が俺たちただの人間、さらにその子供に自分の正体を明かし何年も一緒にいるのか。

 いつか絶対にその理由を聞き出すつもりだ。俺の目的のためにも絶対に……。

 

「私、一様創造神なのに、この世界の神なのに……」

 

 その前にこんなやつを神だと認めたくはないが。

 

「エレナ、ウソ泣きはやめてそろそろ本題に移せ」

「もう茶番を終わりにするのか、もう少し続けたかったのだがな」

 

 そう言って咳払いをすると真剣な顔つきで話をし始めた。

 

「さて、今回のダンジョン調査についての話をする前に一様言っておく。今回の機会を得ることができたのは私が頼んだのもあるが、去年起きた事件を解決したお前たちの実力が評価されたこともある。そのことは頭に入れといてくれ。」

 

 周りの空気が張り詰めたのを察し、俺たちもしっかりと聞く姿勢を整えてうなずく。

そんな俺たちを見てエレナは満足げにうなずくと今回の件についての詳細を説明し始めた。

 

「さて、今回の件だがお前たちの言った通り、今朝のニュースで話題になっていたダンジョンの調査に参加してもらう。ダンジョンの詳細は向こうに行ってから責任者の騎士が詳しく話すが、重要なことを簡単に話しておく。今回のダンジョンは遺跡のような作りになっている。魔物は比較的弱くあまり出てこないが、罠がその分多いらしい」

「それは結構厄介だな」

 

 コウタのつぶやきにエレナがうなずく。

 

「ああ。ダンジョン調査に慣れている騎士たちならまだしも、初めてのお前たちにとっては正直に言って厳しいものになるだろうな」

 

 確かにそうだ、俺たちは魔物を倒すだけならば相当経験をしているが、初めてのダンジョン調査、それも自分たちがあまり慣れていないパターンだと相当な苦戦を強いられるだろう。

 

「そこら辺をどうするかはお前たちで考えてくれ」

「相変わらず助言の1つもくれないんですね」

「その分お前たちを信用しているということさ、それに今回は私からお前たちにプレゼントも用意してある。そら、受け取れ」

 

 エレナがそう言うと俺たちの前にいきなり武器が現れた。

 

「お前たちがいつも使っている武器を私が改良しておいた。安心しろ、パーツは私が創っておいた。いきなり壊れることは万が一にもないさ」

「珍しいな、お前が俺たちにこんな物を渡すなんて」

「なに、初めてのダンジョン調査の私からのささやかな贈り物さ。さて、話はここまでにしてさっさと移動するぞ。安心しろお前たちの家にはもう連絡をしておいた」

「待って、私たち服とかその他もろもろ何も準備してないんですけど!」

 

 リアが抗議の声を上げるが、

 

「必要な物は私がもう用意してある。良いからさっさと行くぞ」

 

 そう言われてリアがおとなしく引き下がると、俺たちはすぐに学園にあるワープ装置まで移動した。

 

「使用許可は私がさっき取っといたから安心しろ」

「この装置を使う許可が出るのは、申請してから最低でも2日はかかると思うのですけど……」

「権力って素晴らしいと思わないか?」

「お前、職権乱用って知ってっか?」

 

 そんな話をしつつ俺たちはワープ装置の上に立つ。係の人が俺たちに合図をし、エレナが移動準備オッケーのサインを出すと周りが光だし、ワープの準備が始まった。

 

「永遠のエネルギー正常に運転、座標特定、場所は聖都ルドリアの北にあるダンジョン、アスタ遺跡。ワープまで3秒前、2、1、ワープ開始」

 

 その瞬間、目の前が一瞬見えなくなり、瞬きをすると俺たちの目の前には巨大な遺跡が佇んでいた。周りは木々に囲まれていて、苔が生えている黄土色の石がピラミッドのように積みあがっている。その入り口らしいところの付近には、簡易型の建物があり、多くの騎士たちが食べ物を食べたり、話し合いをしたり思い思いの事をしている。ちなみにエレナは用事があると言って着いてすぐにどこかへ行ってしまった。

 

「なんか緊張感が全然ないわね~」

「今は休憩中だからね、休憩が終わると君たちがイメージしていたみたいな状態になるよ」

 

いきなり聞こえた声の方に顔を向けるとそこには20代前半くらいの金髪のイケメンが微笑みながら立っていた。

 

「君たちがエレナさんから推薦された子たちだね、僕の名前はラント・ローウルフ、この調査の責任者ってことになっているよ。気軽にラントと呼んでくれ。よろしく。」

 

 そう言ってラントは俺たちに手を差し出してきた。

 

「よろしくお願いします、ラント。俺の名前はリョウ・リノーアと言います。それでこの俺の右にいるのがシズ・アルノール、左にいるのがコウタ・ソラル、そして後ろにいるのがリア・ルノ「キャァァァァァァァ!!!!」!?」

 

 いきなりリアが叫ぶと、凄まじいスピードでラントの手を取った。

 

