あなたが手を引いてくれるなら。   作:コンブ伯爵

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翔「最近話の進みが遅い気がする...というご意見を頂いたぞ。」

電「もっとポンポン話を進ませないと、読者さんもうんざりしてしまうのです!」

翔「いや、ゆっくり濃い話にしたいとコンブは話しているんだ。まぁ、『展開遅め』タグも付いているし、出来れば付き合ってやってくれ。」

電「ブラウザバックでもOKなのです!それでは...」

翔・電『本編へ、どうぞ!』




24話 提督会議 Side.A

ある艦娘の日記より────

 

 

 

 

 

 

 今日、提督会議がありました。

 いつものようにぼーっと立たされるつまらない会議になると思っていたのですが、今回はいつもと違っていたのでここに残しておこうと思います。

 まず始めに、あの提督との出会いからですね...

 

 

 

 

 

 ∽

 

 

 

 

 

 ────私は無言で歩いていました。いや、そう指示されていました。

 他の鎮守府の秘書艦さんと話したいのですが、提督はあまりいい顔をしません。

 

 ...私の提督は艦娘との会話を最低限に済ませようとします。

 やはり兵器とも言える私たち艦娘を恐れているんでしょうか。

 提督は確かに無愛想で目つきは鋭いですが、それはそれでかっこいいですし、歳は二十代前半、仕事には真面目。もう少し一緒に話せたりすればなぁ〜なんて思っているんですが、物凄くお硬い人で...

 

 ...にしても提督会議に呼ばれるのは面倒ですね。

 実は私たちの鎮守府はかなり遠い離島にあるので、ここまで船で一日掛けて移動しなければなりませんし、到着しても権威を見せようと必死になって着飾ったりしている他鎮守府の提督を眺めにいくようなものです。

 そんなのより美味しいものを────

 ...いえ、艦娘としての仕事を全うしたいというのが私の本望です。

 

 ────本望ですっ!

 

 なんてことを考えながら歩いていると、やけに若い提督と出会いました。

 確か...第七鎮守府の提督です。珍しく普通の軍服に身を包み、普通の出で立ちで、普通に駆逐艦と手を繋いで歩いています。

 第七鎮守府...あそこは地獄とも例えられるほど酷い扱いを受けると艦娘の間では(もっぱ)らの噂だったんですが、どうやら大本営が悪事を暴いたらしく、今年軍学校から卒業した若い人間が着任したらしいです。あの年で提督として鎮守府に着任、それもあの第七鎮守府に...

 只者ではない気がします。

 

 ...ん?どうして私が離島の鎮守府に居るのに他の鎮守府の噂を聞けるのか...と?

 

 それは通信機の波長を“ある数字”に合わせると、艦娘同士で会話できるようにみんなで取り決めてあるんです!

 

 ちなみにこの通信方法は、元帥さんの秘書さん...名前は分からないですが、その人がメモと携帯ラジオをすれ違いざまに握らせてきたんです。

 その人と話したことは無いけど...いや、そもそも通信もしたことないですが、なかなか粋なお人ですね...

 

 ...って、よく見ると第七鎮守府の提督は秘書艦の駆逐艦と手を繋いでいます。

 

 親子とか恋人同士のような、手を繋いでいるのが当たり前と言わんばかりのあまりにも普通すぎる出で立ちで見過ごしていましたが、普通秘書艦は重巡、戦艦、空母など...いわゆる“大人”な艦娘を斜め後ろに控えさせて、主従関係を見せて権威を主張するらしいです。

 しかしこの提督は駆逐艦...“幼女(駆逐艦)”と手を繋いでいます。

 

 ...なるほど、OK、わかりました。

 

 前任の腐れ提督からロリコン提督に代わったんですね。

 

 恐らく日頃から痴漢されたり夜には一緒に寝かされたりしているんでしょう。あぁ、なんて可哀想な...

