「さて、皆揃ったか」
半楕円形のテーブルに、一年の専用機持ちが並んで座り、皆を見渡せる位置に南とヴィシュヌは並んでいた。
「まずは、こちらの転校生を紹介しよう。タイの代表候補生、ヴィシュヌだ」
「は、初めまして。ヴィシュヌ・イサ・ギャラクシーです。こちらには、文化交流および学力向上などのために転校しました。みなさん、よろしくお願いしますね」
小さな拍手が起こる。
同じようにヴィシュヌの隣で手を叩いていた南は、一番近くに座る簪の肩に手を乗せた。
「次は、同じ一年の専用機持ちだ……各国から集まった優秀な仲間でもある」
「……なるほど、寮で言っていた距離感とはそういう事だったんですね」
ヴィシュヌが白い目を、南に向けた。
慌てて簪から手を退かし、違う違うと振る。
「よく分かりました」
「今はいいだろ」
「それ以上近づくと、また脚が上がってしまうかもしれません」
「俺はそんな脅しには屈しない」
その瞬間、ヴィシュヌが脚を揺らした。
脛を狙って当てられた踵は、南の姿勢を崩すのには十分だった。
「地味に痛いっ」
蹴られた脛をさすりながらヴィシュヌを睨む南だったが、当の本人は涼しい顔をしている。
「何をしているんだ」
箒の声に気が付くと、一夏以外がジト目で南を見ていた。
「今日の昼休みからいなくなって、そんなに時間は経っていないだろう」
「なのに、仲良し……」
ラウラと簪も冷たい視線を浴びせた。
咳ばらいをした南は、足を払って仕切り直す。
「とにかく、紹介するぞ」
「しっかり頼むわよ~」
「わたくしたちの魅力がちゃんと伝わるよう、お願いしますわ」
鈴とセシリアが茶々を入れる。
「これで、南が僕たちのことをどう見てるのかが分かるからね」
シャルも意地悪な笑顔を向けた。
眉を顰めながら、南は言う。
「おいおい、そんなスピーチみたいなのは苦手なんだが」
「いつもスピーチしてるじゃない。よく分からないことをベラベラと」
「苦手なのは黙ってることでしょ?」
鈴が目を丸くすると、シャルも続いた。
南は不機嫌になるのも隠さずに口を開く。
「少人数なら問題ない。そうだな……子供で言えば、六十人くらいいると、もうダメだ」
「ここには、普段から生活を共にしている私達しかいないぞ」
両手を広げた箒が言うと、ラウラが首を振った。
「いや、厳密に言うと、この食堂には百名近くがいる。先程から、見慣れないヴィシュヌにチラチラと視線が向けられているからな。それを言っているんだろう」
「よく分からない」
簪がお手上げといった表情をした。
再度、咳ばらいをした南が一夏を指さす。
「とにかく、紹介は手早く済ませる。自分の魅力は自分で語ってくれ。まずは、ヴィシュヌも気になっているであろう、織斑一夏だ」
「一夏でいいぞ。よろしくな」
気さくに笑った一夏は、片手を挙げた。
ヴィシュヌは、南と出会った時ほど緊張はしておらず、小さく会釈を返す。
「で、こっちが篠ノ之箒だ」
「あなたが……よろしくお願いします」
「うむ、よろしく頼む」
ヴィシュヌが何を思ったのかなど、容易に想像がつく箒は、特に何も言わなかった。
組んでいた手を胸元に持って行くだけ。
「次がイギリスの代表候補生、セシリア・オルコット。中国代表候補生、鳳鈴音。鈴って呼んでやってくれ……フランスのシャルロット・デュノアに、ドイツのラウラ・ボーデヴィッヒ。それから、日本の代表候補、更識簪だ」
南はそれぞれに手を向けながら簡単に紹介を済ませる。
皆も、手を軽く挙げたり頷いたりして応じた。
「そして最後に、俺が神代 南。特技は……」
「織斑先生を怒らせることで」
「趣味は、意味不明なことを言う、ですわ」
