マルドゥーク討伐後、ブラッド隊は一度フライアへと戻った。黒蛛病で昏睡状態に陥っているロミオ、ジュリウスを見舞いに行ったのだ。
極東支部に甚大な被害をもたらしたアラガミが討伐されたということもあり、アナグラも一時的に平和なムードが漂う。毎日のアラガミ討伐が無くなるわけではないが、皆が胸を撫で下ろしているのは確かだった。
しかし、その一方、サツキは別の危機感を覚えていた。
「悪いわねシスイ君。急に呼び出したりしちゃって」
「いえ、他ならぬサツキさんのお願いですからね。それで、今日は何を?」
「ちょっとこれを見て欲しいのよ」
シスイは話があるということでサツキに呼び出されていた。いつになく真剣な様子のサツキを見て、重大なことなのだろうと悟る。
受け取った資料は、手早く隅々まで把握した。
「フライアのデータですか。良く調べましたね」
「いやー。ヒカル君にちょっとお願いしてね。フランさんっていうオペレーターを紹介して貰ったのよ。その伝手で色々調べることが出来たってわけ」
「黒蛛病対策で、患者への慰問、電話、メールすら規制されているのは知っていますよ。ブラッド隊がロミオやジュリウスのお見舞いに行けたのは本当に特例だってことも」
資料にかかれていたのはフライアにおける黒蛛病に治療記録。
だが、そこには薬の納入、治療機器の納入、医師の雇用が全く記されていなかった。資料に不備があるのではなく、データが初めから存在しないのである。
このことから導き出される結論は一つだけだ。
「フライアで黒蛛病の治療が行われていない……ということですか、これは?」
「ええ、ジャーナリストとしてのアンテナがスキャンダルの予感を受信したわ。これは大事件だってね」
「アンテナ云々はともかく、誰の目から見ても怪しいですよこれ」
「そうなのよね。情報を教えてくれたフランさんも、フライアがキナ臭いからって極東に移ってきたみたい。榊博士が手配したそうよ。これはよっぽどね」
「僕もユノに頼まれてフライアをハッキングしたのですが、その時も治療記録は見つかりませんでした。サツキさんのお蔭で裏付けも取れましたね」
「何してるのよシスイ君……」
サツキは呆れた目で見てくるが、これぐらいは普通だ。むしろ、この程度が出来なければ裏の世界は生きていけない。
これでもシスイはフェンリル情報管理局の出身なのだ。
汚い仕事もこなしてきた経験がある。
「フライアのこと、もう一度調べた方がいいかもしれませんね。サツキさんは無理をしないでください。余計なことをしていたら消されますよ?」
「あら、心配してくれるの?」
「それはそうですよ。一時期はサツキさんの家でお世話になっていましたし」
「ほうほう。恩は売っておくものね」
サツキはそうやって冗談のように済ませているが、シスイが感謝しているのは事実だ。ネモス・ディアナに滞在していた時は、何度も彼女の世話になった。
「まぁ、そういうシスイ君も無茶したらダメよ?」
「分かっていますよ。これでも過去には命を狙われたことだってあるんですから、そういうことには敏感なつもりです。
それに、リッカを悲しませたくはありませんので」
「相変わらず熱いわねぇ。私にもいい人がいないかしら?」
最後はそんな冗談を交わしつつ、小さな会談を終えたのだった。
◆◆◆
一週間後、今日も第一部隊としての仕事をこなし帰投したシスイたちはアナグラのロビーへと戻ってきた。討伐対象はコンゴウ種が数体程度だったので、軽めである。最近は神機兵が活躍を見せているので、ゴッドイーターが大型種を討伐することも少なくなり始めていた。
特務で行っている接触禁忌種討伐が重いぐらいである。
「ねぇ、シスイ隊長」
「どうしたのエリナ?」
「今日の任務はこれだけ?」
「うん。そうだね。コウタは後で実家に戻るみたいだし、エリナも好きに過ごしたらいいよ。エミールもこの後はフリーだから自由にしてもいいよ」
「はい、分かりました」
「うむ。では僕は新しい紅茶を試してみることにしよう。隊長もどうかな?」
