あなたが手を引いてくれるなら。   作:コンブ伯爵

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翔「『裏話』にてたくさんの感想を頂いたぞ。」

電「本当に、ありがとうございます!」

翔「コンブ曰く、『私の昔話で、少しでも読者さんの心を動かせたなら作者としてこれ以上嬉しいことは無い』と言っていたな。」

電「明日、次話投稿するのです!やる気がみなぎっているのです!」フンスッ

翔・電『それでは...本編へ、どうぞ。』


21話 仕事が少ない昼下がり

 

 

 

 

 また時は少し遡る。

 

 執務室の窓から巡洋・戦艦訓練の様子が見える。

 ...見た感じ上手くやっているようだ。

 

 

 

 ...久しぶりの、一人だ。

 

 

 

 常に電が私の隣にいるのだが、今は遠征に行っている。

 

 

 

「......」

 

 ガサゴソと引き出しから『PS Bita』を取り出す。

 

 友達が居ないということからまあ予想はつくと思うが、私はかなりゲームを嗜んでいる。

 

 現代は『スマホゲーム』なる携帯電話のゲームアプリを『ゲーム』と呼ぶ人間が蔓延っているらしいが、私はスマホゲームを認めない派だ。

 

 そもそもゲームとは、据え置きゲーム機...もしくは携帯ゲーム機こそがゲームであり、スマホだろうが所詮は『電話』。

 

 そんな『電話』に付いているゲームなど、ゲームの名を語ったデータの塊に過ぎない。実際翔もスマホを所持していて、有名な『パズル&モンスターズ』やら『ドラゴンストライク』なるスマホゲームはプレイしたが、どれもガチャで強キャラを手に入れなければ進めることはできない。

 

 いや、もはや『進める』という概念が無いのだ。

 

 スマホゲームには『ストーリー』が全く無い。ただ運営の出した難関ステージをガチャの強キャラでクリアするのみ。

 クリアしても話は進まず、ただ単なる小さな達成感しか生まれない。

 

 対して『DQ(ドラキュラクエスト)』はどうだ。あれほどまでに感動できるストーリーはなかなか無い。

 

『アナザーエディン』という、『DQ』と同じ会社の作った他プレイヤーとの干渉のない完璧なロールプレイングスマホゲームを勧められたことがあるが、そんなスマホゲーム作るなら据え置きゲームで作ればいい話ではないか?!

 

 更に言えば現代人に『ギルガメッシュと言えば?』と聞いても、『え?fates(フェイツ)の?』としか帰ってこない。

 

 普通ギルガメッシュといえば『ビッグブリッヂの死闘』か『FF(ファイナル・ファンタジア)V』だろ?

 いや、『XⅡ』のピアノも捨てがたいな...

 資金に余裕ができてきたらテレビゲームを執務室に設けてもいいかもしれない。

 

 

 

 

 ...とりあえず、翔はスマホゲームが大嫌いなのだ。

 

 

 

 

 ちなみに最近は巨大生物の大軍から地球を防衛する軍のゲームにハマっている。

 その絶望的...『inferno』な難易度がコアなファンからの定評を受け、何かと長生きしている隠れた名作なのだ。

 

 

 

 ────ガチャ

 

 

 

「司令官さん、掃除終わっ...」

 

「何か隠した?」

 

「ご苦労さま。...何かあったのか?」

 

 改装したてだが、掃除を頼んでいた村雨春雨が執務室に入ってくる。

 何か聞いてきたが思い切りすっとぼける。司令官として執務中にゲームをしているのがバレれば、信頼に響くはずだ。

 

「とぼけないで下さい〜!何か隠したのは分かってるんですよ?」

 

「ほらほら、ちょっと見せてよ〜っ」

 

 二人が無理やり私の懐をまさぐってくる。

 

 ガサゴソガサゴソ...

 

「おわっ!」

 

 からんからーん。

 

「「...えっ?」」

 

 懐から万能ナイフが落ちる。これ一つでドライバー、“きり”、六角回しその他もろもろが付いているスグレモノだ。

 

「きっ、気を取り直してー!」

 

 ガサゴソガサゴソ...

