転生後の定番
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今の世界から別世界へ行ける。そう聞いたらどう答えるだろう。今の世界が退屈だと思う人は間違いなくYesだと思う。もちろんボクはYesの人だ。世界が退屈だった。 ずっと違う世界に行きたかった。ファンタジーって憧れますもんね。
「...どうしてこうなった。」
ボクは確か授業中に寝て、夢を見てたはず…何故この景色なんだ?
青い空!白い雲!そして見渡す限りの草!...ん?草?なんで草で視界が遮られてるんだ?まぁいいか。
「確かに別世界は望んだけど、本当に転移するとは...」
取り敢えず町を探すか。しかし前が見えない。文句ばかり言っても仕方がないので真っ直ぐ進む。とにかく進む。すると意外にも10分掛からない程度で町が見つかった。
「ほわぁー広っ!」
黒い平らなアスファルトの地面。多くそびえ立つの高いビル。太陽の熱光が様々なところから照り返してきて非常に暑い。兎に角この世界について知りたいから近くにあった和風な造りの建物に入ることにした。
「こんにちはー...」
かなり明るい室内で控えめに入って行ったのに速攻で受付のおばちゃんが気づいた。
「いらっしゃい。あらあらこんなお嬢ちゃんがうちにどうしたんだい?」
「あのーここってどこですか?」
今気になっていることを直球で聞いてみた。
「はっはっは!面白いこと聞くねぇ。ここはね、グランって言う国の副都リブラムだよ。ちなみにうちは宿屋『朝霧荘』ってとこでリブラムでは珍しい温泉が湧いてる宿屋さ!」
「こんなとこで立ち話もなんだし」と言っておばちゃんは奥の部屋に入れてくれた。色々聞いたことをまとめると、リブラムは比較的平和な都市で周りにエネミー?って言う怪物も存在するが、強い奴は居ないらしい。ちなみにエネミーを倒す仕事もあるらしく、ギルドに加入して行うらしい。どうせなら、と思いギルドの場所を聞いたがおまけに衝撃の事実も知った。
「嘘でしょ...」
「いやいや本当だよ?鏡に映ってるじゃないか。」
何故か幼女だ。8歳位だろうか、髪は桃色のロングだ。身長もちんちくりんだ。言うまでもなく胸部には絶壁がそびえ立つ。…胸が痛い。あ、胸無かったわ。くそう!
「まぁ大きくなったら行ってみるといいさ。」
いやいやおばちゃん笑いながら言ってるけど、せっかく転移したんだし退屈な時間は過ごしたく無いから。ついでに大きくなったらとかやめて!?無い胸をこれ以上抉らないで!
「そ、そのギルドって何歳くらいから加入出来ますかね?」
「一応年齢制限は無かったと思うわよ。」
良かった!多分色々言われると思うけどなんとかギルドに入ってやる!
「そういえばお嬢ちゃんなんで一人なんだい?」
おっとまずい。これは今転移って言っても信用されないよね。多分。なんとか適当に理由をつけないと。
「えっと、それは...」
「話しにくいかい?」
「...はい。すみません。」
「いいよいいよ大丈夫。取り敢えず名前はなんて言うんだい?」
「
「そうかいそうかい珍しい名前だね。私のことはマキノと呼んでおくれよ。」
「わかりました。マキノさん。色々とありがとうございました。そろそろ失礼します。」
「また何かあったら訪ねておいで。」
「はい!」
「あっそうだ、ちょっとお待ち。」
そう言ってボクを呼び止めたマキノさんは奥から何かを取り出してきた。
「はい、お小遣い。見た感じツクヨちゃん無一文でしょ。気持ちだけ受け取っておいて。」
そのまま取り出してきた金貨を握らせてくれた。
「あ、ありがとうございます。ではこれで。」
「バイバイ。」
取り敢えず金貨を1枚貰ったけど...うーん、お金の基準も分からんから取り敢えず無視!兎に角ポケットに突っ込む。
「よーし!先ずはギルドにれっつごー!」
☆☆☆☆☆
黒を基調とした無機質なデザインの高いビル。入り口には『リヴラム支所』とだけ書かれているが此処で間違いないだろう。自動ドアっぽい所から入るみたいだ。中に入ると、よく分からない青いウィンドウがたくさん浮いていた。
「ほぇ〜すっご...」
何も分からないので先ず受付のお姉さんに聞いてみることにした。結果ボクでもギルドの加入は無料で可能らしい。ただし年齢的にクエストが受けれないから、受注可能な年齢になるまで養成学校で勉強する、ということだった。また、加入前に簡単な試験があり、その結果で戦闘スタイルの違う3つのコースに分かれるそうだ。まぁそれはいいけど...学校...よりにもよってまた学校ですか...
