かんぴょう戦記 ~地球防衛艦隊2200~   作:EF12 1

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書く書くと言いながら動かないという、現政権のような体たらくになりかけておりましたが、ようやく漕ぎ着けましたm(__)m


序.「貴様ら、腰を据えて撃たんか!」

      ―― 西暦2200年5月 ――

 

 

    ‥‥無限に広がる大宇宙‥‥。

 

その広がりからすれば、我々人類が活動している太陽系など、ウィルスほどの存在でしかない。

その太陽系の惑星で、2番目に大きな存在である土星圏の最外縁、北欧群――フェーべを除き、北欧神話に基づく名を持つ衛星群――宙域で、約20隻の艦船が敵味方に分かれて砲火を交えていた。

 

オレンジ色の砲火を放つ艦艇群は、艦首部に巨大な眼を思わせる構造物を1対ないし2対有しており、単艦・部隊単位の機動に無駄がなく、練度の高さが窺えた。

 

もう一団は紡錘形のフォルムを有する同形艦4隻からなっていたが、驚くべきは細い艦首から放たれる青白いエネルギー弾で、艦のサイズからは不釣り合いな程太かった。

それは、明らかに対峙する艦船が放つオレンジ色のそれより強力かつ長射程だったが、その威力とは裏腹に、まだ一発も命中しておらず、部隊機動も僅かだがぎこちなかった。

 

前者の艦船から放たれるオレンジの光弾は、射程と威力こそ下回っていたが、手数が多い上に照準も正確で、彼我の距離が縮まるにつれ、有効打を与えるのも時間の問題になっていた。

 

一方、太く長いビーム弾を放つ艦の艦体中央部には国際連合のマークが描かれ、この艦が地球所属の艦である事を主張していた。

4隻中3隻の艦体前半部には、国連マークと共に伝説の鳥獣や刀剣・盾等を模した、いかにも凛々しいエンブレムが描かれていたのだが、右翼外側に陣取る1隻は些か様相が異なっており、描かれていたそれは、輪切りにされた黒い筒状のものだった。

その“筒”の内側は白っぽく、中心部だけが茶色に塗られており、凛々しさどころか身体から力が抜けそうな絵面だ。

 

敢えて言えば“ビネガーの匂いがしてきそう”なマークで、それは地球のとある国を発祥とした『かんぴょう巻き』と呼ばれている料理(?)の絵に他ならず、艦腹の国連マークの横に、小さく『ゆうがお/YUHGAO』と、日章旗が描き込まれていた。

 

 

   ―― 艦種??・『ユウガオ』艦橋 ――

 

「敵重巡洋艦1・軽巡洋艦1・駆逐艦2、尚も接近中。

相対速力57宇宙ノット、20秒後には敵軽巡洋艦、35秒後には敵重巡洋艦の有効射程に入ります!」

 

最少限の照明のみがともる狭く暗い艦橋に、ブリッジクルーの緊迫した声が響く。

 

「‥‥慌てるな、弾道は目標に近づいている。落ち着いて狙えば必ず仕留められるぞ」

 

クルーに応えて発せられた声は落ち着いていたが、その声音は明らかにアルト―女性―で、なおかつ、艦長しか着席を許されていない席にいる人物から発せられた事が場違いに思えた。

 

「軸線2番砲、装填よし!」

「てえっ!!」

 

閃光と軽い衝撃とともに、艦首から放たれた太い光弾が虚空を穿つように伸びていった次の瞬間、閃光と火球が発生した。

 

 

「え‥‥‥」

「────!」

「‥‥‥‥」

 

――刹那、『ユウガオ』艦橋は文字通り静まりかえった。

 

「敵軽巡洋艦、反応消滅‥‥。本艦の砲撃によるものです‥‥」

「‥‥‥‥」

「撃沈‥‥。砲撃で‥‥?」

 

戦果報告する観測士の声音もどこか上の空で、今起きた事を把握できていないような響きだ。

 

ブリッジクルーは皆が皆、複数回の実戦経験者であり、自分達の挙げた戦果を把握しているはずなのだが、そんな歴戦の彼らですら、目の前で起きた事を把握しきれずにいた。

 

何しろ、彼らが敵を“砲撃のみ”で沈めたのは数年ぶりだったから――。

 

「目標を敵重巡に変更。‥‥次弾まだか?」

 

そのような硬直した空気を切り裂いたのは、先ほどと同じ鋭いアルトだったが、声の主は艦長席から立ち上がっていた。

その声はブリッジクルーを呪縛から解き放つ効果があったらしく、彼らはすぐ本来の動きに戻るのだった。

 

艦長は、腰に手を当てたまま前方を見据えていたが、艦長のみが被る制帽の下の顔は、美貌という表現が難なく当てはまる妙齢女性のそれだった。

その表情は厳しさを保っていたが、唇の端は僅かに持ち上がり、美貌と相まって一種の凄味すら感じさせていた。

 

「旗艦より入電。‥‥『戦隊砲撃目標ヲ敵重巡ニ変更。全艦腰ヲ据エテ撃テ』です!」

「―――!」

「‥‥‥‥」

 

通信士が読み上げた電文に、乗組員は表情に緊張を走らせ、艦長は僅かに肩を竦める。

 

電文は、前半こそ攻撃目標変更の命令だが、後半は、戦闘中の電文には本来不要なものだ。

それを敢えて付け加えてきたのは、発信を命じた者から自分達への叱責と怒号であると、ブリッジクルー一同は正確に理解した。

 

「敵重巡に照準固定!」

「軸線砲、交互撃ち方始め!」

 

砲雷長からの報告に、艦長は頷くや砲撃を命じる。

 

「てぇっ!!」

 

砲雷長がトリガーを引くや、再び足元から衝撃が走り、『ユウガオ』と僚艦の艦首から、先程と同じ太い光弾が放たれ始めた。

 

彼ら彼女らの戦いは、まだ中盤なのだ。




『ユウガオ』乗組員は、艦長以外決まっておりません。
副長以下のクルーで、こんなキャラはどうだ?のご提案がありましたら、ぜひ感想欄にお書き込み下さい。

条件は、男性が多数派で、
① 19歳~64歳(実戦経験者)
②日本国籍者(人種不問)メインだが、在日外国人も一部可。
③役職
④プロフィール等人物設定
をお忘れなく。

必ずしもご提案どおりといかない事がありますが、その場合でも、他の役職や僚艦乗組員等に活かします。


6/28
これは一旦停止させていただきます。
ユウガオ登場まで間がありますので、間近になりましたら、改めてお知らせします。
朝令暮改で申し訳ありませんでした。
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