ぼいろ。   作:みっくすじゅーす

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結/初

「おっす元ディレクター久しぶりー。今結月居る?居るよな?ちょっと話と用事があるから貸してくれない?」

 

悪夢か。

休日の早朝、チャイムを連打され叩き起こされて寝ぼけ眼で玄関に。

そこにいたのは。

エメラルドグリーンのツインテール。

比喩表現ではない、世界の、うたうたい。

モニター越しには女神であるが、実際の所傍若無人。天才で天災。敵は多いが味方はその10倍作る。

電子の歌姫、初音ミク。

何故ここに。

 

「ぱぱーっと収録終わらせて酔っ払いとアイス狂いに後任せて結月を迎えに来たんだ。おーい結月ー、おっきろー。ミクさまが迎えに来てやったぞー」

 

ヤバい。何の用事があってゆかりさんを迎えに来たのかよく分からないが、ヤバい。間違いなくヤクい案件だこれ。

ゆかりさん気付いて逃げてくれてるといいんだけど。

 

「んー、ふわぁ……おはようごじゃいましゅますたー……朝早くからどーしたんです?しつこい新聞勧誘ならこのゆかりさんがばしっと言ってやりま……え?」

「よー結月ー、久しぶりだなー。お前がアタシにばしっと言えるくらい成長したとは感慨深いなぁー」

「はははははははつね先輩!?」

「おいおい、ミクでいいって最後に会った時言ったろー?まいいや。んじゃ結月借りてくわ元ディレクター」

 

え。いやいや待って下さい姐さん。

ゆかりさんを借りて行く理由がわからないんですが。

 

「んー?そりゃアタシが結月借りてく理由なんて一つだろー?久しぶりに一緒に歌いたいだけだよ。そこらのカラオケでいいからさー」

「え、いやけど、私は、もう……」

「歌えないってかー?そりゃーないわ。アタシと同じうたうたいなんだぜー?」

 

それで、か。

……姐さん、あまりゆかりさんに無理強いしないで下さい。

 

「はー……オマエも相っ変わらずだね。結月の事になるとムキになり過ぎる。歪みすぎだよホントに。そんなんだからあんな……」

 

姐さん。

 

「……あー、悪かったよ。あれはもう終わった事だもんな。アタシが悪かった」

「え、あの?」

「結月は気にしなくていいんだよ。……ん、なら元ディレクターも来ればいいじゃん。カラオケ。久しぶりにデュエットしよーぜ?」

 

あー、それなら、まあ……。

姐さんに任せるよりかは。

ってゆかりさん?何故にまんじゅう顔になってます?

 

「初音先輩とデュエットしたんですかマスター。そうですか。ふーん。へぇー」

「くくっ。そうだぞー、アタシの初期の恋愛系はコイツが仮想相手だったからなー。ああ、そういえば面白い話があるんだけどな」

「詳しく」

 

まって姐さんまって。

 

「まあここで話すのもあれだしな。結月のが得点高かったら教えてあげよう」

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