錬金術師の暗殺教室   作:遠い日のゲン

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初めまして、遠い日のゲンと申します!
初投稿なので至らぬ点やらがあったりすると思いますが、温かい目で見守っていただけたら嬉しいです。


始まりのチャイム
プロローグの時間


 

〜防衛省幹部会議〜

………

ここ防衛省の会議室では毎月行っている幹部たちによる報告会が行われている。が、普段にはない緊張感が会議室中に漂っている。

 

「では次に、超破壊生物について烏間君」

 

きたか。と担当の烏間はすっと立ち上がり、ただならぬ緊張感の中報告を始めた。

報告の内容は主に生徒がメモした超破壊生物の弱点などだった。

一通り報告を済ますと「ご苦労」とだけ伝えられ、席に座り、他の報告に耳を傾けた。そして報告が全て終わると

 

「さて、超破壊生物な椚ヶ丘にきてそれなりに日が経ったが、ここで我ら防衛省からノルウェーの暗殺者(アサシン)を投入する前に教官1人と何人かの転校生を送ることになった」

 

会議の進行を務めていた議長の言葉に、会議室全体がざわめきだした。

 

「静かに!この中に、そのようなものを送れる部署はないだろうか?」

 

あたりはシーン鎮まり返り、誰1人として候補を挙げるものはいない。

それもそうだと烏間は思った。

わざわざ好きこのんで超破壊生物のもとに自分たちの部下を送るお人好しはいない。

 

時間だけが過ぎていき、そろそろ会議も終了かと感じ議長が

 

「いないのであればこれでお開きとさせて……」

 

と言い出したその刹那、誰かがよく通る低音で言葉を発した。

 

「ならば我らに任せてもらおう」

 

その人物は[憤怒の錬金術師]であり、[国家錬金術師庁長官]を務めるキング・ブラッドレイ。部下たちからは[大総統]と呼ばれているらしい。

日本にとっては超破壊生物の次くらいに国家機密である[国家錬金術師庁]。[錬金術]と呼ばれる技術を用いて主に諜報活動や、裏工作、時には内戦の早期終結にまで利用される言わば生物兵器も同然と防衛省の同期から聞いたことが烏間にはあった。

 

「一昨日未明に[鋼]と[始祖]、そして[全能]の3人を呼び寄せた。[鋼]は[鎧]と現在イギリスで[焔]と共に諜報活動中のため拒否。教官として[始祖の錬金術師]ヴァン・ホーエンハイムと生徒として[全能の錬金術師]エルフォード・ホーエンハイムの2人が応じ、昨日アフリカの内戦を終結させ、明日の昼ごろには日本に到着する予定だ」

 

静かに、しかし圧力のある声でブラッドレイ長官は言い放った。

 

(しかしまた、ビックネームがポンポンと出てくるものだな)

 

ブラッドレイ長官の次々に出てくる名前に烏間はただ驚くしかない。

特に[全能の錬金術師]と言えば史上最年少で国家錬金術師の資格を取得した麒麟児。錬金術を取り除いても、その技術(スキル)は、最強の殺し屋[死神]に勝るとも劣らないとまで言われている。

これからまた忙しくなると烏間は感じた。

 

 

〜翌日〜

 

空港のロビーにて烏間たち対超破壊生物対策部は国家錬金術師たちの到着を待っていた。

 

「どうもこんにちは」

 

何の気配もなく後ろから肩を叩かれた烏間は反射的に後ろを振り向きながら身構えた。すると後ろで肩を叩いた者は驚いたことに少年で若干笑いながらも体の前で手を振り、戦意がないことを表した。

 

「いやだなーそんなに身構えちゃって、ちょっと脅かそうと思っただけですよー」

 

「普通の人間なら気絶してもおかしくないぞ?」

 

「あれあれ?それじゃあ自分は普通じゃないってことですか?」

 

少年におちょくられ、若干頭にくる烏間だが、そこは何とか我慢した。

 

「君が[全能の錬金術師]エルフォード・ホーエンハイム君だな?」

 

「そうですっ!長いんでエルって呼んでください」

 

エルがニコニコしながら話すと握手を求め、烏間もそれに応じた。しかし、そこで1つ違和感が生まれた。

 

「エル君、ヴァン・ホーエンハイムさんはどこだ?」

 

そう、エルと一緒にくるはずだったホーエンハイムがいないのだ。しかしエルは笑顔を崩さずに言った。

 

「あの人なら向こうのロビーで寝て、起きなかったから置いてきちゃった」

 

これが本当ならエルはホーエンハイムを置いてきたことになるのだが……

 

「なに息をするかのように嘘を吐いているんだ」

 

自分を超える背丈の大男。今気づいたがエルもエルで年齢に似合わない背丈を持っている。

 

(またさっきと同じ展開か!!)

