次回以降多くの見せ場がある!!筈……
所々煙が上がる町の中で、ジェイルとキングがお互いの技を繰り出し合う!!
「おあぁあああああああ!!」
『らぁああああああああ!!』
ジェイルが、ベルトを開くと同時に両足に鎖をイメージさせるエネルギーが、キングの両足に黄金に輝くエネルギーが収束し、空中でぶつかり合う!!
お互いのエネルギー同士が拮抗して、空中で爆発を起こす!!
「うわぁああああ!!」
『がぁあああああ!!』
尚も変身したままの二人が、地面に倒れ込む。
その様子に、しばらく成り行きを見ていたライトプレイズナーが、素早く反応した。
『キング!今助太刀を――』
『邪魔すんな!!ライトォ!!』
まさかのキング本人からの声に、ライトが固まる。
『いいかぁ?これは、俺の戦いだ。
クレルの屑とも違げぇ、お回りや海上治安どもとも違げぇ……
久々に熱く成れる戦いなんだよ!!水を差すんじゃねーよ!!』
左手の黄金のフックを振り回し、キングがライトを引き離す。
『さぁ――戦ろうぜ!!俺に、俺に刺激を寄越せぇ!!』
「こんの――戦闘狂めぇ……」
酷く興奮した様子のキングを受け止めながら、ジェイルが小さく舌打ちをした。
戦闘狂――この言葉が正しいか玲久は知らなかったが、この手の相手は非常に厄介だ。
戦う事が目的なので、どちらかが戦えなくなるまで戦闘の終了は無い。
たとえキーを破壊しても、生身で向かってくる可能性すら存在する。
そして、戦ってこちらに得るモノは何もない――
正直な話、クレルと並んで出来るだけ相手をしたくない敵だった。
その時チラリと、脳裏を岩さんの姿がよぎる。
敵の3人組の部下のひとり、少年のような姿をしたエアロプレイズナー。
奴の姿が見えないが、岩さんは無事だろうか?
フォン――!!
「うおっ!?」
『おーい、てめぇ!!今他事考えてたろ!!
ざっけんじゃねーよ、そんなことすんじゃねーよ。
今は、目の前の
大きな咆哮と共に、キングの黄金の爪がジェイルに振り下ろされた!!
水上船ベリアルの内部――客室兼牢獄はジェイルたちとは別の意味で戦いが進行していた。
一人の少女――華姿が、トランプを持つ。
「オープン、ブタです」
「んな……バカな……」
少し可愛げのある女がいる。不愛想だがいい具合に啼かせたらおもしろそうだと、下種な考えを持って数人の暇を持て余した海賊がトランプを持ちかけたのだが……
クールを通り越して、感情を全く読み取れないレベルで無表情の華姿は岩さんや玲久といるうちに鍛えられた胆力を使い、時にブラフまで織り込み勝利を重ねていた。
「……小金持ちになってしまった」
華姿が自身の後ろにうずたかく積まれた、貴金属宝石類を眺める。
対して興味のないそれらの物体に、今後の処理を考える。
(とりあえず、金は値段が大きく変わらないから何処かの金庫に保管して……
宝石は流行りの種類がありますから、流行った時期に順次売り払って――)
なんて風に、戦利品の処理を考えていたが――
ドン!!
「ひ?」
華姿の目の前にナイフが突き立てられ、トランプがテーブルに縫い付けられる。
「こんの、アマ……良い気に成りやがって……!!
此処が何処か分からねぇか?ここは俺らの腹ン中と一緒よ!!
海賊船ベリアルに入った奴は、逃げられねぇんだよ!!!
ちーと、勿体ねぇがその不愛想なお顔を刻んでやらぁ!!」
海賊のひとりが、ナイフを振り上げた瞬間――
「やれ、バイト」
『ヴォウ!!』
華姿の後ろにいた男が、何かを投げるとその『何か』が空中でナイフを噛み砕いた!!
