もしもボスが大きかったら(たいたんてき)   作:青川トーン

5 / 7
後一話くらいで終わります(信じて)


マカセテ

 

「フェネックを離すのだあああっ!!」

 

 7メートルもある巨大なセルリアンの手を渾身の力で切り裂いて、アライグマが囚われたフェネックを救い出す。

 

「逃げなきゃ……ダメ……だよ、アライさん……」

 

「大丈夫なのだ、フェネック……アライさんのこの手を信じて欲しいのだ」

 

 アライグマ一行は目の前で『パークガイド帽子』を持ち去った何者か追い掛けて旅をしていた、だがその最中、一体の巨大セルリアンが立ちはだかる。

 

 手足のある『巨人』の様なセルリアン、弱点の石も見当たらず攻めあぐねている所に助っ人が現れる。

 

「リカオンは救助、キンシコウは足止め!」

 

 セルリアンハンターのヒグマ、リカオン、キンシコウの三人組だった。

 

 雪山でのセルリアン大量発生の報告からパークの危機を見越して行動を開始した所、丁度襲われているアライグマ達を見つけたのだ。

 

「た……助かったのだ!」

 

 三人の連携で何とか巨大セルリアンを転ばせて『口』を開かせ、中にある石にキンシコウが『何か』を投げ込む。

 

「耳を塞げ!」

 

 ヒグマの叫びと共に一行が耳を塞ぐと同時に巨大セルリアンが爆発した。

 

「すごいのだ……あんな大きなセルリアンをやっつけてしまうなんて……」

 

 だが遠くで響く火山の噴火の轟音、立ち上る黒い『サンドスター』。

 

 そして落ちてくるのは3体の『巨人』セルリアン。

 

「オーダー…キツいっすよ……」

 

「撤退だ!」

 

「ぱ……パークの危機なのだあっ!?」

 

 

 

 

 サンドスター・ロー、火山から立ち上る黒いソレを港からかばん達も見ていた。

 

『かばんは船でパークから退去する事を提案します』

「ボスの言う通り、危ないからね……!」

 

「ラッキーさん、サーバルちゃん……僕はまだ行かないよ」

 

 共に旅をしてきた、助けられた、嬉しかった、楽しかった、だから守りたい。 と、かばんは思い、船に背を向けた。

 

 

「かばんちゃん……」

 

 権限を与えられてから見てきたデータからセルリアンを生み出すサンドスター・ローはフィルターによって普通のサンドスターに変わる、それがうまく機能していないから今、火山から黒いサンドスターの煙が上がっている。

 

 そこまで情報を整理したかばんは羽のついた帽子を真っ直ぐに被り。

 

「サーバルちゃん、ラッキーさん、手を貸して欲しいんだ……パークを、みんなを守る為に」

 

「うん……手伝うよ!かばんちゃんがやりたい事なら!」

 

『………かばん』

 

「心配しないでラッキーさん、僕らは一人じゃないから」

 

『私はパイロットを……友を危険に晒したくはありません、ですがそれはサーバル達にも言える事』

 

 この旅路、見てきた物を材料に、LB-777は決断する。

 

『プロトコル4:友を助ける事。かばん、サーバル、行きましょう、これ以上事態が悪化する前に』

 

 

 こうして火山へと、一行は急ぎ足で向かう。

 

 

 

「あっ……パークガイド帽子なのだ!!」

 

「えっ?」

 

「やっと追い付いたのだ!」

 

『アライグマ、パークガイド証を何故あなたが持っているのですか?』

 

 火口付近まで辿り着いた一行はアライグマ組、ハンター組と合流する。

 

「うあっ!!ボスが……タイタンが喋ったのだ!!やっぱりこれはパークガイドの証だったのだ!」

 

「アライさーん、本物のお宝でよかったねー」

 

 人が居なくなって随分と経つこのジャパリパーク、しかし幾つかの大事な情報は言伝ではあるが残っている。

 

 それにはパークガイドとタイタンの事なども含まれ、パークガイド帽子はタイタンと話したり動かしたり出来るお宝として扱われていた。

 

「暫定ですけど、僕がパークガイドの『かばん』です」

 

「こ……この羽を返すのだ、パークガイドの帽子は羽が二つ着いた状態が一番えらいと聞いたのだ!それでパークを救って欲しいのだ!」

 

 だが追い掛けて来た理由がどうでもよくなるくらいのパークの危機にアライグマはかばんに『赤い羽根』を渡す。

 

『かばん、職員権限のレベルが上がりました、昇進おめでとうございます』

 

「あ…ありがとうございます……それで、ラッキーさん、何か新しい情報は?」

 

『はい、サンドスターフィルターは黒い板状で火口に東西南北と四神に合わせて設置されます、ナビゲートを行います、フレンズ達と協力して設置してください』

 

「かばん、だったな?ハンターチームも手を貸す、幸せも困難も群れで分けあうのがフレンズだからな」

 

 こうして日が暮れる前にどうにか四神のモノリスは正しい位置に設置されてフィルターが起動する。

 

 しかしまだ問題は残っている、それはセルリアンだ。

 

 少なくとも3体は居る7mクラスの危険な巨大セルリアン。

 

『タイタン型セルリアン……かつてセルリアンとの戦闘で破壊されたタイタンがセルリアンとなったモノです、現在こちらの戦力はフレンズが6人にタイタン1体、そしてガイドが一人……勝率は5割程度です』

 

 戦力的に非常に厳しい状態だ、誰かが犠牲になるかもしれない。

 

『マカセテ』

 

「誰……ってちっちゃい方のボスも喋ったああ!?」

 

 驚愕するサーバル、ピョコピョコという足音と共に現れたのはガイドロボットでありLBの名前の由来となった『ラッキービースト』だった。

 

『困難ハ 群デ ワケアウ、ソレガ 『フレンズ』 ナラ イイ考エガ アルヨ ダカラ マカセテ』

 

 

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