ARMORED CORE Verdict day ~Before the emblem~   作:エーブリス

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思いついたら即!投稿!
結局ここの黒い鳥はKEオンリーの威特ヒーハー全乗せとかいうふざけた機体で無双しております。


今回も黒い鳥視点でございます。


※タイトルの「area」を「zone」に訂正しました。


Special uncertainty zone

…さっきまで灰色の殺風景な景色だったのが、今じゃ戦車や一般兵器等の残骸でゴミ屋敷みたいになってやがる。

 

 

急に財団に呼ばれたかと思えば、まさかの雑魚相手で…まあ、数も中途半端だった。

 

 

 

 

「…何かあるな、ファットマン」

 

『ああ…こちらでも索敵しておくが、警戒を怠るなよ。

――――しっかし、此処ぁ何処だ?お前さんの所からちょいと見渡せば十何世紀も昔の建物の残骸がゴロゴロと」

 

 

 

ファットマンはそう言うが、生憎こちらからじゃ砂丘しか見えない。

来たときは平たんな場所だと思ったが…そんなこと無い、かなり高低差がある。

 

「十何…?古い廃ビルか何かか?」

 

「そんなもんじゃねえ、御伽噺の城だとかそういうのだ」

 

「モンティ―――(流石に通じねえか…残ってるわけねえし)…アーサー王伝説みたいな?」

 

「そんな物だと思っておいていい」

 

この時、アーサー王の話も残ってないとかは考えてなかった。

 

 

「残っているのか…?そんなモノ」

 

「材質がどうかは分からん。財団が態々作ったのかもな…。

―――だとしても、作る理由は理解できんが」

 

 

本当にそうだ、アイツらにアンティーク趣味があると思えない。

仮にあったとして態々自分で作ったら、それアンティークって呼べるのか?

 

「あぁ…」

 

 

…あいつ等やりそうな気がしてきてどうにも言えなかった。

そもそもだな、このミッション自体―――――って、そういうのはいつもの事だった。

 

「(慣れ、って怖いなぁ)リコンをバラまいては見たが反応が――――いや、一つ反応した!」

 

「ああ…ッ!おい!コイツ…ッ」

 

「何だファットマン――――は?」

 

 

ブーメランが、火を噴いて飛んで…と一瞬思ってしまった自分が恥ずかしい。

 

確かにブーメランに見えてしまうソレは、とんでもない速度で飛行していた。何時ぞやのリなんたらやエクシアだかクスシアだかそんな名前の巨大特殊兵器に勝るとも劣らない…というかアレを遥かに越す速さで飛行しているのだ。

 

砂丘の上に立ちソレを呆然と見つめていた。

 

 

「来るぞ!」

 

「ッ!?おうッ!」

 

ファットマンの声で抜けかけていた魂を引っ張り戻し、もうすぐ目の前に到達する超兵器に備える。

 

 

とにかくこの場に留まるのは良くない、グライドブーストでその場を離れ戦闘モードに切り替える。

 

しかし驚きは止まらなかった。

…奴め、あのスピードの癖して恐ろしい旋回性能を見せ付けてきた。

流石に急カーブとは言わないが、それでもあのカーブは詐欺だ。

 

「誰が…ッ!年齢詐欺だッ!」

 

そんな事誰も言ってないのは分かってる。

 

 

あのブーメランは機体底部のガトリングキャノンから弾を吐きつつこちらに突撃してきた。

掃射中は速度が落ちるのか…だとしても速いが。

 

「(まあアレならギリギリ狙える…!)全弾貰っとけ!」

 

 

奴に合わせて偏差を付けてハウザーのトリガーを引く。

目論見通り命中したが、それは数発程度でほとんどが機体を傾けて躱された。

 

 

今度は向こうのガトリングのターンだ。

どんなAIが積んであるのか、それとも薬に漬かった人間の脳味噌そのまま乗っけたのか、正確な射撃だ。

 

「クッソ!こっちは筋肉痛がいつ来るか分からんというのに!

…ファットマン!他に敵影は!」

 

「ない!そいつだけだ!」

 

「あんまり喜べねえなぁ!」

 

こんな意味の分からない機動力を持った奴相手じゃな。

 

 

ハイブーストを連発してはいるが、それでも追い付いてくる奴には脱帽だ。まああの程度なら何処かの誰かさんのUNACで嫌ほど経験した!

 

 

「回避が疎かだ…」

 

掃射に夢中になってるブーメランにハウザーの弾丸をくれてやった。

今度は見事全弾命中し、それを嫌がってか飛び退いていった。

 

 

解析が終わった奴さんのAPを見てみれば、かなり削られたようだ。

なるほど、CEが弱点か…ブーメランめ運が無かったな、コッチはバカほどCE武器を積んでるんだよ!

 

 

 

「ASミサイル!コイツを避けれるか!?」

 

ちょっと値が張るけど、どうせ金なら生活費にAC維持費そして雑費含めても腐らせるほど持ってるんだ!

 

ロックオンをしなくとも勝手に向かっていくそいつ等を、ブーメランは綺麗に避けていく。

 

 

まあ当たるなんて思ってない、寧ろコッチの方が当たるってんだよ!

 

「もういっちょ!今度も全弾もってけ泥棒!」

 

CE弾のたたき売りだ、遠慮なく投げたら戻ってきそうな身体に持って行ってもらうぞ。

 

 

今度も全弾命中…しかし向こうも黙ってはいなかった。

 

ガトリングの他にハイレーザーやパルス、グレネードにミサイル等搭載された武装全てを使ってきた。

 

 

「グッ!

