仮面ライダージェイル   作:ホワイト・ラム

11 / 46
「こいつは、もともと体が弱かったからな、スマッシュから戻しても死ぬだけだ」

「再度の改造、後遺症が出るだろうな」
地味にビルドの怪人たちが酷い。
結構な頻度で、やばい事が起きてる。

『なんてひどい事をするんでしょう……!
私、憤りを禁じ得ません。
ジェネラル様もそう思うでしょ?』

『ムゥオオオオオオ……(同意)』





蠱惑的な焔/燃焼するプレイズナー

「復活だと……!?」

岩さんが今しがた復活したばかりの、マッチプレイズナーを見る。

そう、確かに倒したハズなのに……

 

「ななんだ、俺のマッチ箱が怪物に?」

さっきまで倒れていた男が、驚きしりもちをつく。

 

『助かった、礼を言おう……ほら、プレゼントだ』

男の向かって数本のマッチを投げる。

 

「やった!!マッチだ!!これで――うを!?」

ジェイルが、男を突き飛ばしジェイルスラッシャーを構える。

 

「邪魔だ!!復活したなら、もう一回倒すだけだ!!」

 

『無駄だ!!俺は不死身だ!!』

両手から炎を出し、ジェイルに投げつける。

 

「くッ――」

両腕をクロスさせた時、そこのすでにマッチプレイズナーはいなかった。

 

「くそ、逃げられたか……」

玲久が変身を解く。

 

「ああ、マッチだ……またこれで――」

 

「ふん!!」

着火しようとする、男を岩さんが後ろから殴って気絶させる。

そして、ぴくぴくと痙攣する男からマッチを取り上げる。

 

「よし、マッチを手に入れたぞ!」

 

「岩さん容赦ねーな……」

玲久が冷や汗を垂らして、岩さんを見る。

 

 

 

 

 

「あのマッチをどこで手にいれた!!言え!!」

ガン――!!

 

留置所の椅子に、手を後ろで縛り付けられた男が岩さんに質問される。

 

「街中で偶然貰ったんだよ――」

 

「どこだ!!どこでもらった!!相手の容姿は!!」

岩さんのしつこい質問が続く。

 

「……忘れたよ。もらったのは一回で、あとは買ったんだ。

値段はマチマチ、10円の時も有れば2500円払った時もある。

なぁ、早くマッチを――」

 

「ん、そうだな」

岩さんが、湯呑を手に取り――

 

じょぼぼぼぼ~

 

「ああ!?」

灰皿の上にマッチを放り込み、お茶を掛ける。

瞬く間にマッチは湿気り使い物にならなくなる!!

 

「な、なんてことを!?」

男は大声をあげて泣き出した。

 

 

 

 

 

「うーむ……」

岩さんが椅子に深く腰掛ける。

手がかりはない。目的は何なのか。

 

「お疲れ様です」

華姿が休憩中の岩さんにお茶を持ってくる。

 

「おう、女学生……どうしたもんかな?」

 

「岩さん、俺に良い考えがある!!

犯人に放火させよう!!」

檻の向こうから、玲久が話す。

 

「馬鹿か?犯人増やしてどうする!!」

檻を蹴り、鉄の音が響いた。

 

「違うって!そこらじゅうに放火したくてたまらない奴ばっかりなんだろ?

けど、放火する対象は限られてるなら――」

 

「なるほど、放火しやすいモノを用意すればいい訳か!」

納得が言った様に岩さんが手を叩く。

 

 

 

「♪~♪~」

チリ紙交換の車を運転しながら、ドライバー高田 健司は上機嫌だった。

上司から、高級な酒をプレゼントされ、今夜帰ったら、つまみを食べながら晩酌するのが密かな楽しみであった。

 

「早く、終わらせないとな……」

そんな時――

 

「止まれェ!!警察だ!!止まらんと撃つぞ!!」

突如道の真ん中に現れた自称警察に、拳銃を突きつけられる!!

 

「ひ、ひぃいぃいい!!」

慌てて、車を止め両腕をその場で上げる。

 

「岩さんラッキーだな、チリ紙交換だ」

横で若い男が、同じく現れる。

 

「え、ええ?」

呆然とする健司を他所に、車の扉を開け男が車内に入ってくる。

 

「えー、善良なる一般市民君。

警察権限で、この車を貸してもらうぞ?」

警察手帳を見せながら、無理やり車を乗っ取る。

 

「岩さん、運転できるのか?」

玲久がチリ紙交換の宣伝音声を最大にしながら話す。

 

「運転か?カーチェイスでパトカーを3台廃車にして以来だな」

 

「そりゃスゲーわ」

にやにやと笑い合うと、岩さんが全力でアクセルペダルを踏みしめた!!

 

『こちらは、チリ紙交換車で――』

街中を全速力で、チリ紙交換車が騒音をまき散らしながら疾走する!!

