火影が斬る!   作:白だるま

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大変遅くなりました…

それにあんまり進まないうえに長い…
一万字近くになってすいません。
本当はもっと先まで書く予定だったのですが、なかなかうまく書けなかった自分の力量不足だと思ってくれれば…


違和感あったら指摘お願いします

2018/4.23

魔導具説明が無かったので追加


本編4

修行は一か月となり、なかなか強くなってきた…

 

その証拠に今まで私との模擬戦は、せいぜい攻撃を受けまくって、私の勝ちか何も出来ずに終わるかの二択だったけど、やはり魔導具を渡してから格段に強くなったのは、元々の才能があってここまで強くなれたと思う…それでもまだまだ甘いのよね。

イエヤスも私が教えた鎧崩しをしようと仕掛けるけど、タイミングは見切って分かっているので打点を微妙に外し衝撃を緩和している。

サヨも髪の使い方に磨きがかかって変則的な攻撃に苦戦したけど、私も今回から魔導具を使っているので対処は簡単にできる…

時間切れとなり休憩となった時に二人ともその場に倒れ込んでしまったが、この短い期間でここまでの成長は大したものだと思う。

これだと、もう一人の仲間であったタツミは同じスペックかそれ以上だと思うと少し勿体無い事したかな?

 

二人が息が整ってきたことを確認した私は二人に話があると言って聞いてもらった。

 

「きつい訓練の後でこの事を言うのは少し悪いと思っているけど、大事な話だから言っておくわ。タツミだったけ?数日前に白面が発見したわ」

 

「マジですか!!やっぱアイツ悪運強いぜ全く!!」

 

「一人でここまで来られたなんて…本当の疫病神はイエヤスだったのかしら?」

 

微妙にイエヤスの不満を漏らしたサヨの言いたい事は分かるわね…

だって、方向音痴にも程があるけどあそこまで酷いのは初めてだったわ。

 

「少し残念だけど問題が発生したわ…白面の性格を知ってるとは思うけど、余計な事言ったみたいでスカウトは出来ずに、今ナイトレイドに保護されてるわ。

でも、帝国の現状とその腐敗の根源の事は聴かされたと思うから敵対する事は無いと思うけど、注意点としては貴方たちのこの先の事なのよね…」

 

「ホカゲさんどういう意味ですか?」

 

「私は少し思った事なんだけど…暗殺者とやっていくのであれば二人にはある程度の依頼をこなしてもらわないといけないと思うけど、この一か月間でわかった事を正直に言えば二人とも暗殺者には向いてないわ」

 

二人は私の言葉に真剣に受け止めていた。

実は暗殺依頼に同行してもらった事があったのだけど…

イエヤスのせいでとんでもない事になりそうだった…

理由は簡単で、イエヤスが迷子となりその捜索で依頼が達成出来なくなる所だった事もあるが、問題はターゲットの殺害に二人とも躊躇してしまった事だ。

 

単純に言えば命乞いで隙が出来て二人とも危ない所だったけどその依頼をこなせない事は致命的で理由は…

 

「あの仕事で請け負った悪徳役人については私の話で聴いてたはずよ。善良な父親をしていた所を見てしまったからなんて理由は許されない…貴方たちが捕まり拷問され私の事を言った時に、最悪私は平気だけど戦闘力の無いエア達が犠牲になる事を分かっての行動なの?」

 

その時にイエヤスは私がエア達を守ればいいと言ったけど、エア達も雇った時に万が一の時には見捨てると言っている事を伝えた時の二人の怒った表情は久々だけど…

 

「初めに言ったはずよ『切り捨てられる覚悟を持つなら強くして雇う』って…それを忘れたのかな?」

 

私の怒気の籠った声に二人は恐怖で顔を蒼くさせたけど、初めからこの二人は別の事を頼もうと思っていたのでそんなに不機嫌にはなってないのだけど、こんな言い方したらこれじゃ白面と変わらないわね。

初めに怒っていないことを言った後に二人に前々から思っていたことを伝えた。

 

「私も考えたのだけど…二人の今後を考えると、帝国の戦乱を無くす事が出来たのなら暗殺者はその内廃業に近くなるって言ったわね?それを考えるとその後の事を考えた時に、二人はどうするつもりなのかな?」

 

