「ユノか」
「お父さん……」
葦原那智は娘の姿を見て渋い顔をする。フェンリルを嫌う彼としては、娘がゴッドイーターと会話するのは気に入らないことなのだろう。
「これから私は彼らと話すことがある、ユノは帰りなさい」
「……はい」
父親の機嫌が悪いことが分かったのか、ユノは大人しく従った。小走りで去っていくユノを見て那智は溜息を吐く。
そして彼女の姿が見えなくなったところで、牢の向こう側へと話しかけた。
「居心地はどうかねゴッドイーター」
「クソみてぇに最高だ」
「それは良かった。この程度で最高の居心地なら、フェンリルで使用されている資源を分けて欲しいものだがね」
ソーマの皮肉に対しても嫌味で返す辺り、那智のフェンリル嫌いが良く分かる。ただ、このままでは話にならないので、ソーマに変わってユウが答えることにした。
「始めまして、ネモス・ディアナの長」
「貴様がクレイドルとやらの代表か?」
「ええ、俺が隊長です。神薙ユウといいます」
「神薙ユウ……世界最強格と言われるゴッドイーターか」
「恥ずかしながらそう呼ばれていますね」
ユウは極東のエースであるため、世界的に有名だ。フェンリルは不足しているゴッドイーターを募集するために、最前線で活躍する極東のゴッドイーターを取り上げることも珍しくない。ユウはフェンリルの広報部から取材を受けたこともあるので、かなり有名なのだ。
それはネモス・ディアナにも伝わるほどである。
「それで、貴様らはここに何のようだ? まさか道に迷ったなどとは言うまい」
「勿論です。俺たちは目的を持ってネモス・ディアナに来ました」
「ならばその目的は?」
「支援がしたい」
それを聞いた那智は酷く表情を歪める。
その中には様々な心情が読み取れた。
憎きフェンリルから支援の打診をされたことの屈辱、そして何を今さらという恨めしさ。他にも多くの感情が浮かんだものの、それらは全て悪感情と呼ばれるモノだった。
ギリリと歯軋りした那智は心から叫ぶ。
「ふざけるなぁっ!」
近くにいたシスイは咄嗟に耳を塞いだが、室内を反響した那智の声が酷く頭に残る。そしてそれが消えない内に那智は更なる言葉を続けた。
「貴様らフェンリルが捨てた私たちを再び拾うだと? どこまで馬鹿にする気だ! 以前にもフェンリル私たちを騙し、支援すると言って集落を実験場にした! その結果はどうなったと思う? 奴らはアラガミに作用するフェロモンの実験をしたのだ! 無差別にアラガミが集まり、私のいた集落は滅びた……」
「ミスト実験と呼ばれる実験だよ。フェンリルの公式記録にはないものだね。アラガミの嫌がるフェロモンを散布することで、対アラガミ装甲壁がなくとも安全地帯を作れるようにするというものさ。実験の主導はカール・フェルメール博士、そして補佐にラケル・クラウディウス。実験は葦原総統が言った通り、失敗に終わったんだ。責任を取ってフェルメール博士は辞任し、研究は補佐だったラケル・クラウディウスが引き継いだ」
「フェンリルは信用ならん。支援など受け付けん」
シスイが補足説明として語った言葉で、ユウたちはフェンリルの闇を知る。実験の内容を聞く限り、かなりの犠牲者が出たのだろう、都合が悪くなり、フェンリルは秘匿したのだ。
そして実験の生き残りである那智は、同じ生き残りを集めて新たにネモス・ディアナを築いた。
那智のフェンリル嫌いはここから始まっている。
「フェンリルは所詮、捨てた人々を人として見ておらんのだ! 我らは実験動物ではない!」
「俺たちはそんなことをするつもりはありません!」
「信用ならんと言っている!」
那智はそれだけ言って答えも聞かずに去って行った。
シスイには、牢の扉の向こうで悔しそうにしているユウが手に取るようにわかる。ソーマやアリサも同様の表情を浮かべているのだろう。
慰める、というわけではないが、シスイは出来るだけ易しくユウたちに語り掛けた。