か、躱しきれねぇ…!!」

 

流石にコレはキツイ、もっと弾幕抑えろ!避けられないだろうが!

 

 

 

「ちぃいッ!倍ッ返しだぁ!!!」

 

右・左と、ハウザーを交互に撃ってこちらも弾幕を形成する。

弾丸をぶち込む内、奴が耐えきれなくなったのか一部の武装が破裂する。

 

 

空中でブーメランが大きく揺れた

 

「やったッ!」

 

 

 

 

 

――――しかし、なんだろうか。

奴…あのブーメラン、何かが引っかかる。

 

機体に見覚えがあるとか、そんなんじゃない…もっと、違うんだ…。

もっとこう、説明し辛いが…あるんだ。

 

 

けど、アレに人間が乗ってるのは長い傭兵生活で養った勘が理解している。

 

「おい、ファッt「マズイ!急にデカブツの出力が上昇した、何か来るぞ!」はッ!?」

 

ファットマンの警告に、思わずブーメランへと目を向けた。

――――何だ!?あいつ…装甲と武装をパージしてやがる!

 

 

 

「第2形態…変形…?」

 

「財団のブツだ、何があっても可笑しくねえ!

気を付けろよ!」

 

 

「言われずと…もッ!!?」

 

寒気ッ…今の一瞬感じたのは、一般的に“そう”呼ばれる物だ。

普段から感じてる死の予感にしては違和感があるが、詮索している暇はない。

 

 

それよりもブーメランだ…ガチャガチャと、複雑で訳の分からない変形を始めている。

…ソレはあっという間にブーメランの形を崩し、やがて『人型』になった。

 

――――そっくりだ、アレに…!!

 

 

「…そうか、財団の奴め…アレの新型を作ったか!」

 

財団との最後の戦い(だと思ってた)で、向こうが持ち出したネクスト擬き…まさかあんな形に変えていたとは…。

 

前はホワイトグリントのような形状だったが、今のアレはライールかフラジール…若しくはその2つを足して2か1.5で割ったような奴だ。

 

 

「ッ!クソ…変態共が!」

 

ブーメラン改め、ネクスト擬きが2本のレーザーブレードを展開して突貫してきたので、こちらも戦闘態勢を整える。

 

 

 

…チィイッ!ブーメランの時より最高速度は無いが、小回りが利くせいでハウザーが格段に当てずらい!

 

「ッ!…ッあああ!がああああああッ!避けんじゃねえ当たれやクソ長野郎!」

 

だあもう!さっきからいい気に折角無駄弾4分の1記録更新してたのに!

もうロックできない武器は止めるか…?

 

「チィイッ!一段目ハウザー弾切れか!

このタイミングで…ッ!」

 

弾の無いハウザーを捨て、ハンガーのハウザーへと切り替える。

 

 

その間に奴は間合いを一気に詰めてきた。

…冗談やめろよ?機動力重視でTE装甲全くないんだからな?

 

「そんなレーザーブレード喰らっちゃ…うおォオっ!?」

 

「気を付けろよ!その機体じゃ一発でオジャンだ!」

 

「分かってる!

…ファットマン!解析終わったか?」

 

「ああ!運がいいな、今度はCEに弱いらしい!」

 

「弾当てる運も欲しい…ッ!」

 

ASミサイルも今切り落とされた分で最後だ!

全く、なんて変態機動を!

 

 

ハイブースト連打と壁蹴りとグライドブーストで、奴のクイックブーストとブレードダッシュの複合技を紙一重で躱すが、稀にレーザーが機体を掠める。

 

 

 

「機体損傷率40%!

早いとこ決着付けろよ!このままじゃジリ貧だ!」

 

「大丈夫だ…秘策はある…ッ!」

 

「ブーストチャージとか言うなよ「それ以外何がある!」正気か!?ブレードで消し飛ぶぞ!」

 

気が付けば城の壁際まで追い詰められていたが…これでいい、これが狙いだ。

…そしてやはりあのネクスト擬き、機械じゃない…人が乗ってる。

 

 

しかも相当イラついてやがるようだ…単細胞な奴で助かった!

どんどん奴は距離を詰めていく、そして俺は壁を蹴って奴のコア辺りまで上昇する。

 

 

 

 

 

 

「(700…500…200…)………今ッ!!!」

 

――――壁を垂直に蹴ると同時に、フルチャージのハイブーストで奴のコアに突っ込む!

大きく引いたACの右脚には、その分の勢いが全て乗っている!

 

迎撃のブレードが何度も掠める。

…マズイ、左腕が飛んだ。だが…問題ない!

 

 

 

 

「落ち…ろッ!!!」

 

 

ガコォオンッ!―――という巨大な音が辺り一帯を振動させた。

奴の巨体は(空力特化で脆い見た目もあってか)大きく吹っ飛び、ブーストチャージが直撃した場所は無残に拉げていた。

 

…しかし、少々傷が浅かった。

流石に失敗だと、一瞬思ったが…。

 

 

「………止まっ、た?」

 

「ああ…―――ッ!通信?

――――何!??」

 

「どうしたファットマン…」

 

「…目の前の、デカブツのパイロットから通信だ。

お前に繋げだとさ」

 

「ファンメ野郎か?」

 

「よく分からんが、もう奴からエネルギーの反応はない。

完全に停止したようだが…油断するなよ?」

 

「…ああ」

 

向こうは何を考えている?

第一、死神じゃないのか?…乗っているのは。

 

 

何はともあれ、向こう側の話を聞こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はこの声を…一度も忘れては無かった。

そう確信できたのは、幸か不幸か…。

 

 




え?最後がよく分からない?
…そんなもんだと思ってください。

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