レキ。
いつも無表情で、無感情で、無口なレキ。
『風』に命じられるまま、俺を守るためーー
たった一丁の狙撃銃を頼りに勇敢に戦ったレキ。
星空の下、そのレキが道に倒れている。
「この傷、銃創ではありませんね…何か爆弾のような…」
レキの傍に膝をついたのは白雪の妹・風雪だ。
さっき、風雪が言った事ーーレキは源義経の子孫ーーにはまだ驚きが残っている。
しかし今はそんな場合じゃない。
「レキはなんだかよくわからない光、爆弾のような物で負傷させられた。もしかしたら白雪と同じような超能力かもしれない。ここにくるまでにもレキはかなり出血している。白雪、お前何か術で治せないのか?」
俺がそう縋ると救援に来ていた白雪はふるふると首を横に振った。
「普段なら少しはできるんだけど、今私の力は不安定なの」
「不安定?」
「最近世界中であらゆる超能力が弱まり、成功率が下がる原因不明の現象が起きているのです。星伽でも特に人の傷を癒す術は使わないようにしています」
俺はオカルト系の話には弱いが、どうやら超能力などの術はゲームの回復魔法みたいに簡単なものではないらしい。じゃあどうしたら…と困惑する俺の足元で白雪がレキの熱を計る。
「体温がものすごく下がっている。すぐ病院に連れて行かないと」
「病院はダメだ。さっきの敵は狙撃銃を使える」
今はこちらには狙撃手はいない。ビルの多い市街地は狙撃手な最も有利な地形の一つだ。街にある病院を襲われたらひとたまりもないぞ。
「それなら星伽分社にレキ様をお連れしましょう。そこに医師をお呼びします」
風雪はレキを抱き抱え、堅牢そうなセダンの櫛撫の後部座席に運び込まれ、それを支えながら俺も隣に同行した。
車は山を下る国道367号線から105号線、106号線へと走っていった。交差点で止まるたびに風雪は矢をつがえた弓を少し持ち上げて周りを警戒していた。それを横目に俺は白雪の携帯から銀華に電話をかける。深夜ということもあり、出ないことも予想したが……
『もしもし、キンジ』
2コール目には出てくれた。
「白雪じゃない俺だ……って分かってるのか。急いでいるから前置きは飛ばすがレキと俺が襲われて、レキが負傷した。相手はレキ以上の絶対半径を持つ敵だった。イ・ウーにそんな狙撃手はいなかったか?」
『狙撃手…いるよ。名前は
「やっぱり…?」
『……私にも責任があるから助けに行きます。今向かってる場所は……星伽神社の京都の分社かな?』
「ああ…」
『じゃあ
「ああ…」
そう言って忙しなく電話を切った銀華。話が早くて助かるが、今あいつ呉にいるんじゃないのか?
有力な神社には会社のように本社と支社がある。その支社にあたる神社を分社という。
星伽神社も京都に大きな分社があり、俺たちがそこについた頃明け方の空からは雨が降り始めていた。
「ごめん、遅くなった」
俺たちの後ろからそんな声がかかり、振り返ってみると、どうやってこんな短い時間で呉から京都まで来たかわからない紅の髪と瞳を持つ少女、紅華・ホームズ・イステルが紅の髪を靡かせ立っていた。
その姿を見て寵巫女ーー白雪や風雪のような正規の星伽巫女に仕える幼い巫女たちだーーは社長が突然訪問したかのようにビビりまくっていたが(北条の名か、それとも紅華のオーラかはわからない)、そんな場合ではないのでレキを担架でせっせと運んでいく。
俺と白雪と紅華は彼女らに続いて神社へと向かう。
「銀華さん…だよね?」
「うん…ごめんね、この姿で。急いで来たのと、この後のことを考えたら銀華に戻れなかった」
「ううん。どんな姿でも銀華さんは銀華さんですから。助けに来てくれて嬉しいです」
掃除の行き届いた石段を上りつつ、そんな会話をしているが、俺に聞いていたとはいえすごいな白雪。銀華と全然姿違うのにわかるなんて。
石段を登ってることからわかるが、星伽の京都分社は杉の生い茂る小山の上にある。となると狙撃手は斜め下に陣取るしかないが、入り口の鳥居以外全方向を漆喰の塀で防御されている鉄壁の守りだ。いかに凄腕の狙撃手でも神社内部を撃つことはできないだろう。
「こっちだよ、キンちゃん、銀華さん」
という白雪に導かれ、鳥居をくぐった俺たちは救護殿という和風の診療所みたいなところに案内された。
その一室に運び込まれたレキは、呼び出されたらしい女医と何人かのナースにすぐ取り囲まれた。彼女らのそばには医療器具や薬品がずらりと並んでいる。
「おーおー、やられたな。派手に」
メガネをかけたレキを迎えた若い女医はーー拳銃を提げていた。どうやら星伽お抱えのプロの衛生武偵らしい。
「血液型判定・交差適合試験、生化をチェックーー大至急輸血を開始や」
レキの容体をチェックしてナースたちに指示を飛ばした女医は
「坊や。ここはウチに任せてお前も休め。死体みたいな顔してるで」
流し目をするように俺のことも見てそう告げる。
「助かるんですか。レキーー彼女は」
「死なせはしないよ。紅華・イステルの名にかけてね」
口を挟むようにそう言った紅華は持ち込まれていた医療エプロンなどを身につけて手際良く始めている。
「今超能力は安定しないらしいけど大丈夫か?」
「私を舐めないほうがいいよ。
そういう紅華の手つきは女医と同じように恐ろしく手慣れている。こいつは超能力的にも医療系の技を持っているのは以前ブラドと戦った後にもわかってるし、武偵高で衛生科にも通っている。
ーーーもう俺の出幕はないだろう。
そう思った瞬間、何か緊張の糸が切れたような感覚と共に、ぐらり、と視界が傾いた。
「キンジ…!?」
「キンちゃん!?」
2人の声がやけに遠く聞こえる。
どうしたんだ俺は…?
