新宇宙戦艦ヤマト&ナデシコ(完結済み)   作:KITT

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試験的に公開してみます。

一応お話の進行で本編に登場していない部分は削っているので、進行に伴って追加はあると思います。


メカニックファイル1 宇宙戦艦ヤマト

 艦名 宇宙戦艦ヤマト

 全長 333m

 全高 94.5m(アンテナ込み)

 全幅 50m

 動力 主:リボルバー式6連波動相転移エンジン1基

    副:補助エンジン2基

 

 武装

 3連装46cm重力衝撃波砲 3基

 3連装20cm重力衝撃波砲 2基

 艦橋砲 8門

 4連装12.7㎝重力波対空砲 8基

 連装12.7㎝重力波対空砲 22基

 連装25㎜重力波対空機銃 6基

 3連装25㎜重力波対空機銃 4基

 艦首ミサイル発射管 片側3門計6門

 艦尾ミサイル発射管 片側3門計6門

 煙突ミサイル(8連装上方迎撃ミサイル) 8セル

 8連装舷側部ミサイル発射管 片側8セル計16セル

 中距離迎撃ミサイル発射機 2基 片側16セル計32セル

 トランジッション波動砲 1門

 

 その他装備品

 ディストーションフィールド改

 ディストーションブロック改

 ロケットアンカー

 多目的可変翼

 艦橋部コスモレーダー

 近距離用メインレーダー

 反重力感応機(リフレクトビット)

 探査プローブ(大・小)

 重力波ビーム発振装置

 小型コスモクリーナー

 

 搭載機 コスモタイガー隊

 ガンダムDX 1機

 ガンダムX

 Gファルコン 28機(予備機2)

 エステバリスカスタム 25機(予備機2)

 スーパーエステバリス 1機

 アルストロメリア 2機

 

 その他搭載機

 特殊探索艇 2艇

 救命艇 6艇

 雑用コバッタ 多数

 特務艇信濃 1隻

 

 

 

 特殊機能

 ワープ航法システム

 ボソンジャンプ(装備しているだけ)

 

 

 

 解説

 

 アクエリアスという水惑星の接近による地球水没から人類を救うべく自沈した、パラレルワールドの宇宙戦艦を回収して強化・復元した宇宙戦艦。

 元いた世界では幾度と無く人類滅亡の危機から人類を救った実績を持つ。

 

 元の世界では残骸が一切見つからなかった事もあり、跡形も残さず消滅してしまったと考えられているが、実際にはその時生じた膨大なエネルギーによって歪められた時空の裂け目に落ち込み、その先で“声”を聴いたことでテンカワ・ユリカと感応、彼女を接点とすることでこの世界に漂着した。

 その後、ガミラスの襲来を知ったユリカの手で引き揚げられ、ナデシコ時代の伝手を頼ってネルガル重工の手で復元、強化される形で見事復活を果たした。

 

 再建に当たり、イスカンダルからの技術供与を前提とした改設計が加えられている。

 シルエットは概ね以前ままだが、細部のデザインやバランスなどが一新されているのはこれらの改装の影響。

 特に目を引くのは電算室を擁し大型化された第三艦橋で、耐磁コーティングのため艦底色からブルーグレー系統に塗装が変更されている。

 

 全長は30mほど延伸され、全幅は10m近く拡大された。またバイタルパート部分にボリュームのある姿になったため、原型となった大和に近づいた安定感のある姿をしているのが特徴。

 中央部のボリュームが増したのは機関部の大幅な改定で居住区等中央のモジュールが左右に移動したためと、格納庫の容積拡大の結果。

 

 旧ヤマトでは遭遇した事の無い対グラビティブラスト防御を念頭に装甲やフレーム構造材に大幅な改良が加えられ、塗料を兼ねた防御コートも含めて空間磁力メッキのデータを活用したナノテクノロジーによる反射材が混入され、追加装備されたディストーションフィールドと合わせて防御力全般が強化されている。

 出力増大による負荷も考慮された結果、フレーム構造にも改訂が加えられており、以前のヤマトよりも高負荷に耐えられるようになったが、様々な意味でデータ不足であり想像を超える出力の増大もあって、最適化されているとは言い難い部分も散見される。

 

 主機関は相転移エンジンと波動エンジンを複合させた波動相転移エンジンと呼ばれる改良型に更新されていて、復元した波動エンジンの前方にスーパーチャージャーを挟んで小相転移炉心6つとエネルギー収束用の大相転移炉心で構成された、6連相転移エンジンが増設された。

 

 このエンジンの更新によって、波動砲は最大6連射可能な“トランジッション波動砲”に強化され、使い方次第では従来の波動砲では不可能だった面制圧や、複数の目標に対するピンポイント攻撃も可能となっている。

 

 並行宇宙の技術も加えた事で武装にも変化が生まれ、特に目を引くのが主砲と副砲が従来のショックカノンと異星人が残した技術であるグラビティブラストを複合して発展させた、重力衝撃波砲――グラビティショックカノンへと換装された事である。

 また、合わせて対空砲であるパルスレーザー砲もオーソドックスなグラビティブラストに換装され、重力波をパルス状に撃ち出すパルスブラスト砲に更新された。

 これらの換装は転移先の技術の反映は勿論、その世界でのガミラス帝国の艦艇にもそれらの装備が実装されていて、旧ヤマトをそのまま復活させただけでは通用しない可能性が懸念されたためで、相応の装備を与えた形となっている。

 

 ビーム兵器が重力波兵器に換装された反面、ミサイルは改良の時間が無かったため、旧ヤマトのデータベースにあった従来品に対ディストーションフィールド処置を施された程度に留まっている。

 

 また、単独での作戦行動が多かった過去の戦歴を鑑みて、大型の搭載艇を艦首底部に搭載し、戦術バリエーションを増やす事を狙った改装も施されている。

 

 その他の艦内設備も大幅にリニューアルが実施され、計器類などがその世界の標準的なものに更新された他、ナデシコの運用データに基づいて居住区画の改変が実施されたり、艦載機が宇宙戦闘機から人型ロボット兵器に変更されたこと等で、内装部分も大幅に変更を受けている。

 

 艦首フェアリーダー下と舷側ミサイルの後ろにペイントされた白い錨マークは、平和な時代が流されぬよう繋ぎ止める役割をヤマトに願う、という意図で施された。

 

 これらの改装の結果、ヤマトの総合性能は大きく強化されているのだが、ヤマトが本来いた世界に比べて宇宙艦艇の造船技術や波動エネルギーに対する理解の不足などが祟り、整備性や信頼性を含めた安定性には難が残っている。

 

 また、その優れた性能も6連波動相転移エンジンの大出力と波動エネルギーの特性に依存している部分が否めず、出力低下時の機能低下が旧ヤマトよりも深刻化している。また、燃費も全体的に悪くエネルギー制御全般が洗練されていない。

 さらに波動砲は著しい強化を施されたものの、恒星系間移動に必要不可欠なワープシステムに関しては復元が半端で連続ワープ機能が喪失しているなど、総合的な完成度は自沈直前のヤマトに比べて劣った状態にある。

 

 そのため、ヤマトは航行しながら自身の問題点を洗い出し、艦内の工作設備を使用した自己改良を続ける事を余儀なくされているため、旧ヤマトに比べて特に金属資源の消耗が激しく、機会があれば貪欲に求めるようになった。

 

 また、これらの改装にはイスカンダル製の技術が多く反映されているのだが、中には解析不能なブラックボックスの存在が確認され、要の波動エンジンの起動に通信カプセルが必要である事や、あまりにも歪な改装の原因となっているエンジンと波動砲の強化等、イスカンダルに対する嫌疑にすら発展しかねない秘密を幾つも抱えている等、一部の乗組員からは懸念を示されている状態にある。

 

 不完全さこそ目立つが、より逞しい姿となって復活を果たしたヤマトは、誕生した時と同じ大マゼラン雲のイスカンダルに救いを求めに旅立つ任務に就き、再び長い旅路に付いた。

