閣下これくしょん FLEETGIRLS   作:源 楓

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 日本海軍の歴史は明治維新で有名な幕末まで遡ると言われている。ペリー来航による開国により外国から造船技術をとりいれることにより各藩がこぞって海軍戦力を強化していった。そして昭和時代まで続いたアメリカ合衆国を仮想敵国とした富国強兵政策で国家ぐるみで増強されていき、一時期連合国軍を手こずらせるにまで至ったが第二次大戦の降伏で帝国海軍は消滅した。

 そして時は過ぎて現代、深き海より突如として現れ人類から海を奪った謎だらけの敵性艦艇群、『深海棲艦』の侵略により人類の大半の命が失われ全滅の危機に陥った時代にかつての軍艦の能力と記憶を持って深海棲艦相手に互角以上に戦える少女達が現れ人類の希望となった。人々は彼女たちを『艦娘』と呼ぶ。


第一章.始まり、中部太平洋激闘編
1.初めましてってあれ?


 ある日、海を眺めている一人の少女がいた。一週間前に大本営から着任先となった横須賀に電車とタクシーを利用して来ていた。名前を吹雪と言う。上空には空母艦娘が飛ばしたゼロ戦21型が飛んでいた。

 

「ここが着任先の横須賀鎮守府、どんな司令官がいるのかな。」

 

 そうつぶやくと基地施設の中央にある鎮守府本部へと向かった。建物はとてもきれいに掃除してあり居心地がとてもよい。ここが拠点であることを忘れそうな位だ。

 

 提督室に挨拶しようと向かうと、その提督室のまえの廊下に人だかりができていた。男性の兵士や女性を含む士官たちがいた。艦娘と思わしき人影もあった。

 

「えっと、これは…」

「あっ、あなたは?」

「は、はいっ!駆逐艦吹雪ですっ!」

「ちょっと静かに!今みんな緊急の作戦会議してるから。」

「作戦会議?」

 

 一人の小さい女の子が話してきた。吹雪と少し背が低い位で年齢はあまり離れてはいなさそうだ。作戦会議と聞いてきょとんとしていると。近くにいた男性士官が解説してくれた。

 

「ああ君が新入りか、ちょっとした敵艦隊が鎮守府に接近中でなそれの対策を…。」

 

 その頃提督室では…。

 

「敵はまっすぐこちらに向かっています。前衛として出した艦隊は二名大破、一名中破の被害を受け撤退中です。閣下、迎撃するにはもうあの機動部隊を使う他ないと思われます。」

「中川の第三水上打撃部隊があるだろ。機動部隊はあまり使いたくないんだが…。」

 

 敵艦隊迎撃の作戦会議中だ。この鎮守府の若い提督、前川リュウヤが多数の士官や艦娘に囲まれている。

 

「あの…それが…。」

「中川は艦これクラシックを聴きに、東京に行っています…。」

 

 リュウヤはこの報告を聞いて硬直する、予想外な出来事で脳が上手く働かない。手を震わせながら万年筆を置いた。

 

「ここに居る者の中で、俺が言いたいことが解らんアンポンタンは残れ。」

 

 そう言うと士官たちが出て行き、残ったのは四名の士官、武内、亀井、伊藤、西平と秘書艦の戦艦長門だけになった。

 

「なんなんだよあいつ!鎮守府から離れるなら報告しろよ!!そもそも、艦これクラシックのために休むとかけしからん野郎だ!!報告してきても止めていただろがな!それにあいつ道中夜戦しまくって資源があいたたはんふ。共同の資源無駄遣いしやがる指揮官なんか大っ嫌いだ!!。」

「閣下、言い過ぎではないですか!?。」

 

 提督の怒りを亀井がなだめようとするが怒りは止まらない。

 

「この前なんか秋津洲ねんどろいどのために俺を連れ回したんだぜ、体力や資金もあいたたヴァーカ!!。」

「いくら提督閣下でも…。」

「あんな無断で出て行く士官なんか海軍の恥だ!畜生めぇぇぇぇ!!」

 

 提督室の外にも提督の怒号が響いている。艦娘の中には怖いのか泣き出す者もいた。だが、それでも怒りはおさまらない。

 

「士官学校で学んだことはナイフとフォークの使い方だけ!オペラ座の怪人を見に行くならまだしも艦これクラシックに行くなんて恐るべき行為だ、あいつに任せるんじゃなかったよ!。俺の判断力足らんかった。士官たちの粛清を行うべきだったんだ、そうスターリンみたいにな!。」