「じゃあ取り敢えずギルドに加入したいので試験お願いします!」
受付のお姉さんは驚きつつも笑顔で奥へ案内してくれた。あれが世に言う営業スマイルってやつだな。
「それでは、試験の説明をします。試験内容は仮想エネミーとの簡単な戦闘をこなして頂く"だけ"です。武器《ウェポン》は此方で用意致します。仮想ですので死ぬことはありません。安心して戦闘を行って下さい。説明は以上です。質問は御座いますでしょうか?」
「大丈夫です。」
「では、此方へどうぞ。」
そう言われて入った部屋の中は少し広めの立方体の部屋だった。暫くすると自分の手に勝手に剣が出現し、部屋の中心に戦車の様なやつが出現した。だが、戦車ほど硬く無い様に見える。そして黒いボディに蒼い線が入っているのが特徴だ。キャタピラは…無いようだ。
出現後、頭上の青いウィンドウに「START」と表示されて戦闘が開始された。...結果は惨敗。硬くなさそうとは言ったが本当に雰囲気だけだったようで、攻撃が全て弾かれボクがギブアップして戦闘は終了した。
全くもってだめだ、勝てん。というか腕力がなさ過ぎる。これで終わりかと思ったら、今度は赤い石のついた木製の杖が出現した。
「では、次は《マギア》の使用試験です。使い方は分かりますか?」
いやなんだ《マギア》って。使い方なんてもっての外だ。分かんないよ。
「分かりません。」
「はい。では、心の中で自分の思う攻撃のイメージをして思い浮かべたものの名前を口に出して下さい。」
「了解です!」
なんだろう。取り敢えず魔法の様だし魔法といえば、先ずは炎だよね!そう思いながら燃え盛る炎をイメージする。
「"炎"!」
...あれ?何も起きないよ?するとお姉さんは納得した様な表情でボクにこう告げた。
「なるほど。《マギア》への適性は皆無ですね。」
冷たい!冷たいよお姉さん!救済措置とか欲しいよ〜...しかし剣もダメ魔法もダメとか終わってるでしょ。冒険者とか夢のまた夢じゃん!い、いやまだ大丈夫だ。まだ転生特典があるはず...!
「最後に銃器の射撃試験を行います。」
きっと...きっと、これなら特典がある!そう信じている!
出現したのは一丁のハンドガン。黒くて角張っている。
「それでは現れる的に出来るだけ早く、正確に弾を当てて下さい。...始め!」
開始早々から3枚以上的が出現する。ボクは何も考えずに撃つ。ただひたすら撃ち続けた。さてどうだろう。結果は命中率60%、反応速度の平均は0.15秒(的が出てから動き出すまでの時間)とまぁまぁ普通だった。...普通だったのだ。
「これで試験は終了です。ギルドの会員証を発行しますので、カウンターまでどうぞ。」
「はーい...」
ダメだ。ダメダメだ。転生特典なんて無いじゃないか!予想をはるかに超える悪成績に肩を落としながら、ボクはカウンターまで戻った。そしてお姉さんから1枚の硬いプラスティック?性のカードを貰った。これが会員証だろう。
「これで、あなたもギルドの一員です。先ずは、此れから行くことになる養成学校がどれかと、あなたの能力《ステータス》を見てみましょう。此方の台にセットして下さい。」
会員証がぴったりとはまる台に会員証をセットすると、周りに浮いているのと同じ様な青いウィンドウが出てきた。
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名前 星河月夜
タイプ
コードネーム
《ステータス》
HP 15/15
MP 0/0
ATK 52
DEF 34
SPD 100
INT 27
《マギア》
《アーツ》
《スキル》
体力無限、回避技術Lv.1、超遠距離射撃補正Lv.15、特殊銃器使用Lv.2、銃器具現化
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うわ!スキルすごーい!これが転生特典かな?体力無限ってなんなの!?チートじゃん!
因みに《スキル》とはその名の通り特殊能力の様なもので、スキル名の所にLv.が付いているのが通常スキル、付いていないのが固有スキルと別のものらしい。また、《ステータス》に関してはATK、DEF、SPD、INT、で攻撃、耐久、速さ、賢さの4つが数値化される様で、現在人間で確認されている最高値がそれぞれ900程らしい。まぁあくまで"人間で"だけど。と強調してお姉さんが教えてくれた。
「これはまた、レンジャーコースまっしぐらな能力ですね...それに固有スキルを2つも持っているとは、スキルには恵まれていますね。」
お姉さんも驚いてくれたようだ。よしよし。なぜかすっきりした。因みに養成学校の3つのコースは 『ファイターコース』『レンジャーコース』『ウィザードコース』とあり、『ファイターコース』は近接戦闘が主流で、『レンジャーコース』は遠距離攻撃(射撃)が主流、『ウィザードコース』はマギアによる戦闘、補助を主流とするコースだ。これも全てお姉さんが教えてくれたことだ。
「そうなんですね...分かりました!これからよろしくお願いします!」
「はい。では最後に養成学校へ行くための書類を渡しておきます。此方は学校長に直接渡して下さいね。」
「はい!ありがとうございました!」
そう言ってボクはギルドをあとにした。そしてまだ太陽が沈みかけであることを確認し、養成学校学校へと向かった。
☆☆☆☆☆
転生者だったわ。初めて見たけど恐ろしいわね。転生者は発見次第保護、養成学校へ編入って言う国の方針があるけど理解不能ね。
どうせ軍に置くつもりでしょうけど、裏切りでもあった時にどうするのでしょう。まぁ今の所私には関係の無い話だから余り気にしなくて良さそうね。
☆☆☆☆☆
さて町の中心から東の外れまで来たわけなのだが...
「学校ってこんなんだっけ...?」
やたら高いビル2棟からなるレンジャー養成学校を前にして、ボクは2度目の学校へその重たい足をしっかりと踏み出した。
拙い文章、申し訳ありません。面白いと思って頂けたら次も読んでくださるとありがたいです。