本編1
「久しぶりの帝都ね…家でゆっくりしたいわ…」
私は仕事を終わらせ自宅に帰る為に、帝都の門の前で少しぐったりしながら行列の中待っていた…
全く…私が帝都からいなくなった途端に、一気に治安が悪くなったけど…オネスト大臣の手回しの良さも脱帽ものよね…
理由は簡単だ…官僚や貴族の汚職が激増したのは、陛下がオネスト大臣に政権を任してしまっている状態で他の文官もうかつに意見を出せなかった事も大きかった…
私がいた時は、陛下は意見を聞いていたけど…オネスト大臣は意見など言わせないで牢獄か拷問所行きだろう…
それと大問題はあの戦闘狂の幼馴染の影響もあるわね…
村に戻った時に、敵と勘違いした村の皆に襲われたけど…私だと気がついて再会を喜んでくれた。
少し話を聞いてみると、北の異民族に襲撃された時に、私があげた〈石棍〉のおかげで重傷者ぐらいで済んだらしいがその場所は住めなくなったので私が住んでいた小屋の近くに集落を作ったそうだ…
何でも岩石の巨人を作って戦っていたみたいで…敵もパニック状態で逃げ出したみたいだったが…
族長さんは右腕と右足を失う重傷だったが、私が会いに行った時に「ホカゲか?このとおり惨めな体で再会ですまない…俺が弱者だったみたいだ…」と苦笑しながらも生きて会えた事を嬉しいと思った私だったけど…問題はエスデスだ。
どうやらその襲撃の後に、近辺の危険種を一人で狩っていたが村の皆に一言も言わずに立ち去ってしまった。
その後、武術大会に出場したり危険種狩りをしていたらしいが帝国軍に士官し入り、今では最も恐れられている将軍となっていた事もそうだけど、その後帝都の近くの町や村でエスデスの評判も聞いたけど…敵に対して容赦ない性格は治らなかったみたいね…拷問好きも相変わらずだしね…その代わりエスデスの部下の1人で里帰りしていた村の青年に会って詳しく聞いたけど自分を慕う人間に対しては優しいみたい…私の事も探してたようで…
「あの時の決着を付けたい…勝ち逃げは許さん…」
凄い良い笑顔で言ったそうだけど…またあんな喧嘩すんの?もう嫌なんだけど…
その青年には一応…「近い内に会えると思うけど…会った時は穏便にお願いね」と伝言を頼んだ…
実の所…黙ってくれた方がいいのだけど…この人が酷い目に遭いそうなので言った時に、青年はホッとした表情をしたので、多分私の判断は正解だったのだろう…エスデス…どんだけ酷い目に遭わせるのよアンタ…
人材集めをしたかったけど村の皆に頼るのは無理と判断した…
第二の策で私は革命軍に属さない元大臣や将軍に会って話してみようと考えた…
早速実行したけど…帝国を立て直そうとしていた大臣や将軍の殆どが革命軍と繋がっていた事実だった事に少しガッカリしてしまった。
幸いにもある辺境で元帝国の大臣であるチョウリさんと会う事が出来た事は幸いだった…
影法師として護衛していた時に会っていた事もあり協力もしてくれる事も約束してくれた…(元々戻るつもりだったらしいけどね…)
帝都に戻る時には護衛をしてもらいたいと頼まれたので、快く引き受けたけど娘さんが納得しなかったようなので実力を見せるために彼女と模擬戦をしたけど、なかなか強かったけど彼女の槍を見切って避けて疲労してきた時に首を掴んで降参させた事で実力を認めてもらった…
娘さん…いやスピアさんとは仲良くなったけど、滞在中に何回も模擬戦を頼まれた事は勘弁してほしかった…
何で私の周りの女の子は武闘派脳しかいないの?