「葦原総統も君たちが悪いとは思っていないよ。ただ、フェンリルが嫌いなだけさ。そう落ち込む必要はないと思うよ」
「……シスイもフェンリルは嫌い?」
「まぁ、好ましいと思わない部分があることは認めるよ。けど、フェンリルのお陰で助かっている人がいることも事実だ。全てが嫌いなわけじゃない。敢えて言うなら、フェンリルに所属する特定の人物は嫌いだけどね」
ユウは期待の新型ゴッドイーターとして持てはやされ、フェンリルの光の部分を見て育ってきた。こうして一つの部隊を預かる隊長となり、闇を見る機会が増えてからは落ち込むことも多い。
一番初めに見た闇はアーク計画だ。ヨハネスなりに人類を救おうとした結果ではあるが、必要でないモノを切り捨てて人類を救うというフェンリルの闇が滲み出ていた。
アラガミによって世界が壊れて以来、人類すらも必要か必要でないかで分けられてしまったのだ。人類全体のために必要な人は救われ、そうでない者は切り捨てられる。
葦原那智はその被害者なのである。
勿論、シスイも同様だ。
「シスイは極東に戻る気はないのか?」
「……いずれは戻ろうと思っているよ。ユウ君たちがここに来なくても、いつかは戻ろうと思っていたから」
「つまり、今は戻るつもりがないんだね」
「まぁね。赤い雨や新種のアラガミのこともある。ここの対アラガミ装甲壁が完成するまでは戻ろうとは思っていない」
「そうか……」
ユウはそれっきり黙りこくってしまった。それにつられたのか、ソーマやアリサまで口を閉ざす。初めからクレイドルの活動が上手くいくとは思っていなかったが、ここまで明確に拒絶されるとは思わなかったのだろう。目に見えて――扉を挟んでいるのでシスイからは見えないが――落ち込んでいた。
これはしばらく考えさせた方が良いと判断したシスイは牢から立ち去ることにする。
そして、出ていく前に一言だけアドバイスをした。
「ユウ君、ソーマ、アリサ……君たちのクレイドルは多くの人を救う可能性を秘めている。だから自信を持って欲しいね。だけど焦り過ぎだよ。君たちは実績や計画よりも先に、誠意を見せるべきだったんだ。一言でも葦原総統に謝罪があれば、あの人も違った反応を見せたかもしれないね。特にユウ君は世界で知られているゴッドイーターだ。君の言葉なら、フェンリルを代表しての言葉だと受け取ってもらえるはずさ。今回のところは極東に戻って、一度頭を冷やすといいよ。少なくとも僕は応援している」
シスイは返事も聞かずにそのまま立ち去った。
その後はネモス・ディアナの対アラガミ装甲壁を組み立てる作業を手伝い、一度も牢を訪れることはなかった。そして葦原那智が資材と引き換えにユウたちを極東支部へと引き渡す日にも、シスイは姿を見せることがなかった。
しかし、最後にシスイが語った言葉は確かにユウたちの心に刺さっていた。
極東に戻った三人は、改めてクレイドルの計画を精査することになる。
◆◆◆
二年後、クレイドルはネモス・ディアナと完全に協力関係となった。
何があったのかといえば、単純に時間が解決したとしか言いようがない。クレイドルはフェンリルに所属していながら、フェンリルから独立した部隊だ。その活動は多岐にわたり、主にフェンリルから不要と判断された外部の人間へと助けの手を差し出し続けた。
勿論、タダではない。
サテライト拠点と呼ばれる対アラガミ装甲壁に覆われた居住区を提供する代わりに、日用品や食料品などの生産を請け負うことでクレイドルは労働力を確保したのだ。
物資が不足しているのは勿論だが、労働人口も不足している。仕事がない人々はこの世にごまんといるのだ。クレイドルは仕事のない人々に仕事を与え、居住区を与えた。その対価として、物資生産する労働力を得たのだ。
この活動は極東から始まり、今は海外にも伸びている。
当初の計画通り、事を運び始めていた。
こういった活躍もあって、葦原那智もクレイドルを受け入れることにする。勿論、多くの葛藤や議論があった末での結論だ。
