仮面ライダージェイル   作:ホワイト・ラム

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うわぁ、結構時間がかかりましたね。
スピードが落ちている……


VSベリアル編/その名はキング!!

「ぐぁ!?」

 

『何度来テモ無駄ダ』

シーカーの変身した、出流がまだ荒らされていない町中で倒れる。

例の海賊団が現れたため、住人が居ないのがせめてもの幸いだが、遠目に見える煙が確かな悲劇を確信させる。

 

「また、お前か!」

 

『何度デモ邪魔シテヤルゾ』

シーカーの目の前には、ダンタリオンが立ちふさがっていた。

 

「応援に行かせない積りか!?」

 

『ソウダ、私ニハ戦闘力ハ殆ド無イガ、オ前ノ様ナ半端者ヲ足止メスル程度ナラ、問題ハ無イ』

ダンタリオンの本体と思わしき、包帯を全身に巻いた姿の口の部分がわずかに揺れる。

 

「な、舐めるな!!」

明らかにこちらをバカにした様な口調。

それどころか内容は完全にこちらを下に見た物で、露骨な手抜きに出流の頭に血が上る!!

 

「なら、これならどう――ぐぉ!?」

 

『隙ダラケダ。相手ガ私デハナク、くれるヤだぁとナラ、モウ10回程度ハ死ンデイルナ』

 

「これは……!?」

ダンタリオンが腕を上げるとそれに呼ばれる様に、地面から、あるいは空中から無数のカラフルな球体が出現する。

それは様々なスピードでくるくるとランダムに回転し、それらが全くの同時に動きを止める。

そして、それらすべてが目を見開きシーカーを睨んだ。

 

 

 

 

 

玲久が町に来ると、そこはすでに荒らされた後だった。

ボディが凹んだ車に、煙が出ている店先。

そして、街中で暴れる数体の化け物たち。

まるで世紀末を語るディストピア物映画のワンシーンの様だった。

 

「よォ――遅かったな」

玲久の視界の上、店の屋根に乗った男が声をかける。

上半身裸で、そこに赤いコートを羽織っている、まるで少年漫画のキャラクターのような格好だ。

だが、下卑た笑みは決して他人に好意を持たせる姿では無かった。

壊れた町、怪物、そして海賊の様な恰好の男。

何から何まで漫画の中の様な世界だが、恐ろしい事にコレはすべてが本物。

決して漫画(虚飾)などではない本当の悲劇だった。

 

「あんたがリーダー?今すぐ攫った奴らと、金目のモン置いてったら逃がしてやるぞ?」

 

「おいおい、そりゃ無理な相談だ!!

俺たちは海賊、欲しいもんは奪う!!殺してでもブン取る主義よ!!

それによォ!奪ったもんは全部俺らのモンよ!!返してたまるかってんだ!!」

男がそのまま飛び降り、空中で回転を加えて蹴りを玲久に叩き込もうとする!!

しかし玲久もタダではやられどしない!!

男の足をつかみ、地面にたたきつけようとする!!

 

「おおっと、あぶねぇ、あぶねぇ……」

男は両手で衝撃を逃がし、蹴りで足をつかむ玲久をどける。

 

「お前、面白いな――どうだ?ウチの船員(クルー)に成らないか?」

男の問いかけに、玲久が隙を見つけたとばかりに、距離をとる。

 

「んだよ、連れねーなー」

男が唇を尖らせると、玲久より遅れて車で来た岩さんと鉢合わせる。

 

「お、そっちのオッサンもなかなか筋肉質で良い体してんじゃねーの?

そっちでも良いぜ?俺の仲間に成れよ!!」

 

「なんだコイツは……どっかおかしいのか?」

笑顔を浮かべ、仲間仲間と言い続けるその男は今の惨状の合わせて非常に不釣り合いに思えた。

 

「っと、自己紹介がまだだったな?俺はキング……名誉あるキングダム海賊団って言ってもそれも壊れちまったしな……てめーら!!なんか、良い名前のアイディアねーか?」

キングの名乗った男が、街中に声を投げかけると数体の男たちがこちらに顔を向けてきた。

恰好からして、キングと同じ海賊のメンバーだろう。

 

「ええー?俺らのリーダーはキングのままだし、今まで通り『キングダム』で良いでしょ?」

見た目が若い、少年がフレンドリーに話す。

 