 

 

 

 なお、ヤマトはその特異な誕生経緯故、一種の付喪神と呼べる霊性を獲得している。

 並行宇宙を移動する際、ユリカの精神に直接触れあったことが原因で人間でいう所の“自我”を手に入れた。

 ただし、自我を獲得したとはいえヤマト自身はあくまで“人間に使われる道具”であり、そうである事を大切にしているため自発的に動いたり行動を促す事は極めて稀である。

 言い換えれば、ヤマトが自ら行動する時はクルーが最大限に努力してもなお一押しが足りない危機的状況に晒されているという事でもある。

 

 

 

 武装

 

 3連装46cm重力衝撃波砲(グラビティショックカノン)

 

 ヤマトの主砲。重力衝撃波砲――「グラビティショックカノン」と称されている。ただし長いため専ら「主砲」または「ショックカノン」と呼ばれている。ただし木連出身者を中心に「重力衝撃波砲」または「衝撃波砲」と呼ぶことも多い。

 仰俯角は-5~45度。旋回角度は左右120度。射撃間隔は最速で4秒。

 砲室の形状が再建前から変更され、誕生当初のデザインをブラッシュアップしたものになっている。砲塔要員は3名。

 

 旧来のショックカノンと転移先の世界に存在したグラビティブラストのシステムを掛け合わせたハイブリッド砲。

 波動エネルギーの持つ時空間歪曲作用と先述のシステムを複合した結果、重力衝撃波を撃ち出す兵器となった。

 そのため通常のグラビティブラストよりもディストーションフィールド突破能力が高い。

 

 測距儀のレンズ部分は円形のカメラが2基並んだ物に変更され、独立した照準システムとしての性能が高められ、砲身も延長による収束率向上と合わせて射程距離が延伸されている。威力・有効射程はガミラス戦艦の主砲を凌駕している。

 

 構造が変化したことで実弾射撃能力は喪失している。これは機関部と波動砲の改装の影響で弾薬庫を用意出来なかった事も原因。

 弾薬庫喪失に伴い、供給手段がカートリッジ式からエネルギー伝導管方式に戻された。

 砲身は内部に螺旋状のライフルが彫られている点は変わっておらず、加速レールやライフリングとして作用するため、長射程化と命中精度の向上を担い、微力ではあるが貫通力向上にも役立っている。

 弾種が変更されたことで相互干渉によって弾道が乱れてしまうため、3門同時発射は不可能となった。そのため発射遅延装置が装備され、右から時間差を置いて発砲される。

 

 余談だが、波動エネルギーの影響か、発射された重力衝撃波は青白く発光して見える事が確認されている。

 

 なお、第二主砲と第一副砲を除く砲は、艦体から生えているアンテナやフィンに射線が重なってしまう確度があり、干渉を避ける改造が施されている(艦首ドーム部のアンテナは引き込まれ、後部マストウイングは上下に稼働、メインノズルの垂直尾翼はノズル外縁(冷却ジャケット)自体が回転することで干渉を避ける)。

 干渉するアンテナやフィンは擦過した程度では破損しない防御性能を与えられている(直撃は普通に吹き飛ぶ)。

 

 波動エネルギーの特性を利用した強化が施されたため、従来と異なり補助エンジン出力は発射不可能。

 

 

 

 3連装20cm重力衝撃波砲

 

 口径が小さくなり砲身が短くなったことを除けば主砲と全く変わらない装備である。

 仰俯角は-5~55度。旋回角度は左右90度。連射間隔は最速で2秒。

 砲室の側面に放熱装備が追加され、後部にも放熱フィンが増設された。砲塔要員は3名。

 口径は半分以下だが威力は口径以上を何とかを確保し、大型の主砲に比べて取り回しと近距離での命中精度はこちらの方が良いため対空砲としても使用出来る。回転速度は主砲よりも速い。

 砲身の中途にある太くなっている部分はエネルギー収束装置が埋め込まれた部分で、小口径による威力低下や射程距離の低下を少しでも補うために採用された物。

 

 大出力を活かした攻撃力はガミラス戦艦の主砲に迫るものがある。とは言え規模が小さいため射程距離は主砲の半分を切っており、旋回速度の速さを利用した近接防御や足の速い巡洋艦等に対する砲撃がメイン。

 連射速度と旋回速度が優秀なので、対空機銃が届かない範囲の敵機動兵器群に対する先制攻撃用としても使われる。

 

 

 

 艦橋砲

 

 第二艦橋下、司令塔の根元に装備された内蔵式の火器。内蔵式なので角度の変更等はほとんど出来ない。専ら信号弾や発煙弾を射出するために使うための装備で、攻撃用途には使われない。

 正面に4門、側面に2門づつ装備されている。

 

 

 

 12.7㎝重力波対空砲

 25㎜重力波対空機銃

 

 速射性と連射性能に富んだ対空砲と対空機銃。パルスレーザーから重力波砲タイプに換装されており、攻撃力と有効射程距離は飛躍的に伸びている。通称パルスブラスト(砲)。

 基本的な形状と配置は旧ヤマトからあまり変更されていないが、命中精度と威力向上の為砲身が延長されている。

 グラビティブラストに改装された結果、中型連装と大型4連装の高角砲に至っては両用砲として機能するほど破壊力が高く、集中砲火を浴びせることで比較的近い距離の敵艦に対しては十分な打撃力を発揮する。

 巡洋艦程度の規模の艦艇なら高角砲の4~5基もあればダメージを与えることが十分可能。

 配置と種類も更新され、小型連装が煙突ミサイル基部の4基に減らされ、副砲の両隣にある砲は中型連装に統一された。

 最大連射時間は30秒。

 

 舷側ミサイルと合わせて側面の個艦・艦隊の対空防御や副砲と合わせた近距離攻撃に威力を発揮する。有効射程は副砲の7割程度と長いため距離次第では主砲と併用した同行戦においても威力を発揮する。

 

 対空機銃は艦橋に装備されている小型の物。連装から3連装まで存在する。

 威力も射程も対空砲に比べて大きく劣り、主に高角砲と合わせた対空防御用に使われる。

 緊急時にはオモイカネからの自動制御で迎撃可能だが通常は砲手が詰めている。

 とはいえ、人間の反応速度のみでは追尾出来ない標的が多いため、基本的にはレーダーシステムと連動した火器管制システムで制御され、人間は誤差修正や射撃タイミングの調整を担っている。

 

 対空機銃の攻撃範囲は中型2連装が旋回角10~170度、仰角-5~45度。

 小型2連装艦首側が旋回角0~100度、仰角-5~45。艦尾側が旋回角180~80度までとなる。

 大型4連装が旋回角10~170度、仰角10~80度。

 

 

 

 ミサイル全般について。

 

 新生ヤマトが使用しているミサイルは、時間不足から対ディストーションフィールド対策を施した以外は従来の物を再生産して使っている状態にある。

 そのため火力は十分であり、強化された主砲や副砲には劣るがヤマトの貴重な攻撃手段。

 実体弾かつ誘導兵器である事は主砲には無い利点であり、砲撃の死角の敵を撃破するか動かす用途にも使われる。

 弾頭の直径は61㎝で統一されているが、機関部を含めた全長は搭載箇所によって差異がある。

 

 パーツ換装式で、エンジン部分の交換やセンサーの交換による誘導方式の変更で陸海空宙を選ばない働きを持つ。最も多く用意されているのは宙(空)対宙(空)タイプ。

 機関部には安定翼も装備されていて、発射前は横向きに畳まれているため、ミサイルを正面から見ると6角形になっている。ヤマトの発射管の断面もミサイルに合わせた6角形。

 

 新しく防御用のバリア弾頭が用意され、発射後設定された距離を飛翔後に弾頭が炸裂して円盤状にディストーションフィールドを展開し敵弾を防ぐことが出来る。

 弾頭が炸裂した場所にしか展開出来ないため高速移動しながらの防御には使い辛いが、敵の攻撃を読み弾幕の濃い部分に発射して数を減らす、減衰させるなどの用途で使えば敵中突破時に使えないことも無い。