「私の名前はリア・ルノアと言います!リアと呼び捨てにしていただいて結構です!あの、後でサインくれませんか!?」

「ハハッ、かまわないよ」

 

 興奮しながら早口で喋るリアに慣れたふうに返事をするラント。

 

「一体どういうことだ?」

 

 コウタが呟く。俺も何がなんだかわからん。

 

「ラント・ローウルフはイケメン騎士として女性向けの雑誌によくモデルとして出ているんですよ。そのおかげか女子からはイケメン騎士の1人として人気が高いんです」

 

 シズが俺たちの疑問に答える。なるほどだからリアはこんなに興奮しているのか。

 

そんな事を考えているうちに、リアが少し暴走し始めているのでコウタが止めに入っていた。それを見て隣のシズはため息をついている。

 

「シズは行かなくても良いのか?」

「私が惹かれた男性はこれまでも、そしてこれからも1人しかいませんから」

 

 そう言ってシズは俺の方を向いてくる。俺は慌てて目をそらし、騒がしくしているリアとコウタの方に向かった。

 

「そこまでにしてそろそろラントの話を聞くぞ」

 

 そう言うとリアはしぶしぶラントから離れて、話を聞く体制になった。

それを見たラントは笑いながら俺たちにこれからの事を話してきた。

 

「さて、これからの事なんだけど君たちがダンジョンに入るのは明日の朝9時ってことになっているよ。だからそれまでは各自準備と休息をとって欲しい。時間になったらまた呼ぶからよろしくね。何か質問はある?」

 

俺たちが首を横に振るとラントは満足げに頷いた。

 

「よし、じゃあそれまで解散!」

 

 ラントがそう言うと俺たちは各自準備のために散らばった。

 

「あっ、リョウ君少し待ってくれないか」

 

  俺だけ呼び止められた、なんだろう?

 

「変なことを聞くようだけどリョウ君ってエレナさんの息子なのかい?」

 

 ああ、そう言うことか。

 

「違いますよ、俺はただの養子です。親が俺が小さいころに亡くなって、それでエレナが俺を引き取ったんですよ」

 

 よく聞かれる質問なので慣れた口調で言い返す。ファミリーネームが同じなのでエレナを狙っている男性から聞かれるのだ。

 それを聞いて安心したのか、ラントは息を小さく吐くと、変なことを聞いたと謝罪をし、建物の方に消えていった。

 

「イケメンもやっぱり男性か」

 

ついつい俺はそうつぶやくと、他の3人と同じように明日の準備を始めた。

 

 

 

 

▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

 

 翌朝、俺たちはラントのところに集合していた。今回はエレナもいる。ラントは昨日とは違いとても真剣な様子で俺たちに話しかけてきた。

 

「さて、これから君たちにはダンジョンの中に入り調査をしてもらう。いろいろ話す前に1つ聞きたいことがある。君たちは死ぬのが怖くないかい?」

 

 ラントの質問に俺たちは声をそろえて答える。

 

「「「「怖い」」」」

 

 そうするとラントは一瞬呆けた顔になったが、俺たちの目を見るとすぐに満足した様子でダンジョン探索について詳しく説明してきた。

 

「今回君はエレナさんの要望で、君たちはほとんど自由に動けるようになっている。しかし、これから言う3つの事だけは絶対に守ってもらうよ。1つ、ダンジョン内では絶対に4人で行動すること、もしはぐれた場合はすぐに君たちに渡したアイテムでここに戻ってくること。2つ、僕たちと話す通信機とは別に渡したその通信機は常にオンにしておくこと。君たちの会話は常にエレナさんが聞き、何か問題があればすぐにエレナさんが対処することになっている。3つ、宝を見つけたら絶対に触らず、すぐに連絡すること。良いかい?」

 

はい、と俺たちは返事をする。まぁでも縛りは実質2つだな。2つ目のことについてはエレナは俺たちに何かあっても絶対に動かないだろうからな。ほら、もうコーヒーを飲み始めてるし。

 

「よし、では……。ラント・ローウルフの名のもとに君たちのダンジョン調査の参加を許可する。各自身体強化を施し、武器を構え、問題がなければすぐにダンジョンに向かってくれ。必ず生きて帰ってこい!行け!」

 

「「「「はい!」」」」

 

俺たちは腕に付けてあるブレスレットを起動して「永遠のエネルギー」によって自身の身体能力を強化すると、武器を構えダンジョンの中に入って行った。

 

 

 

4月2日 AM 9:00 アスタ遺跡の調査開始

 

撤退条件 4人のうち1人でもはぐれる、または死ぬこと。




こんにちは、だゆつーと申します。
第3話を最後までお読みいただきありがとうございました。
最近、FGOで源頼光が欲しすぎてつらい。

誤字脱字があれば教えていただけると幸いです。
また、感想とアドバイスがあればぜひお聞かせください。

最後に、次回の話もお読みしていただければ幸いです。
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