「俺は…そん時に考えます。今村をどうにかしなくちゃいけないにそんな事考えてる時間なんてないし…」

 

「私もです。今も大変なのにこの先を考える余裕なんてないです」

 

二人とも大丈夫かしら?私は目標があるからどうでもなるけど…やっぱり考えといてよかったわ。

 

私はある事を提案した時の二人の顔は忘れられないわね。

 

私の提案は…

 

「貴方たちに頼みたい事があって、帝国警備隊に入って欲しいの。丁度知り合いの愚痴で人手不足だって聞いたから、今の二人だったら問題ないし、それに革命後でも続けられる職だから損は無いと思うわ」

 

本当に運が良かったと思うわ。

実はイエヤス達と出会う前の事で、エア達の事件の後の数日後に、悪徳商人や役人を調べていた時に帝国警備隊の裏事情を知ってしまった時に、ある人物を利用して当時の隊長であったオーガとガマルそしてそのおこぼれを頂戴していた隊員を全員殺害させた。

 

その殺害後に自分の恩師が不正を働いていた事、同僚にも同じ事をしていた者がいた事に絶望し精神が崩壊しかけてしまったので丁度いいので洗脳させてもらった。

神慮思考〈しんりょしこう〉で細工をして精神崩壊前までに戻し歪んでいた正義感を一から直した事は凄い労力があって疲れたわ…

この魔導具は使う対象の過去を知らないとうまくいかないので、情報習得はかなり慎重にして使用したけどね…

 

分かりやすく言えば変装してカウンセラーと偽り、数ヶ月間を使っていく地味な作業をしていたけど少しでも間違えるとやり直しなので繊細に使ったけど…もう二度と使いたくない!

でも、その労力は無駄にはならず、現在では隊長代理として活躍していて元々人当たりの良い子だったし今では友達だ。(本当の事知った時の反応が怖いけどね)

後、独特な人とも知り合ったけど、この人とは友人にはなれないと直感的に思ったわね。会う機会はもう会いだろうけど…

 

それは後にして…

 

「セリューが私に警備隊に入れってしつこくて…仕方ないから貴方たちに入って欲しいのだけど、勿論厄介払いの為でなく私に情報をくれればいいのよ」

 

実は今の警備隊はかなり優秀で私も白面も追い詰められた事もあり問題視していた。

元々優勝な隊員だったので見つかる確率が高く困っていたが、どうにか朧の透明化で逃げてるけどね。

 

「俺達に巡回と捜査網の情報をホカゲさんに渡すという事ですか?」

 

「ええ…それと私の仕事中に鉢合わせしたら、本気で捕まえに来なさい。言っておくけど殺さない程度に私も遠慮なしで行くから安心なさい」

 

「ホカゲさん…『殺さない程度』がすごく気になりますけど」

 

サヨは少し引き気味だったけど割と良い話だった事に驚いていたし、どうやら二人とも乗る気満々みたいで良かったけど、修行はまだ完了ではないので当分先だ。

話はここまでにしてイエヤスとサヨには私自身の問題を話していた。

一つ目の問題は、仕事で少し帝都を留守にする事になりその間の修業は自主練となったけど課題を出しておいた。

 

イエヤスに教えていた『鎧崩し』と『鎧通し』を完璧に使えるようにする事と、あと他の技も使えるようにできることを宿題と出したときにイエヤスからは「そんなのいきなりやれって言われても出来ねえよ!!」と言われたのでその理由を言った。

 

「私が技かけてあんたの体に染みつくほどボコボコにしたでしょ?口で教えるよりもその技を喰らって学び取ったほうが早いし回避対策も考える事も出来るから、いざとなれば本能的に動けて絶対的に成功すると思うけど?」

 

私がそう言った時に、イエヤスはこれまでの修業を思い出した…

 

(鎧通しの場合)

 

「イエヤス、鎧崩しが出来るならこれも覚えとくと便利かもしれないから教えるわね」

 

「嫌な予感するんですけど…(そうだ鉄丸使えばいいんだ)」

 

「そうだ!鉄丸使ってもいいけど意味無いから警告しとくね」

 

「え?(ドン)」

 

「この技って衝撃を内部で炸裂させる技だから、鉄丸のような強固な鎧も意味無く上手く使えば体内にダメージを与える事出来るから意味無いわよ」

 

