仮に俺が小説投稿サイトに投稿された三流小説の主人公であるとして、俺の事情を読者に語ろうと思う。
突然こんなことを言い出して中二病であるかのように思われそうだが、これにはれっきとした理由がある。
俺こと日之影 空洞は転生者である。
前世はスポーツ万能で秀才、社交性もあり大変リアルが充実していた。
ある日大学への通学途中、大雨洪水警報に暴風警報までも発令したため、休学になったことあった。
俺はコンビニで少年ジャンプを立ち読みした後、帰宅した。
そして帰り道、増水した川の様子を見に来たお年寄りが川で溺れているのを発見した。
俺は川に飛び込み、必死で老人を助けようとしたが、意識を失った老人を岸に上げることには成功したが、俺はそのまま流されていった。
意識が混濁したままふと思ったことは、台風が来たらなぜジジイは川の様子を見に行くのかということと、さっきまで読んでいためだかボックスの最後に登場した球磨川禊とはどういった存在なのかという下らない事だった。
こうして一人の命を救ったが、気づかれることなく亡くなってしまった知られざる英雄として俺は前世の生涯を終えた。
ここからは現世での話であるが、俺は前世20年の記憶があり、またこの体のスペックが異常なのか知識を着々と増やしていった。
幼少の頃から神童と呼ばれたが、身体能力はそれすら霞むほど上昇していった。
小学校の頃にはサッカーをすると味方チームが全員敵に回っても21人抜きを余裕で達成できるほどであり、野球ではバントで内野安打、その後盗塁でホームに帰ることもできた。
また10歳で身長が170センチに達し、顔も老けて見えるがイケメンであった。
さらにこれが小説として、文字数を稼ぐために長所を重ねて述べると、あらゆるコンクールで学年1位しかとったことがない他に、かくれんぼで見つかったことが無く、ガキのころにはよくほかのガキが勝手に帰っていた。
普通の小学生なら調子に乗るだろうが、俺は精神年齢が高いため自重した。しかし内心では俺は特別な人間だと中二的思考をしていた。俺チートじゃね?とか。
あらゆることに秀でていた俺ではあるが、年齢を経るごとにシカトされるようになっていった。はじめはなんでもできる超優秀な俺に対してのガキの嫉妬だと微笑ましく思っていたが、中学校に入学する頃には大多数から無視されるようになり、ある時俺の影が薄くて誰も気付いていないことが分かった。
チートな存在というよりは、存在感がチートな薄さだったのである。
*補足*
知られざる英雄(ミスターアンノウン)は誰もが目を逸らし忘れたくなるほどの破壊的な強さが原因となったのですが、この物語の日之影 空洞はそのことに気付いていません。年齢を経て強さが同世代の子供と比較して段違いに増していったため、徐々に認識されなくなっていったとお考え下さい。