仮面ライダージェイル   作:ホワイト・ラム

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皆さんお久しぶりです。
最近ライダー系は投稿出来ていなかったので、久しぶりの投稿です。
次回位にベリアル編は終わりかな?
ではではゆっくり楽しんでくださいね。


VSベリアル編/悪意の箱舟

『うぐっ!?あがッ……!!』

突如として、キングが頭を抑えて蹲った。

 

「な、なんだ?」

困惑する玲久を前に、さらに異常が起こり始める。

 

「が、ああッ!カシラ!!」

 

「頭が、痛いよ!!」

キングをはじめとして、他の仲間までもが頭痛を訴え自身の頭部を抑える。

 

『はぁ、あっ……かえ、らないと……体が……!』

慌てるキングの腹と胸がドロリと僅かに形を失い始めた。

 

『か、帰るぞ!!ここはマズイ!!』

 

『は、はい!』

エアロがキングの手に絡みついたと思うと巨大なプロペラの様に変形した。

そして他の二人を拾うと急いで空に飛び立って行った。

玲久が急いで追うが、空を行くものたちへは追いつけづ、むなしく飛んでいく姿を見送った。

 

「何だったんだ?一体……?」

 

「兎に角助かったってのは、分かったな」

服がボロボロになった岩さんが姿を見せる。

確か件のエアロプレイズナーと戦っていたハズだが、大した怪我がないのを見る限り岩さんはなかなかの実力者なのかもしれない。

 

 

 

 

 

バギィン!!ドガ!!ドゴン!!

船と船を継ぎ接ぎした『ベリアル』の内部で、すさまじい音と衝撃が連続して起き続けている。

 

『おぁああああ!!』

ハウンダーと化したダァトが、ナックルを異形と化したクレルに振るったと思えば、、するりと蛇が穴を抜けるように回避して、不幸のにもあたった壁に大穴が開く。

 

『おやおやぁ、これはヒドイ!せっかくの内装がめちゃくちゃだ』

 

『悪趣味な内装はお前の趣味か?センスはゼロだな!!』

ハウンダーの蹴りが横凪に振るわれ、クレルの横腹に叩き込まれる!!

 

『ぐっ!?久しぶりに効きますね』

ダメージを受けた一応のリアクションを見せて、今度はお返しとばかりに、牙の並ぶ口を開け紫の液体を吐きかける!

それを攻撃に移ろうとしていたハウンダーが、壁にバイトを噛ませて空中で無理やり回避する。

 

『避けましたか』

 

『あたり前だ!』

ハウンダーが今度はクレルの口をふさぐべく、その高度を利用しての蹴りを頭部に食らわせる。

 

『がぅ?!』

 

『次!』

一瞬ハウンダーの姿を見失って、クレルが認識の為にワンアクションを使う、その隙――

口を開けたバイトを握り、クレルの腹を狙う!!

攻撃が当たる寸前、クレルがそれを手で受け止める。

 

『お遊びは此処までにしましょうか?』

ドロリと擬音がつきそうなくらい粘つく笑みをクレルが浮かべる。

 

ぐちゃ、ボゴ、べちょ……

 

血なのか、肉なのかドロドロに成った赤黒い粘つく物体が、クレルの全身を突き破る様にうごめきだした。

人間型と呼べた姿は、完全に面影すら無くし、ぶよぶよとした赤黒い巨大な肉団子のような姿へと変貌した。

しかし、変化は止まる事は無かった。

それはまるで、よりふさわしい形を探すかのように、不気味にうごめき時に形を変え少しずつ、すこしずつ元の人間の形に近づいていった。

 

『これは――拙いな』

 

『アナタが「ハウンダー」という戦闘形態を持つように私にも寄り戦闘に向いた【姿】が存在します、この様にね?』

クレルが笑う怪人、それは驚くほど人間に近い姿を見ていた。

角が有る訳でもない。長い爪がある訳でもない。尻尾がある訳でもないが、明らかに人間ではない【黒い異形】唯一この姿を正確に表す単語があるなら『怪人』だろうか?

 

『――行きますよ?』

ハウンダーを上回る高速で、近づきハウンダーに対して背を向ける。

予想をハズレ、一瞬だけダァトが混乱する。

その時、クレルの踵に蝙蝠の羽を思わせるものが生え、振り返りざまその踵をハウンダーの脇腹に突き刺した。

 

『が、ぁあああああ!!?』

凄まじい痛みに、ダァトがハウンダーの仮面の下で目を見開く。

 

『まだまだ、ですよ?』

踵を引き抜き、今度は右手の指を広げ、5指の関節を曲げ掌をハウンダーに叩き込んだ!!

 

『くっそぉが!』

ふらつくハウンダーの、腹から血が流れだし始める。

 

『くふ、脆い。脆過ぎですよ。そんな物(ドライバー)など使うから、力がセーブされるのです!!アナタも!!ジェイルも!!力を抑えて私に勝てるハズが無いでしょう!!』

クレルの飛び蹴りが、ハウンダーを捉えて吹き飛ばした!!