ついでに革命軍の事も探っては見たけど…皇帝を倒すのではなくオネスト大臣を倒す事になってる事は理解できたけど、正規の革命軍ではない只の盗賊達が勝手にしていたので殲滅した事が多く、本部まで行って直接文句言った事もあったけどね…(この時、また仮面を付けていたので素顔はばれていないけどね)
革命軍にも誘われたけど…私は誘いを断った。少し大きな問題もあったしね…
この時、陛下の護衛をしていた影法師という事が知られたけど、立ち会った数人の幹部が怪しい動きをしていたので数日間調べたら…帝国のスパイでした…中には戦況状況で裏切る可能性が高い人もいたのでまとめて総司令の元で徹底的に白状させた。
この事がきっかけで革命軍に関係を持てたけど、私はあくまでも第三者として穏便に解決したいので、やんわり断った。
この時に私はある条件を言った。
「オネスト大臣は貴方たちに任せます…その後は帝国がどうなろうが知った事ありませんので…バカげた圧政が終わって安心してこの辺りがのんびりと旅が出来れば文句は言いません…ただ私は陛下と大事な約束をしています…もし陛下に危害が及ぶようであれば…分かっていますね…ついでにエスデス将軍の事ですが近い内に私が対応しておきましょう…」
その時にかなり警戒されたけど…殺気出し過ぎたかな?
代わりに帝都の悪徳貴族や不良将軍の暗殺を引き受ける事にした事で警戒を緩めてくれたみたいだけど、要注意人物扱いはされたかな?
そんな事もあり、私はホカゲとして帝都に戻り住む事にした。
幸いにも危険種の素材と各地方の特産品などを売りさばきお金はあったので、自宅兼拠点を手に入れる事が出来たのは運が良かった…
だが、そのせいで金が底を尽きました…
考えなしでこんな事した私がアホだったのは分かるのだけど白面にも呆れられ散々だったが…ここで私は本来の目的でもある仕事を始めた…
私は白面が実体化して人間に変化出来る事を知っていたので、依頼の請負人を頼んだ。
因みに白面の人に化けた容姿は…ぶっちゃけ某ホラー映画で有名な黒髪ロングの女性だ…それと顔は意外に美人なので助かったけど…初めの内は気に入らない依頼人を半殺しにしたりして前途多難になりそうだって思ったわ…
その後、今はそれなりの成果も出ていて依頼も多く取れるようになった…
白面もかなり優秀で私に足が付かないようにしてくれているので助かっている…その代わり問題もあるのだけど…
実は彼女が実体化している時は、白面の型の炎が使えない…つまり火炎放射するぐらいの能力まで低下する事がデメリットとなっているけど、魔導具でカバーしているので問題ない…
今回も革命軍の依頼で、悪徳領主の暗殺を終えて帰って来たのだけど…早い所家に帰ってゴロゴロしたいのが本音だ。
因みに白面は「並ぶのが面倒だから」と言って仕事に必要と思って渡しておいた影界玉を使って家に帰りました…
私もそうしようと思ったけど、万が一調べられた時に、不法侵入した事がばれると厄介なので渋々待つことに…
「あの子達は家の事しっかりやってくれてるかしら…帰ってきたら汚部屋になっていた(あの子達の自室)なんてことあったら懲らしめてあげないと…」
自宅の同居人たちの事がしっかりと留守をしているのか心配しながら自宅へ帰ろうとすると、帝国軍の兵舎の所で何か騒ぎになってるけど…
普段だったら気にしなかったのけど…何か興味が湧いたので見に行ってみると…どうやら雇用の問題らしく地方での任官しかない事に抗議しているみたいで、少年の方が「実力見せるからおっちゃんかかってこい!!」と実力をアピールしたかったのか挑発しているしているけど…「出て行け!!!」と言われ叩き出されていた。
どうやら少年と少女の二人組みたいで地方の出身者みたいね…
「なんで余計な事してるのよ!!」と黒髪ロングの少女にバンダナを巻いた少年が怒られているけど…君たち注目の的だよ…何か見てて面白かったので詳しく話を聞いてみようかな?
そうしようとした時に…何か嫌な視線を感じた。
私ではなく…あの二人にだ…これは少しヤバめかな?
そう思った時、私は二人に話しかけていた。
「えっと…目立ってるから二人とも落ち着いたら?」
私は少女の方に話しかけると周りの視線が分かったのか口論をやめていたけど恥ずかしかったみたいで顔を赤くしていた。
少年の方は私の顔よりも胸を見ているのは気のせいか?確かに育ってきちゃったけどね…気持ちは分かるから軽蔑はしないけど、色仕掛けされて命取りにならないといいけどね…
取りあえずさっきの視線の事もあるので場所を移動して事情を聴くことにした…
適当な料理屋に入り、二人におごりという事でご馳走したけど…
この二人…サヨとイエヤスは故郷の村を救うために帝都に出稼ぎに来たのはいいけど…軍は思った以上に待遇が悪かったらしく面接官と口論になったらしい…
それで「実力を見てくれ」と言った所で叩き出されて今に至る…どうやら帝都に来る前にもう一人いたみたいだけど盗賊に襲われ別れてしまったらしいけど、大丈夫なの?