海賊の男の頭上に砕けたナイフの破片が降り注いだ。
「な、なんだテメェは……!?」
「俺はダァト……こっちは相棒のバイトだ。
覚えなくていい。どうせ明日までお前たちが覚えている可能性はゼロだ」
黒い看守の制服の様な恰好をした男――ダァトが手元に戻って来たバイトを手にしながら笑う。
「なんだ、テメェは!!お前みたいな奴がいるなんて聞いてねーぞ!?」
「焦るな、こっちは数で有利なんだ。
アイツはまさに飛んで入る夏の虫って奴だ」
数人の海賊たちの姿が音もなく変化する。
一瞬ドロの様に形を失い、怪人として復活する。
様子を見ていた、他の海賊たちも集まって来て、次々とプレイズナーへと姿を変える。
棒状の物、かぎ爪、捩じれた剣の様な物、様々な武器がダァトを狙っている。
数体のプレイズナーに囲まれて、ダァトはなおも――
「ふん、『ヨーヨー』に『ブラシ』……ほぉ、『ヴォルテックス』に『スケアクロウ』か、そっちはまさか『ウェザーコック』か?
使えるのが何体か、いるな……キーを貰うか」
『はぁ!?コイツ頭がおかしく成ったんじゃねーか?』
『やっちまえ!!こいつも!!女も!!』
数名の海賊の攻撃――エネルギーや銃弾がダァトに降り注ぎ、豪華なカジノは一瞬にして煙に包まれ――
『はッ!やったぜ!!これで――』
海賊のひとりが言葉を言い終わる前に、一陣の風が吹いた気がした。
そして体が、急に動かなくなる。
『ああ、やったな。確かに……
男が目を見開くと、目の前には黒い怪人が自身の腹に腕を突き刺していた。
『まずは――一本だ』
黒い怪人――ハウンダーが腕を引き抜くと、そこには一本の鍵が握られていた。
「か、え……せ」ボドン!!
キーを引き抜かれた怪人が形を失い、泥となって地面に広がった。
仲間の死亡――それをみて、漸くこの海賊たちは自身がハンターの前に立っていると気が付いた。
そう、これはもう『自分たちの遊びでは無い』。
寧ろ逆だ。
面白半分で自分を狩る男から逃げなくてはいけない。
『さぁ……ハンティングの時間だ!!』
ハウンダーが一瞬にして、消えて次に姿を見せたのは、捩じれた銃を構えていた水色のプレイズナー『ヴォルテックスプレイズナー』の前だった。
『ヴぉえ!?』
拳を叩き込むと同時に、そのまま180度振り返り自身の背中を狙っていた別のプレイズナー『ヨーヨー』に回し蹴りを打ち込む!!
ヴォルテックスから、腕を引き抜くとそのまま体制を崩したヨーヨープレイズナーにバイトを装備したナックルで胸を叩く!!
『ぐぅふ!?』
そしてその体制のまま、走りこちらを銃で狙っていた『スケアクロウ』に突進していく。
かと思うと、急激に動きを停止しうなだれるヨーヨーをスケアクロウに投げつける。
狙ったのかヨーヨーの紐がスケアクロウに絡みつき動きを奪う!!
『ファイナル・バイト!!』
素早くベルトをバイトに三回かませ、動けなくなった2体を同時に蹴りでほおむった。
『「スケアクロウ」ゲットだあと、欲しいのは――』
手の中で、ヴォルテックスとスケアクロウのキーが光を反射する。
『も、もう、ダメだ――キングを呼びに――ぐぅえ!?』
プレイズナーの一体『ウェザーコック』が口から血を流す。
胸には大穴、そこから頭が三つあるオオカミの様なマシンがキーを咥えて逃げていった。
『これで、めぼしいのは全部か……』
ダァトのお目に叶った、数本のキーを持って華姿の元へ戻ってくる。
「……お疲れ様……どうやって此処に?」
相変わらず表情の読めない顔をした華姿が、ダァトに話しかける。
ハウンダーの姿から元の服に戻る。
「お前がええと、レイクの言ってたやつだな?」
「はい、そうです。多分ですけど……」
「この鉄火場で表情一つ変えないか……気に入った胆力だ……」
平然の応える華姿にダァトが関心したように言う。
真実は別の処に有るのだが、ダァトは知る由も無かった。
「おっと、どうやって此処にだったな?
