「そりゃあきっとデュエルモンスターの精霊だ」
とある日の授業中、俺は十代(じゅうだい)さんに喋ったダルクの事を話していた。
「精霊?」
「そう。カードの中にいる精霊だ。紹介する。俺の相棒のハネクリボーだ」
『クリクリ~』
そう言う十代さんの肩の辺りをハネクリボーが飛んでいた。
「わっ!本当にハネクリボーだ!」
「嵐(あらし)は精霊が見えるみたいだし、いつかお前も手に入れるかもな。そん時は仲良くしろよ」
「はい!」
「これそこの2人!授業中だぞ!」
「「すいません!」」
「まったく。では話の続きだが、今日は1・2年生合同でライディングデュエルの実習を行う」
今俺たちは屋外の巨大な円形のサーキットに来ていた。
「久々のライディングデュエル。ワクワクするな!嵐もそうだろ!」
烏が興奮した口調で話しかけてきた。
「そうに決まってんだろ!アカデミアに来てから一回もやってなかったし、やりたくてしょうがねぇよ!」
ライディングデュエルというのはD・ホイールという特別なバイクに乗ってサーキット場を走りながらデュエルする最近確立された新しい方式のデュエルだ。通常の魔法カードは使えず、sp(スピードスペル)という特別な魔法カードを使用して戦うのだ。
「まずライディングデュエルの経験者にエキシビジョンデュエルをしてもらいたいのだが・・・誰かやってくれるものはいないか?」
「チャンスだぞ嵐!久々にやろうぜ!」
「そうするか!先生!ここに経験者がいま・・・」
「先生俺がやります」
俺が言い切る前に誰かが宣言した。あいつはたしか祭(まつり)の兄貴の・・・
「君は両儀影月(りょうぎえいげつ)くんだね。いいでしょう。あと対戦相手ですが」
「先生、そこの1年生が経験者だといっています。彼でいいでしょう」
そう言って影月は俺を指差した。
「わかりました。では嵐くん、前に来てください」
「ちぇっ!せっかくのチャンスが」
「しょうがないって、また後でやろうぜ」
「約束だぞ」
「おお」
烏と約束をして俺は影月の所まで行った。
「よろしく影月。いいデュエルをしようぜ」
「こちらこそよろしく」
そう言って影月と握手した時。
「(祭に手ぇ出したらただじゃおかねぇって言った意味を教えてやるよ)」
何かすんごい不気味なこと小声で言っていた。
「それでは2人とも、準備はいいか?」
「はい!」
「ええ」
D・ホイールに乗った状態で先生の質問に答えた。
「では、フィールド魔法『スピード・ワールド』セット・オン!」
先生がそう言ったと同時に空間がフィールド魔法に支配された。
デュエルモードオン、オートパイロットスタンバイ
「ライディングデュエル・・・」
「「アクセラレーション!!」」
2人のデュエリストが同時にスタートした。
嵐LP4000
影月LP4000
先攻 嵐
「先攻はもらうぜ!俺のターンドロー!ロードランナーを守備表示で召喚!カードを1枚伏せてターンエンド」
ロードランナー
星1/ATK 300/DF 300
このカードは攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘では破壊されない。
嵐・影月 spc1
「俺のターンドロー!ランサー・ドラゴニュートを召喚!ロードランナーを攻撃!」
ランサー・ドラゴニュート
効果モンスター
星4/ATK 1500/DF 1800
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
「罠発動!くず鉄のかかし!ランサー・ドラゴニュートの攻撃を無効にし、再びセットする!」
くず鉄のかかし
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手モンスター1体の攻撃を無効にする。
発動後このカードは墓地に送らず、そのままセットする。
突如現れた鉄製のかかしによりランサー・ドラゴニュートの攻撃は無効化された。
「ちっ!カードを1枚伏せてターンエンド」
嵐・影月 spc2
「俺のターンドロー!sp-エンジェル・バトン発動!デッキからカードを2枚ドローし、手札を1枚墓地に送る」
Sp−エンジェルバトン(アニメオリジナル)
Spcが2つ以上あるとき発動できる。
デッキからカードを2枚ドローし、手札のカード1枚を墓地に送る。
「チューナーモンスター、バブルナイトを召喚!」
バブル・ナイト(オリジナル)
星3/ATK800/DF800
このカードの召喚に成功したときデッキからカードを1枚ドローするドローしたカードがレベル4以下のモンスターだった場合、そのモンスターを特殊召喚する。それ以外だった場合、デッキの一番下に戻す。
「バブル・ナイトの効果発動!デッキからカードを1枚ドローしてそれがレベル4以下のモンスターだった場合、特殊召喚できる!ドロー!よし!スピードウォーリアを特殊召喚!さらにチュ-ナーがフィールドにいることにより、墓地のボルト・ヘッジホッグを特殊召喚!」
ボルト・ヘッジホッグ
効果モンスター
星2/ATK 800/DF 800
自分フィールド上にチューナーが表側表示で存在する場合、
このカードを墓地から特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚したこのカードはフィールド上から離れた場合、
