遊戯王スパイラル   作:雪無サンタ

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第3話

 「しまったすっかり忘れてた」

 

 デュエルアカデミアに入学してレッド寮の自室に入ったとき、俺はある事に気がついた。

 

 「忘れてたって。なにを?」

 

 俺の相部屋で古い友人の黒羽烏(くろばねからす)が訊いてきた。(コイツと相部屋だと知ったときはかなり驚いた。)

 

 「お隣さんにまだ挨拶してなかった」

 

 「ああそういやそうだな。ところで隣の部屋って誰だっけ?」

 

 「遊城十代(ゆうきじゅうだい)って先輩だったと思う。ブルーの生徒とかが噂してたぜ。なんでも学園最強って」

 

 「学園最強?すげ〜1回デュエルして〜」

 

 「俺だってしたいよ。とにかく、挨拶に行こうぜ」

 

 「そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 「こんちわ〜。今日から隣に住むことになりました日(ひ)ノ原(のはら)嵐(あらし)です」

 

 「同じく黒羽烏です」

 

 隣の部屋に入ると俺たちと同じレッドの制服を着た少年とデザインは似ているがどの寮のものとも違う制服を着た外国人生徒がいた。

 

 「ん?ああ、新入生か。俺は遊城十代。こっちはヨハン」

 

 「やあ」

 

 「これからよろしくお願いします。十代さん、ヨハンさん」

 

 「なぁ嵐、この堅苦しい挨拶いつになったらやめれるんだ?さすがに疲れたぞ」

 

 「もうちょい我慢しろ」

 

 「いやコッチもその喋り方やめてもらえるとありがたいんだけど」

 

 「ほら向こうもそう言ってるし」

 

 ・・・しょうがないなぁ

 

 「んじゃ、これからもよろしく。十代さん、ヨハンさん」

 

 「早速だがデュエルしてくれ」

 

 「烏!さすがにそれは失礼だろ!」

 

 「おおいいな!デュエルしようぜ!」

 

 「いいんすか!?」

 

 軽ッ!!

 

 ・・・そして数分後

 

 「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!」

 

 「つか烏2ターンで終わりかよ」

 

 「うるせえ!お前もやってみればいいだろ!めっちゃ強ぇぞ!!」

 

 「いや、俺は後日」

 

 「てめええええええええ!!」

 

 だってあんな速攻勝負見せられたら勝てる気かけらもしねぇよ。

 

 「じゃあ嵐、俺とデュエルしないか?」

 

 「えっ?いや今日はいいです!ちょっと俺腹へってて」

 

 ヨハンさんが誘ってくれたが十代さんの友達だ。弱いわけが無い。

 

 「そういや俺も腹減ったな。十代、俺たちも購買にでも行かないか?」

 

 「おっ、いいなそれ。嵐たちも一緒にドローパン買いに行こうぜ」

 

 「ドローパン?」

 

 「この学園の名物だ。中が見えないようにラッピングされてて、開けてみるまで中身が何か分かんないようになってんだ。時々カードも入ってるし」

 

 「中が見えないように・・・けどそれなら普通にパン買ったほうがいい気がするんだけど」

 

 「と思うだろ。けどその中に1個だけ、学園にいる金の鶏が1日に1個しか産まない黄金の卵を使った卵パンが入ってるんだ」

 

 「「黄金の卵パン・・・(ゴクリ)」」

 

 俺と烏がそろって唾を飲んだ。食ってみてぇ。

 

 「行きましょう十代さん!いざ購買へ!!」

 

 「よし行こうぜ!けど卵パンは俺のものだ!」

 

 「いや十代、俺のものだ!」

 

 「先輩でも譲らねぇ!俺が頂く!!」

 

 レッド寮先輩後輩メンバー(1人留学生)は全速力で購買へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 「俺のターンドロー!・・・ごばあ!!わ・・・わさびパン・・・だと!?・・・」

 

 「残念だったな嵐。デュエルやらなかった報いだ。卵パンは俺がもらうぜ、ドロー!・・・アンパン」

 