「おえっ…それはやく言ってください…マジで痛いです」

 

「一応、出来るまで私が見てあげるから」

 

この後模擬戦での実技試験で何回も喰らい本気で逃走を考えたイエヤスだった…

 

(剛体術の場合)

 

「この技もイエヤスにとって切り札になりそうだから教えとくね」

 

「どうゆう技なんですか?」

 

「攻撃するタイミングを合わせて打撃部位を自体重と同じ重さの鉄球と化す技術って所かしら。鉄丸で体重も増加するから、威力はとんでもなくなるわね」

 

「一応イエヤス鉄丸使って、…私が威力がどんなものか分からないの。最悪私の手が痛くなるぐらいだから安心して」

 

「わかりました。ばっちこい!!」

 

「いくわよ!!一応万が一の為に受け身も考慮してね!!」

 

「はい?」

 

ドン!!!!!

 

「ホカゲさん…痛くはないけど凄い衝撃ですけど」

 

「初めて本気でやったけど、ここまで凄いなんて…イエヤス平気そうで良かったわ」

 

「確かこの技って自体重と同じ重さの鉄球と化す技術でしたよね?ホカゲさんって体重って…」

 

「イエヤス…一応私も気にしてるんだからその先を言わない事。サヨに言ったら式髪で酷い目に遭うから肝に銘じなさい」

 

その後、模擬戦での実技試験は最悪と言ってもいい地獄となったのは言うまでもない。

どうやら気にしていたらしい。

 

 

その他の回想が終わり私の方を向いて数秒後、目から光が無くなりその場に膝を抱え込んで座り「俺…よく生きてたな」泣き出してしまった。

こんな特訓させてるけど一応は爺ちゃんの特訓より遥かにマシと言ってもいいのだけど、やり過ぎた事は認めるけどね。

うん…気持ちはわかるよ。

爺ちゃんの修業がそれだったから…思い出しただけでゾッとする体験で、数年間拷問をされた気分だしね。

 

因みに私の場合は思い出すだけで鬱になる…

それは転生前の爺ちゃんの修行の時基礎作りを一か月間みっちりやってから本格的な修行として徒手空拳で相手の攻撃を捌いてかわす修行の時の卒業試験は最悪の思い出だ…

 

「儂が石を投げるからすべて捌いて回避するんじゃぞ」

 

「わかったけど…爺さんそれ石じゃなくて鉄球じゃね?俺死ぬと思うんだけど!!」

 

「細かいツッコミは無しでいくぞ!!五体満足で一時間耐えられたら合格とする!いくぞい!!」

 

「ちょ!!まっ!!!」

 

爺ちゃんの全力の投げられた鉄球は…無論捌く事は出来ず…私の体は真っ二つになりスプラッターな殺人事件のような大惨事となりました。(ご想像に任せます)

その後、その惨劇を見ていた女神様に再生治療されている時に「すまん力入れ過ぎた。ごめんねテヘペロ」と愛嬌よく言ったけど、その惨劇を見ていた修行仲間はガチで命乞いしてたわね…

私も本気でこの糞ジジイと思ったわね。

再生された後に鉄球が当たった壁を見たけど…うんこの先マジで嫌になったわ。

修行仲間がいなければ本当に精神的にまずかった。あんな修行もう嫌だ…

 

それと無く本気でイエヤスに謝っておく。

 

そしたら少し元気になったみたいで安心したけど、私が「爺ちゃんの修行と比べたら遥かにマシ」と言った時の二人が絶望した顔は忘れられない…それと恐怖からか震える声で爺ちゃん呼んでいないかを言われたけど、来ていたら本気で逃げるから!!本気で!!(無理だろうけど…)まあ…二人は死なない程度に鍛えてくれそうだけど、サヨにとっては地獄になるでしょうね…エロジジイだし私も被害に遭いそうだ。

イエヤスは……うん「男なんだからこのぐらい出来る様にならんといかんのう」とか言って死んだ方がマシってくらいの特訓になりそうね。

 

爺ちゃんの事は暫く忘れよう…

この後会うフラグが立たないと良いけどね。

 

サヨは、ある魔導具の使用の為の課題を出して置いた。

 