ゲームから除外される。
「残念だったな!罠発動!強欲な落とし穴!」
強欲な落とし穴(オリジナル)
罠
モンスターが2体以上特殊召喚されたとき発動できる。
特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。
「これによりボルト・ヘッジホッグとスピードウォーリアを破壊する!」
「っく!ターンエンド」
嵐・影月 spc3
「俺のタ-ンドロー。ダーク・リゾネーターを召喚」
ダーク・リゾネーター
チューナー・効果モンスター
星3/ATK1300/DF 300
このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。
「レベル4、ランサー・ドラゴニュートにレベル3ダーク・リゾネーターをチューニング!王者の叫びがこだまする!勝利の鉄槌よ、大地を砕け!シンクロ召喚!羽ばたけ、エクスプロード・ウィング・ドラゴン!」
エクスプロード・ウィング・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星7/ATK2400/DF1600
チューナー+チューナー以外のドラゴン族モンスター1体以上
このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ、フィールド上に表側表示で存在するモンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える事ができる。
「攻撃力2400・・・けど俺の場にくず鉄のかかしがある限り、あんたの攻撃は通用しないぜ!」
「ならその邪魔な盾を破壊させてもらおう。sp-サイクロン・クラッシュ!フィールドの魔法・罠を1枚破壊する」
「しまった!」
sp-サイクロン・クラッシュ(オリジナル)
Spcが2つ以上あるとき発動できる。
フィールドの魔法・罠を1枚破壊する。
「そしてエクスプロード・ウィング・ドラゴンでバブル・ナイトを攻撃!キング・ストーム!!」
「ぐわああああああああああ!!」
嵐LP4000→2400
spc3→2
1000以上のダメージを受けたことで嵐のD・ホイールのスピードが落ちた。
「カードを1枚伏せてターンエンド」
嵐spc2→3
影月spc3→4
「俺のターンドロー!ジャンク・シンクロンを召喚!」
ジャンク・シンクロン
チューナー・効果
星3/ATK1300/DF 500
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在するレベル2以下のモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。
「ジャンク・シンクロンの効果により、墓地のスピードウォーリアを特殊召喚!レベル2スピードウォーリアにレベル3ジャンク・シンクロンをチューニング!集いし星が新たな力を呼び起こす。光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ、ジャンク・ウォリアー!」
ジャンク・ウォリアー
シンクロ・効果モンスター
星5/ATK2300/DF1300
「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、このカードの攻撃力は自分フィールド上に表側表示で存在するレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分アップする。
「ジャンク・ウォリアーの効果発動!自分フィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力分、攻撃力をアップする!」
ジャンク・ウォリアー
ATK2300→2600
「いけ!ジャンク・ウォリアー。スクラップ・フィスト!!」
影月
4000→3800
「っ罠発動!ライバル登場!これにより手札から相手フィールドのモンスターと同じレベルのモンスターを特殊召喚する!レベル5のバイス・ドラゴンを特殊召喚!」
バイス・ドラゴン
効果モンスター
星5/ATK2000/DF2400
相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚したこのカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる。
「カードを3枚伏せてターンエンド」
嵐spc3→4
影月spc4→5
「俺のターン!sp−サモン・スピーだ―発動!手札からダーク・リゾネーターを特殊召喚!」
sp−サモン・スピーダー(アニメオリジナル)
Spcが3つ以上あるとき発動できる。
手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚する。
