ぼいろ。 作:みっくすじゅーす
「こんにちはディレクター。買い物中?重そうだから手伝うね」
IA!?なんでここに……ってああそっちは重たいから。持ってくれるならこっちを。
「ん。わかった」
正直助かる。ゆかりさんは夏風邪でダウンしてるから一人だと買い物も辛い。
「ゆかり、大丈夫なの?」
んー、クーラーガンガン効かせた部屋で薄着で寝てたせいだから自業自得だね。
「ゆかり、薄着……なるほど、看病ね。付いてく」
相変わらずゆかりさんの事になると唐突だねキミ。
まあ身体拭かなきゃいけないから、男の私よりはIAに頼むべきかな。助かるよ。
「ゆかりの身体……ん、ふう……」
……真面目な話をしようかとも思ったけども、これじゃ話にならないよなぁ。
とりあえずIA、ハンカチ。口元拭いて。
「荷物で拭けないわ。ディレクター。拭いて」
ああ、はいはい。……よし。
こういうときONEがいてくれればキミの世話は完璧に任せられるんだけどね。
「ディレクターはONEも欲しいの?欲張りね」
いや、欲しいとかじゃなくてね。……キミ、新しいプロジェクトの関係者にもそんな事言ってないよね?
「もちろん」
あ、これ言ってるな間違いなく。
「ゆかりが好きだし、ディレクターも好き。好きな人が一緒にいれば一番幸せ。間違ってないよ」
いやそうじゃなくてね。
ああ、この前会った時のシリアス対応はいったい。結構真剣に色々考えてたんだよ。
「そう、ディレクターがIAの事でそんなに悩んでくれたの。すごく嬉しい。言われた通りにしてよかった」
……あの、誰の入れ知恵?
「もちろん、おじ様」
あのくそじじいめ、まだ業界で生きてたか。純粋なIAに余計な知識付けさせてからに。次会ったら引導を渡してやろうか。
「次に会う時はディレクターに嫁と愛人が出来た時って言ってたよ」
……。よし、絶対会わない。
「ディレクターはゆかりとIA、どっちが愛人がいい?IAはゆかりがお嫁さんになって、ディレクターと一緒に可愛いがる方がいいかな」
待つんだIA。話の流れがおかしい。前提がありえない。
ああ、頭が痛くなってきた。
「ディレクターも風邪?わかった、IAが看病してあげる。ゆかりもディレクターも、IAが癒やしてあげるね。あーんして、身体拭いて、添い寝してあげる。……2人の間で添い寝すれば両方楽しめるわ。IA、天才かも」
いけない。暴走し始めた。
とにかく早く家に連れてかないと。
#
「おかえりなさいますたー。くしゅんっ。あれ、IAちゃんもいるんですね、リアルではお久しぶりです」
……リアルでは?
「普通にチャットやらTV電話やらしてましたしねぇ。あまり久しぶりって感じはしませんね」
……シリアスを返して欲しい。