ただ、クレイドルは自分たちを捨てたフェンリルとは違う。
最終的にそう判断しただけの話である。
そしてこの活動はフェンリル極東支部にも大きな利を齎した。生産される物資が増えたことで、極東支部にも余裕が生まれたのである。ジャイアントトウモロコシが一週間連続で食卓に並んだ二年前に比べれば、食糧事情が大きく改善されていた。加えて服などの生活物資も充実し、生活レベルが二段階は向上したのである。
このことに誰よりも驚いたのはゴッドイーターたちだった。
毎日、命懸けでアラガミと戦う以上、生活環境の向上は諸手を挙げて喜ぶべき事案である。ストレスの元になっていた不便な生活と最悪の食生活から解き放たれた彼らは、これまでの三割増しで成果を上げるようになった。
クレイドルは見事にその意義を達成したのである。
「いやぁ、ここまで長かったよ。そうは思わないかシスイ君?」
「そうですね。僕も同意しますよ榊博士」
ネモス・ディアナで世話になっていたシスイは、今回の協力関係締結を機に極東へと戻ることになったのだ。ただし、記録上は死んだことになっているので、そこはペイラー榊が色々と細工したのだ。
現在、とある理由によって神崎シスイと今のシスイは別人ということになっている。
「さてと、シスイ君にはこれから第一部隊の隊長として就任してもらうよ。副隊長はコウタ君だ。他にも新しく配属された子が二人ほど居るんだけどね……まぁ、後でデータを渡そう。会ったときにでも交友を深めてくれたまえ」
「分かりましたよ。コウタが副隊長なら交友で悩むことはなさそうですし」
「うむ。それもそうだね。中々クセの強い新人のようだけど、コウタ君はどうにかまとめているみたいだ。リンドウ君やサクヤ君が本格的にクレイドルの方へと移籍してから、彼なりに頑張ったみたいだね」
「成長に期待ってとこですね」
事実、シスイの知るコウタはお調子者のギャグキャラだ。それが副隊長というのは違和感がある。ただ、昔から人望はあったので、ある意味では適切な場所に落ち着いたということだろう。
コウタは元からサポートが上手い。
そう言う意味でも副隊長はピッタリだ。
「さて、簡単な状況説明と思い出話も済んだことだし、ここからは真面目に行こうか」
ペイラーはそう言って一枚の紙を手に取る。
そしてそれを読み上げた。
「本日の一二〇〇をもって、
「はっ!」
シスイは敬礼をもって答えた。
簡易的だが、これで完了である。シスイはすぐに姿勢を崩して愚痴をこぼした。
「……まだ慣れませんね。その苗字」
「それは私も同じだよ。しかしまぁ、本当に君とリッカ君が
「いやいやいや!? 結婚させたのはあなたでしょう!?」
「人聞きの悪いことを言うね。僕はただ仲介しただけさ」
そう言って博士は誤魔化しているが、シスイはハッキリと覚えている。
これは一週間ほど前のことだ。
シスイが極東に戻った時、出迎えたリッカに飛びつかれたのだ。
『お帰りシスイ君! とりあえず結婚して!』
『ちょっと待とうかリッカさんよ!?』
『ん? 丁度いい。二人とも結婚しなさい』
『博士ぇっ!?』
リンドウが帰還したときにサクヤが似たようなことをしたらしく、リッカもそれに倣ったという話だった。なお、彼女はシスイが消えてしまってから自分の気持ちを理解したらしく、こうして無事に戻ってきたことで今回のような暴挙に至ったという。
そして神崎シスイという人物を抹消し、あらたなプロフィールを作るのに都合が良かったので、ペイラーは二人の結婚を推し進めることになった。自分は一部がアラガミ化していることを理由に宥めようとしたが、そこでもリンドウ・サクヤ夫婦の例を出されて撃沈した。
結局、シスイも彼女が嫌いなわけではないし、likeの意味では好きだ。何度か共同で実験したりしている中でそれは自覚している。
そんなこともあってシスイは
「まだ僕は十七歳なんですけどねぇ」