「あー、悪いねエミール。僕は報告書を書かないといけないのと、研究の方もあるから。というか、研究が本職だし」
最近は忘れがちだが、シスイの本業は研究だ。
主に神機、バレットに関する研究では世界で知られるレベルであり、対アラガミ装甲壁についても深い知識を有している。これでも、シスイの父親は対アラガミ装甲壁の研究をしていたのだ。
「それでは仕方がない。今度ご馳走することにしよう」
「うん。またの機会に頼むよ。じゃあ、コウタもまたね」
「おう! 報告書頼むぜシスイ!」
シスイは区画移動エレベータで研究棟へと向かい、自分の研究室に入る。そして大量のデバイスを立ち上げて、データ解析を始めた。
それはペイラー榊博士から回されたデータである。
黒蛛病に関するものであり、極東で集めるだけ集めたものだった。この手の作業が得意なシスイは、データ解析を頼まれることが多い。しかし、今回に限ってはシスイがペイラーに頼んで回して貰ったものだった。
黒蛛病のデータを元にして、シスイが自分自身の持つ両腕の力との相互作用を計算する。
これによって治療法を解析的に予測しようとしたのだ。
結局のところ、黒蛛病はオラクル細胞による侵食である。赤い雨に含まれる暴走オラクルが人体へと侵入することで、あのような症状が出るのだ。
つまり、解決策もオラクル的なものになる、と予想していた。
(フライアで黒蛛病治療が行われていない以上、僕たちで見つけないといけない。極東支部にも黒蛛病患者はまだ収容されているし、データに困ることはない。けど、やっぱり治療は難しいね)
天才科学者と名高いペイラーですらお手上げなのが黒蛛病だ。勿論、同じく天才と呼ばれるシスイにも簡単とは思えない研究だった。
神機研究をしているだけあって、オラクル細胞が人体に及ぼす影響についての知識はある。それを動員することで黒蛛病のプロセスを予測することは可能だ。しかし、対策となると急に難しくなる。
そもそも、ゴッドイーターから偏食因子を取り除き、一般人へと戻すことは不可能とされている。一度定着したオラクル細胞を引き剥がすことは本当に難しいことなのだ。例え、適合していない黒蛛病のオラクル細胞であったとしても。
(ゴッドイーターみたいに偏食因子を投与したとして……いや、これでは先延ばしにしかならないね。それに制御されていない黒蛛病のオラクル細胞を偏食因子でコントロールするのはほぼ不可能だ。
そうなると、僕が直接吸い出せるかどうか……)
根本的な解決策にはならないが、最悪はそうするしかない。シスイが赤い雨に触れても大丈夫な理由は、オラクル細胞を意思一つで操れることに起因している。上手く利用すれば、他人の黒蛛病オラクル細胞も取り除けるかもしれない。
しかし、現状では難しい。
サツキから嫌な情報を聞いた以上、悠長にしているつもりはない。
シスイはその日も遅くまで研究室に籠っていたのだった。
決して、ラケルの好きにはさせまいと誓って。
◆◆◆
翌日、民間チャンネルによって救援信号が出された。
この場合の救助もゴッドイーターの仕事である。丁度空いていたブラッド隊が駆け付け、救援を出した民間人を保護した。
だが、その保護した人物が問題だった。
レア・クラウディウス。
フライアで有人制御神機兵を研究している科学者であり、ラケルの姉である。
保護されたレアは、極東支部の病室で事情聴取を受けていた。話を聞いているのはシエルとヒカル。彼女は怪我もしていたので、余り大人数で押し寄せるのは良くないという判断だった。
「一体どうしたというのですかレア先生」
「シエルはまだ私を先生と呼んでくれるのね……」
病室のベッドに腰を下ろし、目を伏せたレアが自嘲する。
それは、嘗てレアがシエルに対してしてしまった負い目から来るものだった。シエルがいた児童養護施設マグノリア=コンパスで、彼女は拷問にも似た英才教育を受けさせられていた。だが、レアはそれを知りつつも止めなかった。
しかし、シエルはそのことでレアを責めようとはしない。
「いえ、先生は先生ですから」
「そう……」
「それで先生。今のフライアは一体……?」