さっきまで立っていた床が……
今目の前にある……?
☆★☆
「……レキっ……」
…‥目が覚めた。風ではなく、ポツポツと雨の音が聞こえている。
ここはそうだ。星伽の京都分社。
負傷したレキを紅華たちに任せた後、俺は自分も疲労で倒れてしまったらしい。
布団から上体を起こして周囲を見回すと俺は広い部屋に寝かされていたことがわかる。
そして側には…
かくん。かくん。と、うたた寝をしている私服姿の紅華がいた。
どうやらレキの治療が終わった後、ここで警護兼俺の様子を見ていたらしい。
部屋にある古めかしい時計をみると、もう正午近いぞ。
(レキはどうなったんだ…)
いつのまにか練絹色の寝巻きを着せられていた俺は、布団から出て紅華の肩を叩く。
「紅華。起きてくれ」
「……んん。おはようキンジ。倒れちゃったから心配したよもう…!」
俺の声で起きた紅華は、ちょっと怒った、でも安心したような顔で俺に対して向き合った。
「ああ、おかげさまで大丈夫だ。それよりレキは?」
「私を誰だと思ってるの?ばっちりとまではいかないけど、重傷が軽傷ぐらいまでになるぐらいには治療したよ。色金粒子さえなければ全快までいけたんだけどね」
安心してとでもいうように、指でVとピースしながらニコッとする紅華。その姿を見て、レキが助かってよかったと安心したのと同時に、銀華に比べて見た目も行動も幼いように感じる紅華に……
ドクッ!
ヒ、ヒス的な鼓動が湧き起こる…!
ま、まずいだろこれ。ここは星伽神社の分社。広義で友達の家とも言える。そんなとこでヒスって間違いを犯してみろ。2度と星伽関係の地を踏むことができない。神様も見てるだろうし罰当たりだ。
と、というか紅華でヒスって倫理的に大丈夫なのか?いや、小1〜2の見た目をしているだけで実際は同い年だし、婚約者だし、合法なのか…?
「?」
何故かまた急に止まった俺に対して紅華はハテナマークを浮かべている。紅華は普通にしてるのに、勝手に俺がヒスりかけてるとは思いもよらないようだ。その頭にハテナマークを浮かべてる姿も可愛い。
ていうか、子供ってかわいい。可愛すぎる。実際は子供ではないんだけど、『可愛い』を通り越して『ヤバい』だよ、これは。
なお、これは俺がそういうマニアックな趣味を持ってるわけでは決してなく、動物的本能がそう感じさせているのだろう。人間の子供に限らず、動物の幼体が可愛いことで、周囲に世話をしてもらえるという大自然の仕組みがあるのだ。
「き、着替えるから外に出てろ」
これ以上同じ場所にいると本当にヒスりかねないので、ちょっと強めに命じると『hmm…』と推理できないのが不服な顔して部屋から出ていった。
あ、危なかった…
血流を抑えつつ、枕元にきちんと折りたたまれていた洗濯済みの制服に着替え、障子を開けて外に出た。
鶯張りの廊下では俺たちを警護してくれていたのか帯刀した白雪が紅華に対してハラハラした顔で話していた。
そして振り返って俺に気づくと、
「キンちゃん、キンちゃん。急に倒れちゃったから私、心臓が止まるかと思った…!」
「ああ、部屋貸してくれてありがとうな。それよりどうした?」
「ここからはよく見えないけど、鳥居の辺りが危ないみたい」
と紅華と白雪は鳥居の方に目を向ける。
俺も同じように鳥居を見ると、小雨の中ーー風雪が和弓を使って、シッシと何かを追い払おうとしている。
……グルル
「!?」
石段の方から聞こえてきたその唸り声に俺は裸足のまま飛び出した。
雨が降る中、砂利を蹴り境内を走り、静止する声を振り切って鳥居から飛び出すと、
「ハイマキ!」
ズタボロになった銀狼が石段の縁に伏せていた。
雨に打たれるハイマキは見るも無残な状況だ。
猟犬共に噛まれ、爪で引き裂かれ、純白だった毛並みは泥と血でボロ雑巾のようになっている。
ハイマキは俺とレキを逃すために何十頭もの猟犬にたった1匹で挑んでいった。
猟犬共を追い払った後レキの血の匂いやそれが途切れた後の車の臭いを追うなどしてここまできたのだろう。
「ハイマキよくやったぞ…レキはまだ生きている。お前のおかげだ!」
と俺がそう声をかけると、ハイマキは安心したように喉を鳴らすのだった。
☆★☆
救護殿に運ばれたハイマキは治療され眠るレキを見つけると枕元で丸くなり、頑なとして動かなくなった。女医とナースたちも困っていたので
「紅華、動物の治療は?」
「もちろん、できるよ。任せといて」
そういう紅華はーーゴソゴソっとポケットから何かの種を出し、ハイマキの周りに撒く。
そしてーーパチンッ!