二人に聞くとかなり強いらしく危険種狩りもこなせるみたい。
残念だけど…この二人にはこの帝都の現実を知ってもらわないと…
「話は分かったけど…軍に入らない事は正解かも…今こんな情勢だから採用されても、地方に飛ばされるから名を売る事なんて出来ないと思うわよ…それに貴方たちと同じような人も多いからもうここで稼ぐのは難しいわよ」
「そんな!!じゃあ私たちはどうしたら…」
「そうだ!俺もタツミも村をどうにかしたくて帝都に来たんだこんな所で…」
二人とも本当に故郷を大事にしている事は分かったけど、この帝都で職を探すのはやめた方がいいだろう…
私は二人の食事代を置いた後に警告の意味で私は言った…
「余計なお節介かもしれないけど、早く帝都から去りなさい…厳しくても故郷の村で暮らした方が幸せよ…死にたくなければね…貴方たちが思っているほど帝都は良い所じゃないわ…」
二人は私の言った事の意味が理解出来ていたのだろうか…答えは…
少し前の嫌な視線の事もあったので、私が店を出た後の数分後にあの二人は貴族らしい親子に拾われ雇われたみたいだけど…あの貴族は確か…
「やれやれ…明日にでもあの二人は私の言葉の意味が分かるかしらね…白面にも手伝ってもらわないと」
私はこれから起こる厄介事を解決させる事を考えながら自宅に帰った…
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私はある貴族の屋敷の離れにある倉庫に来ていた…
隣には相棒の白面が私に合わせて忍装束を着ていた…
倉庫内に誰もいない事を確認し、警備兵を無力化させた後に鍵を壊し準備を整える…
今回は、現地調査で可能であれば標的を消す事も依頼されていたが別の組織が狙っている事を知っていたので情報を売る事にした。
「白面…準備はいいかしら…」
「ああ…我はいつでも動ける…ただ…残念なのは主は我を余り使ってくれぬ事だ…いつ使ってくれるのだ…」
「近い内に考えているわ…それにこんなザコ共に使うほどの安い力じゃないでしょ…」
倉庫の侵入前に白面と話した後…倉庫に潜入した後でそこでみた物は…地獄のような惨劇だった…
そこで見た物は…拷問途中で息絶えた無数の死体と精肉された家畜のように吊るされてある人間だったモノ…毒物のせいで肌が変色したゾンビのような元人間…そして未だ裸で吊るされ体中に傷だらけとなって拷問を受け気絶している少女だった…
それは…昨日忠告をして別れたサヨだった…
近くの牢獄には全身に痣だらけでぐったりしているイエヤスの姿を見た時に、此処でどんなやり取りがされたのかが予想でき…白面に私は思っていた以上に不機嫌な声で自然のこう言っていた。
「やっぱりここは思ったよりブラックだったって事ね…白面…前言撤回してこの屋敷の敷地全部を火の海にしてみる?」
「良い笑顔で言ってくれるな主…それは魅力的な提案だが、本来の目的を忘れてはいないか?」
白面に少し呆れられたけど(白面はやる気満々だったけど…)私は「それもそうね」と怒りを鎮めて白面にイエヤスの救助を私はサヨに近づいて拘束を解こうとした時に、「サヨから離れろ!!クソ女!!」と罵声を浴びせられたけど…イエヤスはどうやらギリギリで意識があったみたいだ…
そういえば仮面で顔を隠してるから誰だか分からないか?