「好きな食べ物は、甘い物」
「嫌いな食べ物は、魚だね」
「長所は、誰が相手でも、動じないところ……」
「短所は、誰が相手でも余計なことを言っちゃうところ」
「最初は慣れないと思うが、悪い奴ではない」
一夏、セシリア、ラウラ、シャル、簪、鈴、箒が順番に言った。
困惑した南は、隣で笑いを堪えるヴィシュヌなどお構いなしに下唇を出す。
「俺のいい所は、もっと他になかったのか」
「そんなの、腐るほどあるわよ」
鈴が適当に手を振った。
「じゃあ何で言わないんだ。本当に腐ったのか?」
「そうかもしれませんわね」
可愛らしく笑うセシリアだったが、南の表情は晴れなかった。
夕食を摂った後、早々に解散した九人。
南と一夏が、食後のデザートを部屋で楽しんでいるその隣の部屋では、女子七人が集まっていた。
ヴィシュヌがタイから持ってきたというお菓子を広げ、箒が淹れるお茶を飲みながら、話を咲かせる。
「授業には、明日から参加するの?」
シャルが訊ねると、ヴィシュヌは頷いた。
「はい。私は特別クラスなので、どこか一クラスに加わることはないのですが……皆さんは、何組なのですか?」
「わたくしと箒さん、シャルロットさん、ラウラさんに一夏さん、それから南さんが一組ですわ」
セシリアが答える。
「で、あたしが二組で、こっちの簪が四組よ」
鈴が付け加えると、簪はお茶を啜りながら目を伏せた。
「なるほど、一組には代表候補生がたくさんいるのですね」
「あーあ、あたしも一組だったらな~」
「同じく」
目を丸くするヴィシュヌを置いて、鈴は体重を後ろに預けた。
簪も眉を下げる。
「皆さん、仲が良いんですね」
鈴の言葉をそのまま受け取ったヴィシュヌは、そう笑った。
「いや、そうじゃない。こいつらが一組に来たいと言うのは、南が目的だ」
ラウラが言った。
すると、箒が頷く。
「彼が……やはりそうでしたか」
「何がですの?」
セシリアが首を傾げた。
「皆さん、神代 南が好きなのですね」
「「ブーッ!」」
自室から持ってきた湯呑みを傾けていた箒と簪が、お茶を噴き出した。
「「んぐっ、ごほっ、ごほ!」」
同時にお菓子をのどに詰まらせ、セシリアと鈴がむせる。
「「…………」」
シャルとラウラは頬を赤くして俯いた。
「な、何故、それが……」
箒が口元を拭きながら震える声を出した。
「先程の食事を見ていたら分かります。皆さん、彼の事を気にしている様子でしたから」
「そ、そう……」
簪はそう言うと、眼鏡を二本の指で持ち上げる。
「しかし、不思議です。神代 南に、そこまでの魅力があるとは……」
ヴィシュヌは今日の南の言動を思い出しながら呟いた。
そんな彼女の反応に、シャルは隣の箒にそっと耳打ちをする。
「ヴィシュヌは、ライバルにならなそうだね」
「う、うむ……」
何と言葉を返すべきか分からず、箒は適当に相槌を打った。
「まぁ、よく分からないことを言ってる時は無視していいから」
「はい……でも……」
鈴の言葉に頷いたヴィシュヌは、食堂に向かう道中で南に言われたことを思い出した。
『あの蹴りも、お前が専用機を持つことが出来たのも、全部お前の努力の結果だ』
「確かに、悪い人ではないのかもしれません」
そう笑ったヴィシュヌに、シャルは再び箒の方へ身を寄せた。
「どうする? もう、南とは会わせないようにするべきかな?」
「落ち着け、シャルロット」
箒が呆れた様子で言うと、ラウラも冷静に、そして小さな声で付け足す。
「箒の言う通りだ。それに、南は教官に頼まれてヴィシュヌの面倒を見ているらしい。部屋も隣だし、明日にでもすぐ顔を見合わせるだろう」