 ディストーションフィールドは最大10秒程度しかもたず、防御性能もヤマトの副砲クラスを防ぐのがやっとで、主砲クラスになると貫通されるが威力は殺げる上多少は屈曲するため被弾せずに済むことはある。

 バリアミサイルは単独での作戦行動を余儀なくされるヤマトの損害を少しでも抑えるための苦肉の策。

 

 

 

 艦首ミサイル発射管

 艦尾ミサイル発射管

 

 艦首と艦尾に装備された宇宙魚雷。内部から再装填可能で、弾薬庫への補充も内部から可能。

 位置の関係で水中用の魚雷も数発ストックされている。

 

 喫水線の上に装備されているため主砲では砲撃出来ない位置にいる敵に対しては有効な攻撃手段。再装填にかかる時間は短く連続発射が可能だが、弾薬庫の規模から弾切れを誘発しやすい。

 この部位のミサイルは主砲と連携した使用が前提であり、敵艦を主砲の攻撃範囲内に移動させる、主砲の届かない喫水以下の敵に対する攻撃を担っている。

 バリア弾頭は配備されているが、元々正面や後方は投影面積が小さく被弾し難い為配備数は少ない。

 誘導兵器のミサイルであるため、推進剤などの都合から推奨はされないが180度ターンして反対方向の標的を攻撃する事も出来る。

 

 

 

 煙突ミサイル(8連装上方迎撃ミサイル)

 

 戦艦大和における煙突を模したミサイルランチャーである(当然ながら煙突としての機能は無い)。デザインと装備場所からこの名がついていて、改装された後も継続して採用された。内部から再装填可能。

 海上を移動する船舶である戦艦大和に類似した形状であるため、前後左右に比べ上下方向への兵装の少ないヤマトにとっては上方への攻撃を迅速に行える貴重な装備である。

 誘導兵器である事から真下の敵も狙えなくは無いが、余計な旋回行動をさせるため燃料消費が早まり追尾距離が短くなる問題がある。

 

 上方からの攻撃に対する防御を想定しているためバリア弾頭が配備されている。基本的にはパルスブラストの撃ち漏らしに対する防御として使われる。

 

 

 

 8連装舷側部ミサイル発射管

 

 ヤマトの舷側に装備されたミサイルランチャー。喫水線のすぐ上に装備されている。内部から再装填可能。

 通常は装甲シャッターに覆われているが使用時にシャッターが解放されて使用可能になる。装甲シャッターは1枚の細長い長方形状と、誕生時と同じ仕様。

 

 同時発射はせずに時間差で撃ち出されるが、撃ち方はその時その時で多少変わる。

 

 上方・下方に対しても使用可能で対空防御用としては非常に有効性の高い武装であり、ヤマトの対空防御には欠かせない存在。

 また横方向はヤマトの被弾面積が1番大きい為バリアミサイルが通常弾頭よりも多く配備され、対空機銃と並んでヤマトの防御装備としての意味合いが強い部位。その分通常弾頭のストック数がやや少ないのが欠点。

 全体的なストック数を増やすため、機関部は短いものを採用しているため有効射程が短い欠点がある。

 

 

 

 中距離迎撃ミサイル

 

 煙突ミサイル後方、アンテナマストの根元に設置されたミサイル発射装置。以前は機雷投射基であった。

 

 4セル1基の発射管が前後4基並んでいる。他のミサイルよりも小型で有効射程が短いが運動性能は上である。艦内からの再装填は不可能で、外部から行う必要がある唯一のミサイル。

 

 反重力感応基が配備されてからはそちらの射出に使われることも増えたため、実質攻撃装備から外された。

 上下角の調整や旋回も可能だがあまり活用されていない。

 

 

 

 トランジッション波動砲

 

 新生ヤマトの最強兵器。逆噴射及び全速後退のための噴射装置としても活用される。

 

 複合炉心による連射機能を持つ新型であり、“トランジッション”は切り替えを意味する。

 波動砲全般を示す正式名称としては「タキオン波動収束砲」だが、長いため専ら「波動砲」で通されている。

 

 波動エンジン内で生成された波動エネルギーを高出力・高圧縮状態にして一気に開放する事で発生する「タキオン波動バースト流」を撃ち出す兵器であり、時空間そのものを極めて不安定にする性質を持ち、通常の物質では直撃を受けると消滅する。

 タキオン波動バースト流は波動エネルギー=タキオン粒子の奔流でもある為、質量を持つ事から運動エネルギーを生じ、破壊原理と合わせてディストーションフィールドでは防ぐのが極めて難しい。

 さらに熱エネルギーとの相乗効果なのか“爆発”と形容しても差し支えない反応を生み出し、エネルギーが周囲に広がりより広域に及ぶ破壊をもたらしてしまう事がある。

 

 その威力は星すらも砕くとされ、扱いには慎重さが求められる。

 

 小相転移炉心1基と波動エンジンの1/6のエネルギーを合成して1発発射可能で、小相転移炉心の総数である6発まで連射出来る。

 

 撃発には戦闘指揮席に備えられた半自動拳銃型発射装置を使用する。

 発射装置前方に展開されるターゲットスコープ(ポップアップ式)を覗いて狙いをつける。そのため波動砲の照準時には艦の舵が戦闘指揮席に移行され、操縦席からの入力は補助扱いになる。

 艦長席にも収納式のターゲットスコープとセットになった発射装置が用意されていて、艦長権限で使用出来る。これ自体はヤマトが自沈する際、沖田艦長が使用したものと全く同じ。

 

 使用時には砲口奥のレンズシャッター状の装甲カバーが開く。

 また、改装された安定翼が重力波スタビライザーとしても機能する様になったため、精密照準時には安定翼を開いて射撃する事もある。

 

 発射機構が全体的に変更され、突入ボルトはエンジンルームに備えられ、発射口までをライフリングチューブと呼ばれるライフルの彫られた砲身で繋げられている。

 小相転移炉心の中央にある動力伝達装置=薬室内にてエンジンのエネルギーを合成して1発分のエネルギーに加工し、6連炉心そのものを突入ボルトに接続してエネルギーをライフリングチューブ内に流す構造を採用している。

 ライフリングチューブは突入ボルト部分と発射口直前に波動砲収束装置と最終収束装置の2つの収束制御装置を装備している。

 この構造の採用で、波動砲の長砲身化が果たされて有効射程距離やエネルギー制御の精度が向上を果たした。また改装の際、制御装置にグラビティブラストのシステムも補助で組み込まれ、エネルギー制御の精度を上げる工夫も凝らされている。

 また、チューブ内は空間磁力メッキを参考にした反射素材が張り付けられており、6連射の負荷に装置が負けてしまわないように保護すると同時に、エネルギーを強制的に発射口方向に押し流す働きをしている。

 

 システムの構造上、6発全部を同時に撃ち出す事は可能だが、この保護措置をもってしても受けきれない負荷を生じるため、使用すれば良くて波動砲システムの全損、最悪ヤマト自体が致命的な損害を被ると予測されている。

 

 欠点はその過剰過ぎる威力以外に、波動エンジンの起動に使われている相転移エンジンが発射数に応じて停止するため、連動している波動エンジンの出力も相応に低下する弱点も抱えており、出力低下に伴う性能低下が著しくなった新生ヤマトでは、複合炉心であることや連発式である事に胡坐をかいて迂闊に使用すると、1発であっても自分の首を絞めかねない弱点となりうる諸刃の剣である事。

 

 そして何より、その威力故に人の心を試す兵器である、ということであろう。

 

  モード・ゲキガンフレア

 

  波動砲のバリエーション運用。

  ヤマトがディンギル帝国の首都である都市衛星ウルクに強行着陸した際、ニュートリノビーム防御幕を波動エネルギーのリークで突破した際の“記憶”を基に考案された、防御特化の波動砲の応用戦術。