その問いに対して、レアは今にも泣きそうな表情で答えた。
「フライアはすっかりラケルに掌握されてしまったわ……私は研究データにもアクセスできなくなった上に、自分の管理している神機兵の権限も奪われてしまった」
「ラケル先生が……っ!?」
「私は研究者としてもパージされ、姉としても見捨てられてしまったのよ……」
だからこそ、レアはフライアから逃げ出した。フィールドワークと偽ってフライアを抜け出し、極東支部へと逃れようとしたのである。結果としてアラガミに襲われてしまったのだが、フライアで職員から渡されたスタングレネードのお蔭で何とか生き延びることは出来た。
恐らく、その職員もレアのやろうとしていることを見抜いていたのだろう。
それほど、今のフライアは異常性が高かった。
「心当たりはないのかレア博士? 俺には仲の良い姉妹に見えていたんだけど」
「……ないことはないわ。でも、まさか……本当に……?」
「出来るなら教えて欲しい。何が起こっているんだ?」
「私からもお願いしますレア先生」
「…………そうね。分かったわ。少し長くなるから、ゆっくり聞いてちょうだい」
ヒカルとシエルに言われたことで覚悟を決めたのか、決意に満ちた表情でレアは語りだす。
それは彼女の後悔であり、贖罪だった。
「私たち姉妹はね、子供の時はあまり仲が良くなかったの。お父様似の私と、お母様似のラケル。性格もまるで対極だったわ」
基本的に寡黙なラケルは、幼い頃から殆ど喋らなかった。逆に活発なレアは、全く喋らないラケルに対して苛立つこともしばしば。幼いが故に自分と違う部分を認めることが出来ず、よくケンカになっていた。
その日も些細なことでレアはラケルを問い詰めていた。
理由はレアの人形をラケルが勝手に持ち出したこと。
だが、やはりラケルは何も話さず、レアは怒ってラケルを突き飛ばす。しかし、その場所が問題だった。階段の上で突き飛ばしてしまったので、ラケルはそのまま下まで落下したのだ。
すぐに病院へと運び込まれたが、脊髄損傷による植物状態となる。
「お父様は何とかしてラケルを救おうとしたわ。それで昔の伝手を頼り、ラケルにある処置を施したの」
それは偏食因子の投与だ。
ゴッドイーターに投与されるような綺麗なものではなく、もっとアラガミに近いもの。ソーマ・シックザールへと投与されたP73偏食因子と呼ばれるモノである。
原初の偏食因子であり、危険度は高い。
しかし、適合すれば凄まじい代謝と治癒能力を得ることができる。それはソーマの例があるので、当時の時点で実証された事実だった。これによってラケルに治癒能力を底上げしようとしたのだ。
「事実、お蔭でラケルは意識を取り戻したわ」
レアは目を覚ましたラケルの元へと飛んでいき、階段から突き落としてしまったとを謝った。故意ではなかったとは言え、レアも本当に悪いと思っていたからだ。
罪悪感というより、失いかけたからこそラケルの大切さに気付いたのだろう。
『ラケル……ごめんなさい。私のもの……お母様から頂いた瑪瑙のカメオも、ヌガーグラッセも、あのお人形も全部上げるから……っ!』
目を覚ましたラケルにそんなことを言った記憶がある。
自分のモノを全て上げると約束した。所詮は子供時代の口約束だが、心当たりがあるとすればこれだ。
「私たちは姉妹で研究者になったわ。お父様の伝手もあったし、勉強できる環境もあった。神機兵はお父様から受け継いだ、私たち家族の結晶なの。だからこそ、ラケルと一緒に神機兵の研究に勤しんだの。
フェンリルで働いて、研究して……泣いて笑って過ごした日々はラケルのためだったわ。
でも、あの子にとって価値あるものは、人の営みの中に無かったのよ……」
偏食因子を取り込んだラケルの異常性は徐々に表れ始めた。
初めは少しおかしな子供、程度だった。
だが、大人となり、行動範囲や出来ることが増えるとそれが目立ち始める。
その一つがマグノリア=コンパスである。
「あなた達は楠シスイ博士を知っているかしら?」
「知っている。多対一において世界最強と言われている極東エースの一人だ」
