ぼいろ。 作:みっくすじゅーす
外はかんかん照り。蝉は鳴き。子供達は夏休みで駆け回る。
そんな夏真っ盛りの午前中。
我が家は最大の危機を迎えていた。
「……あーつーいーでーすー……。ますたー、修理業者はまだですかー?私、この暑い中でゲームとかしてられませんよー……」
そう、エアコンの故障である。
とはいってもリビングと私の部屋のが壊れただけで、ゆかりさんの部屋のは無事なはずだが。
「だってますたーの部屋のも壊れてるのに、私だけ涼んで1人でゲームしているのは嫌ですー」
ゆかりさんは優しいなあ。たれながら言ってなければもっとよかったんだけど。
けど無理はしなくていいんだよ?
……チャイム。業者が来たのかな?ほらゆかりさん、たれてないでシャキッとして。
はーい、今でまーす。
……おや。
「おはようにいちゃん!あのさ、暑いからプール行こうよ!おかあさんにもにいちゃんと一緒なら良いって言われてさ」
「ぷーる、いこ」
元気な男の子とおとなしい女の子。
月詠ショウタ。
月詠アイ。
近所の仲良くしてもらっている月詠さんちのご兄妹だ。
しかしプールか。行きたいは行きたいが、業者さんを待たないと……ゆかりさんだけ行ってくるかい?
「えー、にいちゃん行かないのかよー。一緒にスライダーのろーぜ」
「いこ」
「そうですよマスター。一緒に涼みに行きましょう」
うう、しかしなぁ。
「ふふっ、お困りのようですねお兄さん!」
その声は!
「あら、葵さん」
「あ、あおいだ」
「あおいー」
「ちびっこに呼び捨てにされた!?」
お隣さんの葵ちゃんじゃないか。どうしたの?茜ちゃんがいなくて寂しいの?
「ちちちちがいますーぅ!ボクはいい天気の今日にサフ吹く為に自主的に残ってるんですー!寂しくなんてないですー!」
うんうんそうだね。
茜ちゃんとのお出掛けを断るくらいにはサフ日和だもんね。
「ぐぬぬ」
「マスターって本当葵さんにはセメントですよね……」
「せめんと?」
いやだってノリが良くてつい。まあともかく、葵ちゃんはいきなりどうしたの?
「いえまあ、今日一日サフ吹いてヤスっての繰り返しなんで、良ければ業者さんの対応しますよ、と。ついでにお兄さんの作業ブースお借りしますね」
なるほど、いい交換条件だ。じゃあお土産買って来るから任せていいかな?
よし、ゆかりさん。準備しようか。
「はいはい了解です。じゃあ準備してきますね。ショウタくんもアイちゃんも、中に一回入って麦茶どうぞ」
「ありがとうゆかねー!」
「ありがとー」
さて、私も準備しようかな。葵ちゃんも道具持ってきて作業開始すれば?
「ええ、そうします。ふふふ、お兄さんの作業ブースならボクのサイフは痛まないし、何よりエアコン掛けまくりでもお姉ちゃんには怒られない!かんぺき!かんぺきなさくせんです!」
悪どい顔してる所悪いんだけど葵ちゃん。ブースのエアコンも壊れてるんだよ。
「え」
すまない。扇風機はあるから頑張れ。