  防御特化と言うように、攻撃はほぼおまけ扱い。波動エネルギーの空間歪曲作用を利用した増速も出来るため、敵中突破戦術に使う事もある。

  波動エネルギーをタキオン波動バースト流にまで加工していない、エネルギーを膜の様にヤマトに被せただけという事もあってサテライトキャノン・クラスの破壊力はあるものの、自ら突撃して標的に激突しないと全く威力を発揮しない。

  波動エネルギーの膜で覆われるため、艦体への影響が懸念されるだけでなく、波動砲の様にある程度エネルギーの消費が決まっているわけではない(ほぼ直結状態にあり、人為的に切断しないと空になるまで放出してしまう)、エネルギーの膜が邪魔でヤマトが盲目状態になるなど、使い勝手が悪い。

 

  名称の由来はエネルギーを纏って敵に突撃する様がゲキ・ガンガーのゲキガンフレアの様だからというもので、名付け親は当然木星出身の技術者である。

  使用の際にはタキオンフィールドを展開するために安定翼の使用が絶対条件であり、破損した場合は使用出来ない。

 実戦でその有用性を示したとはいえ、戦艦での体当たりを辞さない突撃戦法は荒唐無稽とされ最後まで搭載を反対されていたが、ユリカが強固に搭載の必要性を主張して実装された経緯があり、安定翼の改装を含めたこの装備の搭載にはやや疑問が残されている。

 

 

 

 艦載艇

 

 特務艇信濃

 

 ヤマトの艦首底部に格納されている大型搭載艇。ヤマトの戦術の幅を広げるためにデッドスペースを抱えることを覚悟したうえで強引に搭載された突撃攻撃艇。全長81m。

 

 大型波動エネルギー弾道弾を24発装備している。本体にも格納庫にも予備を搭載する弾薬庫が用意出来なかったため、打ち切ったら再生産するまで補給不能。

 

 武装がそれしかないが攻撃力はヤマト並みに高い。

 

 波動エネルギー弾頭の搭載はヤマトも検討されたが、効果が不明瞭であるため試験的に信濃に搭載されたに留まった。

 

 従来で言うところの波動カートリッジ弾の代わりに積み込まれた波動エネルギーを使用した通常兵器であるが、信濃を介してしか使えないため、即応性が劣っているのが欠点だが、破壊力自体は弾頭の大きさもあって凌いでいる。

 エネルギー封入量は波動砲の1/80。

 

 ただし波動エネルギー弾道弾は生産に時間がかかるため、戦局の見極めが必要とされる。

 

 高いステルス性を持ち、小型艦特有の運動性能を活かして奇襲をかけることを想定している。

 しかし、波動エンジンの搭載が叶わなかった事から相転移エンジン駆動であり、総合性能性能ではガミラス艦の後塵を拝す。

 それを少しでも補うために艦尾にブースターユニットが接続されている。

 

 波動エネルギー弾道弾の生産性の悪さと信濃自体の性能限界もあり、本来想定されているヤマトとの連携戦術の域には達していない。

 将来的には波動エンジンへの換装や、装備のバリエーション開発なども検討されているが、全てはヤマトの航海の成功に掛かっている。

 

 

 

 

 

 

 防御装備解説

 

 ディストーションフィールド改

 

 ディストーションフィールド系列装備の強化発展型に相当するため“改”と付いたが、大体口頭報告では無視される。当初は別に“波動防壁”という別称が考案されたが、わかりやすさ重視で従来の名称を流用している。

 

 基本原理は従来と変わりないが、波動エネルギーを転用したことでより強固なフィールドを展開出来る。また、装置の改良により艦体の表面に纏うような複雑な制御を可能としている。

 

 その結果、火器の使用に影響を与えることなく防御フィールドを展開して攻撃と防御の両立を図れる点が従来のディストーションフィールドとの違いでもある。

 一方方向に集中展開する、ラグビーボール状に艦を覆うなど従来通りの使用も可能となっている。

 ヤマト全体を球殻状に覆う「バリアモード」と表面に沿うように覆う「アーマーモード」で区別されている。逆に一点に集中させるモードを「シールドモード」と呼ぶ。

 

 波動エネルギーを転用した事で性能が大きく向上しているが、基本的な性質はディストーションフィールドから変わっていないため、対ディストーションフィールド対策の殆どが転用可能であり、質量兵器には効果が薄い。

 

 装置は全体的にユニットが進められ、破損時の修理作業が迅速に行えるようになっている他、全体を保護するフェイルセーフが入念に施されている。

 

 大部分のコントロールは第三艦橋のECIが担当している。大元の発生器は煙突ミサイルの基部付近にある。

 普段は強固な1枚のフィールドを展開するが、場合によっては多重展開に切り替えて遮蔽を行うことも出来る。ただし、多重展開では1枚当たりの強度が低下する(防御・遮蔽能力では1枚に勝るが負担が大きい)。

 

 

 

 

 ディストーションブロック改

 

 かつてウリバタケ・セイヤが発明したディストーションフィールドを利用した隔壁の改良型。

 並みの隔壁よりも強固で瞬時に展開出来、また大規模な改修工事無しでも設置可能という利点がある。

 強度はメインのフィールドと大差無く、ヤマトに装甲板が複合中空装甲を採用している事を利用して、装甲の中空部分にも展開されているため、ヤマトは表面のフィールドと装甲だけでなく、装甲の間に展開されている数枚のディストーションフィールドを貫通しなければ内部構造に攻撃が届かないようになっている。

 外部を覆う通常のフィールドと合わせれば、ヤマトは常時多重展開したフィールドで重要機構を護っている事になるが、多勢に無勢の戦いを強いられるヤマトでは、これだけの防御であっても不安が残るのが実情である。

 

 

 

 防御コート

 

 装甲表面に施された防御処理。

 原理的には装甲等の構造材と同じで、反射材にエネルギー系の攻撃が命中すると、そのエネルギーを利用した反射フィールドを形成し、命中したエネルギーの拡散と乱反射、反射による相殺で威力を減衰させるというもの。原理上実体弾には効果なく、熱破壊にも無力。

 ビーム兵器と重力波兵器にしか効果は無く、本家本元の空間磁力メッキに比べて性能は格段に劣る。耐熱性は高いため、戦術兵器のカテゴリーに収まるのならビームの直撃による熱破壊には比較的耐性がある。

 性質上、実体弾によって剥がれてしまう事も多く、安定した効果を得るのが難しい。

 

 

 

 その他装備解説

 

 ロケットアンカー

 

 海上船舶が使用する錨にロケット推進機を装備したもの。

 ヤマトは様々な局面での使用を想定しているため、多種多様な装備を備えている。特に着水機能を持っているため、深度の浅い海に停泊する際は錨を下ろして艦を固定する必要がある。宇宙空間でも小惑星などの打ち込む事で停泊することが可能であるため、印象以上に需要が高い装備。また、敵に打ち込んだり牽引目的でも使用可能。

 

 さりげなくフィールドコーティングに対応しているため高い装甲貫通力を持つ。その貫通力は戦艦のフィールド毎装甲をぶち抜く。

 

 瞬間加重でもヤマトの2倍までの重量なら耐えられるだけの強度を持つ。

 

 ロケットアンカーのロケットノズルもタキオン粒子スラスターであり、離脱時は事前に蓄積された粒子で推進するが、接続時は艦の推進装置としても使用可能。

 

 

 

 多目的可変翼

 

 ヤマトに装備された大型の翼。不必要な時は艦内に格納可能な可変翼。

 “主翼”や“翼”と呼称される事もある。

 

 ヤマト新生に伴って大幅にモデルチェンジを行われており、従来の大型デルタ翼から形こそ変わっていないが、1枚だった翼は分割されて格納されるように変更され、それに合わせて翼面積も多少増えている。