そんな小声での会話を途切れさせるかのように、扉がノックされた。
七人の視線が同時に扉に向く。
「誰でしょう」
ヴィシュヌが立ち上がった。
綺麗に伸びた足を静かに移動させながら、扉を開ける。
「よう、何か困ってることはないか?」
扉の先に立っていたのは南だった。
風呂上りなのか、微かに上気させた頬と濡れた髪が目立つ。
「ええ、大丈夫です。皆さんに詳しいことは教えていただきましたし」
ヴィシュヌはそう言うと、扉を全開にした。
部屋の中は軽いパーティのようになっており、六人の姿を確認すると、南は呑気に手を挙げた。
「ラウラの嘘つきっ。明日どころか、一分持たなかったよ!」
「私は悪くないだろう」
そう言っている間にも、南はスルスルと部屋の中に入って来ていた。
「なんだ、隣は賑やかなことになっていたんだな。何の話をしてたんだ?」
「お前の話だ」
「俺の?」
ラウラの答えに、南が首を傾げる。
「そうだ。お前のみりょ―――」
「な、なな、なんでもありませんわ!」
セシリアがラウラの口を塞ぐ。
同時に、鈴が立ち上がった。
「てか、アンタ、なに勝手に入って来てるのよ!」
「そ、そうだよ! 女の子の部屋に堂々と入って来るなんて!」
シャルも加わり、二人に同時に怒られ、南は分かりやすく声の調子を落とした。
「そ、そうか……そうだよな、男の俺は邪魔だよな………クッキー置いて行くから、良かったら食べてくれ」
缶に入ったクッキーをテーブルに置いた南は、ヴィシュヌの隣を通って部屋を出た。
扉が閉まると、五人は息を吐く。
「良かったのでしょうか……少し、言い過ぎたようにも見えましたが……」
ヴィシュヌが元の位置に戻りながら言った。
簪も頷く。
「違う話を、すれば良かっただけ」
「どうします?」
セシリアは箒に目をやった。
「仕方ない、呼び戻してやってくれ」
「それでは、私が行ってきます」
ヴィシュヌが再び立ち上がろうとすると、鈴がそれを片手で制した。
「いいのよ……南、入って来て」
「おいおいおい、遅いから心配したぞ。それで? 何の話だ?」
その場で言った鈴の声で、扉が勢い良く開いた。
手を揉み合わせながら、満面の笑みでシャルの隣に座る。
ヴィシュヌは目を丸くして、ポカンとしている。
翌日、ヴィシュヌは一組と三組の合同IS実習に出席することになった。
グラウンドでの授業が嫌になるこの季節、一年生の戦闘実習も本格的なものになっていく。
専用機持ちも、千冬に与えられた課題をこなすか、模擬戦闘を繰り返すことで、それぞれのスキルアップを目指していた。
「ギャラクシー。今日はお前の戦闘データを取りたい。相手は……神代がする。これで今後の指導方針が決まるからな。手を抜くなよ」
千冬は低い声で言った後、南に目をやった。
「神代、負けたら今日は一日、グランドを走っておけ」
「先生の服で汗を拭いていいならそうします」
南は手をブラブラ振りながら準備を始めた。
ため息をついた千冬だったが、他の生徒の指導のためにその場を離れる。
去り際に、ヴィシュヌの肩を叩いた。
「アイツはあんなのだが、実力はこの学園だとトップだ。まだ見せていない力も多くあるだろう……一つでもそれを引き出してやれ」
「学年で、ではなく……?」
ヴィシュヌは千冬の方へ振り返るが、彼女は何も言わずその場を後にした。
南が歩いて行く方へ顔を向けたヴィシュヌの表情は、自然と固くなっていた。
「それじゃあ、やるか」
南はそう言うと、『フィアー・スパイダー・ロージング』を展開。
首を左右に傾けながら、小さく笑った。
「はい……全力で行きます」