 

「おわっ!」

 

 かんっ、ころころ...

 

「「...えっ?」」

 

 落ちたのはラムネの瓶に入っているビー玉...正式名称は“エー玉”。

 ほら、みんなも祭りでついつい取り出して、水で洗ってそのままポケットに入れたままズボン洗濯してお母さんから怒られる事とかあるだろぅ?

 

「────そうだ、こいつを隠していたんだ。」

 

「司令官...?」

 

「君たちにも一本やるから、私がいい年こいてラムネのビー玉持ってるなんてバラすんじゃないぞ?」

 

「「やったーい!」」

 

 なんとか誤魔化すことができた。...純粋な子たちで良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一七〇〇、夕方。

 

 畳で壁にもたれて座る私の膝の上には電、隣には暁が座り、響は龍田に懐いたようで、執務椅子に一緒に座っている。

 響は無表情で感情が掴みにくいが、ちゃんと見ていると楽しそうなのがわかる。

 榛名の腕で雷は眠り、村雨は加賀に肩車されている。

 加賀も無表情だが、こちらもよく見れば感情は読める。

 

 そわそわと村雨が痒そうに太ももを動かす。

 

 太ももに挟まれた加賀から村雨への真っ赤な愛情が溢れ出す。...主に鼻から。

 

「かっ、加賀さん?!ティッシュティッシュ!」

 

 鈴谷が援護に回る。ノリの軽い娘だがこういう所で一番に動いてくれるのだ。

 摩耶と山城は畳で横になって寝ている。訓練で疲れたのだろう。

 

「ふっ、よく駆逐艦の相手なんか出来るね〜。」

 

 ソファーの上で寝っ転がりながら北上がボソりとつぶやく。

 彼女は訓練が終わって一番に、執務室のソファーを早い者勝ちと言わんばかりに陣取ったのだ。

 この前の演習や今日の訓練にしろ、必要最低限の動きしかせず見た感じやる気があまり感じられないが、窓から見えた全く無駄がない砲弾・魚雷装填技術には目を見張るものがある。

 

「......」

 

 そんな北上を眠そうな目でじっと見る春雨。

 

「...どしたのー?じっと見つめられても何も始まらないよー?」

 

 すると春雨は、し、失礼しますぅ...と声にならない言葉を発して北上に倒れ込む。

 

「えっちょ」

 

「zzz...」

 

 完全に寝てしまった。

 

「ちょっとー、狭いんだけどー?

 ────って聞いちゃいないよこれ...」

 

 不機嫌そうにしていたが、その寝顔を見つめている北上の顔はだんだんと柔らかくなり、

 

「......ま、たまにはいいかな。」

 

 と呟いて、春雨の髪を優しい手つきで梳いてやる。

 

 

 

 『.....(ニヤニヤ)』

 

 

 

「?!!

 な、なに見てるのさー!」

 

 私含むこの場で起きている全員が、生暖か〜〜〜い目で見ていた。

 

「み、見ないで!私を見ないで〜〜!」

 

 逃げようにも春雨からがっちりホールドされているし、何より心優しい北上は気持ちよさげに寝ている春雨を無理やりどけられるわけない。

 

 「「「「「「「(ニヤニヤ)」」」」」」」

 

 結局晩ご飯までずっと視線攻撃は続き、この日から春雨は妙に北上に懐くのであった。

 

 

 ...余談だか、その晩に洗濯機からガララララ...と異音がするので開いてみると、“エー玉”がふたつ入っていた。

 

 

 




後書き・雷

「ここまで読んでくれた読者の皆さま、ありがとうございます!

今回は司令官のゲーム話で半分ぐらい埋まっちゃったけど、次回は明日投稿する予定よ!
なんでも裏話でたくさんの感想をもらって、やる気が出たみたいなの!

本当に、ありがとうございますm(*_ _)m

という訳で...

次回・サブタイトル予想『響護送作戦』。



渦潮やトラブルに巻き込まれなきゃいいけど...」
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