SAO -Epic Of Mercenaries- 作:OMV
何かがおかしい。気付くのが遅れたのは、止め処無く分泌され続けているアドレナリンの興奮作用によるからだろうか。それとも、自分の力を過信したからか。どちらにせよ、危機的状況には変わりがない。
「らいいぃっ!!!」
自分と男が二人だけで戦っている殿の光景は、戦闘開始から五分ほど経過した今でも変わることは無かった。
「どういう事だデルタ!?」
気合いの声と共に迫り来る敵の攻撃を弾き返し、隙を作った男が悲痛な叫びを上げた。とうに彼のHPは五割を割っており、危険な状態だ。互いにカバーし合って回復するのがセオリーなのだが、敵は巧みな連携で分断を誘ってくる。デルタのHPも久しぶりに七割を切っていた。
「....そんな事言われても!」
伝令を信じるしかない、としか言い様が無い。彼がミッカを伝令に送ったのは、彼女を信頼していたからだろう。デルタ自身、それほどミッカとの付き合いが有るわけでも無かったが、少ない交流からしても、彼女が信頼を簡単に裏切る人物だとは思えなかった。いつまで経っても援軍が来ないその理由は、ミッカ以外にあると信じたかっ
た。
そしてその希望は、現実のものであった。
■■■■■
殿の部隊が混乱する一方、中央より3百メートルほど離れた陣形の先頭部隊は敵アジトの最深部にたどり着き、「へルター・スケルター」の本隊と接敵した。
「カーラさん、中央に伝令頼みます!」
リックは後ろに控える前線部隊指揮官へと接敵を叫んだ。即座に動けるよう、待機していた前線指揮官は分かったとだけ言い残し、中央部隊が待機する方へと向かっていった。
大きく開いた最深部の部屋に十数人ほどで待ち構えていた彼らは、陣形の先頭を切るユーリとリックを見るや否や、各々の得物を抜き襲い掛かってきた。
「
ユーリは携えていたロングランスを降りかぶり、襲い掛かってくる「ヘルダー・スケルター」の面々を薙ぎ払う。身長170cmほどで細身の体型であるユーリが扱いこなせないような見た目をしているロングランスは、その性能を如何無く発揮し、前面から迫りくる敵を一掃した。
ランスを右に薙ぎ払った反動で、後ろへと回転し、距離を取る。それに釣られるようにして、敵の一人が追撃を仕掛けた。宙に浮いたユーリへと攻撃が突き刺さる刹那。
「あああっっっっ!!」
突如、ユーリの視界外から迫ってきた巨大なタワーシールドが攻撃を弾き、そしてユーリを守るように敵の攻撃を遮って自立していた。後ろを振り向くと、大型のバスタードソードを降りかぶったリックが全速力で走り込んで来る姿が確認できた。
リックは助走から図体に見合わない程軽快に跳躍し、ユーリを守る為に投てきしたのであろうタワーシールドを飛び越えて敵に斬り掛かった。
数回ほどキン、キンというような金属音が鳴り、少し間が空いてまた金属音が鳴った。いつまでも倒れたままではいけないと、ユーリは膝を叩いて立ち上がり、ロングランスを構え直した。
ユーリがターゲットとして視界に捉えたのは、リックと対峙する男の右横....一人だけ赤いグローブを羽織った女だった。時折、剣を振るう風でフードが捲れ、ちらりと見える幼そうな彼女の顔を見て、ユーリは柄にも無く舌打ちをしてしまった。
(Fuckin' crazy......作戦の一つ何ですかネ?)