 「地味だなオイ!」

 

 十代さん達と購買まで走ってきた俺たちは噂のドローパンを買っていた。しかしやはりレアなのか黄金の卵パンは一向に出てこない。(トメさんという人に聞いたところまだ誰も引いていないようだ)

 

 「何じゃおぬしらも来ておったのか」

 

 「佐助!お前もドローパン買いに来たのか?」

 

 「まあの」

 

 このラーイエローの制服を着た美少女(男)は俺と烏の友達の藤山佐助(ふじやまさすけ)。

 

 「けど全然卵パンが出ないんだよ。十代さんもいつもと違うって言ってたし。ところで佐助は何パンだった?」

 

 「わしは栗パンで中にカードが入っておった」

 

 「何のカード?」

 

 「これじゃ」

 

 デーモン・ビーバー

 星2/ATK  400/DF  600

 悪魔のツノと翼を持つビーバー。どんぐりを投げつけて攻撃する。

 

 「いらねぇ!」

 

 つかダメージのでかいの引いたの俺だけ!?

 

 「あっ、嵐くんも来てたんだ」

 

 今度は女子制服を着た髪の長い女の子が話しかけてきた。

 

 「おっ、祭(まつり)。こないだはサンキューな」

 

 「嵐よ、知り合いか?」

 

 「まあな。命の恩人だ」

 

 「なんと!それはまことか?」

 

 「命の恩人って大げさだよ。ただ船酔いの薬あげただけ」

 

 笑いながら祭はそう言った。俺は本当にそう思ってるんだけど。

 

 「オイ祭!そいつらは誰だ!!」

 

 今度はオベリスクブルーの男子だ。しかも何か怒ってる。

 

 「お前ら、祭に手ぇ出したらただじゃおかねぇからな」

 

 いやそれ以前にアンタ誰ですか?

 

 「・・・紹介するね。私のお兄ちゃんで両儀影月(りょうぎえいげつ)」

 

 「影月だ。祭に手ぇ出したらただじゃおかねぇからな」

 

 いやそれはもういいですから。

 

 「お兄ちゃんはどっか行ってて。すぐ行くから」

 

 「・・・分かった。そいつらになんかされたらすぐ言えよ!」

 

 何もしねえよ。

 とりあえず影月は10メートルくらい遠くに行った。

 

 「まったくお兄ちゃんは。嵐くんこれさっき買ったパックに入ってたんだけど、私使わないから、良かったら使って」

 

 そう言って祭は俺に3枚のカードをくれた。

 

 「サンキュー。ありがたく使わせてもらうわ」

 

 「それで嵐くんにお願いなんだけど、私とデュエルしない?」

 

 「俺と?別にいいけど」

 

 「ちょっと待ったぁ!!」

 

 デュエルの約束をした途端、烏が俺と祭りの間に入ってきた。

 

 「なんだ烏?」

 

 「そのデュエル、俺が相手をする!」

 

 「なんで?」

 

 「さっきの敗戦を無かったことにするぐらいの勝利をするんだ!」

 

 ああコイツ十代さんとのデュエルまだ根に持ってたのか。

 

 「・・・ハア。悪いけど祭、そういうわけでコイツと変わってもいいか?」

 

 「しょうがない。いいよ。ただし、勝てるかどうかはやってみないと分からないよ」

 

 「おっしゃいくぜ!!」

 

 「「デュエル!!」」

 

 烏LP4000 

 

 祭LP4000

 

 「俺の先攻、ドロー!BF−黒槍のブラスト召喚!更にBF−疾風のゲイルを特殊召喚!!」

 

 BF(ブラックフェザー)−黒槍のブラスト

 効果モンスター

 星4/ATK 1700/DF  800

 自分フィールド上に「BF−黒槍のブラスト」以外の「BF」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

 

 BF−疾風のゲイル

チューナー(制限カード)

 星3/ATK 1300/DF 400

 自分フィールド上に「BF−疾風のゲイル」以外の「BF」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 1ターンに1度、相手モンスター1体の攻撃力・守備力を半分にする事ができる。

