審判「ゲーム新堂。1-1」
堀尾「おお、新堂の奴追いついたぜ」
桃城「琥珀の力は、ただもんじゃねえな」
吉村「新堂、お前の才能は俺以上なのは認めよう」
新堂「お褒めに預かり光栄です」
吉村「だがな。俺もこのまま後輩に負けるわけにはいかねえんだよ」
審判「1-1、吉村トゥーサーブ」
吉村「行くぞ・・・ハッァ」
パコン・・・パコン・・・パコン
カツオ「凄い緊迫感だね」
カチロー「瞬きする暇もないよ」
乾「しかし、吉村は見違えるほどパワーをつけたようだな」
海堂「乾先輩の言う通りです。アイツのベンチブレス補助なしで120㎏ですから」
菊丸「マジ!」
不二「なるほど、あの重い球筋は筋肉の力ということか」
リョーマ「でも、颯も負けてないっすよ」
桃城「だな。あの吉村のパワーテニスについて行ってやがる」
審判「ゲーム新堂。2-2」
桃城「だが、吉村もマジみてえだからどうなるかな?」
吉村(新堂、やはりお前は越前に匹敵する天才だ。しかし・・・)
・・・破壊・怒狂(クラッシュ・バーサーカー)・・・
審判「フィ、15-0」
堀尾「だ、ダンクスマッシュ!」
乾「いや違う。あれは・・・」
桃城「名付けて、クラッシュ・バーサーカー」
菊丸「クラッシュ・・・バーサーカー」
不二「なるほど」
乾「バーサーカー、ギリシャ神話の破壊神か」
リョーマ「桃先輩知ってたんですか?」
桃城「まあな。そもそもあの技は、俺のダンクをアレンジしたものだ」
乾「なるほど」
大石「何か分かったのか乾」
乾「吉村の技の入りに注視してみろ」
菊丸「入り?」
不二「そうか!」
乾「気づいたようだな。吉村は、ロブが上がった瞬間に一度体を屈めてダッシュする。つまり、入りは遅れるが、スタート時にトップスピードに乗ることが出来る」
不二「それを可能にしているのがパワーテニスで深い打球を打つ彼のスタイルというわけだね」
乾「それもあるが、そのパワーを最大限に活かしているのがあの腕力だ」
カチロー「え、どういうことですか?」
不二「分かりやすく言えば、桃のダンクは高さとスピードのバランスでパワーを生むスタイルだとすると彼のスタイルは筋力を活かした極端なパワーテニスということさ」
乾「その証拠に新堂は、なかなか前に出せてもらえない」
堀尾「まずいじゃん新堂」
リョーマ「ちょっとうるさいんだけど」
カチロー「リョーマ君、幼馴染なのに心配じゃないの?」
リョーマ「別に、もうじき始まるから」
新堂(リョーマ、お前が全米を捨てて青学にこだわった理由分かった気がするぜ)
カツオ「またロブ、クラッシュ・バーサーカー」
吉村「一気に決める」
新堂(俺も出し惜しみしてる暇ないかも)
一瞬、コート中が静まり返る。
菊丸「お、おい今のって」
大石「いや、そんな馬鹿な!」
リョーマ「始まったね」
桃城「越前?」
リョーマ「吉村先輩がパワープレイならあいつは芸術家っすよ」
吉村「今の技・・・不二先輩の」
新堂「羆落とし・・・ピース」