幼い少女の顔を利用して相手の戦意を削ぐ。それも相手が考えた作戦の一つなのだろう。このSAOの世界は基本的に顔は整形できない。どんなプレイヤーも、現実世界の自分の顔を持ちながら生きなければならない。それがこのゲームの仕様であった。
つまり、このゲームで幼そうな少女の見た目であれば、現実世界で本当に幼い少女の可能性だってあるのだ。少女は、現実世界ならば小学生の高学年と言っても不自然でないほどに見た目が幼かった。それを意識してしまうと、戦意が削がれるのは仕方が無い。ユーリだって人間だ。「彼」のように徹底的に冷酷にはなれない。だが、今ユーリの中に浮かんでいた感情は、少女に対する同情でも哀れみでも無く、憤怒、激しい怒りであった。
右足で強く地面を蹴り、流れるような体勢で攻撃の始動モーションを作る。何故、私よりも幼い子供が殺人ギルドなんかに居るのか。そして何故、殺人ギルドの奴らはこんな子供に対して殺人に手を染めさせたのか。しかも、一人赤いローブを装備しているということは、彼女がパーソナルカラーが設定されるほどに位の高い幹部なのだろう。それだけ沢山の人を殺し、周りが彼女を持ち上げたのか? その推測が、さらにユーリの癇癪玉を破裂させた。
「
少女を狙い、始動モーションから繰り出した渾身の突きは、人間離れした身体能力を発揮した少女のアクロバティックな回避行動で避けられ、矛先は宙を漂った。そのまま重いランスの慣性に引っ張られるようにして、ユーリは前のめりに体勢を崩した。
その隙を少女が逃すはずもなく、瞬く間に接近されて足払いを掛けられ地面に倒された。うつ伏せの体勢で岩に顔面をぶつけたユーリは、鼻が折れるのではないかと思うほどの鈍い痛みに顔をしかめた。だが、そんな悠長に痛みを味わっている暇ではない事に気付いた。
ユーリの背中に何かが載せられた。顔を上げて確認してみると、そこには少女が居た。赤いローブの隙間から、狂気に染まった双眸が垣間見える。口元は歪み、彼女が釀し出す狂気は、ユーリが感じてきた狂気の中でも最悪に近いものだった。それは今まで一番最悪だと感じていた義理の父を軽く超えている。
目線から漏れ出す狂気から逃げるようにして視線を逸らすと、背中に載った何かが、何なのかが判明した。それは、ユーリを踏みつけた彼女の靴だった。最早ちょっとした小箱くらいにしか思わなかったその感触に、ユーリは慄然とした思いを禁じ得なかった。
(本当に.....小さい子供なんデスネ....)
そんなユーリの感想など知る由も無い少女は、腰のナイフホルダーからゆっくりとした動作でナイフを取り出した。まるで少女の残酷な内面を現したかのように禍々しいナイフの刃を、少女自身は嬉々とした表情で眺めていた。
その笑みは、死神か、悪魔のどちらにでもなったつもりなのか。禍々しい形をしたナイフが、ユーリの背中めがけて振り下ろされた瞬間。ユーリの鼓膜が、突然鳴り響いた金属音によって大きく震えた。
「!!!!?」
何かが、背中に迫るナイフを弾いた。視界の端から槍のような鋭いものが伸びてきて、ナイフを振り下ろした少女の顔を歪ませた。混乱の真っ只中にある頭は、思考でなく反射でそれを理解し、再び動き出した。
身体を捻りながらランスが落ちている方向へと転がり、伸ばした左手で得物のグリップを確かに握った。そのままランスを杖のようにして立ち上がり、再び戦える態勢を整えた。
誰が助けてくれたか確認する余裕も無く、目の前の少女へとランスを繰り出す。躊躇い無くウイークポイントである首元を正確に狙った一突きの直撃を受けた少女は、HP全損とまでは成らなかったものの、ユーリのステータスと主武装であるロングランス自体の威力が相まって相当な痛手を喰らった筈であった。
だが少女は歪んだ顔のまま、こちらに攻撃を仕掛けてくる構えを取っていた。まるで死に対する恐怖などどこかに捨ててきてしまったように、微塵の躊躇いもない徹底抗戦の構えを見せている少女と、それを突き動かしたのであろう[ヘルダー・スケルダー]のメンバー達が居た。
(正気の沙汰とは思えナイ.....まるでカルトですネ)
再び舌打ちをしてしまいそうな衝動に駆られ、何とか堪えた。ユーリは、自分が苛ついていると思いたくなかった。だが、そう思わざるを得ない。今ユーリの頭の中にあるのは、自分の命を何とも思わない少女と、そう思わせるように入れ知恵したのであろう男達をどう始末するか、それだけであった。
最早話し合いによる解決なんてできるはずがない。事前の作戦会議で、対話で解決できると主張する指揮官達に、デルタが対話での解決は無理だ、実力行使で処理するしかないと言い続けた事を思い出す。あの時、自分はデルタの言に対し、ちょっと野蛮すぎないかと思ったりもしたものだが、そんなことは無かった。彼の言った事は正しかった。
倒すしかない。殺すしかないのだ。自分の命を守る為ならば。
一度柄尻を地面に突き立て、ランスを構え直す。癖である、本気で戦う前の気合いの入れ方の一つだった。それを合図にしたように、ユーリの隣へと仲間達が寄ってきた。左側に、見慣れた顔のリックが。右側には、リックと同じく大型のタワーシールドを装備し、まるで[壁]のような存在感を放っている大手ギルドのエース、シュミット。背後には、武器を装備せずに戦う素手格闘を極め、[スネーキー・モンキー]の仇名で呼ばれる蛇拳の達人、チェンリーが控えていた。皆、実力では全プレイヤーの上位を行く実力者達であった。
「ユーリ、援軍がくるまでは持ちこたえよう」