 

「おおっと、いけねぇ!!忘れてたぜ!!」

岩さんがパトランプを、車の天井に乗せると再度加速させた。

 

「うはは、すっげーG!」

玲久がチラリとバックミラーを見ると――

 

「お、来たみたいだな、放火魔の皆さんがさ!!」

チリ紙という、まさに放火の材料に成らんばかりの物を積んだ車の声を聴き、大量に存在していた、マッチに魅入られた放火魔たちが走ってくる!!

ある者は自転車で、ある者は車で、ある者は走って。

 

「オラどけどけ!!」

異常なテクニックで、岩さんが道(小道)を利用して、人のあまり来ない公園へと走っていく。

 

キキィ――!

 

「さぁて、祭りの会場は此処だぁ!!変身!!!」

玲久がベックルにキーを差し込む!!

 

『クライムキー!!コード・チェンジ!!

ブレイク・ア・プリズン!!ゲット・ア・フリーダム!!』

ジェイルへと、玲久が変身した瞬間、車に集まっていた者達のマッチ箱がほぼ同時に発火した!!

その炎は一つにまとまり、マッチプレイズナーへと進化した。

 

『よぅ、ライダー。まさか、バラバラだった俺を一点に集めるとは……

だが、これは失敗だぜ?融合した俺の力は数倍!!

複数の人間から、力を吸収したんだか――ら!?』

突然、体に掛かった水にマッチプレイズナーが慌てる!!

 

『な、なんで、水が!?』

 

「おいおい、気が付いてないのか?此処――噴水の真上だぞ?」

ジェイルの言葉に、マッチが足元を見る。

幾何学模様を描くように、作られた無数の穴。

ちょろちょろと水が出ている。

 

『んなぁ!?ひ、卑怯だぞ!!』

噴出の時間なのか、わずかに出始めた水を見てマッチプレズーが飛びのこうとするが――

 

『チェイン・ナックル!!』

 

『うげ!?』

マッチの手に、チェイン・ナックルが絡みつく。

 

「やっぱお前、弱いプレイズナーだな。

実験的な意味合いが強いのか?」

 

『は、はなせ!!俺は、俺は水は――』

 

「そろそろ、時間だぜ。指名手配犯」

岩さんに言われ、公園の時計に目をやる。

後数秒で、5時の噴出時間だ。

 

『や、やめ――』

ブシュウウウウウ!!!

 

『あああああ!!』

マッチが全身を濡らされる!!

 

「んじゃトドメっと!!」

ベルトにつけたキーをひねる!!

 

『ジャッジメントターイム!!ナックル・クラッシュ!!』

 

『ああああ!!』

マッチプレイズナーはチェイン・ナックルの一撃で爆散四散!!

 

「ふぅ、岩さんお疲れー」

 

「おう、見ろ指名手配犯。結構いい酒が車に置いてあった。

こんばんはこれを晩酌するか。

本当はステーキが良かったんだが……」

 

「ナチュラルに盗むなよ……悪徳警官だなぁ……」

二人が会話する中で――

 

 

 

「はぁ~い、お兄さんたち乙!」

非常に気の抜ける声がして、一人の男が歩いてくる。

20代に入るくらいの若い姿、ハンチング帽に緑のチェックのベストとまるでひと昔前の探偵小説の登場キャラクターのような姿をしてる。

 

「誰だお前?」

玲久が訝し気な顔でその男を見る。

 

「んん?俺を知らない?勉強不足!減点20!

説明してあげてよ?」

岩さんに向かってその男が話しかけるが――

 

「知らん。誰だお前は――あ、ああ……あああ!!

し、指名手配犯!!頭を下げろ!お辞儀をしろ!!こいつ、いや、この人は警視総監の――」

 

「そ!俺は警視総監 芽栗(めぐり) 将吾(しょうご)の息子――

芽栗(めぐり) 出流(いずる)

探偵、やってますってね!」

出流と名乗った、男が名刺を非常に勿体づけた動作で差しだす。

 

「で?そのボンボンが何の用だよ?」

 

「ん、クライムキーと、バックルを出した貰おうか。

その力は一般人の君には重すぎる、警察の今回新たに設立された部署「重要特殊犯罪対策一課」が預かるよ」

差し出せ、と言わんばかりに出流が手を指し伸ばすが――

 

パァン!

 

「バッカじゃねーの?これは俺のだ。お前のでもサツのでもない!」

玲久が出流の手をはたき、不機嫌そうに説明する。

その時、玲久が出流の()()に気が付いた。

 

「ぐす……なんだよ!!出せよ!!

俺の命令だぞ!!いう事聞けよ!!」

まるで、いじめられた小学生の様にいい気な声を出し泣きわめく!!

 

「お、おい……?

なんなんだよ、コイツ……」

出流の姿にたじろぐ玲久、その時出流を囲むように四つの影が躍り出る!!