その蹴りは、すさまじい勢いでハウンダーを壁にめり込ませた。

 

『ぐ、げぶ……ぅ』

 

『まぁだ、まだですよ?』

壁から落ちそうになった、ハウンダーの首を腕でとらえて持ち上げる。

 

『ふぅ、準備体操位にはなりましたかね?このまま首をへし折っても良いんですけど――』

 

『――と、――えた』

 

『何か言いました?遺言は聞きませんが、恨み言位なら聞いてあげますよ?』

ハウンダーが何かを話す。

その様子にクレルが、自身の耳をハウンダーに近づける。

 

『さぁ、ご自由に――』

 

『漸く、捕まえたって言ったのさ!手加減はゼロだ!』

ハウンダーが、自身を捕まえているクレルの手を敢えて、捕まえ固定する!!

そしてもう片方の、手は腰のバイトに伸びていていて――

 

『ファイナルバイト!!』

バイトを引き抜き、その拳をクレルの顔面に叩き込んだ!!

 

『ぬぅううう!!!なんちゃって、こんな攻撃効くと本当に思って――』

 

『ないな、ああ、一瞬たりとも効くとは思ってないさ』

ハウンダーが再度、バイトをベルトに戻し素早く三度バックルに噛ませる。

バイトの目が赤く輝き、3つある口がすべて開きその中からカギが出てくる。

そしてそれを自身の胸に当てる。

 

『ほう――捨てますか?ハウンダーの姿を?』

 

『オマエを倒すには、これ位無茶しなきゃいけないからな……』

3本のカギをまとめる束を、自身の胸に突き刺した!!

 

『ぐぅ!?がああああ!!』

バキ、ベキ、ベギン!!

ハウンダーの装甲が、内側から砕かれる様にヒビが入る!!

先ほどのクレルの様に、姿が変わっていく――

 

『あぁあああああ!!』

絶叫を上げて、蹴りをクレルに向かって振るう!!

躱すクレル、次は拳、次は頭突きと戦略など全く考えず、ムチャクチャに体を変化させながら、がむしゃらに暴れ続ける!!

その威力は絶大で、ベリアルの中を破壊しながら、突き進む!!

 

『チぃ――これは、いけませんね。ベリアルにコレ以上のダメージは――』

負けじと応戦するクレル。

その戦いは、暴れるけだものを技でいなす、猟師といった面持ちだった。

 

『ああああああああ!!』

クレルを引き裂くように、振るわれた両腕の爪が遂にベリアルの壁に穴をあける。

一瞬差し込んだ光にクレル、ダァト両名が目を細め隙をつくる。

 

「ダァトさん!!こっちです!!」

 

『!?』

その穴の向こう、盗んだ船とは別に、モーターボートに一人乗る華姿の姿が見えた。

咄嗟にダァトはその華姿の船へと飛び出した!!

 

「ダァトさん!?」

 

「いいから、逃げろ……良いタイミングだ……な」

船に乗ると共に変身が溶けたダァトが、ボロボロの姿で笑みを浮かべた。

その表情で何かを察した華姿は、モーターボートを操り陸地へと進んでいく。

 

 

 

 

 

『んふふふふふ……逃がしませ――ん?』

穴から這い出たクレルが、背中に翼をはやし追おうとするとき何かがベリアルに帰って来た事に気が付く。

 

『おやおや、あの海賊が帰ってきましたか丁度良かったですね』

クレルはその翼を華姿のボートではなく、キングたちが帰って来た甲板へと向ける。

 

 

 

『おかえりなさいませ。皆さん』

甲板の上、未だにつらそうに息を切らすキングたちをクレルが見下ろす。

 

「はぁ、はぁ……俺たちの、体に何をした!!」

キングがベルトを再び巻き付け、詰め寄る様にクレルに掴みかかった。

おかしい点はいくらでもあった。怪人になった部下たち、敗北するとドロドロに溶けて消える点、そして今回のような突然襲う強烈な、頭痛。

どれもこれもが、おかしいとキングは気が付いていた。

 

『んふふふふふふ……良いですよ?教えてあげても、むしろ今まで教えたくてしょうがなかったんですからね?』

クレルが口を開くと同時に、ベリアルの甲板に巨大な穴が開いていく。

 

「これは――」

それを見たキングたちが絶句して、口をひらいた。

そしてクレルが説明するたびに、どんどんと顔色が悪くなっていった。

 

 

 

 

 

「よぉ、ダァト無事……ではないか」

 

「ふん、お前に心配されるとはな……」

華姿に肩を貸され、ダァトが何とか海岸へと戻ってくる。

玲久はそんなダァトを心配したそぶりを見せつつも、軽口をたたく。

 