シュミットの言葉に浅く頷くと、ランスを地面から上げ、少女へと先端を向けるようにして構えた。四対十一、数で言えば向こう方が圧倒的有利、そして死に対する恐怖心が無い。だがこちらも、[攻略組]と呼ばれる最前線へと赴くトッププレイヤー集団の中で、[アグレッサー]と称されるプレイヤー達だ。戦闘の腕は各々が各地で実証済みな上、単純にシステムのレベルで言えば、レベリングを効率的に行っているこちらに分がある。
負ける筈が無い。それは克己心で己の心を固めた者達が持つ、確固たる揺るぎ無い自信であった。
「
掛け声と同時に、ユーリはブーツで地面を蹴った。左右の景色が流れるようにして後方に去っていく中、ランスを背中へと振りかぶり、モーションの発動動作を取る。一定の位置までランスを動かし、視線をターゲットである少女へと向けた。剣技のファーストモーションをシステムが捉え、刃がスカイブルーの光で染まる。
「喰らいなヨ!」
少女との距離が縮まり、ロングランスの射程に入った瞬間、自動的にランスを持つ右手が動き出し、重厚な音と共に渾身の突きが繰り出された。青白い光と共に放たれた長槍単発重攻撃技[ブレイヴ]は少女の胴体を正確に狙い撃ち、残り少ない少女のHPを全損させたと思った。が、少女はまだ生存していた。おそらく、彼女が装備している防具のどれかに、[根性耐久]のアビリティがあったのだろう。HP全損直前の攻撃を一回のみ無効化するといった効果で、かなりのレア防具にしか付属しないアビリティだった。
[ブレイヴ]の衝撃によって発生した土煙の中から少女が飛び出し、ユーリへナイフを振り下ろした。ユーリはランスを急いで引き戻し、それを抑えて鍔迫り合いの形を取った。
ユーリのロングランスと、少女のナイフを挟み、二人の視線が交錯する。
「何故、こんな事をするノ? 」
殺伐とした殺し合いをする中で、精一杯優しい声音で彼女に問いかけた。
「みんなが倒してってメイに頼んできたからだよ。だからお姉ちゃんも殺さないといけないんだ」
メイと名乗った少女は、見た目通りの幼い声でその問い掛けに答えた。声を聞く限り、もしかしたらユーリが現実世界に残してきた中学生の妹より年下かもしれない。
「みんなって、誰ナノ?」
「ここにいるお兄さん達だよ。みんな、メイのことを大切にしてくれたんだよ」
「ヘルダー・スケルダーのメンバーが?」
「そう。みんな、大切にしてくれたんだ。だから、みんなに頼まれたことでそれを返さなくちゃいけないんだよ」
「殺人を止めるつもりは?」
その問い掛けに、メイと名乗った少女は首を横に振った。やはり情けを掛ける必要は無いようだ。ユーリ自身、PKをするのは初だが、もう覚悟は済んでいる。鍔迫り合いの状態を解消すべく、強化されたSTRにものをいわせてメイを押しきった。華奢な身体が宙に浮いた。隙は充分にある。ユーリは再び、ランスを背後へと振りかぶり、ソードスキルの発動モーションを取った。定位置までランスが動き、目線でターゲットを捕捉すると、ユーリの身体がシステムアシストを受け、通常では動かせない速さで動いた。
左足を上げ、折り畳み、その足をメイの方向へと振りだして勢いを付けた。まるで野球のピッチャーがするオーバースローのような動作で放たれたのは、[ブレイヴ]の派生技である槍系重単発技[オービット]だった。
薄紫の光を帯びた刃は、ユーリの腕の軌道に沿ってメイの身体へと吸い込まれるように放たれた。メイは宙に浮き、アビリティの[根性耐久]はもう使えない。確実に削りきれる、この子を殺せる、そう確信した。
「メイ様ばんざああああああああぃぃぃぃぃぃぃいいいい!!!」
だがしかしそれは、隣から飛び込んできた一人の乱入者によって、さらに狂気を感じさせる殺し合いへと変貌を遂げていった。
■■■■■
「どういう事ですか?!」
陣形の中央部、軍団の首脳陣達が勢揃いした場に、少女の悲痛な叫びが響き渡った。
「だから....殿にやれる援軍は無いんだって」
まるで鏡のように表面が磨かれた豪華な鎧を装備し、おおよそそのレベルの鎧を切るのには不相応な面構えをした男が、面倒臭そうにしてミッカをあしらった。その周りには、各ギルドの主力達を初めとする中央部に配置された"近衛"達が、怪訝な顔をして場の行く末を見守っていた。
「ここの人達を数人寄越してくれれば良いんです! お願いします....!」
先ほどの男とは別の首脳が、また面倒臭そうに口を開いた。その目線は、ミッカを小娘と見下したような、そんな眼差しであった。
「今さら陣形は崩せないの。ここのプレイヤー達はここを守るために居るんだ。殿の事は殿で対処してくれ。何のために、あの二人を配置したと思ってるの?まさか、彼らが負けるとでも?」
「何他人事みたいに言っているんです.....? 殿が突破されたらここにレッドプレイヤー達が来るんですよ?! 」
「そうなったら、ここの皆が守ってくれるさ。皆強いからね」
ミッカには、目の前の男が何を言っているのかが理解出来なかった。そうして真っ白になった頭の中に、殿を守る二人の顔が浮かび上がってきた。
こいつは、いや、こいつらは。なんて汚れた人間達なのだろうか。自分達が無事でさえ居れば、それで良いのだろうか。二人の安否はどうでも良いと言うのだろうか? そんな事、あっていいはずが無い。他人を身代わりとして駒のように使い捨て、自身は強力な駒に強固に守られ、安全を保証される。あっていいはずが無い。こんな事.....