 重力波放射装置を内蔵しており、カイパーベルト内での調整でタキオンフィールドの発生も可能となった。

 これらの機能を使ってヤマトの姿勢制御やフィールドによる艦体保護の用途にも使えるようになっているが、展開中は安定優先で運動性能が低下する、主翼は装甲化されていないので脆弱と、問題もある。

 

 タキオンフィールド発生機能が解禁されてからはワープ航行における安定化装備として機能する様になり、ワープ時の人体への影響緩和に繋がる安定度の向上、航続距離の延長が見込めるようになった。

 また、波動砲の精密射撃時の艦の安定を保つ役割や、まだ理論段階ではあるが波動砲の外部収束制御装置としても機能する事が期待されている。

 波動砲のもう1つの使い方である“モード・ゲキガンフレア”に不可欠な重要装備であり、大気圏内航行時にしか用途が無かった(無くても飛行可能)旧ヤマトに比べるとウェイトの大きな装備に変貌している。

 空力装備としての機能も保たれているが、揚力を得る形状はしていない。

 色は艦底色と同じ赤。

 

 モード・ゲキガンフレア完成前には、「主翼にフィールドをコートしてカッターに」というアイデアもあったが、強度不足で流れた裏話がある。

 

 

 

 

 長距離用コスモレーダー

 

 艦橋部、第一艦橋の上に設置された長距離用レーダー。主に航路探査や星系図の組み立てなどに使用され、交戦圏外の敵部隊の察知などにも使用されている。アンテナ表面にもディストーションフィールドが展開されているためレーダーの精度が狂わない様に改良を加えられている。

 

 上のアンテナが発信用、下のアンテナが受信用となっている。アンテナは可動式で上下左右方向への回転が可能。

 

 形状は従来の物と変わらないが縦のアンテナは抜けている格子状アンテナに変更されている。アンテナ基部の測距儀はカメラが1つから横に2つ並んだタイプに変更されている。

 

 

 近距離用メインレーダー

 

 艦首バルバスバウ部分に内蔵された、近距離用の高感度レーダー。

 

 コスモレーダーが航路探査メインのレーダーに対して、こちらは主に戦闘時の主レーダーとして使われる。

 

 

 

 反重力感応機

 

 旧ヤマトから継続装備された特殊装備。

 小惑星やデブリなどに撃ち込んで重力制御によって艦の表面に張り付けて偽装またはアップリケアーマーとして使用する他、リング状にヤマトの周囲を回転させて防御装備としても活用される。

 

 出航当初は機会に恵まれず使われていなかったが、カイパーベルトでの運用でその利便性が確認され、アステロイド等撃ち込む物体が無い場合でも似たような事が出来るようにと「リフレクトビット」と呼ばれる亜種が開発、配備された。

 リフレクトビットは反射衛星の反射板を参考に小型化された反射板と、ディストーションフィールド発生機を搭載。敵艦の砲撃の反射、フィールドによるミサイルなどの防御用に使われる。

 ただし、小さいため個々の性能は低く、数を活かしたフォーメーションで運用されて初めて真価を発揮する。

 

 当初は装備箇所が決定されておらず、艦橋砲かミサイルの弾頭に詰めての使用が検討されていたが、最終的に中距離迎撃ミサイル発射管に常時装填されるようになった。

 装填中はロケットモーターを有する土台に7本が固定され、発射後切り離されて周囲のアステロイドに撃ち込まれる。

 

 

 

 探査プローブ

 

 第三艦橋に搭載された探査装置。格納時にはロケット型だが起動すると前半分の外装が花開いて形成される電磁波探知アンテナと、先端に伸びた天体観測レンズで情報収集を行う。

 

 大型の物は星図作成用の天体観測を主とした広域探査と不明物体の調査に利用される。

 小型の物は惑星の探査用で鉱物資源の探査や植物等食糧に利用出来そうな有機物の探査に利用される。

 

 再装填は発射管から差し込む形で行われるため内部からでは不可能。使って損失したら再生産しないと補充出来ないため、可能な限り回収して整備の後再利用されるのが常。

 

 電算室(第三艦橋)とのリンクにより非常に高度な情報収集及び解析能力を発揮する。ヤマトの新しい目であり本体のレーダーシステムが破損した時の代用としても使える。

 

 

 

 重力波ビーム発信装置

 

 エステバリス系列機への無線エネルギー供給システム。エステバリスを艦載する艦ではポピュラーな装置で特別なものでは無い。

 ただし、ヤマトの場合はサテライトキャノンの無線供給用に大出力高指向性の発信装置を装備している。

 

 

 

 亜空間ソナー

 

 艦首バルバスバウに装備された亜空間に潜んだ物体を発見するためのパッシブソナー。

 艦首バルバスバウが前方にスライドしてアンテナを露出して機能する。パッシブとアクティブ混在型で必要に応じて使い分ける。

 

 パッシブタイプは相手のアクションを拾う形で使用するが、そのため“雑音”に極端に弱く、対潜攻撃等で時空の乱れを発生させると補足困難に陥る欠点がある。

 アクティブタイプは自らの位置を露呈してしまう欠点があるが、能動的に操作が可能というパッシブに無い利点がある。

 

 ヤマトのデータベースからの再建ではなくイスカンダルからの提供で開発されたシステム。だが、地球の技術の未熟さとデータの不足から本来の性能を発揮し切れていない。

 次元の境界面の探査にも使えるため、波動砲と併用すれば不慮の事故で落ち込んだ次元断層からの脱出も可能となる。勿論、任意で入り込むことも理論上は可能である。

 

 ただし、次元潜航艇に対して直接攻撃可能と推測される攻撃装備が実質波動砲しかないため、現時点ヤマトは敵を察知しても基本的には早急に逃走する事しか出来ない。しかし、信濃の波動エネルギー弾道弾は至近で爆発させれば効果があると推測されているので、連携すれば対応も可能と推測されている。

 

 

 

 小型コスモクリーナー

 

 イスカンダル星から譲り受けた放射能除去装置。その小型簡易版。ヤマト艦内のデータベースから制作された、宇宙線対策の要。

 

 コスモクリーナーとしての機能と効果は同等だが、宇宙船搭載用にシステムが簡略化されていて影響範囲が半径400m以内に限定されている。

 

 

 

 フラッシュシステム

 

 イスカンダルから提供された精神感応システム。人の精神波を受信して機械類を直接操作出来るシステムとされている。

 波動エンジンの制御装置区画に組み込まれているが、搭載理由不明。他の制御システムとも複雑に絡んでいるため、現状では取り外す事も不可能。

 

 

 

 

 

 

 艦内施設

 

 

 

 第一艦橋

 

 ヤマトの発令所。各部署の統括者が勤務し、それらの部署のデータが一挙に集まる場所。窓は5つ、全て硬化テクタイト製で非常に強固。全ての窓が二重から三重構造で、間にはディストーションフィールド等が展開され、防御や放射線除去をになっている。

 

 窓は出航当初は無色透明だったが、カイパーベルト内での修復作業中に減光フィルターを追加され外から見ると濃いオレンジ色になった。マジックミラーのような性質があり内から見ると透明のまま。

 透過する光の量は自動制御されるが完全な遮光は出来ない。

 

 防御シャッターは上下から展開される仕様に改められ、有視界を必要とする場合に備えて開閉可能な覗き窓も用意された。

 シャッター閉鎖中は窓がそのままディスプレイを兼ねるように設計されているため圧迫感を感じ難く、マスターパネルを別情報の表示に回せるようになっている。

 また、戦闘中や危険宙域の航行中は安全のため防御シャッターが下ろされている事が殆どである。

 

 改修に伴いより堅牢で機能的になっている他、計器類の仕様がかなり改められており、アナログメーターからデジタルメーターへの更新がかなり多い。

 結果この世界では標準的なフライウインドウと計器類と併用が可能になり、情報管理能力が上がっている。

 

