東方蒼記伝   作:桐生皆無

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ラグナメインにしようとしたら、ごめんなさいw
次話ですね^^;

本編どぞ~


8話 スカーレット姉妹

「あなた、誰?」

 

 そう問いかけてくる少女は、無防備でラグナに近づいてきた。

 それを見たラグナは、剣の柄に手をかけたまま、呟くように答えた。

 

「・・・ラグナだ。」

 

「ふーん。ラグナって言うんだ。・・・あなた、人間?」

 

 少女はラグナの顔を覗き込むように、今度はそう問うてきた。

 

「俺が人間以外の何かに見えんのかよ。」

 

「私、咲夜以外で人間見るのは初めてだから。・・・ラグナはなんで右目だけ赤いの?」

 

 それを聞いたラグナは、顔をしかめながら頭を掻いた。

 

「・・・・。会ったばかりの奴に答える必要はねぇな。」

 

「・・・そっか。私はフランドール・スカーレット。・・・・・ここにずっと閉じ込められてるの。」

 

「はぁ?閉じ込められてるだ?お前ここの住人じゃねぇのかよ。」

 

 フランドールは、ラグナにそう言われると、何も答えずに後ろを向き、部屋の真ん中にあるベッドの方に歩いて行った。

 その様子を見たラグナは、踵を返し部屋の出口へ向かった。

 

「・・・ちっ、まぁいいや。邪魔したな。」

 

「待って!!」

 

 発せられた声に反応して、ラグナは歩みを止めると、後ろの方にいるフランドールの方へ顔を向けた。

 

「私、ずっと退屈してたの。おもちゃはすぐ壊れるし、遊んでくれる人はいないし。」

 

「ねぇ、ラグナ。遊びましょ?」

 

 フランドールがそう言うのと同時に、複数の弾幕がラグナを襲った。

 ラグナはそれを見ると、即座に腰の剣を抜いて全ての弾幕を叩き落とした。

 

「てめぇ!!いきなり何しやがる!!」

 

「ふふふ・・・!あははははははははははははははははは!!」

 

 ラグナの罵声を無視して、フランドールはさらに多くの弾幕を放ってきた。

 

「これはどうかなぁ!?」

 

「ちっ!・・・ぅおらぁっ!!」

 

 フランドールの弾幕をデッドスパイクでかき消すラグナ。

 

「あははは!すごいすごい!・・・じゃぁこれはぁ?禁忌『フォーオブアカインド』!」

 

 スペルカードを使うと、フランドールが4人に増える。

 

「ちっ面倒くせぇな・・・・・いいぜ、遊んでやるよ。後悔すんじゃねぇぞ!!」

 

 ラグナは剣を構えると4人のフランドールに突っ込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霊夢side

 

 咲夜を倒した霊夢は、1つの大きな扉の前に立っていた。

 

(この先ね。今回の元凶がいるのは。)

 

 霊夢が扉を開けようとした瞬間、聞きなれた声が聞こえてきた。

 

「お~い!霊夢~!」

 

「あら、無事だったのね魔理沙・・・って何よその本の量は!?」

 

 そう言って見た先にいる魔理沙は、大量の本のせいでバランスがうまく取れず、箒に跨りながらふらふらしていた。

 

「いや~。本当は数冊にしようと思ったんだが、何か気になる本がたくさんあったんだ。まいったぜ!・・・それにしても、ラグナはまだ来てないのか?」

 

 魔理沙がそう言うと、霊夢は僅かに表情を曇らせた。

 

(やっぱり、一旦助けに行くべきだったかしら。・・・でも。)

 

「ラグナなら大丈夫でしょ?・・・頑丈そうだし。」

 

「・・・頑丈そうか?ラグナって。」

 

「とにかく!ラグナは私たちを先に行かせるために残ったんだから、それを助けに戻ったら何か悪いでしょ?・・・もうここまで来たんだし。」

 

「・・・そうだな。」

 

 2人はやり取りを終えると、大きな扉を見上げた。

 

「さて、鬼が出るか蛇が出るか、ね。」

 