「あっていいはずが無いですよ!! こんな、人を使い捨てる作戦なんて....あっていいはずが無い! どうして平気でいられるんです?! 」
突然の叫び声に、中央の首脳陣達は度肝を抜かれたように目を見開いた。だが、すぐにまた先ほどの見下すような目線に戻った。
「今、殿では二人が命を削って敵を食い止めているんですよ! たった二人で、気が狂った殺人者の大群から皆を守る為に戦っているんです! それをどうして見捨てようとするんです?!」
「だから.....」
指揮官達はあれよこれよと理由を付けて、援軍を寄越そうとはしなかった。その理由の殆どは、自己保身の為であった。こうしているうちにも、二人は消耗しているに違いない。いくら[攻略組]において、群を抜いた実力を持つ二人でも厳しいだろう。
まだ十代半ばを過ぎて間もない子供が直視してはいい現実では無かったのかもしれない。上に立つ者が救われ、下で支える者が消える。支柱を失った場合、どうなるかも想定出来ないくらいどうしようもない馬鹿達だ。
今まで堂々と目の前を向いていた顔が下へ下へと向いた。俯きたくない。俯くのは負けを認めるようで嫌だった。でも顔は自然に下を向いていた。それに抗えない。負けを、認めざるを得なかった。
「.....ううっ」
情けない嗚咽まで漏れてしまった。私は、こんな醜態を晒す為にこんな所に来たわけではないのに。尊敬する殿の「彼」の役に立ちたいと思ったから、ここに居た筈なのに。なのに、何の役にも立たないどころか、足を引っ張ろうとしている。合わせる顔が無い。
(彼は必死に戦っているのに....情けない。本当に.....情けない)
何もできない無力さに涙が出た。もう何も打つ手は無いのか。何か、何か無いかと考え出した瞬間、遠くから何者かの声が届いた。
「何をしているんです?」
凛とした声が洞窟内に響き渡る。先程までの言い争いの中では聞かなかった声だ。恐る恐る顔を上げると、陣形前方の方向から一人の人が歩いて来た。暗いので良く見えないが、シルエットと声から女性だと判別できた。
甲高いブーツの音が段々と大きくなる。前方で壁を作っていた近衛達が道を作るように左右に別れ、女性はその中央を堂々と歩いていた。
その女性を一目見て、私は何故か知己の間柄にも関わらず、綺麗な人だな、と今更ながらに感じていた。女性の白く透き通った肌は、暗い洞窟の景色と相まって目立ち、ムラ無く紫色に染められた髪の毛も丁寧に解かされており、いよいよその女性の魅力は凄まじいものだった。この状況にも関わらず、私にそんな事を思わせてしまう程に、その女性は美しかった。
「カーラさん.....」
ミッカはその女性の名を呟いた。それは「助けてほしい」という欲が漏れ出た結果の行動であった。カーラという名のその美女は、涙目で立ち尽くす私を見ると、美しい顔の眉間を寄せ、怪訝な顔をした。
「どういう事? 彼女、後方の連絡係の子でしょう?」
有名ギルドの副団長であり、最初期から攻略組を支えてきた彼女。[
「ちょっと....意味がわからないのだけど。殿が襲撃されたから、あなたはここにいるのよね? 何故誰も動いていないのかしら。どういう事か、説明してもらえない?」
指揮官たちは困惑し、返答に詰まってしまった。ここの近衛を前後に分散させれば、中央の守備は手薄となり、敵がいつ奇襲を仕掛けてくるか予想できないこの場所では命取りとなる。対話で片付くと思っていた手前、非武装であり、派手な防具を装備してきのは良いが、目の前にいるカーラには、殿が襲撃されたという事実を伝えることはできない。
そういえば、と作戦開始前に見た配置図を思いだした。つい2時間ほど前に目にした紙面では、確か、カーラは前衛の指揮官だったはず。なら、なぜこんな所まで出向いて来たのか。
「まさか、前と後ろから挟み撃ちにされてる...?」
狭い空間での挟み撃ち。この場面において、最も最悪な状況であった。2方向から攻撃されれば、いくら戦力があっても数は二分される。さらに、この狭い空間の中では散開して被害を抑える事もままならない。
「……何故増援を出さないのかしら。挟み撃ちだけは避けろと作戦開始前に言った筈なのだけれど」