「いいえ、新たな仲間も増えましたし、今まで居た仲間も多くいなくなりました。

思い切って、名前を変えてみるのはいいと思いますよ?」

今度は眼鏡をかけた、やせ型の男が話す。

 

「ふぅん!!どすこい!!名前――今までのなんだっけ?」

最後に瓦礫を退かして、非常に大柄な男が姿を見せる。

 

「あーあーあーあー……なんて閉まりのねー奴らだ。

俺が居なきゃやっぱダメだよな?えっと……あのむかつくスーツ野郎……

クレルとか言ったか?あいつが持ってたカギ……そう!ベリアル!!

決めたぜ、今日から俺たちはベリアル海賊団だ!!」

自身で名前を付けたのが気に入ったのか、キングは他の団員に何も言わせず決めてしまった。

 

「さぁ!新生ベリアル海賊団の完成だ!

てめーら、やっぱりウチに来ねーか?」

再度の警告、玲久と岩さんが冷ややかな目で見守る。

 

「あーあ、カシラ振られたー」

 

「まず魅力を伝えませんと」

 

「ふんが!!恐怖での支配が簡単だ!!」

3人が次々と話してくる。

だが、二人はそれよりも気になっていることが有った。

 

「クレルの知り合いか?」

先出てきたクレルの名。

ベリアルに続き、あの厄介者の名が出てきた事に二人は否応なく警戒心を強める。

 

「お?友達か?なら、生かしておけねーな。

奴は、俺の仲間を殺したクズだ……だが奴をこっちが殺し返して俺たちの船を返してもらった!!

アイツの船は宝の山さ、今まで見たことのないもんがたくさんある……

こんな風になぁ!!」

キングが、ベルトを腰に巻きつけた。

 

「それは――」

ベルト――その道具の登場に、玲久が慌てる。

 

「変身――!!」

楕円形の銀のバックルの中央に真円のパーツが付いており、そこに青い光がともると同時に、バックルが上下左右にパーツが開く。

その瞬間、開いた隙間から金色の光が現れキングの全身に走ってく!!

 

「マジかよ……ベルトが他にあるのかよ……!!」

岩さんの言葉が玲久の耳を通り抜ける。

 

『あぁーあぁー……ふぅあ……』

気だるいため息の後にそこに立っていたのは、金色の怪人。

趣味の悪い金色の骸骨に海賊帽をかぶらせ黒に金の刺繍の入ったマント。

腰にはサーベルというテンプレ式の姿だがその他がおかしかった。

体がガラスを思わせる透明なパーツに成っており、そこに大量の宝石が詰め込んである。

乱暴な言い方をすると、人のシルエットを透明にして、金で出来た骨格を入れて肉や血液の代わりに大量の宝石を詰め込んで最後に海賊のコスプレをした怪人と言えば分かるだろうか?

 

「ひゅー!さっすが!キング!!悪趣味ー!!」

 

「成金と言わざるを得ませんね」

 

「おお、金ぴか。高そう」

3者が同時に、キングを見て話す。

 

『んじゃ、略奪を再開しますかぁ!!』

キングが飛び上がり、右腕を振るう。

その瞬間右手が船の錨を思わせる黄金のフックに変わる!!

 

「変身――!!」

玲久も素早くベルトを巻きいて変身する!!

 

キィン――!!

 

「なんだ、()()()か?」

ジェイルスラッャーと、キングのかぎ爪「ゴルドエッジ」がぶつかり合う。

 

『あーあーあーあー!ぜーんぶあのクズ(クレル)の計画通りかよ』

感想を述べて、再びゴルドエッジを構え走ってくる。

 

「計画通り?何のこと――」

 

『アイツ曰くよ、仮面ライダーを狩るのが俺の仕事なんだよなぁ!!』

つばぜり合いの中、ジェイルの蹴りでキングが大勢を崩す。

 

「悪いが時間が無いんだ!!決めさせてもらう!!」

ジェイルがキーをベルトセットしてひねる!!

そして素早く、格子上のバックルを閉じてしゃがむ。

 

『チェイン・ジェイル!!』

素早くバックルを開き、回転を加え飛び上がる!!

足の先から黄色の手錠型エネルギーが放出され、キングを拘束していく!!