「それに世界最高峰の科学者でもあります。私は嘗て先生役もして頂きました」
「シエルはそうだったわね」
ヒカルもシエルもある程度は知っている。ラケルから聞いたことがあるからである。
かつてフェンリルの実験に被験者となり、身体の一部がアラガミになっている。それ故にフェンリル本部から命を狙われた時期もあったと。
旧姓、神崎シスイ。
隠されたその人生はヒカルとシエルが想像した以上に壮絶だった。
「シスイ博士はお父上も研究者でね。幼い頃から才能を発揮しておられたわ。けど、事故で両親を失い、孤児になってしまった。その引き取られた先が……」
「マグノリア=コンパス、ということですね」
「その通りよ。彼はあまりに優秀だったわ。だから私たちですら教えることが殆どなかったの。シエルの教師役に任命したのも、彼の優秀さがあってこそよ」
そこまではヒカルとシエルも知っている。
だが、次の言葉は二人を凍り付かせた。
「そしてラケルは彼を人体実験に利用したの。プロジェクトM2と呼ばれる実験が行われ、シスイ博士はそれが原因で両腕がアラガミ化してしまったわ。
そしてシスイ博士以外の被験者は全員が死亡。
マグノリア=コンパスはラケルにとって、実験場でしかなかったのよ」
M2計画によってラケルの人体実験はレアも知るところとなった。更に父親であるジェフサ・クラウディウスもラケルの所業を知ったのである。
ラケルの児童養護施設に投資してきたジェフサは激怒した。
彼は娘を甘やかしているから大金を投じた訳ではないのだ。富める者として、人類の未来に投資していたに過ぎない。だからこそ、ラケルの行いは許されるモノではないと考えた。
実を言えば、両腕がアラガミ化したシスイが多少なりとも温情を与えられたのも、ジェフサが手を回したからだった。これはシスイも知らないことだが。
「この時から私はラケルのおかしさに気付き始めたわ。二種類の偏食因子を強制同時投与する人体実験に激怒したお父様は、ラケルに対して『これが人のすることか』と問い詰めたの。
このときラケルは何て答えたと思う?」
その問いかけにヒカルとシエルは息を呑む。
「『全ては来るべき晩餐の下ごしらえ』……と言ったのよ」
狂っている。
そう評するに値していた。
「お父様はラケルをフェンリルの査問会に報告しようとしたの。これは流石に見過ごせない、娘だからと甘い顔は出来ないと言っておられたわ。
けど―――」
その日、ジェフサはアラガミに襲われて死んでしまった……ということになっている。
しかし、実態は違った。
「お父様を殺害したのはGod Ark Soldier tipe Zero。零號神機兵と呼んでいる試作品だったわ。あれは私とお父様で作った神機兵のプロトタイプ。まだ制御システムが未成熟だったから、巨大で獣に近い姿をしていたわ。けど、単純な戦闘能力は今の神機兵を遥かに凌ぐ……
ラケルはいつの間にか制御を私たちから奪い取っていたのよ」
いや、ラケルには奪い取ったという認識はないのだろう。
結局のところ、レアの神機兵=人形を貰っただけなのだから。子供の時に約束した、『私のモノは全部上げる』という言葉通り、ラケルは
「私はラケルが恐ろしい……あの子が何を考えているのかまるで分らない。何故なら―――」
――何故なら、既にあの子は……
レアはその言葉を呑み込む。
正直、信じたくはないし信じられない。垣間見えた人ならざる狂気が事実を物語っているとは言え、ラケルはレアにとって唯一の家族なのだから。
既に、ラケルの意思がアラガミに喰われているなど……考えたくもない。
「ラケル博士は一体……」
「まさか先生が……」
ヒカルとシエルも絶句する。
非道な人体実験、そして父親すら躊躇いなく殺す異常性を聞いて動揺しないはずがなかった。
しかし、ヒカルはまだショックが少なかったのか、持ち直して質問する。
「レア博士。一つだけ聞きたいことがある」
「ええ、いいわ」
「フライアでは……黒蛛病の治療と研究は行われているのか?」
しかし、レアはその問いに対して首を横に振った。