「い、いゃあカーラさん。この子は戦場の空気に飲み込まれてるだけですよ……だって後ろはあの二人ですよ?突破されるだなんて……悪い冗談ですよ」
「そんな冗談のような判断に付き合っている暇は無いのだけれど? 悪いけど、指揮権は譲渡してもらうわ」
思いの外強く出たカーラに、先程まではおとなしく尻尾を降っていた男達がたじろいだ。三人の指揮官たちは互いに顔を見合わせ、あきらかに動揺した素振りを見せていた。その態度に対し、常に冷静さを欠かさないカーラも、流石に苛立った様子だった。
「その判断の甘さが、身を滅ぼす原因になるのよ……。貴方達だけが死ぬのなら大歓迎だけど?」
彼女の口調はいつになく強い。外から見ればクールで冷酷さが漂うカーラの人柄であったが、おそらく彼女の内面は仲間想いで何かしら熱いものがあるのだろう。
「お、俺たちは………」
「黙って。無能に発言権は無い」
動揺で口が開かない指揮官たちへときっぱりと言い放ち、マントを翻しながらカーラは近衛のプレイヤー達を振り返った。
「近衛隊を二人つに分けて。前方、後方の二つとも均等に、戦力を配分できるように。敵はもうすぐそこまで来ているから、早くしなさい」
「は………」
突然の展開に混乱していた近衛たちであったが、流石はトッププレイヤーの集団である。即座にプレイヤー間で連絡を取り合い、一分も経過しないうちに前衛と殿へ向かって編成された隊が出発した。陣形の中央部に残されたのはミッカとカーラ、首脳、そして五人ほどの残留した近衛達だけだった。その中には、口論中も黙ってじっとしていたマロンの姿もあった。
残されて呆然としている首脳達を蔑むような目で睨んでいるカーラは、一つため息を吐くと、顔を上げ、走り去ってゆく近衛達を遠い眼差しで見つめていた。
「……愚かな人達」
相当の実力を持つプレイヤー達で構成された近衛でさえ、彼女からすれば愚かな人間達だということか。彼女は私なんかと、見ている風景があまりにも違う。心の中で密かに慕っていた彼女であったが、やはり遠い目標であったか。
カーラは近衛達の姿が見えなくなると、踵を返し、こちらへと向き直った。その顔には、先程と相変わらずの蔑むような目が付随していた。
怒っているのだろうか。彼女の眼差しは、目の前で立ち竦む私ではなく、その後ろの指揮官達に向いていた。カーラに怯え、三人で固まり何かひそひそと話し合っている彼らは、自分たちへと目線を向けるカーラの存在を捉えた瞬間、全員が目を逸らし、まるで彼女の事を見ていなかったとばかりに再び車座になって話し始めた。
この時、カーラの心にどんな変化が訪れたのかは知る由もない。だが、確実に何かしらの変化はあったのだろう。なんせ、大した実力者でもない、連絡係としてこの作戦に参加したミッカにも分かるほど、彼女の目に込められた意思の変化が激しいものになっていた。
そして、それは最悪の結果に結び付けられる事となる。
「………」
指揮官達を睨みつけていたカーラは、突然細剣を抜きーーーーーー
「!!」
「くあっ……あっ……」
車座になっていた指揮官達の一人、赤いマントを羽織っていた男の、兜と鎧の合間にある僅かな隙間へと細剣を突き刺していた。男の顔が蒼白に染まり、続いて絶望の表情へと変化していく。
連合パーティを組んでいることによって視界の端に自動表示されていたHPバーは、満タンのグリーンからイエロー、レッドへと流れるようにして減っていきーーーーーーポリゴンの破砕音と共に、消滅した。それは、このゲームでの命が無くなるのと同時に、現実世界の命が消えたという合図でもあった。
「ひっ……!」
ミッカの口から、情けない声が漏れる。初めて、人の命が消える場面に遭遇した。その衝撃は大きいもので、ミッカの腰を抜かすほどには充分な威力を持っていた。
刃は、今目の前で起きた出来事が理解出来ず、立ち尽くしている他の二人の指揮官へと向けられた。
「た、助けて!」
腰を抜かして座り込んだミッカに対し、同じく腰を抜かして四つん這いの指揮官が助けを求め縋り付く。先程まで冷たい態度を取って突き放していたミッカへ助けを求め、手を取ろうとした瞬間には、もう細剣が首を貫いていた。まるで操り人形の糸が切れたように、動かなくなった男は例に漏れずポリゴンと化し、虚空へと消え去った。
(人を殺した筈なのに、何も動揺していない……?)