「ま、異変解決は巫女の役目だし、最初は霊夢に譲るぜ!」

 

「ふん。あんたの出番なんてないわよ!」

 

 そう言って扉を開いて中に入ると、少女が大きな椅子に座っていた。

 白い服を着て、白い帽子をかぶり、髪は水色で短く、背中にはコウモリのような翼、口元には牙、そして血のように紅い瞳をもつ少女だ。

 紅い月に照らされた少女は、ニヤリと笑みを浮かべると口を開いた。

 

「初めまして。私はレミリア・スカーレット。誇り高い吸血鬼であり、この紅魔館の主よ。」

 

 レミリアは霊夢と魔理沙を見ながらそう言った。それを聞いた2人は、威圧感のようなものを感じた。しかし、それにまるで臆することなく、2人は凛とした表情でレミリアを見た。

 

「あんたが元凶ね。あの外の紅い霧、迷惑だからやめてくれない?」

 

「ふふっ。博麗の巫女は礼儀がなってないわね。私は名乗ったのだから、次はあなたが名乗る番でしょ?それからそっちの白黒も。」

 

「取ってつけたように言うな!私の名前は霧雨魔理沙!普通の魔法使いだ!」

 

 2人のやり取りを聞いてた霊夢は、ため息を付きながら答えた。

 

「・・・博麗霊夢。言わなくても知ってるんでしょ?回りくどいことしないでくれる?」

 

「物事には順序ってものがあるでしょ?それが例え・・・これから死闘を繰り広げる時でも。」

 

 それを聞いた霊夢と魔理沙は身構えると、椅子から飛び上がったレミリアを見た。

 

「咲夜からは博麗の巫女以外に2人いるって聞いたけど・・・・・まぁいいわ。さぁ、どっちから生き血を吸ってあげようかしら?」

 

「生き血を吸わせることなんてまずないけど、私が相手してあげるわ!」

 

 霊夢は、そう言うとレミリアと同じぐらいの高さまで飛び上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先手必勝でやらせてもらうわ!!」

 

 霊夢の弾幕が多数、レミリア目掛けて放たれる。

 

「こんなんじゃ当たらないわよ?手加減しているつもりならやめときなさい。こんなに月も紅いから、本気で殺すわよ?天罰『スターオブダビデ』!!」

 

 そう言ってレミリアから放たれたスペルカードは、弾幕に加え網上の光線を放ちながら、霊夢に迫っていった。

 

「っ!!」

 

 その無数の弾幕を、紙一重で躱していく霊夢。それを見たレミリアは笑いながら弾幕を放ち続ける。

 

「ふふふっ!さすがは博麗の巫女!この程度じゃ捕まらないわね!」

 

「当たり前よ!!夢符『封魔陣』!!」

 

 今度は霊夢がスペルカードを発動させるが、レミリアもそれを紙一重で躱す。

 

「あんたも妖怪のくせにやるじゃない!」

 

「ふん、紅符『スカーレットシュート』!」

 

 レミリアは新たなスペルカードを使う。放たれた弾幕は四方八方に飛び、その全てが霊夢目掛けて迫っていた。

 

「霊符『夢想封印』!!」

 

 それを霊夢もスペルカードを使って相殺する。

 ここからは、スペルカードの応酬が続いた。霊夢が使えばレミリアが、レミリアが使えば霊夢が。

 

 

 

 

 

「楽しい時間だったけど、これで終わりにさせてもらうわよ、博麗の巫女。」

 

「ふっ。それは、私のセリフよ、吸血鬼。」

 

 レミリアは、手に身の丈以上もの大きな槍を持った。それを見た霊夢は、目を閉じ、自分の中で最強のスペルカードを唱える準備をする。

 

「「これで!!」」

 

「「終わりよ!!」」

 

 霊夢とレミリアの声が重なり、両者ともに最大のスペルカードをぶつけようとした。

 

 が、ぶつかることはなく、その代わり部屋中に爆音が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 no side

 

 霊夢とレミリアは、互いにスペルカードの行使を中断すると、音のした方を見た。すると、部屋の一端に大きな穴が空いており、そこから部屋の中まで煙が上がっていた。

 