一応息抜きとして帝都に行く事も許可したけど、白面の同行する事を条件にした。

本来だったら二人に卒業試験代わりに仕事に行ってもらおうと思ったのだけど相手が問題だったし…遠出の件が終わり次第この仕事に就く予定となっている。

あらかじめ二人には警告として夜間の出歩きは禁止と伝えた。無論エア達にも同じ事を伝え命の保証もしない事を伝えておいた。

 

その理由は、今現在帝都で連続殺人が多発していて私は帝国及び革命軍の依頼を受けていたのだ…

 

「あらかじめ言っておくけど、本来は二人の卒業試験と手柄としての仕事として受けてもらいたかったのだけど、分が悪そうだからやめたわ。少し特殊な例だし、私も慎重にならないといけないと思った事だしね。

相手は首切りザンク…元は帝国最大の監獄で首斬り役人だったみたいで、何十年も毎日のように命乞いをする人の首を斬っている内に、それが快感変わったのか監獄で斬っているだけでは物足りなくなり辻斬りをしているみたいね。監獄の署長を殺し、持っていた帝具を盗んだことで討伐隊が組織されたけど、直後に行方をくらましていたようだけどね」

 

「俺達に任せられないのは…帝具使いだからですか?」

 

「それもあるわ。今回帝具は情報通りだったら少し厄介だと思う」

 

〔五視万能(ごしばんのう)スペクテッド〕…おそらく視力強化の帝具だと思うけど、奥の手が未知数なのよね。

この特性が十分に分かってさえいれば、二人に行ってもらって警備隊の地位を固められたらと思ったのだけど今回は私が対応する事にした。

 

「そういえばホカゲさん。暫く留守にするのは何でですか?」

 

「まあ理由は言ってもいいかな?前にあえて帝国に属して帝国を内部から変えようとしている人がいる事を話した事があると思うけど、その知り合いが帝都に戻る事を計画しているのだけど、嫌な言い方するけど暗殺される可能性があるから私に護衛に来てほしいみたいだからその打ち合わせに行くのよ」

 

辺境で元帝国の大臣であるチョウリさんが近い内に戻ると手紙で知り、事前の話し合いに参加してほしいと言う事で辺境の領地まで急ぎで行く事になっていた。

手紙にはスピアさんも会いたがっていてこの前の雪辱を晴らしたいと書いてあったけど、チョウリさんはおそらくこの件の解決をしてほしくて手紙を出したと思うのよね。

 

最後の文章に…

 

「娘を少し止めてくれんか?兵士がきつい訓練で耐え切れなくなっておって…その分強くなれたのは良い事なのだが、いい加減にしないと部下が精神的に病んでやめてしまうかもしれんから早く来てほしい」

 

スピアさん…本当に私に負けた事が悔しかったのね。

でも、実力はあったし、味方として取り入れてもいいわね…考えておこう。

 

二人には打合せが終わり次第に帝都に戻る事とその護衛の仕事を手伝う事を言っておいた。

これが二人の試験として合格したら警備隊に入ってもらう予定だ。

 

「全速力で行って帰ってくるからそんなにかからないと思うけど、課題の方は出来るだけ多く出来る様にしておく事。

イエヤス…今教えてる武術は応用が利くから帰ってきたらそれを教えるからね。自分で考えてみるのも良いけど基礎を固めないと思いがけない大怪我するからほどほどにね。

サヨはあの魔導具を自在に扱うには、その修行が必要と感じたからだという事を忘れずにね。

それは少しでも失敗すると大きな隙になるんだから…それをしながら白面の攻撃を避けながら完成させたら合格…後はアレを使いながら私と戦う事…それで致命的なミスが無ければそのまま使ってくれていいわ」

 

サヨは「使いこなして見せます」と威勢良く言ったけど相性は良いみたいだから大丈夫かしらね。

 

二人には新たな魔導具をもう一つ与えていた…

それを使いこなすのに必死なのはサヨの方で、イエヤスは使いこなしていた。

確かに〈土星の輪〉は力を増幅する効果があるけど、サヨと同じ心霊医術を使って体内に入れてくれと言われた時に理由を聞いた時に言った事は…

 

「サヨと同じ体になる事で対等になりたい…あの時は守れなかったけど今度は守ってやりたいんだ」

 

そう言われたらやらないわけにはいかなかったけど、もっと良い魔導具もあるのに使いこなす自信がないという事で〈土星の輪〉にした事はイエヤスらしい考えかな?