 

 ...と思ったら、その駆逐艦が話しかけてきました。

 

「あなたは...空母さん、なのです?」

 

「ええ、そうですよ。」

 

「じゃあ────」

 

「......おい。」

 

「────ひっ!」

 

 何かを聞こうとしたようですが、私の提督から威嚇されてロリコン提督さんの背中に隠れてしまいます。

 ...いえ、あのトーンは威嚇ではありません。

 私にはわかります。ただ普通に声を掛けたかっただけな時の声音です。

 ほら、うちの提督の背中が凄くしょんぼりしてます!

  

「うちの電がすみません。」

 

「......いや、俺も怖がらせちまったようだ...悪ィな。」

 

 提督同士でペコペコと頭を下げあった後、会議室へ歩いていきます。

 

 会議室に着くと、ちょうど隣にロリコ...第七鎮守府の提督がいました。

 

 それもそうでしょう。何しろ私は第八鎮守府提督の秘書艦なのだから。

 

 ...ところで、普通秘書艦は会議中立ちっぱなしですが、

 

「〜〜♪」

 

 少なくとも私は会議中に膝の上に乗って上機嫌そうにしている秘書艦など見たことは...ありませんでした(過去形)。

 

 

 

 

 ∽

 

 

 

 

 

 ...暇です。

 何しろ私たち秘書艦は突っ立ってわけわからない話を聞くだけ。

 

 少しお腹も減ってきたなぁ...

 

「......(ちょいちょい)」

 

 ...?

 駆逐艦が私の裾を引っ張ってきます。

 ちらと見ると、ふんわりした目でニコニコしながら飴を差し出していました。

 

 ふっ...この私も舐められたものです、飴だけに。

 この私を飴なんかで釣ろうなど甘すぎます!

 

...飴だけに。

 

 私は大食らいとよく言われますが、流石にここは理性でモゴモゴ...

 

 

 

 

 

 第七鎮守府の提督が立って、何やら話しています。どうやら新しい航路を見つけたとかなんとか...

 提督が立つと、その駆逐艦は膝から降りて、なんと提督の座っていた席に腰掛けました。

 

「〜〜♪」

 

 椅子はちょっと高く、ニコニコしながらぷらんぷらんと足を遊ばせています。...正直、たまらなく可愛いです。

 

「────が言うなら...」

 

 何やら反論があったらしいですが、絶対権力者...元帥の言葉によって諌められています。

 すると駆逐艦が、

 

「(翔さんに意見するからなのです老害ジジイめ...プークスクス。)」

 

 ...天使なのは見た目だけですね。

 幸いにも聞こえない程度の声でしたが、もしも人間に聞こえてしまっていたらと思うと鳥肌が立ちます。

 

 

 

 

 

 しばらくして会議が終わり解散となったんですが...

 

「電、あの人か?」

 

 帰り際に例の駆逐艦が提督から手を引かれながら、パタパタと駆け寄って来ました。手には黒い刀を持っていてぎょっとしましたが、

 

「あの...すみません、お名前を聞かせて欲しいのです。」

 

 しっかりこちらを見据えて、そう言いました。

 提督をチラと見ると、目を閉じてフン、と鼻を鳴らしました。

 

 ...見逃してくれるようです!

 

 少ししゃがんで、電?ちゃんと向き合うと、にこにことなにかとっておきの秘密を教えるような顔をして、

 

「私の名前は電なのです。

 

 実は、私たちの鎮守府に────」

 




後書き・摩耶

「ここまで読んでくれた読者のみんな、ありがとな!
今回は『A』ってヤツから見た話みたいだが...
...Aって誰なんだ?

コンブの野郎曰く、今回の話にフラグってのをおっ立てたらしいから、楽しみにしてくれよな!

次回、サブタイトル予想・『榛名とお買い物』。

榛名は人気があるのに出番無かったからな〜...
みんなの期待に応えれるかわからねぇが、
楽しみに待っててくれよな!」
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