 すると、煙の中から少女の狂気染みた笑い声が聞こえてきた。

 

「あはははははは!!もう終わりなの?」

 

「ぐ、がはぁっ!!」

 

 徐々に煙が晴れてくると、そこには血を吐き、赤いコートを所々血でさらに染め、頭から血を流した青年が、壁にもたれ掛かるようにして倒れていた。

 そして、その近くには同じ姿をした少女4人がいた。

 

「「ラグナ!!」」

 

 霊夢と魔理沙は同時に叫ぶと、ラグナを助けようとしたが、4人の内2人の少女に阻まれた。

 

「「今遊んでる最中なんだから邪魔しないでよ!!」」

 

「くっ!」

 

 そんな霊夢たちをよそに、レミリアは少女に向かって声を張り上げた。

 

「フラン!!なぜここにいるの!?地下に戻りなさい!」

 

「お姉様・・・。またそうやって私だけ仲間はずれにするんだ。・・・いつもだよ。いつも、いつも、いつもいつもいつもいつもいつもいつも!!!!!」

 

 フランは、癇癪を起こしたみたいに言うと、レミリア目掛けて弾幕を放った。レミリアは避けようとするが、霊夢との戦いで疲労したせいか、反応ができなかった。

 

「お嬢様!!!」

 

 当たると思われたフランの弾幕は、空を切ると壁にぶつかって、そのまま壁を壊した。

 

「咲夜・・・。助かったわ。」

 

「いえ。遅れてすみませんでした。」

 

 咲夜はレミリアを適当な場所に下ろすと、フランに声を掛けた。

 

「妹様!それ以上はいけません!」

 

「咲夜も・・・お姉様と一緒だよ・・・!」

 

 そう言ってフランは弾幕を放つ。咲夜はそれをかろうじて躱す。

 

「あ~あ。ラグナも壊れちゃったし・・・・・いいや、ちょうど4人いるし。」

 

 フランは、霊夢・魔理沙・咲夜・レミリアを順に見て、狂気が孕んだ笑みを向けた。

 

「遊ぼう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラグナside

 

「・・・・痛っ・・・!」

 

 ラグナは気絶から目を覚ますと、辺りを薄目を開けて見回した。霊夢と魔理沙、あとは知らない2人がフランと戦っていた。

 

(あの、ガキ・・・!)

 

 立とうとするが、思うように足が言うことを聞かない。

 

(くそっ・・・!寝てる場合じゃねぇんだよ・・・!)

 

 何とか剣を支えにして立ち上がる。そして、もう一度戦場を見渡す。何とか4人でフランとやりあってはいるが、限界が見えている。

 

(使いたくねぇとか言ってる場合じゃねぇな。)

 

 そう思いながらラグナは、右腕を抑えながら、脳に、体に刻み込まれた言葉を唱える。

 

 

 

「第六六六拘束機関解放!」

 

 

 

 手の甲にある丸い玉が、煌めく。

 

 

 

「次元干渉虚数方陣展開!!」

 

 

 

 ラグナを中心にして、押しつぶされそうな大きな力が部屋全体を覆い尽くす。

 戦っていた全員が動きを止めて、その力の発生源を見る。

 

「ラグナ!まだ遊べるんだ!!」

 

 そう言って、フランはラグナの方へと近づいてきた。

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

 《蒼》が目覚める。

 

 

 

「《蒼の魔道書(ブレイブルー)》起動!!!」

 

 

 

 ラグナの目の前に、紋章が現れ、やがてラグナに溶け込むように消えていく。

 

 

 

 

 

 

「行くぞ!このガキがぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 




いやーやっとこさ、起動しましたよ~w

でも、いつものラグナのあのテンプレ、「行くぞ!○○がぁ!!」っというやつなんですが、フランのことガキ以外思いつきませんでしたm(_ _)m
もし、これ良くない?とか俺・私ならこうやるっていうのがあれば、教えてくれると助かります!ていうか、いいのあったらそれに書き換えさせていただきたいと思いますm(_ _)m

では、また次話で~^^

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