 

「出流ぼちゃま、ご無事で!!」

 

「ここは我らにお任せを!!」

 

「ええい、犯罪者め!!」

 

「国家に逆らうとは許せん奴だ!!」

黒服のまさにボディガードと言えるような4人の男女。

 

「な、なんなんだよ。おまえら……」

玲久の言葉に、リーダー格のガタイの良い男が一歩前に出る。

 

「我らは、出流坊ちゃまを守るシークレットサービス!!

俺はリーダーの上北(かみきた)!!」

 

「清掃担当!!南下(みなみした)!!」

紅一点の女性が、グラサンを触りながら話す。

 

「情報連絡員!!東右(とうう)!!」

やせ型の男が、携帯を耳にあてる!!

 

「その他雑用!!左西(さにし)!!」

地味で特徴のない、男が両手を広げたポーズを取る!!

 

「お前たちぃ!!クライムキーを手に入れるんだ!!」

 

「確保ー!!」

 

「「「おう!!」」」

出流のボディガードが全員、玲久を抑えにかかった!!

 

「ま、マジで何なんだよ!?」

岩さんが見ている前で、玲久が4人によって抑えつけられた。

 

 

 

 

 

『あ、ああ……』

とある小さな家の前、偶然生き残ったマッチプレイズナーが、ふらふらと歩いている。

殆どのマッチ箱は破壊された、おそらく自分が最後のマッチプレズナーだろう。

 

『火を……火を起こして……体を再生させねば……』

 

ぽつ……ポツン……

 

『なぁ!?』

マッチの体に、何かが落ちる。

それは水滴、黒い曇天の空から雨が降り始める。

 

『そ、そんな……も、燃やさないと!!』

慌てて近くに捨ててあった新聞に火をつけるが、雨で湿気っていて火が付かない。

 

『あ、あ……そんな……なんで……』

火を付けれず、マッチの炎が完全に燃え尽きてマッチ箱へと姿が変わる。

そして音もなく、マッチ箱からキーが抜けて小さな音を立ててキーが折れた。

 

 

 

「なぜ、こんなことを?」

キーボードをたたき続ける音を雨音が静かに響く実験室で、楊がフェニシオンに話しかける。

 

「実験の終了、それが来ただけだ」

一通り作業が終わったのか、ノートパソコンを閉じて立ち上がる。

 

「~~~っ!あと、少しで――」

 

「あと少しでライダーを倒せたとでも言うのか?」

フェニシオンの眼光に、楊がわずかにひるむ。

小さく息を飲む楊をなだめるように、フェニシオンが口を開く。

 

「マッチプレイズナーは欠陥がある。

戦力の弱さは勿論、複数のマッチ箱に宿る悪意を利用した蘇生にも、限界がある。

マッチ箱の使用者によって、力はマチマチで最悪一撃で倒される場合もある。

あのまま、個体をつぶされ続けたら、時間はかかるが敗北したのは我らだ」

フェニシオンの言葉を楊がじっと聞いていた。

 

「だがな、奴は仕事をすでに終えている。

プレイズナーによって、今回は多くの人が傷ついた、放火、傷害、場合によってはマッチを買うために強盗した奴もいる。

――分かるか?悪意によって傷ついた心は、さらに傷つい心を生む、悪意は連鎖する。

今回マッチは、そのスタートを切るのに十分な役割を果たした」

フェニシオンのはポケットから煙草を取り出して、指先から炎を出し着火した。

尚も責めるような楊の視線を無視して、フェニシオンが煙草を吹かす。

 

「間違えるな、俺の役割はライダーを倒すことじゃない。

俺は研究と実験の為に監獄から出てきた!!

倒したいなら、オマエがやりな」

フェニシオンはマッチのキーが刺さっていた装置から、残り4本ある内の一本を取り出し楊に投げ渡した。

 

「俺の研究成果の一つだ。有効に使えよ」

 

「分かりました、フェニシオン様……」

楊は与えられたキーを大事そうに懐に握った。

 




フェニシオンレポート…………03

看守について。
我ら、プレイズナーを制御するのが文字通り『看守』と呼ばれる存在である。
ジェネラルが作り出した人間を模した存在で、プレイズナーに対して有利な能力を持つ。
①プレイズナーに触れることで、キーを強制排出することが出来る。
これにより、どんなプレイズナーが誕生しても理論上は敗北することが無くなる。
②キーの複数使用が可能
看守はジェネラルの恩恵か、複数のキーを同時に使用することが可能となる。
人体に影響を与えるキーを大量に使用できるのは、言わずも名が協力。
キーの弱点を補助する、または同じ属性を合わせ強化することが可能。
現在最高3本使用で、確認されているのは2例。
『蝙蝠』『蜘蛛』『蛇』の融合体。
とある看守が手に入れた力で当時いた他の看守を取り込むことで発現した。
もう一例は『(※これ以上はまだ製作されていない様だ。)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。