「既に分かっているとは思うけど……フライアは神機兵を開発生産する施設よ。黒蛛病患者はその開発のために、なんらかに形で利用されているに過ぎないわ。
ラケルと……ジュリウスによってね」
「まさかジュリウスが!」
「そんな……」
「何をしているのかは私も知らない。でも、これだけは確実よ」
シスイ同様、ヒカルもユノから相談を受けていた。黒蛛病患者がフライアに収容されているということもあり、伝手を頼る形でブラッド隊長ヒカルにも事情を説明していたのだ。
ある程度は予想していたとはいえ、まさか本当に治療が行われていないとは思わなかった。それどころか、神機兵の実験に利用されている可能性すらある。
また、このことにジュリウスが加担していることも信じられない。
何故なら、ジュリウスとロミオも黒蛛病患者なのだから。
「……分かりました。ありがとうございますレア博士」
「ああ、情報提供感謝する」
「感謝する必要はないわ。私は何もできなかったの」
レアは唇を噛んで言葉を絞り出す。
そしてこのことは支部長であるペイラーを始め、上層部にのみ伝えられることになった。
勿論、すぐにユノにも知らされ、シスイも事実を確認することになるのだった。
◆◆◆
二日後、急なことではあったが、極秘でフライア突入作戦が組まれることになった。
メンバーはブラッド隊及び第一部隊である。
基本的に突入はブラッドが行い、第一部隊は撤退ルートの確保、及び護送車の護衛である。今回はフライアに収容されている黒蛛病患者の救助も含まれているので、護送車の護衛は重要だった。
「これが主な作戦だよ」
一通りの説明を終えたペイラー榊が会議室の全員に向かって目を向ける。既にフライア内部の構造はハッキング済みであり、マップも手に入っている。黒蛛病患者が収容されている場所も分かっているので、作戦自体に穴はない。
しかし、問題はこれが不法侵入であることだ。
証拠の無いまま行われる作戦であるため、後付けとは言え根拠が必要になる。
そのための別動隊も組織する予定だった。
「恐らくはジュリウス君の神機兵が邪魔をしてくるだろう。フライアには現在ゴッドイーターがいないからね。いや、正確にはジュリウス君やロミオ君はゴッドイーターなんだけど、戦線には出て来ないだろう。
君たちは襲ってくる無数の神機兵を薙ぎ倒し、作戦を実行しなければならない。
建前……と言うには弱いけど、葦原ユノ君を同行させることによって、抗議という形にする。仮に作戦が失敗しても、彼女がいることによってこちらのダメージを少なくする予定だ。勿論、ユノ君の強い要望があって、作戦参加となったわけだけどね。
よって突入するブラッド諸君にはユノ君とサツキ君を護衛して貰わなければならない。
覚悟は良いね」
ペイラーは全員が頷いたのを見て、シスイに目を向ける。
「そしてシスイ君。君はブラッドと別に動いて貰うよ。そしてフライア内部で証拠なる情報を手に入れて欲しいんだ。一対多戦闘においては世界最強と言われる君にしか頼めない。それに、解析も得意だからね。電子的な情報も手持ちのスキルで手に入れることが出来る。
君が適任なんだ」
「分かっていますよ博士」
「負担をかけるのは分かっている。第一部隊もコウタ君を中心に頑張って欲しい。今回の作戦は極秘に行われなければならないものだ。故にこちらも数を用意できない。これは理解してくれ」
今回の作戦を知っているのは、ペイラーを始めとした上層部、実働部隊のブラッドと第一部隊、そしてオペレーターのヒバリとフラン、あとはユノとサツキだけである。
神機兵という大戦力を保有するフライアを攻略するには心許ない。
しかし、戦力の質で考えれば可能な範囲だった。
「作戦は明日、〇九〇〇より開始する。心して準備してくれたまえ」
『はい!』
ラケルの思惑を測るためにも、作戦が実行されることになるのだった。
お久しぶりです。
ちょっとずつ書き進めていたんですけど、こんなに時間がかかるとは思いませんでした。
そう言えばゴッドイーター3が出るみたいですね。
ちょっと楽しみです