 

 提督室前にいた吹雪が震え上がっている。こんな上官のもとで生活するのかと思うと正直不安である。

 

「ここの司令官、なんか怖い…。」

「なぁ、怖いだろ?あんまり怒らせちゃいけないぜ…。」

 

 そして、提督室ではリュウヤがため息をついた。

 

「仕方ない、機動部隊を出そう。ただし、旗艦の赤城が入渠している。だから高速修復を行い即出撃だ。準備を行え。時間はない。」

 

 その言葉で全員が動き出す。ここの機動部隊は赤城を旗艦に加賀、蒼龍、飛龍を編制し護衛艦として駆逐艦雷と電を付けている。大型艦艇は当然修復時間が長くなるため今回は特別に高速修復をして迎撃にあたる。

 出てきた提督に吹雪が挨拶のために近寄る。

 

「駆逐艦吹雪です!よろしくお願いします。」

「お前が元帥のじじいが言ってた特型駆逐艦のネームシップか。ふぅん、戦果次第で機動部隊の護衛にでもしてやるつもりだからそのつもりでいろ。今はお前に構ってる時間はない。」

 

 新入りだからなのか、冷たい扱いをされた。その後にかなりの大柄な女性が続いた。

 

「ここの秘書艦をしている戦艦長門だよろしくな。」

「よろしくお願いします、秘書艦さん。」

「あいつ、結構怖い感じだが根は優しいやつなんだ。何でみんなの前だとああなるかな…。まあ良い。吹雪、長旅で疲れてるだろう。ここの入渠システムは疲労も取ることが出来るからな、付いてこい。」

 

 入渠ドックは基本的には艦娘の耐久力(ライフポイント)を回復させるものだが。人型の艦艇を扱い以上疲労することも避けられないので疲労対策として温泉タイプのドックを採用していた。

 歩いているとのれんが掛かった入り口が見えた。ここが入渠ドックだろう。だがその前に提督が立っていた。

 

「司令官?」

「ったく、このシステム本当めんどいな。」

「めんどい?システム?」

「修復剤を使う時はここで発動を宣言しないといけない。提督室から出来るように改造してもらお。つーわけで、正規空母赤城を対象に高速修復剤を発動!」

 

 提督が発動宣言をしたが、変化が起こらない。疑問に吹雪は思ったが気にしないででドックに向かった。

 

「あいつ、疲れてたんだな、じゃあ長門あとは頼んだ。戻ってきたやつのためにも、枠を空けておかないとな。」

「ああ、任せろ。」

 

 提督がホルスターの拳銃をいじりながら提督室へと戻っていった。その頃吹雪は服を脱いでドックに入る。大浴場を模した大きな湯船やシャワーが多数整備されていた。

 

「広いお風呂だなぁ…。」

 

 湯船に浸かると一気に疲れがとれる感じがした。到着してすぐであることを忘れそうだ。

 

「あら、吹雪さんですね。」

「ふえっ!あ、あなたが赤城さんですか。」

「ええ、先日の戦闘でロ級の魚雷を受けて修復中です。大型になるほど修復の時間が長くなって…。」

「修復時間は、一時間四十五分!?。」

 

 吹雪が驚いていると、頭上に見慣れないものがあった。提督が言ってた高速修復剤だ。これを湯に溶かすことで瞬時に艦娘を回復させる。

 

《すまん赤城、緊急ミッションだ。》

「了解です、提督。吹雪さん、行って参りますね。」

「は、はいっ!お気を付けて。」

 

 挨拶を交わすと赤城は出て行った。吹雪はもう少しドックで休むことにした。

 そして赤城は機動部隊のメンバーと共に鎮守府正面海域に展開していた。ミッション内容は既に把握してある。接近中の敵艦隊に航空戦力で攻撃し撃破する作戦だ。

 

「第一次攻撃隊、発艦してください!」

「この海域は譲れません…!」

《護衛艦雷、電は損害を受けた艦娘を救援しろ。絶対に死なせるな!!全員生きて還るんだ。》

「了解司令官、行くわよ電。」

「はいなのです。」

 




 前衛展開した水雷戦隊と交代した閣下機動部隊、彼女たちは敵侵攻艦隊と交戦し見事に完全勝利をおさめる。それと同時に大本営から作戦指令書が届くがその内容とは一体…。

次回『再編成!前衛水雷戦隊』抜錨スタンバイ!
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