ぼいろ。 作:みっくすじゅーす
「初めましてですわ。あたしの名前は東北イタコ。妹のずんちゃんときりちゃんがお世話になってますわー。お、に、い、さ、ま」
私の前にいるのは、狐耳和服で笑顔を絶やさない、なんか色々属性過多な女性。
東北イタコ。
あの東北姉妹の長女というだけで警戒してしまうのはいけないと分かっているのだが。
えと、今日はいったい何のご用で?
「ふふ、近くに来たのでご挨拶ですわ」
……東北からこちらにわざわざ?
「ええ、そうですわ」
さすがに近くに来る用事と言うのはブラフなのだろうか。
笑顔のまま話を続けられ、私は若干緊張していた。
が。
「大丈夫ですよあにさま。タコ姉さまは初対面の人にはなんか黒幕っぽい雰囲気醸し出しますが、実際ただのぽんこつなので。あとこちらに来た理由はずん姉さま写真集を即売会に出す為です。深い理由も無いですよ」
「ちゅ!?ききききりちゃん!?」
リビングにやって来たきりたんちゃん。
言う内容で思い出したのは、前に送られて来た写真集。
ああ、なるほど。きりたんちゃんの証言を加味して言える事。
残念属性だ、と。
「し、初対面の相手にいきなりなんですの!?謝罪を要求しますわ!」
……ねえきりたんちゃん。まさかとは思うんだけど、イタコさんってちょろかわ属性とかは?
「あります。多分このまま行くとなんやかんやであにさまに惚れて押し掛けて来るか、東北に連れて帰るかですかね。前者ならゆかり姉さんと衝突、河原、友情であにさまのお世話対象が増える。後者なら……まあ、今なら三姉妹セットですかね。後者がオススメですよあにさま」
「ちゅ?きりちゃん、三姉妹セットってなんですの?あたし達売られちゃうんですの?」
ぬう。その上無知属性。これは厄い。どう対応すれば丸く収まるのか。
これ以上周りに濃い方々が増えると私がいない方がスムーズに話が進むように。
「ゲームの主人公がアニメになると存在を消去されるというアレですね。しかしあにさま、メタいです」
よし、なんとか対応を頑張って見よう!
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「あ、あたしもうお嫁に行けませんわ。責任取って下さいまし。直ぐに婿入りの準備をして来ますわ。待ってて下さいまし、あなた」
そう言い残しリビングから出て行くイタコさん。
どうしてこうなった。
「実の姉がたった1時間弱で完全攻略される様を見せ付けられました……あまりにもタコ姉さまがちょろすぎて、あにさまは落とし神だったのだと思わないとやってられません」
嬉しくないなその称号。いやしかし、穏便に帰ってもらう事が出来なかったか……。
「ふふふ、お困りのようですね!」
その声は。
「イカ姉さま!イカ姉さまじゃないですか!」
セイカさんであった。後きりたんちゃんは何故セイカさんの事をイカ姉さまと呼ぶのか疑問であったが、イタコさんをタコ姉さまと略すのと一緒で、親愛の証のようだ。多分。
で、セイカさんは一体どうして?
「貴方が人生的にピンチになりそうだと司令官から連絡がありまして。特異点が東北に持っていかれるのはマズイと判断されましたので、ちょっと時空を歪めて何もなかった事にしにきました」
それでいいのか時空監視員。
いやけど助かりました。早速お願いします。
「ええ、いきますよー!……あ」
「そのあ、ってのは大体ヤバいフラグですよイカ姉さま」
やめてくれきりたんちゃん。で、ええと?
「ポイント固定されてるので時空ジャンプ出来ませんねこれ」
「……あにさま。三姉妹セットですよ!良かったですね!」
え。いやいや。え?
「特異点パワーなんですかね?ええとまあとにかく、頑張って下さい」