ヴィシュヌが目を閉じて答えると、赤の蝶タイから光の粒子が迸り、全身を包み込んだ。
赤と黄を基調にしたその機体は、南のIS同様、機能性が重視されているように見える。
特徴的なのは、脚部装甲。
大型のそれは、昨日、南に繰り出したキックを助長させるものであることは、容易に想像できた。
「おお、南のISより格好いい!」
「……そうだな。今から約十年前にその姿を披露し、白騎士事件を通して世に現れたISは、その後も様々な進化を遂げた。その足掛かりであり、原点である箒の姉、束博士が何よりも気にしていたのは、ヴィシュヌのISが、俺のISより格好いいかどうかだ」
「なら大成功だな」
無神経に放たれた一夏の一言に、皮肉を込めて返した南だったが、当の本人は無邪気で、気にしている様子はない。
『神代くん、ギャラクシーさん、こちらは準備できていますので、いつでも始めてください』
真耶の声が、通信システムを介して聞こえてくる。
それを受け取ったヴィシュヌが、軽く跳んでから、南の方へ走り込んだ。
南もナイフを取り出し、身構える。
数メートル離れた地点でジャンプしたヴィシュヌは、スラスターを踏み台にして上空へ。
右足を繰り出しながら、南の方へと速度を上げた。
「よっと」
寸前で避けた南は、素早くナイフの刃を射出。
それを軽やかに蹴り飛ばしたヴィシュヌは、追撃のために距離を詰めた。
しかし、南もまた右手を振るう。
糸で繋がった刃は、ヴィシュヌを捉えるべく宙を舞う。
「なるほど、糸ですか」
刃が、ヴィシュヌの身体を襲う直前に、彼女はそう呟いて足を広げた。
「おお、柔らかい」
開脚する形でやり過ごしたヴィシュヌは、スラスターを用いて素早く立ち上がり、南に向けて前蹴りを放つ。
後方に吹き飛んだ南は、倒れ込んだまま、目を見張った。
「あぶねぇ……」
両指に、あやとりのような形で備えた糸を張り、上手く蹴りに合わせてガードした南は大きく息を吐いた。
(間に合ってなかったら、一撃で終わってたな)
そう思いながら、立ち上がろうとした瞬間。
上空に数十本のエネルギー矢が見えた。
「不味い」
降り注ぐ矢を転がりながら回避した南だったが、顔を上げた先に見えたのは、ヴィシュヌの膝だった。
顔を背けることでその膝蹴りを避けた南は、ナイフで斬りつけ反撃。
「流石の反応です……っ!?」
ダメージを受けながらも、怯むことなく軸足を回転させたヴィシュヌは、もう片方の足で、低い姿勢の南へローキックを見舞おうとした。
しかし、軸足が上手く回転せず、動きが止まる。
「さっき倒れ込んだとき、そこに網を仕掛けておいた。踏んでくれて助かったよ」
止めを刺すべく、困惑するヴィシュヌへ刃を向けたが、その口角が上がったのに気付くのはあまりに遅かった。
「ふっ」
懐へ入った南を襲ったのは、彼女の肘だった。
―――ムエタイが、立ち技格闘技において最強とされるのは、肘を用いた攻撃が認められていることが挙げられる。
人間の肘は非常に硬く、尖ってる部位であると同時に、拳のような鍛錬が必要ないため、素人ですら高い威力が出せる。
所謂、肘打ちは、頭部に直撃した際、顔の皮膚が裂けるように切れてしまうため、多くの格闘技で禁止されている。
しかし、ムエタイはそんな肘での攻撃が認められているだけでなく、多用されるのが特徴の一つである。
「がっ!」
頭部にヴィシュヌの肘を受けた南は、体勢を崩した。
よろめいた隙を盗み、ヴィシュヌは南の首に手を回した。
後方へ吹き飛んだ南は、立った状態で着地したが、その瞬間にはヴィシュヌがまたも蹴りを放つために高速で接近していた。
「南っ!」
シャルの悲鳴が聞こえる。
(もらいました!)
