次話ですね^^;
本編どぞ~
「あなた、誰?」
そう問いかけてくる少女は、無防備でラグナに近づいてきた。
それを見たラグナは、剣の柄に手をかけたまま、呟くように答えた。
「・・・ラグナだ。」
「ふーん。ラグナって言うんだ。・・・あなた、人間?」
少女はラグナの顔を覗き込むように、今度はそう問うてきた。
「俺が人間以外の何かに見えんのかよ。」
「私、咲夜以外で人間見るのは初めてだから。・・・ラグナはなんで右目だけ赤いの?」
それを聞いたラグナは、顔をしかめながら頭を掻いた。
「・・・・。会ったばかりの奴に答える必要はねぇな。」
「・・・そっか。私はフランドール・スカーレット。・・・・・ここにずっと閉じ込められてるの。」
「はぁ?閉じ込められてるだ?お前ここの住人じゃねぇのかよ。」
フランドールは、ラグナにそう言われると、何も答えずに後ろを向き、部屋の真ん中にあるベッドの方に歩いて行った。
その様子を見たラグナは、踵を返し部屋の出口へ向かった。
「・・・ちっ、まぁいいや。邪魔したな。」
「待って!!」
発せられた声に反応して、ラグナは歩みを止めると、後ろの方にいるフランドールの方へ顔を向けた。
「私、ずっと退屈してたの。おもちゃはすぐ壊れるし、遊んでくれる人はいないし。」
「ねぇ、ラグナ。遊びましょ?」
フランドールがそう言うのと同時に、複数の弾幕がラグナを襲った。
ラグナはそれを見ると、即座に腰の剣を抜いて全ての弾幕を叩き落とした。
「てめぇ!!いきなり何しやがる!!」
「ふふふ・・・!あははははははははははははははははは!!」
ラグナの罵声を無視して、フランドールはさらに多くの弾幕を放ってきた。
「これはどうかなぁ!?」
「ちっ!・・・ぅおらぁっ!!」
フランドールの弾幕をデッドスパイクでかき消すラグナ。
「あははは!すごいすごい!・・・じゃぁこれはぁ?禁忌『フォーオブアカインド』!」
スペルカードを使うと、フランドールが4人に増える。
「ちっ面倒くせぇな・・・・・いいぜ、遊んでやるよ。後悔すんじゃねぇぞ!!」
ラグナは剣を構えると4人のフランドールに突っ込んでいった。
霊夢side
咲夜を倒した霊夢は、1つの大きな扉の前に立っていた。
(この先ね。今回の元凶がいるのは。)
霊夢が扉を開けようとした瞬間、聞きなれた声が聞こえてきた。
「お~い!霊夢~!」
「あら、無事だったのね魔理沙・・・って何よその本の量は!?」
そう言って見た先にいる魔理沙は、大量の本のせいでバランスがうまく取れず、箒に跨りながらふらふらしていた。
「いや~。本当は数冊にしようと思ったんだが、何か気になる本がたくさんあったんだ。まいったぜ!・・・それにしても、ラグナはまだ来てないのか?」
魔理沙がそう言うと、霊夢は僅かに表情を曇らせた。
(やっぱり、一旦助けに行くべきだったかしら。・・・でも。)
「ラグナなら大丈夫でしょ?・・・頑丈そうだし。」
「・・・頑丈そうか?ラグナって。」
「とにかく!ラグナは私たちを先に行かせるために残ったんだから、それを助けに戻ったら何か悪いでしょ?・・・もうここまで来たんだし。」
「・・・そうだな。」
2人はやり取りを終えると、大きな扉を見上げた。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか、ね。」
「ま、異変解決は巫女の役目だし、最初は霊夢に譲るぜ!」
「ふん。あんたの出番なんてないわよ!」
そう言って扉を開いて中に入ると、少女が大きな椅子に座っていた。
白い服を着て、白い帽子をかぶり、髪は水色で短く、背中にはコウモリのような翼、口元には牙、そして血のように紅い瞳をもつ少女だ。
紅い月に照らされた少女は、ニヤリと笑みを浮かべると口を開いた。
「初めまして。私はレミリア・スカーレット。誇り高い吸血鬼であり、この紅魔館の主よ。」
レミリアは霊夢と魔理沙を見ながらそう言った。それを聞いた2人は、威圧感のようなものを感じた。しかし、それにまるで臆することなく、2人は凛とした表情でレミリアを見た。
「あんたが元凶ね。あの外の紅い霧、迷惑だからやめてくれない?」
「ふふっ。博麗の巫女は礼儀がなってないわね。私は名乗ったのだから、次はあなたが名乗る番でしょ?それからそっちの白黒も。」
「取ってつけたように言うな!私の名前は霧雨魔理沙!普通の魔法使いだ!」
2人のやり取りを聞いてた霊夢は、ため息を付きながら答えた。
「・・・博麗霊夢。言わなくても知ってるんでしょ?回りくどいことしないでくれる?」
「物事には順序ってものがあるでしょ?それが例え・・・これから死闘を繰り広げる時でも。」
それを聞いた霊夢と魔理沙は身構えると、椅子から飛び上がったレミリアを見た。
「咲夜からは博麗の巫女以外に2人いるって聞いたけど・・・・・まぁいいわ。さぁ、どっちから生き血を吸ってあげようかしら?」
「生き血を吸わせることなんてまずないけど、私が相手してあげるわ!」
霊夢は、そう言うとレミリアと同じぐらいの高さまで飛び上がった。
「先手必勝でやらせてもらうわ!!」
霊夢の弾幕が多数、レミリア目掛けて放たれる。