 基本的なレイアウトはあまり変わっていないが、旧レーダー席の後方に副長席(新レーダー席)が追加さら、レーダー席位置には電探士席が新設、第三艦橋のECIと直通のエレベーターで繋がっていて、チーフオペレーターが任意で行き来する。

 

 艦橋後ろの壁にはダメージコントロールパネルと潜望鏡が設置され、エレベーターの内側の壁には液晶掲示板、外側にはトイレが新設されている。

 

 また、ここに留まらず司令塔全体のフィールド強度は艦体部分よりも高めに設定され、装甲の薄さを補うようになっている。

 

 

 

 第二艦橋

 

 発令所としての機能は無く主に航海班が使用する航路探査や宇宙地図の作成を行う部署。言うなれば縁の下の力持ち。この部署無くしてヤマトの航路は決定出来ない。

 

 基本的なレイアウトは以前のままだが、電算室へのエレベーターシャフトが通っているため少々手狭になった印象がある。

 

 再建時にはこの部分に装甲化されたCICの設置も検討されていたが、艦体に収まっていなければ誤差レベルという指摘と、電算室への直通エレベーターシャフトを遮ってしまう、重病で素早く移動出来ないユリカの事もあって没になった。

 

 

 

 第三艦橋

 

 新生ヤマトの電算室を擁する電子戦艦橋。再建に伴って最も仕様が変更された部署。

 ナデシコCの運用データが最も色濃く反映された場所であるため、正面にはナデシコの花びらのマーキングが施され、“ナデシコの魂を継ぐ”という意味合いが込められている。

 

 波動砲・ワープ・宙域走査や砲撃の弾道計算など、各艦橋や制御装置のバックアップを行う。一気に主要施設へと変貌したため、旧ヤマトよりも基礎構造と防御性能が大幅に強化されている。

 旧全天球レーダー室が開発の参考にしているため、球形の高解像度スクリーンの中に古墳の様なオペレート席が設置された構造を採用している。

 そのため上下対称構造だった以前とはデザインが大幅に異なり面影が全くない。後部には乗務員用ハッチがある。

 

 チーフオペレーター席は第一艦橋の電探士席と繋がっていて、高速エレベーターで“座席が昇降する”事でそのまま使用される。また、エレベーターシャフトは“左右に分かれたスーパーチャージャーの間を通っている”。

 単純な情報処理能力はECIの方が優れているが、第一艦橋の座席の方が艦橋要員の要求に応え易い利点がある。

 

 他の艦橋以上に装甲が強化されているため窓は存在せず、窓の様に見える部分は探査プローブ発射管のハッチ。

 改装の結果一回り以上大型化していて、大型化された翼はウイングアンテナとして扱われるため情報収集能力が上がっている。

 

 オモイカネの本体部分もこの第三艦橋に収められている。

 これは、ヤマトの艦内構造上艦の中央がエンジンと格納庫に占拠されてコンピューター室を設置出来なかったことと、“元々オモイカネを載せる予定が無かった”事に起因する。

 これは単純にヤマト完成前の最強戦力であったナデシコCが、ヤマト完成直前まで撃沈されずに残る保証が無かった事や、貴重な戦力を秘密裏に再建していたヤマトの為に潰せなかった事が理由。

 

 またルリの乗艦が揺るがなくなったことでチーフオペレーター席の仕様が変更され、ナデシコAと同じIFS対応パネルに置き換えられている。

 ただし、交代要員が操作する事も想定して、第一艦橋は通常のコンソールパネルが採用され、副オペレーター席も同様である。

 突貫工事でオモイカネとルリ向きの改造を行ったため、性能が十分ではないという欠点があるが、元々の素性が良いため限定的にはナデシコC並みの運用は可能。

 

 

 

 艦長室

 

 その名の通りヤマト艦長の個室。

 第一艦橋の艦長席とは直通エレベーターで繋がっているため非常事態にも対応しやすいのが特徴である。

 ベッドは収納式で裏には収納式の机があり、隣には本棚も用意されている。

 左前方には来客用の補助席が設置されているだけでなく、床下収納庫に予備席が幾つか用意され、食事用のテーブルもしまわれている。

 これは食堂を利用するには状態が良くないユリカが少しでも食事を楽しめるようにと、身内が一緒に食事を摂れるようにするための配慮。

 

 が、大和では主砲の射撃指揮所に当たる部位にあるため、見るからに危険というデメリットあり。

 個室としては最も立派だが、それを補って有り余る恐怖を新艦長であるユリカは日常的に味わっている。

 窓という窓に減光フィルターが装備されたのは彼女の意見によるところが大きい。

 

 眺めは良いがその分宇宙空間に非常に近い(窓の硬化テクタイト3枚越しである)ため怖いらしく、時折うなされているらしい。

 

 ドアを出て艦の右後方部分には洗面所と浴室も用意されている。

 艦長室へのアクセスは左側の主幹エレベーターから1階下のフロアに出てから階段を上るか、艦長席の昇降機能を利用のみ。

 ただし、非常用エアロックを使って外部からの侵入は可能。

 

 

 

 中央作戦室

 

 司令塔の直下に設置された作戦会議を行うための部屋。位置関係では丁度対空機銃群上段と下段の間。

 電算室の情報を即座に受け取れるなど作戦立案に必要なあらゆるシステムを備えている。敵兵力の分析などにも使用されることがある。かなり広い(司令塔の前から煙突ミサイルの半ばほどまでの空間)。

 床にはパネルが埋め込まれ、室内中央には立体投影式の宇宙儀が備えられていて事前に作戦を立てる時やヤマトの大まかな航路を確定する上で使用される。

 

 時折放送されるなぜなにナデシコの撮影所も兼ねているため、出航後隅の方に撮影用のセットや着ぐるみが置かれるようになっている。

 

 

 

 居住区

 

 ヤマトの乗組員達が寝起きする生活空間。流石にナデシコほど豪勢ではないがそれでも宇宙戦艦としては豪勢な部類に入る。

 

 各班・各科の長は個室を、それ以外のクルーは2人部屋を使用する。

 ただし、パイロットは格納庫に隣接した独自の居住設備を使用している。

 波動エンジンと波動砲が艦首から艦尾の中央が占有された影響で左右に分断され、両者が繋がっているのは艦中央部の主幹エレベーターホール部分のみとなっている。

 

 クルーの部屋以外にもバーチャルルームを始め、大浴場や小規模ながら映画視聴室といった福利厚生のための施設もある。

 なお、映画視聴室には男性乗組員用のポルノビデオも用意されているという噂もあるが、真偽は定かではない。一説には夜な夜な艦長に隠れて上映会が開催されているとか。

 何故か「熱血ロボ ゲキ・ガンガーIII」は全話揃っている。他にも各種ジャンルの映画やドラマ・アニメなどが豊富に揃えられている。

 他にも舷側展望室に連結しているほか、本格的な医療を行うための医療室も左右の区画に1つづつ備わっている。

 また、医療室には“お守り”と称して今や貴重品の日本酒が神棚に1瓶置かれているが、その由来を知っているのは現状ユリカのみである。

 

 

 

 機関室

 

 6連波動相転移エンジンの制御室。機関士が常時エンジンの様子を見て、常に最適の出力に調整する。各種設備は機関室から動かすことが出来、艦載機発進口や姿勢制御バーニアやサブ・メインノズル全てここから制御出来る。

 無論それらは艦橋側からの制御が主であるため、専らそれらのノズルが要求する(操舵席から入力された)出力を出し切るために必要なエネルギーを適切に供給するのが機関士の仕事である。

 機関部が大幅に拡大されているため機関室も大きくなっている。そのため上部にエンジン全体を素早く見渡すための移動式機関室も用意されている。

 

 

 

 格納庫及びカタパルト

 

 ヤマトの艦載機の格納庫兼発着場である。搭載艇信濃の格納庫も含める。

 旧ヤマトとはがらりと印象が変わり、格納施設や整備用の作業アームなどの装備のおかげでその様子はナデシコのそれに近いと言える。

 