 

エルと似たようなホーエンハイムの現れ方に、どんどん寿命が減る思いの烏間は、長居するのも無駄だと思い、防衛省が用意した彼らの家へと招いた。

 

 

家に着いた当初、はじめにやったのが

 

錬金・我が家(レアメイク・ハウス)

 

用意した家を一度分解し、新しい家へと作りかえた。さらに、エルの手には金属やプラスチックなどの塊ができていた。

 

「わーお。盗聴器やらがこんなに沢山。こってるねぇー」

 

「なっ!」

 

思わず絶句した。確かに上官から盗聴器などを仕掛けるよう指示され、仕方なく最新型の超微細なものを仕掛けたのだが、まさか1回家を全壊させて不審なものを取り除く。錬金術師の中でもトップクラスのしかできない錬成陣を使わない錬金術だからこその発想だろう。

 

「さて、家を作りかえた事だし、中入りましょうか、烏間さん」

 

エルの呼びかけに烏間は応じる事が出来なかった。あまりにも立つ次元が違いすぎる。そう立ち尽くしている烏間の首元にエルはそっと人差し指と中指を当てた。

それにより烏間は我に帰る。

 

「エル、いきなりこんな事されたら誰でもびっくりするだろー」

 

ゆったりとした口調でホーエンハイムはエルを叱る。

 

「い、いや。私は大丈夫ですが……」

 

「だってよ。烏間さんはいいって」

 

「はぁ、まったくどうしてこんな子に育ったのか…」

 

あなたのせいでもあると思います。と突っ込みたくなる気持ちを抑えて、エルについていき、中へと入った。

 

「さ、烏間さん座ってよ」

 

用意したはずもないソファーを見て、これも錬金術かと思いつつ腰をかける。

 

「悪いが途中で買ってきたアイスコーヒーしか無いが烏間さん、大丈夫ですかね?」

 

「いえ、お気遣い感謝します」

 

これまたまったく作りがかわったキッチンで3つのコップに買ってきた氷とコーヒーを入れたホーエンハイムはお盆に乗せて持ってきた。

 

「さんきゅー」

 

「ありがとうございます」

 

それぞれの目の前に置かれたコーヒーを烏間は一口飲み、説明に移った。

 

「では本題だか、エル君、簡潔に言うとこいつを殺してほしい」

 

「ふーん。マッハ20の超生物ねぇ」

 

「こいつは生徒の間で殺せない先生、[殺せんせー]と呼ばれている」

 

殺せんせーの名前を聞いたエルは少量ではあるが口に含んでいたコーヒーを吹いてしまった。

 

「おいおい汚いだろ」

 

あくまで軽ーくホーエンハイムに注意されるが、エルに反省した様子はない。

 

「だって、こ、こ、殺せんせーだよ?名前つけた人センスありすぎでしょ!」

 

そう言って時々「殺せんせー」と呟いてはプッと笑うエルにつられて烏間も笑ってしまいそうになる。

 

平常心を取り戻した烏間は話を暗殺の件に戻す。

 

「成功報酬は100億円。勿論今後上がる可能性もある」

 

たいていの殺し屋はこの賞金に吊られて暗殺をきめる。

 

「はっ!そんな金いらないね」

 

「確かに貯金は腐るほどあるからなぁー」

 

が、この2人は違った。なんせ彼らは超希少な錬金術師である。そんな金はいくらでも手に入るのだ。望み薄と感じた烏間は少々諦めムードだった。

だが、

 

「「受けよう、その依頼」」

 

2人は殺せんせー暗殺の依頼を受けた。

 

「よろしいのですか?」

 

改めて烏間は2人に聞く。

 

「あぁ、マッハ20のターゲットなんて絶対に今後現れないからな」

 

「わざわざ日本に帰ってきたんだ。何もしないと大総統に大目玉だ。それだけは避けたい」

 

不純な理由ではあるが、依頼を引き受けてくれた事に烏間はホッとした。

 

「では明日からエル君は生徒、ホーエンハイムさんは教官として椚ヶ丘中のE組に来てもらいます。地図は渡しておくので。では失礼させていただきます」

 

「そうか。じゃあ玄関まで見送ろう」

 

「感謝します。それでは明日からよろしくお願いします」

 

烏間は玄関の扉を開け、外へ出て行った。エンジンの音が次第に遠ざかり、ついに聞こえなくなった。

 

その後自室のベッドに寝転んだエルはうとうとし始め、「椚ヶ丘中3−E……か」そう言って静かに眠った。

 




どうでしたか?ちょっと長い気もしますが、これくらいがちょうどいいですかね?
読みにくかったらすいません。ちなみに主人公の名前の由来は、鋼の錬金術師の主人公兄弟のエドワードとアルフォンスを組み合わせてエルフォードにしました。名付け親はもちろんホーエンハイムです。
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