加音町の時計塔前に突如出現した巨大なキノコの舞台では着々と不幸のメロディーと呼ばれる楽曲の準備が進められていたのであった。
「許せない‼」
「あれを見ても・・・」
「ほう? 何を見せてくれるんだ?」
「誰だ!?」
「ハミィ‼」
「おのれ~‼」
不幸のメロディーを歌わせないためにそれを阻止しようとした響と奏がプリキュアへの変身を試みようとした矢先にメフィストだったが、そこに黒紫の龍の軽鎧に闇夜を醸し出すマントの出で立ちの神姫化した龍音がハミィと呼ばれた猫の妖精を抱えて姿を現したのであった。
「見張りは‼」
「そんなの奴は今頃寝てる」
「・・・」
「ハミィ‼」
「セイレーンが歌って欲しいニャ」
「ハミィ‼ 何言ってるの‼」
メフィストはトリオ・ザ・マイナーを見張りに着けていたことを述べると、龍音は軽くあしらってハミィを下に下ろしたのであった。
ハミィは信じているのであろう、目の前にいるセイレーンと呼ばれた黒猫に自分がまだ親友であるという意味で歌えと言ったのである。
その意味を分かっていない奏はハミィに怒ったのであった。
「人は愛すると弱くなる・・・が、恥ずかしがることはない。それは本当の弱さじゃないから。弱さを知っている者だけが、本当に強くなる」
「弱さを知っている者だけが・・・強くなれる・・・」
「セイレーン‼」
龍音は歩きながらゆっくりと舞台中央に向かいながら人を愛することは弱さではなく、逆に己の弱さを知ることは強くなるということを述べながらセイレーンと呼ばれた黒猫は龍音の言った言葉で心が揺らいでいたのであった。
親友を取るか、今の地位を取るかという選択を、そして出した答えは、
「不幸のメロディ、スタート!」
「やめさせて‼」
「大丈夫だ」
そう言っている間にもう既に演奏する準備が整い一斉に演奏を始まってしまったが、セイレーンが答えを自ら導き出したのである。
「セイレーン。おまえを信じなくてよかったよ」
「もういや‼ やめて‼ ハミィを悲しませないで‼」
「え?」
そう、あれ程敵対していたのにも関わらず不幸のメロディを歌わないという選択をして自分がまだハミィの友であるということを示したのであった。
自分の思い通りのシナリオに沿って行かない現状に苛立ちを募らせたメフィストは先ほど、セイレーンが叩いた楽譜から飛び散った音符が時計塔に憑依してネガトーンになってしまったのであった。
龍音は至って余裕の態度を崩さないで愛刀を腰に帯刀していたのであった。