 

 「レベル4黒槍のブラストにレベル3BF−疾風のゲイルをチューニング!黒き旋風よ、天空へ駆け上がる翼となれ!シンクロ召喚!BF−アーマード・ウィング!」

 

 BF−アーマード・ウィング

 シンクロ・効果モンスター

 星7/ATK 2500/DF 1500

 「BF」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上このカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

 このカードが攻撃したモンスターに楔カウンターを1つ置く事ができる(最大1つまで)。

 相手モンスターに乗っている楔カウンターを全て取り除く事で、楔カウンターが乗っていたモンスターの攻撃力・守備力をこのターンのエンドフェイズ時まで0にする。

 

 「烏の奴、ずいぶんとやる気じゃのう」

 

 「まあちょっと前にいろいろあってな」

 

 「なるほどの」

 

 「俺はこれでターンエンドだ」

 

 「わたしのターンドロー。闇霊使いダルクを攻撃表示で召喚」

 

 闇霊使いダルク

 効果モンスター

 星3/ATK  500/DF 1500

 リバース:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手フィールド上の闇属性モンスター1体のコントロールを得る。

 

 「祭は魔法使いデッキか」

 

 「しかしダルクはリバース効果モンスターじゃ。攻撃表示で召喚してはせっかくの効果が台無しじゃぞ」

 

 『まあ見てろって、こっからがご主人(マスター)の実力だ』

 

 「カードが喋った!?」

 

 「なんじゃ!?どうかしたか嵐?」

 

 「いや今ダルクが喋っただろ!」

 

 「?何を言っておるのじゃ?」

 

 「いやだって今」

 

 もう一度見てみたがダルクは一切喋ってい無かった。

 

 「・・・気のせいか?」

 

 そんな事を言っているうちにデュエルは進んでいた。

 

  「更に魔法カード、サモンアンチリバースを発動」

 

 サモン・アンチリバース(オリジナル)

  魔法カード

 自分フィールド上にリバース効果モンスターが表側表示で存在するとき発動できる。リバース効果モンスター1体の効果を発動できる。

 

 「これにより闇霊使いダルクの効果発動。アーマード・ウイングのコントロールを得る」

 

 「なに!?」

 

 烏の場にいるアーマード・ウイングが祭の場に移った。

 

 「更に装備魔法、団結の力をダルクに装備」

 

 闇霊使いダルク

 ATK 500→2100

 

 団結の力

 装備魔法(制限カード)

 自分フィールド上に存在する表側表示モンスター1体につき、装備モンスターの攻撃力・守備力を800ポイントアップする。

 

 「バトル!闇霊使いダルクとBF−アーマード・ウィングでダイレクトアタック!!」

 

 「ぐわああああああああああああああ!!!」

 

 烏LP4000→0

 

 「わ・・・1ターンキル・・・」

 

 「何なんじゃあの者は・・・」

 

 「当たり前だ」

 

 いつの間にかすぐそばまで来ていた影月がそう言った。

 

 「どういうこと?」

 

 「祭は今までいくつもの大会を総なめにしてきたんだ。当然の結果だ」

 

 「マジッすか!?よかった俺デュエルしなくて」

 

 あとあなたは何で俺を睨んでるんですか?

 

 「しかし、報われんのは烏じゃのう」

 

 「1日2連敗。相当なショックだな」

 

 今も地面に両手ついて落ち込んでいる。

 

 「あ。動き出した」

 

 「ドローパン買ったのう」

 

 「食った。またへこんだ!!」

 

 なんかドローパンのかごの前でさっきより落ち込んでいる烏にそっと近寄ってみた。

 パンの袋にはカードが1枚入っていた。

 

 スカゴブリン

 通常モンスター

 星1/atk 400/DF 400

 完璧な「スカ」の文字を極めるため、日々精進するゴブリン。その全てを一筆に注ぐ。

 

 スカゴブリン=具なしパン

 

 「・・・・・・・」

 

 俺は昔からの友人がかわいそうで仕方なかった。

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