と指を鳴らすとその種が発芽し、ものすごい速度で成長、あっという間にハイマキの周りを覆う。
ハイマキを囲むようにドーム状になった荊は天辺に大きなつぼみをつけ、もう一度パチンと紅華が指を鳴らすと、大きな紅の花を咲かせ、その後急速に枯れていく。
そのドームが崩れ落ちた後には…
「はい、終わり」
「ハイマキ…!」
ハイマキは元の綺麗な白い毛並みに戻っていた。
近づいて見るに、先ほどあった傷が塞がっているどころか完治しているぞ。
「昨日も思っとったけど……こんなんできる人おったら、ウチら商売あがったりですわ」
す、すごいなこれ。以前パトラが使ったのを見たことがあるが…これがイ・ウーで医者をやっていた紅華の本当の力なのか。
「私の
「あ、ああ。すごいよ。ありがとな」
ドヤァああああって顔に書いてあるぐらいドヤ顔していたが、それも可愛いので目を逸らしながら褒める。
むっ!
それがちょっとお気に召さなかったらしい紅華さんはハイマキを近くで見るために膝立ちになっていた俺の方に歩いてきて……
ぐいっ!と両手で自分自身の方へ俺の顔を動かした。そのせいで紅華の可愛い顔を見ると同時に、顔が近くなったことで髪から菊のようないい匂いが…今の俺にとって殺人的なスメルが鼻に入ってくる。
「なんか今日のキンジ変。なんか私した?」
ちょっと不思議そうな顔をして言ってくるが、『あなたが可愛すぎて見てるだけでヒスリそう』とは女医やナースがいるこんな大勢の前では言えるわけがない。でも、良い言い訳も思いつかないので……
「お前がか、かわいいから緊張する…」
そんな俺の言葉にナースたちがキャーっと黄色い声を上げる中、紅華はーー
「わ……わ、私が、か…かわいい」
イギリス人の父を持つだけあって、真っ白な肌を持つ紅華だが、俺の言葉を聞いて髪や瞳に負けないぐらい顔を真っ赤にしている。
ーーーーもしかしてこれヤバい?
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「お前が、可愛いから緊張する」
ドキン!!!!!!!
わ、わ、わ、わ、わ、わ、わ、
「わ……わ、私が、か…かわいい」
な、なんてことをいきなり言うんだキンジ。
昨晩、あんまり紅華でキンジのことを見たことがなかったから、倒れたキンジを運ぶ時、『キンジって大きいなあ』『実際この私とキンジで
着替えさせる時に色々見えちゃって、ちょっと甘ヒスっちゃったけれども!(そのせいでうたた寝した)
キンジがハイマキに駆け寄っていったのがカッコよくて、さっきの治療ちょっと張り切っちゃったとかあるけれども!
頑張って私がHSSなるの我慢してるのに、な…なんてことを言うんだ。
今の私は、この場で自分の得意分野を活かして、超強キャラ感を出してるのに、HSSになった瞬間
「キンジしよ……」「ああ…」
みたいな感じで、よりにもよって公衆の面前でとんでもないことをしだすに違いない。
そんなことしたら、私は超強キャラから超痴女キャラにグレードダウンだ。人生終了。
私の人生が終了する前に、なんとかしてHSSになるのを抑えなければいけない。
しかし、紅華人生1番の『難事件』がこんなところで発生するとは……
誰か……助けて…………!
