「ドラゴン?」
俺がそう呟いた瞬間「ギャァァァァァァァ!!!」とドラゴンは雄たけびを上げ、俺たちに突進してきた。
「くっ!」
それを俺たちはギリギリかわす。まずいな、こいつ図体がでかい癖に動きが相当早い。
一瞬、俺は他の3人と目を合わせると、俺は全速力で逃げ始めた。他の3人も、俺について行くように走り始める。本部への報告とこれからの作戦を話し合う必要があるので、そこら辺の岩の後ろなんかに隠れたいが……
「まずい、あいつ俺たちを追いかけてきてるぞ!」
後ろのコウタが叫ぶ。やはりそう簡単には逃がしてくれないらしい。だったら、
「シズ、頼む!」
「はい、みんな目をつぶってください!」
俺がシズに合図をすると、シズはドラゴンの目に向かって銃を撃った。するとその弾はドラゴンの前でいきなり光輝く。ドラゴンはその光に目がくらんだらしく、その場で目をつぶりながら悶え始めた。その隙に俺たちは、近くの岩に隠れるとアイテムで簡易型の気配遮断の結界を作った。
「早く地上に戻ろうよ!」
リアに言われるまでもなく俺は地上に戻るアイテムをすぐに使ってみる。が……
「ダメだ、特殊な結界でもはってあるのか帰還のアイテムが使えない」
「おいおい、この部屋だけ使えなくしてるとかどんなご都合主義だよ」
使えないことが分かると、シズが本部に連絡を入れる。
「……はい、分かりました。どうやらすぐに私たちを助ける為の部隊を向かわせるようです。場所はある程度特定できているらしいので、すぐに向かうとは言ってましたが……」
「道中の罠に加えて迷路のような道、助けが来るにはしばらく時間がかかりそうだな」
「じゃあ、私たちがあいつを相手しなきゃいけないってこと?」
「そういうことになっちまうな。クソ!おいエレナ、会話は聞いてたんだろ!今俺たちの前にいる魔物の弱点くらい教えろ!!」
「そう叫ぶなコウタ、聞こえている」
コウタの声にエレナの面倒くさそうな声が通信機から聞こえてきた。
「全く、しょうがない。今回はサービスして弱点も教えてやるから、さっさと魔物の特徴を言え」
「外見は赤い鱗のドラゴンだ。体長は20メートルくらいだな。角とかは特に見当たらなかった」
エレナに俺が魔物の特徴を伝える。10秒ほど沈黙があるとエレナが魔物の名前と特徴、弱点を言ってきた。
「そいつは多分レッドドラゴンだな。ドラゴンの派生の魔物で、特徴は火のブレスの威力が通常のやつよりも少し高いだけだ。弱点はまぁ……強いて言うなら目だろうな」
「目か、分かった。もうすぐ気配遮断の結界がなくなるから会話を切るぞ」
「ああ、お前たちなら倒せるレベルの魔物だ。助けが来る前に倒せよ」
エレナと俺の会話が終わるとシズが作戦を俺たちに伝える。俺たちは互いに頷くと結界がなくなるのを待つ。
3……2……1……よし!
結界がなくなると、俺とリアがレッドドラゴンに向かって走り出す。目はもう治った様子のレッドドラゴンが俺たちを踏みつぶそうとしてくるが、
「さっきはびっくりしたけど、ちゃんと見れば避けれない速さじゃないよね!」
「油断するなよ」
「分かってるって」
それを俺たちは軽々と避ける。リアの言ったようによく見れば避けれない速さじゃない。そして俺たちが囮となっている隙に
「私たちが遠距離から目を狙います!」
「ああ!」
シズが銃を撃ち、コウタが矢を放つ。威力と狙いは十分、目に当たったらレッドドラゴンでもただでは済まないだろう。そう、当たればの話だが。
案の定、弾と矢をレッドドラゴンは瞬きをして攻撃を防いだ。やはりそう簡単に弱点を攻撃させてくれるほど甘くはないか。
「リア、今度は攻撃もいれてもっと敵を引き付けるぞ」
「わかった!」
言った通り今度は隙があれば剣で切り付ける。剣で切ることでダメージを与えているだろうが、隙があまりないためレッドドラゴンへの総ダメージ量は多くはないだろう。
その間に少しでもチャンスがあればシズとコウタの攻撃をする。それを何回も繰り返した、しかし……
「ダメだ、俺の矢もシズの弾も防がれちまう!」
「思ってたより危険を察知する能力が高いですね」
「どうすんだ、このままじゃリアとリョウの体力がなくなっちまうぞ」
確かにこのままじゃ俺たちの体力がなくなり、負ける。
「なら、銃や矢よりも威力が高い武器であいつの目を攻撃するしかないだろ」
悩んでるシズとコウタに俺が通信をいれる。
「俺のやりたいことは分かるだろ?」
「でも、それってリョウが危なくない!?」
「それでも、このままよりは良い結果になると思うぞ」
「……分かりました。悩んでいる時間はありません。リア!コウタ!」
2人は一瞬悩んだ様子だったが、
「うん!」
「ちっ、分かった!」
俺の作戦に賛成したのか2人が俺の近くに集まってくる。シズが最後に来ると俺たちはレッドドラゴンの正面に立つ。
さて、敵が1つに集まり、隙ができたなら……
瞬間、レッドドラゴンが炎を吐いてきた。
「やっぱり、一網打尽にしようと大技を放つよな!」
炎を俺以外の3人は避ける準備をしていたため、ギリギリだがその炎をかわす。
そして俺は……その炎を真正面から受ける。
熱い、身体が溶けるように熱い。だけど、これで準備はできた。
「はあああああああああああああああ!」
俺は剣の一振りで炎を吹き飛ばす。レッドドラゴンを見ると驚いているようだった。俺が炎を吹き飛ばしたからではなく、俺が炎に吞み込まれたのに生きてることに驚いているようだ。
そんなレッドドラゴンに、俺は睨みつけながら言い放つ。
「なにを驚いているんだ。人間の俺が魔物のお前の炎を受けても無傷で立っているのがそんなに不思議か?なめるんじゃないぞ、今まで進化を遂げてきたのはお前たち魔物だけじゃない。そのことを今から見せてやるよ」
そう言うと俺は剣を構えた。さあ、第2ラウンドの始まりといこうか。
こんにちはだゆつーと申します。
第5話を最後までお読みいただきありがとうございます。
これから多忙のため、投稿のペースが落ちてしまうかもしれませんが投稿をやめる気は全くないので、これからもよろしくお願いします。
誤字脱字があれば教えていただけると幸いです。
また、感想とアドバイスがあればぜひお聞かせください。
最後に、次回の話もお読みしていただければ幸いです。