ぼいろ。 作:みっくすじゅーす
朝。
目覚めてからのルーチンワークで一通り身嗜みを整え、簡単な朝食を一人分用意し(同居人は朝は食べないからだ)、さて食べようとした所で新聞が無い事に気付いた。
私は朝刊を読み、知識を蓄えながら活動するための活力を蓄えるのが好きなのだ。
同居人がいれば行儀が悪いと怒られるだろうが、幸いにも朝は起きてこない。
ドアを開け、ポストまで歩き新聞を取る。
と、丁度お隣さんも新聞を取りに出て来たようだ。
「あ、お兄おはようさん。今日はええ天気やねー。こんな日は家ん中全部天日干ししたいわー」
独特のイントネーション。鮮やかな赤の髪を持つ少女。
琴葉茜。
お隣さんの琴葉姉妹、姉の方である。
そして私と同じ悩みを持つ人間。
「昨日もなー、葵がずーとゲームばっかしよっててなー。ウチ見たいテレビがあったんよ。なのに後ちょっとって何回も言われてなー。ウチらの部屋、テレビ一台しかあらへんし、おとんとおかんにゆーてもお姉ちゃんなんだから我慢なさいやし。結局見れなかってん」
私の同居人も大概だが、茜ちゃんの妹も大概である。
しかしまあ、テレビの取り合いか。
我が家は各部屋とリビングにあるから起きたことはないなあ。
「え、ほんま?うらやましいわー。…なあなあお兄、そしたら今度テレビ見れなかったらお兄の家にお邪魔さしてもろてもええ?」
ん、構わないよ。あまり遅くならないならね。
「やたっ!楽しみにしとるで、お兄!」
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「隣の家のお兄さんがボクの姉を家に連れ込もうとしている件について…っと」
人聞きの悪い事を呟きながらネットに呟こうとしている、青髪の少女。
琴葉葵。
お隣さんな琴葉姉妹、妹のほうである。あとボクっ娘。
というか何を呟こうとしているのか、やめていただきたい。
この回覧板に私が乗るような事案発生は勘弁願いたい。
「あ、回覧板どうも。いえ、先ほど起きて昨日の事を謝ろうとしたらなんかお姉ちゃんがやけに上機嫌で。聞き出してみたらお兄とおうちデートやーとか言っててですね。姉を心配するあまりの凶行だと思って頂ければ」
なるほど、姉を心配してならしょうがない。
いや、しょうがなくない。大体おうちデートって何だ。
テレビ見るだけだぞ。
「お姉ちゃんみたいな恋愛脳にはそれで充分デートなんですよ。よかったじゃないですか?」
割とキツい言い方。いやしかし、家には同居人もいるわけでそれでデートとは言えないんじゃなかろうか?
「わーそういえば居ましたね同棲相手ー。なんですかハーレムですかそうですか。家にはスレンダー紫外にはグラマラス金髪、お姉ちゃんでおっとりロリですかそうですか。
あの本当、ボクまで入れようとか思わないでくださいね?」
今日は、なんかその、トゲがスゴい。
ええと、どうしたの?
「いえ別に、ボクが悪いとはいえご近所付き合いも長いお兄さんの家に姉だけお邪魔してリビングの大きなテレビを見れるのうらやましいなーとか思ってませんよ?ええ」
あー……葵ちゃんも家に来て大画面でゲームするかい?
「是非」