 

旅の準備はエア達のおかげで既に完了しているので、すぐにでも出られるので今すぐに行く事にした。

 

「二人とも私の警告は破らない事、後は帝都でもしタツミに会っても私と家の事は言わないでね。

もう私の正体はタツミが保護されたナイトレイドには、ばれてはいるけど素顔を知ってるのはエア達を含めてサヨとイエヤスしかいないんだから、ばれても良いけど面倒な事になりそうだからが本当の理由だけど、少し前に革命軍に説教しに行った時に少しやり過ぎちゃって寝込みを襲撃されるのも嫌だしね」

 

「ホカゲさん…本当に何したんですか?」

 

イエヤスはドン引きしていたが、少し昔にある事件の真実を隠しそれを利用して帝国の悪評として広めて反感を買う様な事をして革命軍に人員を取り入れようとしていた事に腹を立てた私がお話に行っただけなんだけどね…

 

「ただお話をしただけよ?『次は無い』と言ってきただけだけど?」

 

二人は私の言葉に納得していたみたいだけど…なんで?

 

無駄話も多くなったので魔導具〈韋駄天〉を取り出し穿いた後に、いつの間にか私の近くで待機して「主…雑談はすんだのか?」と言ってきた白面に少し驚き、留守中の訓練の事を頼み、チョウリさんのいる辺境に向かった。

 

 

___________________________________________

 

 

「全くもう!!スピアさんのせいで仕事に遅れちゃったじゃない!!」

 

私は数日前まで模擬訓練と理由付けた試合を三日間ずっとしていた事で、首切りザンクの掃討作戦に遅れてしまい焦っていた。

本当にしつこかったわね…全勝した私もいけないと思うけど最後は気絶させた後に、チョウリさんに別れの挨拶して出て行ったことで次何言われるか分からないわね。

打合せは数時間で終わった事は良い事だし、帝都に着いた後はブドー大将軍が後ろ盾になるので道中で何もなければどうって事は無いだろう。

 

帝都に戻ってきた時にはもう夜も遅く門も閉まっていたので、しょうがないのでばれないように侵入した後に、長年愛用している仮面を付け事前に白面と約束した合流場所まで急いだ。

 

かなり時間も経っているのでこのまま帰ってもいいかしらね?

一応、遅刻はしたけど白面がいた事と、何故か知らない少年と長い黒髪の少女もいたけど、もしかして待っていたの?

 

「主…珍しく遅刻だな。だがおかげで良い情報も得られた」

 

「ええ…待っているとは思わなかったわ。そこの少年は知らないけど…

久しぶりねアカメ…何年振りかしら?」

 

アカメは私から視線をそらして何も言わないけど、私に良い感情は無いでしょうね…

 

そんな中さっきまで白面と話していた少年が私に話しかけてきた。

その時にこの少年がタツミだと知り、イエヤスとサヨの事の礼らしいけど、こんな時でその事の礼を言ってくるのは律儀だと思うけどアカメが凄い警戒してるわよ。

少し気になったのは私の事を警戒しないで話しかけてきたのは、どうやら帝都でイエヤスとサヨと再会して色々と修行の事を話していたらしい。

その事で私に興味を持った事を言ってくれた事と二人の命を救った礼を言われ、少し照れくさい…

なんか無垢っていうか…純粋な感謝の気持ちを目と目を合わせて言われるのが苦手らしいことに今更ながら気が付いた。

 

雑談もそこまでにして、作戦を開始する事にする。

 

全員散り散りとなりザンクを探しだそうとしてはいるがなかなか見つからなかった…

そんな時に背後に殺気を感じてはいたがそれは知っている少女のものだった。

 

「今は味方よ?警戒するのは勝手だけど恨みでもあるのかしら?」

 

帝具である〔一斬必殺 村雨〕を鞘から抜き隙があれば切りつけようとしていたみたいだけど不可能と判断したようで鞘に納め警戒を解かずに私に自身の疑問を言っていた。

 

「何が目的で戻った…帝国にも革命軍にも属さない暗殺者としてなぜ戻った?」

 

「理由はシンプルよ。『約束を守る為』その為には帝国も革命軍もこの下らない戦いを終わらせてその約束を果たす事…その為に戻っただけよ」

 