「キンちゃん、銀華さん、お腹空いてませんか?お食事を用意したんだけど……ご、ごめんなさい!」
巫女服の上にフリル付きのエプロンを重ねた白雪が救護殿に入ってきた。私たちが見つめあってるのをみて何か勘違いしたらしい。(何も間違っていない)
でも、白雪ありがとう。勝機が……見えた……!
「そ、そうだね、キンジご飯にしよう」
「あ、ああ。そうだな。俺も腹減った」
勝機といっても……ただそれに乗っかるだけだ。
助かったよ白雪。男版HSS風に言うなら後で「キスしてあげる」ぐらい、なんなら銀華だったら本当にキスしてあげたかも…本当に助かった…
星伽の京都分社は広く、幾つもある建物が屋根付きの渡り廊下で繋がっている。
そこを渡っていると、時々現れる寵巫女と呼ばれる女の子たちは私たちをみるなり廊下の端に正座して深々とおかっぱ頭を下げてくる。
星伽は男子禁制だから特例の遠山家のキンジにかしこまってるのか、それとも私の北条にかしこまってるのか…
(まあ、どっちもなのかな)
そんなことを考えながら、ご飯を食べるところらしい膳殿に入ると私とキンジ用の座椅子が用意してあった。対面には白雪の椅子もある。
席に着くと、北条で尚且つ外国人の見た目をしている私と男であるキンジを迎えるにあたって、エプロンをつけた寵巫女達がうやうやしいムードでお膳を運んできた。
膳に並べられているのは、ひらめ、サザエなどのお造り、鱧の落とし、いくら寿司、京野菜のあんかけ、松茸ご飯など1人で作ったらどれぐらい時間がかかるかわからないものがどんどこ出てきた。しかもどれも美味しいし…
なんか女として負けた気がする…
「ごめんね、これありあわせなんだけど…栄養はちゃんととれると思うの。たくさん食べて元気になってね」
こ、これでありあわせ…?
私は昔潜水艦暮らしだったから世間一般とズレてるのもあるけど、豪華な飯が出るんだなあ星伽は。
「ありがとう、とても美味しいよ」
「そうだな。それとまだ謝ってなかったが悪かったな。いきなり怪我人を運び込むことになって」
「ううんいいの。困った時はいつでも頼ってください。それに銀華さんも来てくれたし」
「…そうだ。お前、どうやってあの短い時間で呉から来たんだよ」
キンジと白雪の目がこちらに向く……
まずい……呉から京都までキンジのおかげで緋緋色金が覚醒して使えるようになった
「緋緋色金の瞬間移動で来ました☆」「悪即斬」ってなる可能性も全然ある。
銀華と姿が違うから、まだ私はキンジ達に『ちょっとミステリアス』とか『世界最強の魔女』みたいな感じに思われてるだろう。それなら、ここは…
「秘密、知りたいなら推理してみて」
ちょっとかっこよく誤魔化す。
……こんなことあんまり言いたくないが、私は紅華の時、精神性が体に引っ張られ、銀華の時に比べてちょっと子供ぽくなってしまう。
なので、無理してちょっと大人ぶってカッコよく行動してる。
………でも、イ・ウーの主戦派のカッツェやパトラとかにはバレてて、妹みたいに扱われるんだよね。ちょっとむかつく。紅華のこの私だって16歳なのに。なので、背が小さいからって舐められないように、銀華関係の周りの人間にはカッコよく振る舞う必要があるのだ。
それで2人はなんとか納得してくれたらしく、
「でも…どうしてキンちゃんとレキさんが狙われたの?」
「結局のところは俺にもわからないんだ」
また2人が期待してる目でこちらをみてくる。
ま、まずい……
理子に披露した『私が
ホームズ二世ってバレちゃったし、ヘンテコな推理もできない…どうやって誤魔化そう…
うーん……これだ!
「たぶん、キンジとレキさんを戦闘要員として欲しかったんじゃないかな?
バレない嘘をつくには、大量の真実の中に嘘をまぜるべきであるという名言通り、藍幇のサブプラン・レキとキンジの藍幇の戦闘要員化の方を答える。
ふー助かった……
「……この後の戦い?」
ぎゃーーーーー!そういやキンジはまだ極東戦役やその後について知らないんだった!!!もうそろそろ
よし、それならここは私の必殺技で乗り切ろう。その名も『
この笑いを見た研鑽派はみんなビビる最強の必殺技だぞ!
「……」
「……」
よし…!キンジが私の笑みを見て顔を逸らしたぞ。『
全然なんとかなってない気がするけどなんとかなったぞ!
「でもキンちゃんとレキさんが同時に狙われるって…おかしいよね…?あれ…どうしてキンちゃんとレキさんが一緒にいたのかな??あれどういうことかな?教えてキンちゃん、銀華さん」
もう無理!誰か助けて!
第二部の紅華、第一部の威厳が………