ヴィシュヌは、心の中でほくそ笑み、立ち尽くす南にミドルキックを打ち込―——もうとして、目を疑った。
「なっ!? わた、し……?」
目の前にいたはずの南の姿が消え、突如として現れたのは、自分自身だった。
同じ表情、同じ機体、同じ角度での蹴り……唯一の相違点に気付く前に、ヴィシュヌは自身のスラスターに叩きつけられ、地面を転がった。
「油断は禁物だぞ、ヴィシュヌ」
南は、ナイフを持ち変えながら言った。
その表情は、ヴィシュヌが網を踏んだ時に、得意げに言った時から変わっていなかった。
「な、何が……私が、もう一人……」
ヴィシュヌは何が起こっているのか分からないという表情で、南を見ていた。
先程、南を攻撃しようとした際現れた、もう一人の自分を探す。
「あれは、反射したお前だ」
「反射……?」
―――身体に鏡を持つ蜘蛛が、存在する。
『ミラー・スパイダー』
シンガポールやオーストラリアに生息する、ヒメグモ科の一種である。
砕いた鏡の破片を、モザイク状に散りばめたような腹部は、自然界のものとは思えない美しさであり、宝石とも比喩される。
この鏡は、色素胞細胞が生成するグアニン結晶と同じ構造であり、魚の鱗や、皮膚の色を変えるカメレオンと同じ成分で出来ていることが分かっている。
しかし、多種の存在や毒性など、詳しいことは未だ分かっていない。
「そんな……鏡、なんて……」
「厄介なことに、俺が熱くなればなるほど、鏡は小さくなるんでな……あえて攻撃を受けて、力が入らないようにしてたんだ」
南は倒れ込むヴィシュヌに歩み寄りながら答える。
「反射してるんだから、当然、何から何までそっくりだが、左右が反転してることに気付いてれば……いや、一瞬でも隙を生めたら勝ちだったから、無理かもな」
「あえて攻撃を受けてと言いましたが、一歩間違えれば、そのまま倒されているのですよ」
「蜘蛛の糸は、鉄より強いから自信はあった……それに……」
「それに?」
「今回は、お前の戦闘データを取ることが目的だ。俺が好き勝手すると、山田先生が大変だろ?」
ヴィシュヌの表情が、固まった。
(そんなことまで考えて……神代 南……)
「ほら、スラスターごと巻き付けたから苦しいだろ……今、解いてやる」
『神代くん、お気遣いはありがたいですが……その……』
倒れ込んだヴィシュヌの傍で屈んだ南は、糸を操作する。
そのまま彼女の腕を取って引っ張ると、真耶の声が聞こえてきた。
『織斑先生は、カンカンですよ?』
「え……」
振り返ると、千冬が鬼の形相でこちらへ向かっていた。
『真剣にやっていないと捉えられたんですよ、きっと。私が終了も告げてないのに、勝手に終わっちゃいましたから……』
真耶の声が震えている。
南は頭をフル回転させていた。
「嘘だろ、このままじゃ今日一日どころか、明日の放課後まで走らされる……」
どうしようと、オロオロする南は、手を掴んでいたヴィシュヌを見て、ヤケクソ気味に言う。
「ヴィ、ヴィシュヌ! やられた振りしてくれ! 頼む!」
「え、えぇ!? そんな、振りって……」
「いいから、早く。倒れ込むだけでいいからっ」
「あ、え、えっと……う、うわー」
ヴィシュヌはわざとらしく変な声を出しながら、その場にへたり込んだ。
「何だそれは」
「あなたがやれと言ったんでしょう! こんなこと、できませんっ!」
「俺達は、チーム不器用だな」
諦めた南は、大人しくしゃがみ込んだ。