愛里寿inボコランド~ボコられ熊発展計画~ 作:もちもちになりたい
ボコミュージアム。茨城県大洗町にひっそりと佇むボコられ熊のボコのテーマパーク。そこはボコの、ボコによる、ボコのための楽園...という設定の元、現在は戦車道で名を轟かす島田家がオーナーを務めている。そんなボコミュージアムの本日の来場者数は...
「今日は楽しかったね!愛里寿さん!」
「うん。みほさんとここにこれてよかった」
...たった2人。
「でも今日のボコは何か変だったなぁ。いつもならボコボコにされるのに、今日は反撃しようとしてたし...」
この、少しふんわりしたオーラを放っているのは、大洗女子学園の西住みほだ。
「それは私もおかしいと思った...!ボコに反撃なんてできるハズがないのに...!」
そしてこちらの少し口数の少ない少女は、13歳にして飛び級で大学生になった島田愛里寿。二人は戦車道の試合以降、ボコ好きの同士として時々こうしてボコミュージアムに足を運んでいるのだ。
「それにしても、ボコって相変わらず人気ないよね...。こんなに可愛いのに...」
彼女の言うように、ボコられ熊のボコは全く人気のないマニアックなコンテンツだ。姿形はリ◯ックマに包帯や痣、絆創膏が伴っているもので、そのアニメ作品も作画こそ子供向けのものだが内容はアンパ◯マンの様に悪者を成敗するのではなく、逆に返り討ちに遭うというもの。さらに現在二人がいるボコミュージアムもアトラクション?の名前が全て某夢の国を彷彿とさせるものという、一言で言えば混沌。カオス過ぎる夢も希望も無いものなはずなのだが、この二人の感性によると、ボコこそ嗜好の存在らしいのだ。
「確かにボコには人気がない。でも、それはそれでボコらしいから、そんなボコも私は好き」
「そうだね。流石愛里寿ちゃんだね。私以上にボコの事を理解できるなんて」
「でも、私も皆にボコを知ってほしいと思う。ボコは私にとって友達。友達が知られていないのは...少し悲しい」
「愛里寿さん...」
島田愛里寿は友達が少ない。元々口数が少ない上にお嬢様、更には飛び級で大学生なので、今まで自分と親しくしてくれる人がいなかった。そんな中で、彼女はボコと出会った。当時の臆病だった彼女の目には、ボコは眩しすぎる位輝いて見えただろう。何度やられても立ち上がるその熊に、彼女は憧れの様なものを感じただろう。それからというもの彼女の生活には常にボコがついていた。それ故、彼女にとってボコは、友人も同然なのだ。
「そうだね。それは私も悲しいよ。けどね愛里寿さん」
「?」
「ボコには愛里寿さんと私がいる。だからね?きっとそれだけでもボコも寂しくないとおもうんだ」
「そう......なのかな?」
「そうだよ。顔してると、ボコに嫌われちゃうよ?」
「...!それは嫌だ!」
「ふふっ、じゃあもうそんな顔するのやめよう?」
「うん!」
そして二人はまた歩き始める。
「「やーってやる やーってやる やーってやるぜ♪ いーやなあーいつをボーコボコにー♪」」
お互いの尊敬する友人の歌を口ずさみながら...。
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~愛里寿side~
あれからみほさんと別れ、私は大学寮の自室へと帰って来た。そして今、私はあるネットの掲示板を見ていた。
『ボコミュージアムとかいうところがカオス過ぎた件wwwwwww』
『カオスすぎて草』
『アトラクションが夢の国のパクりなんだよなぁ~』
『クソみたいな所だなw』
『ホームレスの溜まり場かよw』
『作品見たけどカオスすぎwあのクソ作品誰が考えたしw』
『それなw』
その掲示板では、皆ボコのことを悪く言っていた。正直凄く怒っている。私は怒りの感情に身を任せてコメントを打った。
『それ以上悪い事言わないでよ!ボコが可哀想だよ!』
『お、釣れた釣れたw』
『ファンだとしてもあんなキチってる場所に好き好んで行くとか相当のキチとみたw』
『必死すぎて草』
『ガキは死ねw』
「...なんで?なんで皆そんなひどいこといえるの?」
私の胸は悔しさで一杯になった。私の数少ない友達が虐められてるのに私は何も出来ないのが、とても悔しくて仕方がなかった。
「...よし」
私はブラウザを閉じて、ワープロを起動させた。そしてタイトルの部分に大きく文字を打ち込んだ。それは...
『ボコられ熊発展計画書類』
「大丈夫、私がいるからね、ボコ...」
今、私の小さくて大きな一歩を踏み出した。