アカメは私の言葉を自分なりに納得のいく形で整理していたが納得は出来なかったみたいだけど…

 

「貴方の仲間の事はそれとなく聞いたわ…帝国の闇を察してナジェンダさんに接触した時に本当の事を知ったため帝国から離反したした事と、気休めな言葉だけど貴方たちの当時の仲間たちの中で真実を知ってまで離反できたのはいないでしょうね…

失礼な事聞くけど可愛がっていた妹はどうしたの?予想は出来るけど拒絶されたのね」

 

「ああ…クロメはまだ暗殺部隊にいる。

次に会った時に敵なら私が葬るつもりだ…最優先で」

 

…苦虫を噛み潰したような表情をしているからよほどの後悔があるのだろうけど、この事には踏み込まない方は良いだろう。

誰だって思い出したくない事も一生悔いに残る後悔もある…

それを赤の他人である私が言う事ではないと思ったけどアドバイスついでに言っておいた。

 

「革命軍に強化部隊で使われていた薬剤のレシピを渡して置いたわ。

もし、敵で無くなったのであれば緩和させるぐらいの治療が可能となっていると思うからその医師に頼ってみるといいわ」

 

革命軍である死病の特効薬に使われる危険種の狩りの依頼を受けた時に、信用出来そうな人がいたので帝都にいた頃に盗んだ強化薬のレシピをその医師に託したのだ。

前に革命軍にお話に行った時に偶々会う事が出来て話をした時に、治療が可能になった事を知った。

確証は出来ており捕縛した暗殺部隊に所属していた隊員に使用して治療が出来た事を私は喜んだ…

 

アカメも私の言葉に半信半疑だったがその医師の名を告げた時に知っていた人だったみたいで真実だと知った時に私にある疑問を言ってきた…

 

「なぜそんな事をした?暗殺部隊を良く思わなかった事とは知っていたが」

 

「只の自己満足よ。革命が起これば汚れ作業の人員は職を失って口封じか今回のザンクのような快楽殺人も多くなると思っただけ、それに薬漬けになって本当にやりたい事も出来ずに死ぬ暗殺部隊の子供が哀れに思っただけよ。

…生きてさえいれば何か生きがいが見つかる事もやりたい事もあるって思いたい…

 

まあ…人殺しをした事に耐え切れなくて残念な事になる事もあるでしょうけど、その先がある事を知って欲しいと思っただけ…私がそうだったからね」

 

アカメはその後何も言っては来なかった…

 

私も何も言う気はなかったし、自分でもここまで本音を言ってしまうの意外だった。

前世での後悔もあったのかしらね…全く私らしくない。

 

それから長い時間経ったけどザンクは見つからない。

 

その為、白面とタツミと合流しようと思っていた時に魔道具<声>で白面から連絡があり合流する事になったけど…

 

 

白面…なんでタツミも連れて来なかったの?

これって絶対狙われているよね?

 

_______________________________________

 

魔導具の説明

 

神慮思考(しんりょしこう)

 

原作で葵が魔導具(袖に着ける3対の宝玉)

対象の記憶を操作することができる。ただし「その記憶を術者も知っていなければならない」「操作許容に限界値が存在する」「距離的な能力範囲限定」などの制限はあるが、集中的に操作を行えば、一人の人間の思考を根本から歪曲することも可能

 

原作で葵は記憶の改ざんをして学園の生徒の自身の記憶を消し立ち去ったり、水鏡との戦闘の記憶を消したりしている

 

 

 

 




次はタツミ視線となります。


おまけ「爺ちゃんの地獄修行」


「爺さん…その物騒な武器は…何?」

「いやおぬしの後に来た若造が行先で扱う武器なんじゃが、その扱い方を見てみたいというのでな…」

「まさか…俺を実験台にするんじゃないよね?」

「何…少し演習だと思ってくれればいいのじゃよ」

「あの野郎!!!後で憶えてやがれ!!!」

その後、俺は近接武器で切り刻まれ…遠距離モードで蜂の巣か爆散された事は言うまでもない…(まあ土下座で泣きながら謝っていたから予想外だったのだろう)

因みに原因を作った彼も魔導具の使用で実験だ…いや訓練となり地獄をみたのは言うまでもない…

補足…ホカゲは元男です。

次回はタツミ視点となります。



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