「レベル5のバイス・ドラゴンにレベル3のダーク・リゾネーターをチューニング!紅蓮の龍よ、俺の誇りを汚すものを焼き尽くすべく現れろ!!シンクロ召喚!紅蓮の竜、レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星8/ATK 3000/DF2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが相手フィールド上に存在する守備表示モンスターを攻撃した場合、ダメージ計算後相手フィールド上に存在する守備表示モンスターを全て破壊する。
このカードが自分のエンドフェイズ時に表側表示で存在する場合、このターン攻撃宣言をしていない自分フィールド上のこのカード以外のモンスターを全て破壊する。
影月の場に紅蓮の竜が光臨した。
「攻撃力3000!?」
「嵐の奴、ありゃやばいんじゃねえか!?」
「お兄ちゃん、さっきから思ってたけどかなり本気だ!」
「何故そこまで本気になるのじゃ?これはエキシビジョンじゃろう?」
レッド・デーモンズの登場にデュエルを見ているメンバーも驚きを隠せないでいる。
「バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでジャンク・ウォーリアを攻撃!灼熱のクリムゾン・ヘルフレア!!」
灼熱の業火にジャンク・ウォーリアが破壊された。
嵐2400→2000
「っく罠発動!奇跡の残照!ジャンク・ウォーリアを復活!」
奇跡の残照
通常罠
このターン戦闘によって破壊され自分の墓地へ送られたモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターを墓地から特殊召喚する。
「俺はこれでターンエンドだが、諦めろ。お前は俺に勝てない。たかがオシリスレッドに俺を倒せるわけが無いだろう」
「なっ!オシリスレッドをバカにするのは許さねぇぞ!!」
「黙れ!俺も倒せないような奴に、お前みたいな奴に・・・」
「なんだ!?」
「俺のかわいい祭を渡すものか!!!」
「「・・・・・・・・・」」
ああ言っちゃったよこの人・・・・こんな大声で。
祭は溜め息ついてるし烏達は絶句している。
「・・・ああもう!そんなん気にしねぇぞ!!デュエルはいつだって真剣勝負だ!俺のターン!」
嵐spc3→4
影月spc4→5
「よっし!俺はクラウン・ナイトを召喚!」
クラウン・ナイト(オリジナル)
チューナー・効果
星1/ATK 500/DF 500
このカードの召喚に成功したとき、フィールドのモンスター1体のレベルを1つ下げることができる。
「レベル5のジャンク・ウォリアーとレベル1のロードランナーにレベル1のクラウン・ナイトをチューニング!道化の仮面を被りし戦士よ、今戦いののろしを上げろ!シンクロ召喚!!来い、クラウンブレイド!!」
クラウンブレイド
星7/ATK 2700/DF 1500
「クラウン・ナイト」+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが攻撃するとき、攻撃対象の表示形式を変更することができる。
このカードがモンスターを破壊したとき、エンドフェイズまでそのモンスターの効果を得る。
「今更攻撃力2700のモンスターなんか出してどうするんだ?」
「クラウン・ブレイドでレッド・デーモンズ・ドラゴンを攻撃!そしてこの瞬間罠発動!ストライク・ショット!」
ストライク・ショット
通常罠
自分フィールド上に存在するモンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
そのモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで700ポイントアップする。
そのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が越えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
「さらにクラウン・ブレイドの効果により、レッド・デーモンズ・ドラゴンを守備表示に変更!」
クラウン・ブレイド
ATK2700→3400
「いけ!クラウン・ブレイド!クラウンブレイク!!」
守備表示となった竜を道化の騎士が八つ裂きにした。
「さらにストライク・ショットの効果により、貫通ダメージを与える!」
「っく!」
影月
LP3800→2400
spc5→4
「さらに罠カード緊急解除を発動!クラウン・ブレイドをシンクロ前の状態に戻す!」
緊急解除 (オリジナル)
通常罠
このカードはバトルフェイズ中のみ発動する事ができる。
シンクロモンスター1体をエクストラ・デッキに戻し、シンクロに使用したモンスターを特殊召喚する。
クラウン・ブレイドが消え、再びジャンク・ウォーリアたちが姿を現した。
「とどめだ!いけジャンク・ウォーリア!スクラップ・フィスト!!」
「ぐあああああああああああああ!!」
影月
LP2400→0
ライフが0になり影月のD・ホイールが煙を出しながら停止した。
「っと。サンキュー影月。楽しいデュエルだったぜ!」
「・・・うるさい俺は負けたんだ」
「ん~お前が言ってる意味はよくわかんないけどさ、そういうの関係無しにこれからもデュエルしようぜ」
「・・・そうだな。嵐、これからも頼むぞ」
「おお!」
俺と影月は握手を交わした。
ちなみにこのあと影月がシスコンだということがアカデミア中に知れたのは言うまでもない。