 ただし、容積削減のためと、汎用化していた事もあってエステバリス用の換装フレームは搭載していない。

 

 搭載数は最大60機に及ぶが、Gファルコンとの合体機構が採用された事で実働数が半減している。

 これは宇宙戦闘機か人型機動兵器かで意見が割れていた事から最終仕様の決定が遅れが生じ、さらにはGファルコンとの合体によるエステバリスの強化がヤマト再建の終わりに近い時期であったこともあり、最適化する時間が足りず、合体したまま格納し、その状態でも整備が出来る構造を構築出来なかったため。

 

 発着方法が変更され、従来の格納庫と発着口が直結したタイプから、格納庫中央に用意された発進用レーンに機体を並べた後、レーンが傾斜して発進口に繋がるスロープになり、スロープと格納庫をシャッターで仕切ってスロープ自体を減圧室とし、その時点で解放された発着口から発進する流れになっている。

 連続出撃の際はハッチの開口部をディストーションフィールドで遮蔽して加圧してシャッターを解放、スロープに新しい機体を乗せてからシャッターの閉鎖、減圧、フィールド解放からの射出の流れ。

 カタパルトは重力波カタパルトを採用していて、スロープ内部の重力制御で機体を加速、発進後も外部に発生させた重力場を駆使して機体の消耗を極力抑えつつ発進方向を制御する事が可能。

 

 発進口は艦首側の大型が大型機(=重爆撃機仕様)の発進口、艦尾側が通常機の発進口として使われている。スロープ自体共通の物を使用して、大型ハッチを使う時は半ばから分断されて使われる。

 スロープに乗せられる機体は通常機が4機、大型機が2機となっている。

 スロープ構造と艦の中央にまで格納庫が伸びた事から、床下にスペースが生まれ、そこが艦載機用の弾薬庫や予備パーツの倉庫として活用されている。そのため待機スペース付近には運搬用のエレベーターが設置された。

 

 上部のカタパルトは主にアルストロメリアやダブルエックスと言ったGファルコンと合体可能で収納形態(戦闘機形態)を取れる機体のみが使用している。

 下部格納庫と専用通路で繋がっていて、運搬用のマニピュレーターによって持ち上げられ、カタパルト後方の装甲ハッチが解放された後、横にスライドしたカタパルトに乗せられて発進する。

 

 他にも第三艦橋両脇のバルジ部分に地上用車両、艦首の専用スペースに多目的輸送機、後部甲板下の格納庫に作業艇等が格納されている。

 

 

 

 工場プラント区

 

 通称・艦内工場。旧ヤマトの物を復元する際、木星に現存していた古代火星人の工業プラントのデータや部品を組み込んでアップグレードしている。

 単独で長距離を航行しなければならないヤマトの生命線であり、修理や日々のメンテナンスに必要な部品の生産を行うだけでなく、独自に新しい部品を設計して置き換えたり、新装備や新型機の開発すら可能となっている。

 全長は40mで施設毎に階層が分かれている。

 鉱物の精錬から合金の作成まで、データさえあればかなりマルチに製造が可能。

 

 

 

 ヤマト農園・合成食糧製造室

 

 居住区の艦首側の端から繋がっているヤマトの食糧製造施設。

 

 長期航海に備えてある程度自給自足出来るように用意された施設で、農園では遺伝子改良で成長速度を速めた野菜類が造られ、合成食糧製造室では合成たんぱく質の生産や植物性プランクトンの培養が行われ、最終的にはそこで合成肉やプランクトンペーストが造られている。

 生鮮食料(特に自前で供給する術が無い肉類)は地球出港時に積んだ分を使い切った場合は合成肉に頼る他無い。

 合成肉は特定の動物の味には寄せられていないため味が薄く癖が無い。

 ただし加工段階で調味液に付けたり、油分を多くしたり少なくしたり、調理の工夫などで少しでもクルーが飽きないように試行錯誤が続けられている。

 また、コラーゲンなども合成されゼラチンなどに活用されている。

 

 農園では主にニンジン・ジャガイモ・トマト・きゅうり・もやし・レタス・スイカ、大豆などの豆類が生産されている。

 他にも用意された種や苗などはあるが、専ら「ヤマトは船、船と言えば海軍、海軍と言えばカレー」という短絡的な発想の影響なのか、カレーの具材に使えるものや付け合わせのサラダを意識した野菜が中心に栽培されている。トマトとスイカはそのまま食べるだけでなくジュース類にも加工されて提供される。

 豆は貴重なたんぱく源でもある。また、主食に欠かせない米類や小麦は生産が厳しかったため、備蓄を使い切ってからは豆が主食になる予定。

 しかし、改良しているとはいえ合成食糧に比べると生産ペースが遅いため、より計画的な使用が要求される。

 ちなみに元素さえあれば水の合成も可能。

 

 また、艦内の下水施設の終点がここで、高度な再利用システムが用意されているがその詳細を担当者以外のクルーが迂闊に知ると、食事が喉を通り難くなる。

 

 

 

 倉庫

 

 パルスブラスト下段と同じ階層に位置し、所謂ヤマト坂から第三主砲の後ろ程度までの間にある資材置き場。主に工作用の資源を確保している。

 第二副砲両舷にある資材搬入口・組み立て施設と繋がっている。向上への直通ルートは艦首側の倉庫に用意されている。

 

 

 

 バラストタンク

 

 ヤマトの艦首と艦尾に内蔵されている海上・海中での姿勢制御に使用される貯水タンク。

 喫水の上下に設置されているため計8箇所ある。

 場合によっては海洋を有する惑星の水を蓄えて艦内の生活用水に使う事も考えられている。

 

 

 

 舷側部大展望室

 

 第二主砲の下側にあるバルジ部分。展望室と名がつく施設の中では最も広く、ヤマトでパーティーを行う場所は大体ここ。居住区と繋がっているため、非番のクルーが安らぎを求めて訪れる場所。艦体から飛び出している部分よりも内側に多少スペースが伸びている。

 側面に硬化テクタイトで造られた窓が存在し、宇宙の深遠を心行くまで満喫出来る。

 窓には装甲シャッターも備えられていて、戦闘中は閉鎖する事で耐弾性を確保している。

 展望室の下側には小規模ながら運動器具の揃った運動場がある。

 

 

 

 後方展望台

 

 第一艦橋と第二艦橋の中間にある司令塔後方の観測室。光学カメラを使うことなく後方監視を行うことの出来る数少ない施設ではあるが、使用頻度が低いため乗組員の憩いの場と化している。例によってここも装甲シャッターによって覆うことが出来る。

 

 

 

 食堂

 

 「レストランヤマト」と呼ばれる艦内食堂。居住区が左右に分断されている構造が原因で、左右の居住区に1ヵ所づつ用意されている。

 食事の提供は自沈前のヤマトと同じで自動配膳機によって行われている。基本的にメニューは生活班が決定した日替わりでクルーが任意で選ぶことは出来ない。

 これは厳しい食糧事情を考慮して食材を極力無駄にしないため。

 メニューは食堂に表として一週間分が張られているためクルーはそれを見て一喜一憂する。

 食糧事情が厳しくなるとメニューが固定されがちになる。

 事前に注文すれば簡単な料理なら用意して貰える(例:おかゆ等)

 

 

 

 動力

 

 6連波動相転移エンジン

 

 波動エンジンと相転移エンジンの組み合わせによって強化されたヤマトの主エンジン。

 

 強力な複合エンジンの一種であり、従来の地球艦艇はおろか、ガミラスの艦艇ですら単独でこれほどの出力を有した艦艇が存在しないことからも、その破格の性能が伺える。

 

 波動エンジンや相転移エンジン単独に比べて制御が難しく、機関士にも相応の技量とチームワークが求められる。

 新生ヤマトはこの出力を前提としているため、相転移エンジンの出力だけでは満足に活動出来ない。

 また、連装エンジン化した影響で波動エンジンは単独では稼働出来ないため、相転移エンジンからの供給が必須であり、波動砲発射後に相転移エンジンが停止すると相転移エンジンの再始動から行う必要があるなど、波動エンジンと密接な関係にあり単に繋げただけの関係にはない。

