Son of a witch 2   作:エクスカリバー(意味深)

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Chapter 4-1

寧々「今日は本当にありがとうございました。柊史君。」

 

ハロウィンパーティからの帰り道の別れ際、まだ少し目の周りが赤い寧々が言った。ハロウィンパーティーでのサプライズで寧々は嬉しさのあまり涙を流していた。きっとそのせいだろう。

 

柊史「寧々はオレと再会する為に頑張ってくれたから、少しでもお返しがしたかったんだ。」

 

オレは何気無い口調で素直に思った事を返す。

 

柊史「じゃあまた明日、学校で」

 

寧々「はい。また明日」

 

分かれの言葉を言ってそれぞれの家の方向に向かって歩き始めるオレ達。不思議な感覚だ。前のハロウィンパーティの頃はお互い名字で呼び合ってたのに今は恋人、同じ時間を生きているはずなのに違う関係を歩んでいる。そういえば寧々を意識し始めたのもこの頃だった気がする。

こうしてオレが寧々との思い出を懐かしみながら歩いていた時の事だった。

 

柊史「ん…?」

 

目の前から1人の男が歩いてくる事に気付いた。その男は黒いパーカーに黒いズボン、そして黒いフードを被っていた。姿勢も猫背でどこぞの探偵マンガの犯人のような印象を受けた。

 

柊史「………」

 

変に見て絡まれるのも嫌なのでオレはなるべく見ないフリをしながらその男とすれ違った。

 

柊史「うッ…!?」

 

その瞬間今までに感じた事のない殺気と嫌悪感の味が流れ込んで着た。オレは吐きそうになるのを必死で堪えながら辺りを見回す。すると今すれ違ったはずの男の姿が見えなかった。

 

嫌な予感がした。

 

今までの人生の中で一番と言っていい程に嫌な予感がした。オレはすぐに携帯を取り出し吐き気も忘れて急いで寧々に電話をかけた。携帯の呼び出し音とオレの心臓の音だけが聞こえる。自分でも驚くほど冷や汗をかいているのが分かった。

 

頼む…!頼む出てくれ…!!

 

オレは必死で寧々が出てくれる事を祈った。

 

寧々『もしもし、どうしたんですか柊史君?』

 

携帯から聞こえた寧々の声に心の底から安堵した。緊張がとけた体からは力が抜けてその場に崩れそうになる。オレは汗を拭いながら会話を続ける

 

柊史「良かった…寧々…本当に良かった…」

 

寧々『柊史君…?』

 

柊史「寧々、突然で悪いんだけど今日家に泊まれないかな…?」

 

寧々『え…?いいい今からですか!?』

 

柊史「急な話でごめん…でも冗談とかじゃないんだ…今から迎えに行っても大丈夫かな…?」

 

その後寧々と無事再会したオレは安心のあまり寧々に抱き着きながら涙を流してしまった。寧々は最初こそ驚いたがオレのただならなぬ雰囲気を受けて我が家に泊まる事を了承してくれた。

 

 

男「今のが報告にあった綾地寧々か。」

 

電柱の上で色々見せてもらったがどうやらあの抱きついていた男が綾地寧々の恋人の保科柊史らしい。それにしても…

 

男「あの保科柊史とかいう男…綾地寧々ほどではないが魔力を感じた。この俺の殺気にも気付いた…」

 

警戒心のない人間だと思っていたが訂正しよう。何しろこの俺は今まで一度も殺気を悟られた事が無いのだから。

 

男「奴も魔女なのか…?それとも…」

 

to be continued.


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