「私よ…昨日会ったばっかりじゃないの?ご飯奢ってあげたのに忘れるなんてひどいんじゃない?」
「アンタは…あの時の…確かホカゲさん…」
私は仮面を少しずらし正体を明かすと昨日の知った顔を見て安堵してしまったのかイエヤスはその場で泣き出してしまっていた…
やはりサヨが目の前で拷問され自分が何も出来なかった事…しかもその拷問していた相手は途方に暮れた自分たちを快く相談に乗ってくれた人のよさそうな貴族の女の子だった事もあったみたいだけど…私は助けに来たわけじゃなくて、あくまでもここの調査だ。
イエヤスは自分の事よりサヨの事を助けてほしいと言ってきたけど…なんで食事奢ったぐらいで信用してくれるの?
「私の事は信用するのはどうしてなの?裏切られるかもしれないのに…」
私はその疑問をイエヤスに聞いた時に、イエヤスはこう答えた…
「俺たちがホカゲさんの
…全く本当は助けに来たわけじゃないのに…まあ今回の依頼は調査が目的だから、仕事は終わり…っと!
…残念だけどこの二人以外は…手遅れよね…
イエヤスを牢屋から出した後に吊り上げられたサヨを助け出したけど…鞭による拷問の出血と打撲が酷い…本当は余り使いたくはないのだけど治癒の力を使い応急処置をしておいて自宅に帰り次第治療をしてあげよう…
二人とも裸でここから脱出させるのはちょっとアレなので、蔵王から大き目の布を取り出して服代わりに纏わせた…
「白面…男と女どっちがいい?」
「無論、女子だ…運ぶだけなら次元界玉か魂吸いの壷を使ってみたらどうだ?」
「あれを使うなんて酷い事言うわね…じゃサヨの事よろしくね。イエヤスは私が抱えていくわ」
「了解した…小僧…運がいいな…主に背負ってもらえるとは…ただしっかりと掴まっていないといないと地獄をみるぞ…」
私が背負った時にイエヤスは胸に触れた時に少し顔を赤くしたけど、ただ照れ臭かったみたいだけど…まあ弟としてならOKだけど好みのタイプじゃないのよね…元男だけどね
私は何で後悔するのか理解はしてなかったけど…この後に自宅まで向かっていた時の感想を聞いたら終始無言だったのは何で?
ただ
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私と白面は自宅まで急ぎたどり着こうとした時に、自宅門の前で三人の少女が待っていた…
それは事前に魔導具〈声〉で連絡しておいたので治療の準備も出来ている。
背負っているイエヤスに話しかけてみるけど返事が無いので顔を見てみると…なんで泡拭いて気絶してんの?
白面は何故か良い笑顔だ…サヨを私に抱きかかえさせると私が背負っていたイエヤスを肩に担ぎ上げて先に客室に連れて行ってしまった。
「この小僧は我に任せてその女子を治療を優先させろ…手遅れになっても知らんぞ…」
白面は去り際に表情を真剣なものに変えて忠告してくれた…
確かに、サヨはまだ応急処置しかしていないので、本格的な治療をしなければいけないとね…
私は治療がすぐに出来る様に客室にサヨを連れて行きベットに寝かした後で治癒の力で体中の怪我を治療していく…
実は治癒の力を倉庫で使わなかったのは体力の消費が激しいので、自宅で治療した方がいいと判断したからだ。
前の時にある仕事中に助けた重傷者に使った時に、治す事は出来たけどその場でとんでもない疲労で白面に次元界玉を使ってもらって運んでもらったのでどうにかなったけど…あの娘達に軽いトラウマ植えつけちゃったのは反省よね…(後に便利そうだから次元界玉内に隠れ家を作っておいたけど…本当の緊急時しか使わないかな…)
サヨの体の傷を治療して一時間ぐらい経っただろうか…顔色も良くなったのでもう平気だろう…
やはり、治癒の力を使い過ぎたせいか、何とか自室で寝ようと思うけど…思ったより酷くもう限界が近い…
面倒なのでリビングのソファーに寝っ転がり今後の事を考えていた…
「助けちゃったけど…二人の事どうしようかしらね…」
この先の事を考えている内に、いつの間にか私は眠っていた…
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魔導具の説明
影界玉
原作烈火の母である陽炎の所有する魔導具
影を媒体として監視とワープが出来る
魂吸いの壷
双角斎が所有する魔道具
専用の粉を浴びせた対象を壺に閉じ込める
時間の流れが壺の中の方が早い
イエヤスとサヨの役割も決定しています。
同居人の正体は、わかりますよね?