「十八歳から結婚と決まっていたのは昔の話だよ。現代ではあってないような不文律だ。寧ろ男性の早期結婚はフェンリルから推奨されているほどだから問題ないと思うがね」
「そんなものですか?」
「そもそも、女性が十六歳から結婚できるというのは肉体的な成熟度からくるものだよ。そして男性の場合は結婚した場合、伴侶とその子供を養えるかどうかだ。その点、君は問題ないだろう?」
「まぁ、そこそこ稼がせて貰っていましたからね。これから復帰しても稼げる自信はありますし、研究分野でも色々と特許があるので通帳の中身は何もしなくても増えますね。まぁ、神崎シスイとしての特許は僕が死亡判定された時点から切れてますけど、これから取得すれば問題ないですし」
この二年間の間で色々と研究を進めたこともあるので、それを論文にして提出すれば一つぐらいは特許をとることが出来るだろう。中でも長物神機の重心を調整する技術に関する論文が有望だ。
お金に関しては問題ない。
シスイにとって問題なのは気持ちの部分だ。
「ホントに僕なんかで良いんですかね?」
「そうは言っているけど、シスイ君は中々に優良物件だと思うよ。ゴッドイーターとして腕は一流、科学者としては若くして超一流、顔も良くて性格も穏やかだ。まぁ、子作りの上で腕のアラガミ化は少し問題かもしれないけど、サクヤ君は無事に元気な子を出産したみたいだし、大丈夫だろうね」
「こ、子作りって……」
「昨日は楽しんだかい?」
「まだ手は出していませんよ!?」
「つまりいずれは手を出すつもりなんだね?」
「くっ! 重箱の隅をつつくような指摘を……見た目の胡散臭さ通り、相変わらず性格悪いですね榊博士」
「そ、そういうシスイ君も相変わらず辛辣だね」
書類上は結婚しているので、夜の営みも合法的なものだ。ただ、シスイとしては自分のアラガミ化した部分が怖いので、取りあえずは保留である。
サクヤは無事にリンドウとの子供を出産したが、それは偶然かもしれない。また、ゴッドイーターとして偏食因子を持つサクヤだからこそ無事だったのかもしれない。アラガミ化の割合はリンドウよりシスイの方が多いうえに、リッカは普通の人間だ。
あの二人と同じように考えるのは早計である。
「まぁ、その辺りの話は追々……ということにしましょう。こんな僕を選んでくれたわけですし、利用する形にもなってしまいましたから責任は取ります」
「うむ。男らしくて結構だよ」
「で、本題に行きましょうか。赤い雨と感応種……やはりダメですか?」
「残念ながらね」
ペイラーは本当に残念そうな口調でそう告げる。
赤い雨は二年ほど前、月が緑化してすぐ辺りから降り始めた特異現象であり、人間にとっては毒にも等しい雨だ。赤い雨に濡れると、皮膚に黒い模様が浮かび上がり、激しい痛みに襲われる。黒珠病と呼ばれ、接触感染するため、発病したら隔離が決定されるものだ。
現在の発病者は千人を超えており、毎月にように数人が無くなっている。
今のところ、致死率は百パーセント。
症状を緩和する程度の治療しか施すことが出来ない現状だ。
赤い雨が降る直前には赤乱雲という赤い雲が現れるのだが、これを見たらゴッドイーターですら任務放棄が認められる。それほど危険視されているのだ。
そしてもう一つの脅威が感応種と呼ばれるアラガミである。これまでのアラガミとは違った進化を遂げ、他のアラガミを統率する能力を身に着けた。この能力は神機にも作用するので、ゴッドイーターは自分たちの武器を封じられてしまう。
辛うじて、神機を鈍器のように振り回し、撃退することは可能だ。
しかし討伐は不可能である。
そもそも、撃退できること自体普通なら不可能なので、そこは流石極東と言うべきところだ。
「今のところ、赤い雨の中で活動できるのはシスイ君だけだ。感応種に対抗できるのも同じく君だけだね」
「ユウはどうです? 彼ならどうにでも出来る気がするんですが」