 

『んな!?これは、卑怯――じゃねーの!?』

慌てるキング、その身体に蹴りが当たる瞬間――!!

 

ドガァン!!

 

凄まじい衝撃がジェイルを襲う!!

 

「ぐぅあぁああああ!!」

数度回転して、地面に転がる。

 

『ふぃー、あっぶね……』

 

『俺、役に立った?』

キングの隣に、もう一体怪人が増えている。

それは灰色の球体でそこから手足と短い首が生えている。

胴体の球体には、小さな同色の球が無数についている。

 

『おう、流石俺の仲間!』

キングが嬉しそうに、その球体のプレイズナー『ボールプレイズナー』を撫でる。

「まさか、お前ら全員、プレイズナーか!?」

岩さんが、男が一人いなくなったキングの仲間を見て、嫌な予感を抑えつつ口を開いた。

 

「もっちろーん!」

 

「ええ、そうですよ?」

少年の方が、一瞬だけ異形を取り、長身の方は影が一瞬だけうごめいた。

恐らく、唯一居ないあの大柄の男がボールプレイズナーへとなったのだろう。

 

『んま、欲しくない力だったんだが……なぁ!!』

キングがボールをつかむと、ボールが素早く手足をひっこめ、鎖を伸ばし鉄球へと変形してそれをキングがジェイルに投げつける!!

 

「うわぁあああ!!」

衝撃を受けて、ジェイルが飛ばされる。

 

『ま、海賊だし?多少の卑怯はあってもいいよな?おい』

 

『かしこまりました』

キングが顎で、長身の男を指すと男の姿が溶けるように変形して、キングの手に巨大な銀色の筒――懐中電灯の様な物が現れる。

 

「次は……なんだ?」

 

『ライトさ。見るのは始めてか?』

ライトが瞬き、ジェイルの視界を奪う。

そして、今度は光源を絞ると光が一本の棒、ビームサーベルの様になる。

倒れたジェイルに向かって、ビームサーベルを振り上げた時!!

 

『ほぉらぁ!!』

 

バァン!!

 

『ぐぅあ!?てめえ!!』

 

「多少の卑怯はアリなんだろ?」

キングの目に銃弾が当たり、目標がわずかにそれる。

 

『お回りのくせに……!!』

少年が瞬時に姿を変える。

両腕と首にフィンの様な物がある姿――名づけるなら、エアロプレイズナーか。

 

「(あいつ用に作った弾丸はあと、5発……何とかなるか?)」

岩さんが手持ちの対プレイズナー様の弾丸を構える。

 

 

 

 

 

「コールです」

 

「うっそだろぁああああああ!!」

海賊船ベリアルの中で、一人の海賊が悲鳴を上げた。

そのは、海賊船というよりまるで豪華客船の一室だった。

シャンデリアや、豪奢な絨毯が敷かれており、ブルジョワジー御用達の船と言われても納得してしまうだろう。

いや、実のところここは本当に豪華客船の一室なのだ。

ベリアルは様々な物を自身に融合させてきた船。

無数の海賊船を取り込み、さらには豪華客船も取り込んでいいる。

正に、船を組み合わせた作った継ぎ接ぎなのである。

 

さて、この豪華客船にさらわれた人間は閉じ込められてた。

出ていない海賊のメンバーの数人が、『お楽しみ』という形でギャンブルを行っているのだが……

 

「あの……勘弁してください……」

床に座る、パンツだけの男が目の前の女学生に、必死に頼み込む。

その後ろには同じく身ぐるみを剥がれた海賊が震えている。

 

「賭け皿にはもう、乗せましたらか……」

 

「こんの……冷血女ぁ!!」

海賊の視線の先には、華姿が多量のチップを持って微笑んでいた。

 

「……今日ほど、子の顔に感謝した日は在りませんね」

全くの鉄面皮だが、そのポーカーフェイスで勝ちに勝った華姿が珍しく頬を緩めていた。

 

「ふぅ、こうなるとは……おちおち昼寝も出来ないな。

気の休まる時間はゼロだ」

他の捕まった人間の中、昼寝をしていたら偶然捕まったダァトが手の中でバイトを弄びながら事の顛末を見ていた。




さて、今回ようやく海賊メンバーがしっかりしたキャラ付け出来ました。
いやー、クレルが暴れすぎるから……
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