「こんなんじゃ当たらないわよ?手加減しているつもりならやめときなさい。こんなに月も紅いから、本気で殺すわよ?天罰『スターオブダビデ』!!」
そう言ってレミリアから放たれたスペルカードは、弾幕に加え網上の光線を放ちながら、霊夢に迫っていった。
「っ!!」
その無数の弾幕を、紙一重で躱していく霊夢。それを見たレミリアは笑いながら弾幕を放ち続ける。
「ふふふっ!さすがは博麗の巫女!この程度じゃ捕まらないわね!」
「当たり前よ!!夢符『封魔陣』!!」
今度は霊夢がスペルカードを発動させるが、レミリアもそれを紙一重で躱す。
「あんたも妖怪のくせにやるじゃない!」
「ふん、紅符『スカーレットシュート』!」
レミリアは新たなスペルカードを使う。放たれた弾幕は四方八方に飛び、その全てが霊夢目掛けて迫っていた。
「霊符『夢想封印』!!」
それを霊夢もスペルカードを使って相殺する。
ここからは、スペルカードの応酬が続いた。霊夢が使えばレミリアが、レミリアが使えば霊夢が。
「楽しい時間だったけど、これで終わりにさせてもらうわよ、博麗の巫女。」
「ふっ。それは、私のセリフよ、吸血鬼。」
レミリアは、手に身の丈以上もの大きな槍を持った。それを見た霊夢は、目を閉じ、自分の中で最強のスペルカードを唱える準備をする。
「「これで!!」」
「「終わりよ!!」」
霊夢とレミリアの声が重なり、両者ともに最大のスペルカードをぶつけようとした。
が、ぶつかることはなく、その代わり部屋中に爆音が響き渡った。
no side
霊夢とレミリアは、互いにスペルカードの行使を中断すると、音のした方を見た。すると、部屋の一端に大きな穴が空いており、そこから部屋の中まで煙が上がっていた。
すると、煙の中から少女の狂気染みた笑い声が聞こえてきた。
「あはははははは!!もう終わりなの?」
「ぐ、がはぁっ!!」
徐々に煙が晴れてくると、そこには血を吐き、赤いコートを所々血でさらに染め、頭から血を流した青年が、壁にもたれ掛かるようにして倒れていた。
そして、その近くには同じ姿をした少女4人がいた。
「「ラグナ!!」」
霊夢と魔理沙は同時に叫ぶと、ラグナを助けようとしたが、4人の内2人の少女に阻まれた。
「「今遊んでる最中なんだから邪魔しないでよ!!」」
「くっ!」
そんな霊夢たちをよそに、レミリアは少女に向かって声を張り上げた。
「フラン!!なぜここにいるの!?地下に戻りなさい!」
「お姉様・・・。またそうやって私だけ仲間はずれにするんだ。・・・いつもだよ。いつも、いつも、いつもいつもいつもいつもいつもいつも!!!!!」
フランは、癇癪を起こしたみたいに言うと、レミリア目掛けて弾幕を放った。レミリアは避けようとするが、霊夢との戦いで疲労したせいか、反応ができなかった。
「お嬢様!!!」
当たると思われたフランの弾幕は、空を切ると壁にぶつかって、そのまま壁を壊した。
「咲夜・・・。助かったわ。」
「いえ。遅れてすみませんでした。」
咲夜はレミリアを適当な場所に下ろすと、フランに声を掛けた。
「妹様!それ以上はいけません!」
「咲夜も・・・お姉様と一緒だよ・・・!」
そう言ってフランは弾幕を放つ。咲夜はそれをかろうじて躱す。
「あ~あ。ラグナも壊れちゃったし・・・・・いいや、ちょうど4人いるし。」
フランは、霊夢・魔理沙・咲夜・レミリアを順に見て、狂気が孕んだ笑みを向けた。
「遊ぼう?」
ラグナside
「・・・・痛っ・・・!」
ラグナは気絶から目を覚ますと、辺りを薄目を開けて見回した。霊夢と魔理沙、あとは知らない2人がフランと戦っていた。
(あの、ガキ・・・!)
立とうとするが、思うように足が言うことを聞かない。
(くそっ・・・!寝てる場合じゃねぇんだよ・・・!)
何とか剣を支えにして立ち上がる。そして、もう一度戦場を見渡す。何とか4人でフランとやりあってはいるが、限界が見えている。
(使いたくねぇとか言ってる場合じゃねぇな。)
そう思いながらラグナは、右腕を抑えながら、脳に、体に刻み込まれた言葉を唱える。
「第六六六拘束機関解放!」
手の甲にある丸い玉が、煌めく。
「次元干渉虚数方陣展開!!」
ラグナを中心にして、押しつぶされそうな大きな力が部屋全体を覆い尽くす。
戦っていた全員が動きを止めて、その力の発生源を見る。
「ラグナ!まだ遊べるんだ!!」
そう言って、フランはラグナの方へと近づいてきた。
「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
《蒼》が目覚める。
「《
ラグナの目の前に、紋章が現れ、やがてラグナに溶け込むように消えていく。
「行くぞ!このガキがぁぁぁぁ!!」
いやーやっとこさ、起動しましたよ~w
でも、いつものラグナのあのテンプレ、「行くぞ!○○がぁ!!」っというやつなんですが、フランのことガキ以外思いつきませんでしたm(_ _)m
もし、これ良くない?とか俺・私ならこうやるっていうのがあれば、教えてくれると助かります!ていうか、いいのあったらそれに書き換えさせていただきたいと思いますm(_ _)m
では、また次話で~^^