フリーダムウォーズ 莉光/クレイモア 作:犬職人/SiA
「マリー?」
思わず小首を傾げた。
武器オタクで自信無さげなあのマリーが、新型アブダクターの起動実験に!?
「ナタリア・‘9’・ウー」
「ケレン・‘T’・ビリーバー」
「これはどんな風の吹き廻しだ?」
皆さんお馴染み鬼憲兵ことナタリアが、細いメガネをつい、とあげた。
「穀潰し。貴様に拒否権はないぞ。なに、簡単なボランティアだ。マリーと新型を死守すればいい話だ」
「・・・・」
「沈黙か。それはOKサインてことでいいな?」
「yes、マム」
「なら早速準備にかかれ!次に迎えに来たときに腰にウィルオードライブが装備されていなければ再教育行きだ」
いつもの態度で強引なボランティアの強制に来るが、どうもしっくり来ない。
咎人としての長年の経験か、なんかピリピリする。
『簡易バイタルスキャン完了。微弱な脳波の乱れを確認いたしました。緊張なされていますか?』
「かもな」
ポーンにもわかるくらい緊張してるってことかな?そうだとしたら相当だ。
胸騒ぎ。
これは戦う前に自分の中に興るものとは明らかに違う。
もっと禍々しい。
「ウィルオードライブくれ。再教育されちまうからな」
『了解しました。ウィルオードライブを準備致します』
考えるのはもうやめだ!いつもの調子を思いだし、ウィルオードライブを装備して、護送車に向かった。
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「ほう。私より早く護送車に乗り込むとは。穀潰しの割にはいい心掛けだ」
「お褒めに与り光栄ですわ」
いつものやり取りである。
「さて、今回のボランティアには、マティアス、ニーナ、カイ、ウーヴェ、計四名が参加する。貴様には、奴らの援護を行ってもらう」
「へえ」
「莉光が万が一マリーの手を離れた際、倒しきれる訳がない。なので、奴らを逃がす算段も貴様にとってもらう。貴様にならできるはずだ、ケレン・‘T’・ビリーバー」
「なんで倒しきれる訳がない?」
「レッドレイジを知っているだろう。負のwill'o磁場が装甲を覆っているから、我々の攻撃を受け付けない」
「ふむ。で?どう倒せと?」
「Will'o切れを待つしかない。つまり、それまで耐え抜け、ということだ。予め、莉光には稼働時間15分分のwill'oしか積んでいない。だから、15分耐え抜けば、マリーは無事に帰ってくるだろうな」
冗談じゃない。倒せない相手を15分耐え抜け、だと?何かイヤな予感しかしない。
「よーう、相棒!」
いつものトーンがして、マティアスが入ってきた。そして、ズラズラと彼のアクセサリとニーナ、ウーヴェ、カイが続いた。
そして、護送車が動き出す。戦場へと。