ベリアルは大食いでな……近づく船なら勝手に食う。
海賊共が、レイクに向かっていったあと、陸に乗りつけるのに使った船をちょろまかして後は、ベリアルに向かうだけ。
後は昼寝でもしてれば、勝手に取り込んでくれるさ」
ダァトの作戦は非常にシンプルだった。
ベリアルの物を吸収する性質を逆手にとって、船の中へ入り込んだのだった。
「因みに帰る方法は……?」
「ここは船の塊だ。また、適当に一隻奪うさ……
さ、ちょっとした探検ツアーだ。
お前が、海賊共をカードで引き付けてる間に、バイトに船の位置を探らせた」
「へー、お利口ワンちゃんですね」
華姿がバイトを拾い上げ、指先で撫でる。
『ヴォウン?』
「さ、いくぞ。付いてこい」
ダァトがカジノの扉を開ける。
「あのぉ……儲けたお金は――」
「抱いて心中したいなら好きにしろ」
ダァトが指でうずたかく積まれた貴金属類を示した。
「……そうですね。はぁ、岩さんや玲久君と一緒に居るせいですかね?
最近心が少し醜く成った気がしますよ」
華姿がヤレヤレと自嘲気味にため息を付いて、自分の様に連れてこられた人を先導し始めた。
全ては上手く行っていた。
そう、この時までは――
船から遥か離れた場所――公園だった場所でダンタリオンが何かに気が付く。
『コノ気配ハ――マサカ、奴ガ!?』
僅かに、しかし確実に出来た隙を、シーカーが突いた!!
「貰ったぁぁあああ!!!」
『サーチ・スラッシュ!!』
虫眼鏡型の攻撃デバイス、シーカーレンズをブレードモードにした一撃が、初めて明確にダンタリオンに傷をつけた!!!
『グ、グガァ……』
本人が言ったように、本当に戦闘力が無いのか小さな一撃でも相当効いている様だった。
「プレイズナー、ダンタリオン!!今すぐ、キーを捨てて降参するんだ。
そうすれば、これ以上の危害を加えない事を約束するぞ?」
シーカーがなおも武器を構えつつ、ダンタリオンに話す。
その様子は油断なく、ダンタリオンの姿を見ていた。
『……ハイドだ』
今の瞬間、明確にダンタリオンの声が変わった。
「はいど……?」
『「ダンタリオン」はキーの名前だ。私個人を指すなら「ハイド」と呼んで欲しい。
君も「日本人」や「地球人」呼びでは、困るだろう?』
今までの、非生物的な口調ではなく、始めて生物らしい話し方をした。
「ハイド……それがお前の名――うわっ!?」
名前を確認した瞬間、ダンタリオンの周囲にある目が一斉に輝き、まぶしさに顔を覆ったシーカー。
手をどけた後には、すでにダンタリオンは消えていた。
『一ツ忠告ダ。らいだーカラ手ヲヒケ。
コレ以上ハ本物ノ地獄ヲ見ルコト二成ル。
全テヲ忘レテ、日常二戻ルガ良イ』
唯一残っていた、口のついた青い球体が煙のように空気中に霧散した。
「やった、ダンタリオンを撤退させたぞ!!
俺は、まだまだやれるって事だな」
最後の忠告が脳裏に残ったが、それでも一応の勝利に出流は熱くなっていた。
その時――
『ヴォオオオオオオオオオオオ!!!
ヴォボヴォボォオオオオオオお!!!』
「なんだ、この声――!?」
機械とも、生物ともつかない巨大な『何か』の咆哮が出流の耳を刺激した。
その声は海の先から来ている。
「マズイ――この声は――!!」
ダァトが気が付くと同時に、船その物が大きく揺れた。
「な、何の揺れですか!?」
「チィ、まさかここまで――
お前ら、早く船に乗れ。そんで全力で逃げろ!!
このままじゃここは――」
『どこに行くというのですか?せっかく来たんです、もっとゆっくりしていってくださいよ。永遠にね?』
ダァトに何者かが、暗闇から切りかかった!!
『ヴォウ!!』
ダァトが刻まれる瞬間、バイトがその軌道上に入り、攻撃を受け止めた。
『おやぁ?そっちのお嬢さんは見覚えがありますねぇ。
華姿は自分の体中の毛穴が開くような感覚を味わった。
この男を忘れたことは無い。不快で不快で、仕方ない存在全てがこちらの神経を逆なでる様な、口調の動作にと本能すべてが嫌悪感を示す男。
「アナタは――」
『はぁい。皆さん大好きなクレルですよぉ?』
人の形をした地獄が戻って来た。
最近ビルドを見ていて、キャラクターの出入りが激しいと思いましたね。
リモコン&エンジンブロスの兄弟……
兵器としてしか生きれないと言いつつ、後からきたげんと君にローグを奪われ、上司?的立ち位置に据えられて「こいつらの人生……」と関係ない所で、同情したりしてます。