「うん……まぁ……否定できないね」
実際は無理なのだが、何となく彼なら出来る気がする。
そんな思いが二人の中にあった。
現在、神薙ユウはヨーロッパ方面へと赴いて活動しており、現地のゴッドイーターに指導したり、危険なアラガミを単独討伐したりしている。他にも新種の調査がユウの仕事だ。
最近はシスイもユウと会うことがなく、以前に会ったのはシスイがクレイドルの活動を手伝ったときだ。ちなみに、その時からシスイは『ユウ君』ではなく『ユウ』と呼ぶようになった。いい加減、君付けは止めて欲しいとユウが言ったからである。
今更、敬称をつけるような仲でもないのだ。
シスイはそれ以来、ユウを呼び捨てにしている。
「どちらにせよ、彼をヨーロッパから呼び戻すわけにはいかない。彼は彼なりに忙しいからね。極東は私たちに託されているんだ。私たちなりに努力しようじゃないか」
「といっても、主に僕が頑張るんですけどね」
「構わないだろう? 感応種と言っても、君にとっては普通のアラガミと大差ない。この前もイェン・ツィーを三体同時に狩ってきたじゃないか」
「あの程度なら何とか。でもマルドゥークみたいにアラガミの群れを率いてくる奴はキツイですよ? 出来ないとは言いませんが」
「結構だよ。本部も本格的に感応種を討伐出来るように考えているみたいでね。幾つか計画が持ち上がっていると聞いているよ」
「どんな計画ですか?」
「フライヤ計画。豊穣の女神フレイヤから名を取った計画でね。神機兵というゴッドイーターに代わる対アラガミ兵器の生産をするらしい。その中の研究の一つで、感応種に対抗できる新しい偏食因子を持ったゴッドイーターをテスト的に運用するという話だよ」
シスイも神機兵は聞いたことがある。
クラウディウス博士と呼ばれる本部の有名な科学者がいたからだ。貴族の出である彼は、ノブリス・オブリージュを信条として、世界のために尽くしてきた。孤児院に投資した話は有名である。
アラガミに襲われて亡くなり、現在は娘であるレア・クラウディウスとラケル・クラウディウスが研究を引き継いでいた。シスイはラケルについて調べているので、その程度の事前知識は持っている。
(あの女……また何かを企んでいるに違いない)
そんなシスイの内心に気付かないペイラーは、そのまま話を続けていた。
「フライヤと呼ばれる巨大な移動要塞を建設していると聞いたよ。完成はもうすぐだそうだ。そして完成と同時に神機兵に関する研究室は全て移設され、生産工場も兼ねるという話だよ。感応種に対抗できる例の部隊もここに所属し、必要に応じて世界中を移動するそうだ。いずれは極東にも来るかもしれないね」
「なるほど……」
「まぁ、その部隊が極東に来るにしても来ないにしても、今現在では感応種を倒せるのは君だけだ。暫くは忙しいだろうけど、今の第一部隊になれつつ頑張ってくれ」
「分かりましたよ。取りあえずは隊長を謹んで務めさせていただきます」
「うむ。私からは以上だ。君の方から他に何かるかね?」
「いえ特に」
「なら下がり給え。これでも支部長は多忙でね」
シスイは一礼してから支部長室を出る。
すると端末にコウタからメールが来ていることに気付いた。
『第一部隊のメンバーでエントランスにいるぜ! 隊員の二人に紹介するから早く来いよ』
そしてそれを読み終えた途端、今度はペイラーからのメールを受信する。中身は先程約束した第一部隊の新メンバーに関する資料だった。
軽く目を通しつつ、シスイは区画移動エレベーターに乗る。
「エリナ・デア・フォーゲルヴァイデ、エミール・フォン・シュトラスブルクね。資料を見る限りだと確かに癖が強そうだ」
ともかくまずは顔合わせ。
シスイはエントランスへと急いだのだった。
どうしてこうなった。
書いてた自分でも分からないけど、シスイとリッカは結婚しました。
そして隊長就任。
コウタは副隊長ですね。
そろそろGE2へと移っていきます