 

 相転移エンジンが生成したエネルギーをスーパーチャージャーで整流しながら波動エンジンに入力して、それを波動エネルギーに変換する過程で6倍に増幅する。その総出力も旧ヤマトの6倍に達する。

 そのため波動エンジンの出力強化に相転移エンジンを使っているという見方も正しいが、波動エンジンで相転移エンジンのエネルギーを増幅しつつ波動エネルギーに転化しているとも取れる、何とも表現に困る機関でもある。

 

 また、波動エンジン自体は復元したものであるが、修理にイスカンダルの協力を要する程損傷激しく、心臓部等にはこの世界のイスカンダルのデータが多分に使用されているため、過去のヤマトのそれとは動作の原理や仕様が異なる部分があるとされている。

 

 各装置の位置関係としては艦首側から

 

 リボルバー式6連相転移エンジン(小相転移炉心6つ)+エネルギー収束用大型相転移炉(エネルギーの生成はしない)+スーパーチャージャー(波動整流機兼波動変換機)+修復された旧波動炉心+エネルギー交換機+ワープエンジンユニット+メインノズル

 

 となる。これら全てが1纏めになって初めてリボルバー式6連波動相転移エンジンと呼ばれる。

 相転移エンジン部分は波動エンジンの技術を応用して改良された最新モデルであり、外見上は波動エンジンを模した形状となり、円滑な作動を実現するために同型のフライホイールが新設されている。

 

 旧波動エンジンも復元の際にスーパーチャージャーが分離され、デザインは誕生当初と改良後の折半と言った印象を受ける。

 相転移エンジンとの決定的な違いはフライホイールが2枚装備されている事で、この構造は波動エンジンと見分ける特徴として認知されている(相転移エンジンは1枚で十分)。

 

 スーパーチャージャーはエネルギーの増幅よりも整流機能に重点を置いた改装がされていて、波動砲の収束装置や艦砲へのエネルギーラインはここから伸びている。

 増幅機能もあるが、エネルギー不足時の補填時にしか機能しない。これは大出力化によって常時増幅する必要性が薄れた事と、ヤマトの構造自体が大出力に対して適正とは言い切れない不安定な状態にある為。

 

 

 

 メインノズル

 

 ヤマトの主推進機関。艦尾の大型ノズル。

 

 推進力は極めて大きく主エンジンと直結(間にワープエンジンが挟まっているが)している。

 主機関の強化の恩恵を波動砲に並んで受けている。

 

 噴射出力の調整はエンジンからの粒子供給量とノズル中央のスラストコーンを伸縮することで行う。推力を上げる時は内部に引き込み、下げるときは延ばす。

 また、第三主砲の後方射撃時に垂直尾翼が干渉しないようにメインノズルの外周部分が回転して砲撃を妨げないように改造が加えられている。

 

 メインノズルは取り外し可能で、ノズル毎メインエンジンを引き抜く事が可能でドック内でエンジンの徹底整備をしたい場合に活用される。

 

 

 

 サブノズル

 

 微速前進用の補助推進器。これ自体は復元した従来のヤマトの補助エンジンのまま。特別改良は行われていない。

 

 メインノズルが使えない時の推進用だが、メインと併用して最高速を出すにも使われる。

 推力の調整方法はメインノズルと同じ。

 

 

 

 姿勢制御スラスター

 

 ヤマトの各部に備えられた方向転換や前進以外の運動に使われる。

 

 配置箇所は艦首側が魚雷発射管前方、喫水の上下に2つづつ(計8つ)のリバース兼バウスラスター、発射管直下に片側2つづつ(計4つ)の上昇用、甲板の上に左右4つづつの降下用(逆進用も兼ねる)。艦尾側がメインノズル根元に喫水を挟んで上5つ下3つ。内上3つが降下用、その下2つと喫水下1つが方向転換用、その下2つが上昇用となっている。

 

 波動砲の照準や精密操舵用の低出力型と、高機動戦闘用の大出力型の複合型。

 スラスターの噴射口にはスラストベーンが設置されていて、噴射口の回転と合わせて噴射方向の調整が可能で、垂直方向から前後左右の任意の角度に噴射可能。

 

 ヤマトはこのスラスターを複数連動して使用する事で機動力を発揮している。

 こちらも大出力に依存して無理やり機動力を叩き出している面があり、出力低下時には機動力が大幅に低下する。

 

 こちらも非常用として波動エンジン停止時はコンデンサー内のタキオン粒子か別の推進剤を噴射することで機能するようになっている。

 

 

 

 特殊機能

 

 ワープ航法

 

 時間と空間を歪めてバイパス経路を造りだし、長距離を極めて短い時間で走破する技術。

 ワープとは“歪める”という意味で、その通り宇宙空間を歪曲して物理的な距離を減らして移動時間の短縮を図るものである。この時の経路は三次元宇宙の時間からも切り離されているため時間の損失も抑えられると言う利点がある。

 

 宇宙が四次元的に曲がっている事も利用しているため、任意の地点に跳ぶためには波動エネルギーを利用した空間湾曲の他に四次元的な湾曲のタイミングを合わせるなどの手間がかかる。このタイミングを無視すると出現地点が不明瞭な“無差別ワープ”になる。

 

 新生ヤマトでは主翼を展開してワープを行うことでワープ中の艦の姿勢を保つだけでなく人体への影響を抑えることが出来るようになっている。

 改装以降、ヤマトはワープ時に人体への影響を抑えるために主翼を展開してワープするのが常となった。

 

 ワープ空間は天体の重力場などの影響を受け、歪曲してしまうため、惑星や恒星などの重力場の大きな物体の傍で使用、または近くを通る際には細心の注意と準備が必要である(基本的には避けた方が賢明である)。

 直線的な移動しか出来ない性質も相まって、大質量天体等による重力場の影響が確認出来る場合は複数回に分けたワープを行うか、通常航行で影響を回避出来る場所にまで移動する必要がある。

 基本的に天体が密集している銀河の中では距離が制限されやすい傾向があり、特に銀河の中心方向は星の密度が特に高く超大質量ブラックホールの存在もあって、ワープの距離が特に制限されやすい。

 逆に銀河を離れる方向にワープすれば距離は伸ばしやすい。

 

 波動エネルギーの性質を利用した空間跳躍技術であるため、理論上は波動砲をワープ航路の入り口に撃ち込むことで大質量天体を跨いだワープを実現したり、場合によっては超長距離ワープの実行すら可能となると見られている。

 ただし、波動砲で無理やり空間を歪曲してしまうと精密なワープが不可能になる為、前者はともかく後者は理論に留まっている。

 

 新生ヤマトは再建当初は最大2000光年のワープがやっとだと考えられていたが、カイパーベルト内で安定翼のタキオンフィールド発生装置が使用可能になった事で、銀河内でも(中心から離れる方向に移動しているとはいえ)約2000光年の長距離ワープに成功している。

 安定翼の展開で負担も低下しているため、ワープの最長距離はもう少し伸ばせるか、インターバルを短縮する事で相対的な移動距離を増やせる見込み。

 

 

 

 ボソンジャンプシステム

 

 ほぼ搭載されているだけの機能。

 ヤマトは波動エンジン停止時(波動エネルギーが空)の状態に限りボソンジャンプによる移動が可能となっているが、ユリカの体調の都合からあってないようなものとして扱われている。

 

 ユリカがナビゲートした時に限り、実は波動エネルギーの干渉を補正したジャンプも可能と言えば可能なのだが、それでも多少の誤差が生じる。

 迂闊に使うとボソンジャンプによる時間移動すら誘発しかねない事から、封印状態にある。

 実際はヤマトの移動用ではなく、主砲への実弾射撃用の弾頭の供給や、ミサイルの高速装填に使えないかという研究目的で残されているのみ。


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