目の前で惨劇が行われている中、こんな冷静な分析が出来ている自分が怖いが、それ以上に目の前に立つ人殺しの方がよほど異常だ。人を殺しておきながら何の反応を示さないということは、これ以前から人を殺し慣れているということだろうか。頭の中に嫌な予感が浮かび上がった。もし、この後私が狙われたら抵抗することはできるのだろうか。相手は本物の殺人鬼だ。
(怖い……怖いよ………)
後から来た恐怖が全身を支配し、震えが止まらない。一歩、また一歩と後ずさりし、カーラと早く離れようとしていた。が、彼女がこちらを一瞥しただけで、私の身体は動かなくなってしまった。恐るべき殺気だった。足を動かそうとしても、もう一歩も動くことはできなかった。まるで金縛りに掛かったように、私の足は言う事を聞かなかった。
カーラは、細剣を携えたまま、こちらへと歩み寄ってきた。その目には、先程と変わらない、見る者を憐れむような視線が張り付いていた。果たして、何を憐れんでいたのだろうか。彼女の考えている事は何なのだろうか。
無能な指揮官に対する怒りか。殺人鬼としての自分への葛藤か。
カーラは、動けずにいるミッカへと細剣を振り上げると、僅かに表情を動かし、そして、振り下ろした。
(…………!)
白銀色の先端が突き刺さる前に、ミッカは彼女の顔を見た。ミッカの瞳に映し出されたカーラは、唇を歪め、一見笑っているように見えた。が、目線に込められた意思はそうでなかった。
(悲しんでいる……?)
薄紫の細剣が突き刺さり、ミッカの意識は暗転した……
……はずであった。
(…………?)
覚悟していた結末に反して、意識はいつになっても落ちない。恐る恐る目を開くと、そこには予想だにしなかった光景があった。
ミッカとカーラの間に、何かが現れる。今見えているのは、白と紫色が上手く調和した美麗な布生地と、その下から伸びる、綺麗な曲線を描いた細い足首であった。目線を上に動かしていくと、途中から視界の色が白紫から藍色へと変わった。先程視界を占領していた白紫が描かれた薄い布と違い、藍色に染められていたのは材質が違う厚い生地であった。上へ上へと視線を上げていくと、途中で鈍色の文様が左右に現れ、そしてその上にはちらりと垣間見えた白いうなじ。黒く艶のある髪の毛は細く一本に束ねられていた。視界の前に現れたそれは、何の神でも救世主でも無い。そこに居たのは一人の人間であり、一体の[鬼神]でもあった。
「危なかった……なるほど…貴女が裏切り者だったんですね」
「マロンさん……」
[凍空の鬼神]こと、マロン。細剣がミッカに到達する直前に現れ、カーラが振り下ろした細剣を、名だたる妖刀[後生]で受け止めていた。
規模は小さいが攻略組を構成する主要ギルドの一つ、[インビジブル・ナイツ]に所属する彼女とは、今まであまり関わりが無かった。それは、恐らく無意識の内にマロンを避けていたからなのかもしれない。私が彼女に向ける目線には、常に尊敬と畏怖の念が込められていた。彼女が持つ[力]とその力を使った結果は、噂として攻略組全体に駆け巡っていた。いや、攻略組だけではない。規模に関わらず様々な犯罪者ギルドや、中層の一般プレイヤーにも話の内容を悪い方向に盛られた上で流れていた。
そんな[鬼神]である彼女は、鍔迫り合いになった状態からカーラの足を払い、隙を強引に作った。ジャンプで回避したカーラに対し、足を払った反動で一回転しながら右手の日本刀を叩き付けた。
[妖刀]と称されるその刀は、今まで意識していなかったが意識してしまうと引き込まれそうな妖艶さを放っていた。事実、その刀は美しい。紅色に染まった刀身と、華やかに飾られた柄。鞘も美術品と言って差し支えないだろう。だが、[妖刀]なのである。あの刀には、何十人もの人の血が染み込んでいる。あの刀が人を召した瞬間は目にした事が無いが、あの刀に関する噂に良いものはなかった。
「あら、気付かれていたの?」
細剣を繰り出し、余裕そうに攻撃を受け止めたカーラが問い掛けた。
「
「察知していたのにも関わらず、何ら対策をすることが出来なかった貴方達にも失望したわ。貴女たちならもっと手応えがあるかと思ったけれど……私の見当違いかしら?」
「なら、それが見当違いかどうかを今から試しますか……」
日本刀を押し、鍔迫り合いに決着を付けたマロンは、バックステップで大きく距離を取った。刀を一度鞘に納めたマロンはだらりと両腕を前へと垂らし、脱力した姿勢を取る。一つ深呼吸を置き、次の瞬間には顔を上げ、不敵な笑みを浮かべるカーラへとその視線は向いていた。
「妖刀ッ!」