「レイク……今回は、やばいぞ……」

 

「やばい?」

ダァトの珍しい忠告に、玲久が耳を貸す。

 

「あのベリアルだが……俺は初めは目的は新しいプレイズナーを産むことプレイズナーの生産工場だと思ってた……

海上じゃ手出しは簡単には出来ない、逃げようのない空間……新しいプレイズナーを量産するには最高の環境だ……だが、本当の目的はそうじゃない……

いや、プレイズナーの生産工場っていう側面を持っているのも間違いじゃないんだが……

あれは――船の形の()()だ。

聞くか?久しぶりにすこぶる気分の悪くなる話だぞ?」

静かに頷いた玲久をみて珍しく、真剣な顔をしてダァトが話し始めた――

 

 

 

 

 

「これは……」

キングは目の前の甲板にぽっかり空いた穴を見ている。

それは黒い穴で、無数のドロリと溶けた「人間だった」物があふれていた。

 

『まさか、アナタたちは自分がプレイズナーとして生きた人間だとおもっています?

ノン、ノン、ノン!違いますよ。

この船――ベリアルには、誰も()()()()()()()()()()()()()()

 

「な、それじゃあ――」

 

「そんなの嘘だぁ!!」

絶句するキングをかばうように、後ろに控えていた仲間たちが声を荒げる。

その言葉はけっして認めたくないという、逃げが大いに含まれていた。

 

『分からない人です――ね!』

クレルが腕を振るうと、キングの仲間たちの体に切り傷が出来る。

そこから流れるのは血ではなく、ヘドロのような泥だった。

 

 

 

 

 

「どろ?」

 

「ああ、そうだ……」

ダァトの言葉に、玲久が反応を示す。

 

「ベリアルは、強いて言えば泥のプレイズナー……マッドプレイズナーとでもいうもんだ。

泥ゆえに形を持たない、不定形ゆえにどんな形にも変形できる。

クレルは、そこに注目したんだ。

恐らくだが奴は、船の中にさらった人間を半殺しにして集めた……

そしてまるでゴミを集めるように無数の人間どもを集めて、その死体の山にベリアルを使ったんだろうな……

んで、そいつらはベリアルの力で泥を使って自身の体を作りだした。

そして、その泥たちに死人の記憶と生前の姿を持たせたのが――」

 

 

 

 

 

『アナタたちです』

クレルの言葉に、他の海賊たちが絶望した、生気のない表情で膝を付く。

現実ではありえない。自らの死を知らされた者達はどんな心境なのか……

 

『ふっざけんな!!ああぁあああ!』

キングがベルトを巻き、姿を再び変化させる。

右腕の黄金のかぎ爪を振るって、クレルにとびかかる!!

 

『もう一つ、忠告です』

瞬時にクレルが姿を消さんばかりの高速移動をすると、キングの後ろに控えていた3人の仲間たちがほぼ同時に声もなく倒れる。

残ったのは、やはり粘ついた泥のみ。

 

『私は看守です。看守はプレイズナーに対して強制的にキーを排出させる力を持っています。

無論ただの泥の塊でしかないアナタたちからも、ね?』

クレルが、足元に在る泥を踏みつけぐりぐりと甲板に汚そうにねたぐった。

 

『お、おまえら……』

呆然と仲間だったものを見るキング。

 

『んふふふふふふふふ、クライムキーで形を保ってるアナタたちから、キーを抜くとこうなりますよ?

ねぇ、私が居ない間、つかの間の幸せを楽しめましたか?

生きてる頃に様に、殺人と略奪を楽しみましたか?ああ、なんて酷い人なんでしょう!私、怖くなってしまいますね。けど、これからは私の為に戦ってください。

略奪の殺人もすべて、私の為にやってください。プライドも矜持もすてて、私の目的を果たす為の、道具として使われてください。

そうすれば……まだあなたを壊さないで上げますよ?』

キングにクレルが、笑いながらそう歌うように話した。

 

『さぁ!!暇つぶしは終わりです!!

町の人間どもを全部、ベリアルの為に捧げましょう!!』

その言葉と共に、再びベリアルが大きく啼いた。

 

そして甲板の中から、巨大な泥で生成させた腕がゆっくりと形を持って出てくる。

次は胴体、その次は頭と半分頭が出て止まった。

甲板からは巨大な腕と肩そして半分だけの頭が覗いている。

 

『ああ、ジェネラル!!もう少し、もう少しですよ!!

アナタをこのベリアルを使って解放して差し上げます!!

目の前には、無数の人間ども!!エサはたっぷりあります!!

さぁ!!無様な海賊風情たち!!ジェネラル様の為にエサを運ぶのです!!』

クレルの狂ったような笑いが、甲板に大きく響いた。




ああー、久しぶりにブレイドとか見直したくなって来た……
改めて見ると伏線とか意識出来て良いんですよね。
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