彼女が叫ぶ。目の前に可視化された薄紫色のステータスウィンドウが開かれると共に、[妖刀-System]の表示が現れた。マロンの双眸は紅色に染まり、暗い空間に紅い空中線を描く。[妖刀]の発露を終えた瞬間にマロンは後生を抜き払った。カーラは迫りくるニ発の初撃に対して、一発目を身を捻って回避し、胴体を正確に狙ってきたニ発目は細剣を抜く事で防いだ。
マロンは初撃の失敗を早い段階で悟り、ニ発目を放った直後にまだ腰に残っていた絶風を逆手に持ち、フェイントモーションを掛けながら首筋を狙った。筋力値:敏捷値の割合が四:六というスピード寄りに構成したステータスと、[妖刀システム]による能力値のエンハンスが相まって、風を切るスピードで放たれた抜き打ちであったが、読まれていたのか回避されてしまった。裏切り者とは言え、流石は[攻略組]最古参の面子。並大抵の相手ではないということは、付き合いが長いマロン自身が一番良く知っていた。
攻撃は回避されたものの、絶風を振った反動で片方の腕にある後生を引き戻し、一度崩れた態勢を立て直した。彼女には隙というものが存在しない。[妖刀]も、これまでの殺人者に見せていた具体的な反応を示さないとなると、相手は思っていたよりも強いのかもしれない。否、今まで味方であったから真の実力を推し量ることは出来なかったが、本気で殺し合っている今なら分かる。彼女は、間違いなく強い。
頭の奥が疼く。[妖刀]の処理が頭に負荷を掛けているからだろうが、敵の強さに比例してかいつもよりも鋭い痛みが走る。それからして、今まで戦ってきたレッドプレイヤーの中でトップクラスの強さだ。もしかすれば、自分と対を成す存在である[あの殺人鬼]よりも上かもしれない。だが、それでも戦う。戦わなければ、意味が無い。
「上等ッ!」
納刀状態から居合の一閃。目に見えない速さで、後生の刃が斬り付けられる。その刃には、赤と黒で彩られた衝撃波が付随していた。
刀系特殊ソードスキル
エクストラスキル
本来ならばSAOの世界には無い、新たな刀の使い方。基本的に抜刀していなければ使用できないソードスキルを納刀状態でも使用可能にし、特別に設定された[抜刀術]オリジナルのソードスキルを使用できる唯一無二の武器スキルである。
エクストラスキルというものは、本来あるスキルツリーから外れた珍しいスキルの事……プレイヤー間では[取得方法かよく分かっていないスキル]の事を指している。[抜刀術]もカタナ系から派生したエクストラスキルであり、修得した人数が全プレイヤー中二人しか居ない事から[ユニークスキル]などと呼ばれていた。
スカートの裾に斬撃波が衝突し、ノックバックを受けながらもカーラは態勢を直し、第二波の到来を待ち構えようとした。が、態勢を直す前に、懐へ潜り込んできた人影があった。不敵に笑う面と、紅い眼差し。紛れもなく[鬼神]である。
[抜刀術]の利点は納刀状態からソードスキルを発動させる事ができるだけではない。もう一つの利点……スキルに付属する固有アビリティ
「遅いっ!」
懐に入られながらも細剣で後生を迎撃したカーラであったが、次の瞬間には目の前に迫る[絶風]の刃を捉えることとなった。
「なっ……?」
唐突に迫った絶風の刃にカーラの思考は追いつかず、反射的に首を捻っていた。だか交わし切れず、頬にばっさりと傷が付いた。
特殊アビリティ[二天一流]
[抜刀術]のオマケとして付属する特殊なアビリティ。かの有名な剣豪、宮本武蔵が極めた二天一流をベースとしたものであり、彼と同じ戦法を限定的ではあるが利用できる。限定的な利用……[納刀状態からの初撃のみ、ペナルティ無く二刀流による攻撃が可能となる] つまり、一本目の攻撃が防がれてももう一本の刀で追撃することができるという、極めて対人性能が高く、強力なアビリティであった。通常ならばイレギュラーな装備である二刀流は、システムの制約上装備してもまともに攻撃することはできないが、このアビリティがあれば話は別だ。
視界の端にぼんやりと映るHPバーを捉え、今の一撃でゲージの十分の一が減ったことに慄きつつも、再び迫ったマロンの後生を躱し、カウンターの突きを放った。細剣の先端がマロンの目尻を掠り、僅かではあるがダメージを与える事に成功した。
「遅い!」
マロンも速いが、カーラはその上を行く敏捷値を持っていた。細剣に付与されていた僅かな威力のノックバックアビリティにより、マロンの身体は数センチ程宙に浮いた。マロンの顔の横から細剣を引き戻したカーラは、渾身のソードスキルを叩き込んだ。
細剣系8連撃ソードスキル[ヴァルキリー・ナイツ]
紫色のライトエフェクトと共に、超高速で撃ち込まれた8連撃の刺突が、宙に浮いているマロンの身体へと突き刺さる。だが、その一撃だけでは終わらなかった。[ヴァルキリー・ナイツ]の衝撃を受け、未だに宙を彷徨うマロンに対し、システム外スキル[スキルリンク]………普通ならばソードスキルの発動終了後、プレイヤーは各ソードスキルにそれぞれ設定された硬直時間(クールタイム)分だけ行動が制限される。その隙を無くす為、ソードスキル終了直前に接続するソードスキルの予備動作を行う事によって、硬直無しに連続してソードスキルが放てるという反則技である。しかし、その恩恵の分難易度は高く、狙って発動できるようになる為には、予備動作に必要なコンマ数秒を追い求める貪欲さが必要不可欠であるので、使えるプレイヤーはカーラしか確認されていない………を発動。硬直時間のペナルティを受けることなく、[ヴァルキリー・ナイツ]からまた違うソードスキルへと繋ぐ事に成功し、カーラの細剣は再び光を帯び始めた。
敵は宙に浮き上がり、防御のカウンターの攻撃もままならない。マロンの瞳には、仄かな焦りが浮かんでいた。その眼差しに、優越感を持つことなく笑みを返したカーラは、止めを刺すべく光に包まれた細剣を、前へと突き出した。
細剣系重単発ソードスキル[フラッシング・ペネトレイター]
細剣スキルの最終奥義ともいえる技であるそれは、小ジャンプの後高速で敵に接近し、その加速力を活かした強力な突きを放つといったものであった。その移動力と攻撃力から、カウンターとしても追い打ちにしても使える強力なソードスキルであった。
勝った、と思わずにはいられなかった。相手は防御もままならなず、日本刀を使ったカウンターも放てないただの的だ。それへ、細剣の奥義とも言えるソードスキル[フラッシング・ペネトレイター]の直撃。誰が、どう見ても私が勝利すると思っただろう。勝利したと思った"はずだった"。
(………?)
不意に、世界が歪んだ。
今居るこの空間だけが時間の流れがスローになったような変な感覚を味わい、違和感を感じていた。ゆっくりと流れるような思考の中で、頭の中と身体の動きの時間感覚が一致しない事に気付いた。
何かがおかしい。私の直感がそう叫んでいた。が、理性では絶対の勝利を確信し、安心し切っていた。直撃の手応えもまだ右手に残っている。いつになっても消えない違和感を持ち続けながらも、[フラッシング・ペネトレイター]のフィニッシュを決め、交錯する形で着地した。
勝った。内心に残る不安を打ち消し、勝利を確信して着地した瞬間。
(……!)
背中に感じる気配に、冷や汗が滴った。殺気。振り向かずとも分かる、[鬼神]の雰囲気。それも確実に生きている。[フラッシング・ペネトレイター]の直撃を食らったはずであるのに。ここにはいない存在のはずであるのに。
「はあああっっっっっッッ!!」
鬼神が放つ叫び声と共に、ぐさり、と何かが体に刺さった。痛みは無いが、不快な痺れが感覚を襲った。違和感に気付き下を向くと、そこには腹のプレートを貫通して突き刺さっている妖刀の刀身があった。
「何故………?」
困惑は頂点へと達していた。確かに、とどめを刺した筈だ。回避する手段は無く、受け切って耐えるほどのレベル差も無い。手応えも充分にあった。なのに、何故後ろに、鬼神が健在しているのか。
「ま…さか…質量を持った残像だとでも……?」
バカげている。そんな事がある得るのか。攻撃がヒットした手応えを与えておきながら、自身は瞬間移動して攻撃できるといった行動が。MMORPGにおいて、ゲームバランスを無視した装備と、アビリティが存在するのはご法度だ。まさかそのイレギュラーに当たったのが自分とは。カーラは己の不運を呪った。システムのイレギュラーと、十字架を背負った少女。これから自分を殺すのであろう彼女は、とんでもない怪物であったということか。まさか、このゲームに囚われた人間の中に怪物が二人も居たとは思わなかった。これなら、きっと彼女はーーーー
「ーーー終わりです……あなたに尽くせて幸せでした……Poh」
カーラが残した一言は、マロンの耳には届いていない。勢いのまま、マロンは[後生]をカーラから引き抜き、真上へと振りかぶる。確実に仕留める為、[妖刀システム]が弾き出した弱点へと[後生]を振り下ろした。
「はあああああぁぁぁぁぁあっっっっ!!」
マロンの[妖刀]がカーラへと迫る瞬間、また別の人影が二人の間に割り行った。
「……!!!」
横目で捉えたそれは、鬼神と双璧を張るもう一つの狂気であり、そしてマロンとは違う、純粋な[悪]の体現者であった。
「Hey……久しぶりだなDemom……」