ONE PIECE ~青天の大嵐~   作:じんの字

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癇癪と鍛冶

「早くこの街から出て行ってくれませんか?」

 

 

 

「そりゃ・・・どういうことだ?」

 

すると、はため息をつきながらこう言った。

 

「我々はもう…誰も失いたくないのです」

 

「「は?」」

 

疲れたと出ていけって関係なくない?

 

すると、メディッシュさんが語り始めた。この町でなにがあったのかを。

 

「今から1年前程前、あの海賊が急にこの町にやってきて、こう言いました。

『殺されたくなかったら金を持ってこい』 低抗する者や、金が払えない者は、海賊たちに殺されて行きましたよ。 しばらくすると、海軍の船が来ました。よかった、これで救われるとだれもが思いましたよ。ですが、あの 巨人には誰もかなわなかったんです。しかし、悲劇はここからだったのですよ。彼等は言いました。『お前たちが、こいつらを呼んだのだな?』と…」

 

その時、男の眼から涙が零れ落ちるのを見た。

 

「我々はもちろん無実を訴えました。しかし、彼等は聞く耳を持ちません。我々の中から一人が連れ去られ、翌日酷い姿となって戻ってきました…その後も賞金稼ぎがしました。別の海軍の船もきました。けど、彼らはことごとく敗れさり、殺されて行きました。その度に、我々は…!!」

 

男は振り返ると、そのまま歩き出しながら言った。

 

「あの巨人にはだれも勝てやしないのです。もう我々に期待させないでください。

 だから「だから何だ?」え?」

 

「だから何だってんだ?」

 

俺は、身体の奥底から何かドロリとしたものがこみあげてくるのを感じた。

 

「こんの…クソッタレどもが!!」

 

あのアホンダラの巨人のことじゃない。

 

こいつらは、期待しない、とか、あきらめてしまったとかぬかしているが、結局は抵抗の意志を折られて死んでるだけじゃねぇか!!

 

「お前らがあきらめてしまった理由なんざ俺はしらねえ。知りたくもねえしな。だが」

 

俺は町長の胸ぐらをつかみこう言った。

 

「そんなもんは、オメェラがそうやって線引きして勝手にあきらめてるだけだろうが!!自分達が勝手にあきらめたくせにそれを人のせいにしてんじゃねえ!!オメェラはそうやって逃げてるだけだ!!」

 

「!!ですが、我々には何のチカラも「ウルセエ!!」」

 

「ゴタゴタ言い訳してんじゃねえ!!海軍本部から戦力でも引っ張ってくればよかっただろうが!!いいか?こうなっちまったもんは仕方ねえ。俺らよりも先に負けた奴のことなんか知ったこっちゃねぇ!!だがな、俺たちは強い!!さっき逃げたのはあいつの実力がわからなかったからだ!!すでに攻略法は見えてる!!

 

テメエらが命預けるってんなら、

 

俺は!!

 

俺たちは!!

 

あのアホンダラをぶっ潰してやる!!」

 

「…本当ですか?」

 

ようやく分かったようだな。こいつらは助かりたいくせに、それをずっと他人任せにしてテメエらは逃げてきたみてえだからな。

 

「本当に倒してくださるんですか?」

 

「もちろんだ。」

 

何度も言わせんじゃねえよ。

 

「…っ。ありがとうございますっ。」

 

ハッ!!大の男が泣いてんじゃねえよ、みっともねぇな。

 

「決まりだな。」

 

急にグンジョーがしゃべりだした。そういえば、コイツ一言もしゃべらなかったな。

 

何故かにやりと笑いながら呟いた。

 

「武器がいる。」

 

 

 

白ひげっぱねぇぇぇぇぇ!!

目の前の人物が白ひげなんだなって、改めて感じました。

 

白ひげは逃げずに立ち向かう。それも、誰よりも先に自分がだ。だから、町長さんの逃げ腰の姿勢が許せなかったのだろう。たぶん、こういう人だからこそ白ひげ海賊団の皆さんはついてきたんだろうな。

 

さて、こいつの地震モーションは相手に完全にみきられてるはずだから、そこはなんとかしなきゃな。

 

というか、半ば巻き込まれた感じがしなくも追ないのですが・・・。

 

それは置いといて、

 

「決まりだな。武器がいる。」

 

「武器ですか?」

 

「そう。こいつの攻撃は隙がでかいからそこをカバーしてくれるような武器がいるわけよ。」

 

原作を見てみると分かるが、白ひげ地震が振りかぶる地震攻撃と、薙刀を使った地震攻撃とでは若干隙が異なるし、俺の記憶では前者は敵との間合いが広いところでやってたような気がする。さっきみたいな、敵が近すぎると効果をうまく使えないのかもしれないな。

 

そう、この戦いではその隙を補いつつ、俺というイレギュラーがいるこの世界を原作どおりにするという一石二鳥作戦をとることにしよう。

 

「だが、武器ったってそんな都合よく俺にあるような武器があるねえだろ?」

 

うーん、それもそうか。

 

「・・・心当たりがあります。」

 

おう、町長さんマジか。

 

「教えてくれないか?」

 

と、町長さんが山のほうを指さした。

 

「あの山なのですが、一人腕のいい刀鍛冶がいるんです。いるんですが・・・」

 

「いるんですが?」

 

「気難しい性格でして・・・。」

 

なるほど、THE職人ってやつだ。

 

「でも、頼むっきゃねえでしょ。」

 

今回の一件。そのカギはその職人にかかっている。

 

ここで引き下がれるわけがねえ!!

 

「彼は山の中腹に工房を持っています。」

 

「そうか、ありがとう。」

 

早速行こうとしたんだが、

 

「今日はもうやめたほうがいいかもしれない・・・。」

 

「え?どゆこと?」

 

「いや、あの山の夜は危険なんですよ。」

 

なるほど、でも今は時間が惜しい!!いくぞエドワード!!」

 

「分かってる。」

 

走っていく俺たちを見て、町長さんは「大丈夫かなぁ」といっていたが、人間の道を外れかけている俺たちには関係なかった。

 

 

 

 

「なるほど、こういうことだったのか」

 

「だな」

 

俺たちは怪物たちに囲まれていた。それも変なのばかり。

 

ギザギザの歯がいっぱいついたウサギとか、舌なめずりしているゾウとか。君ら草食だよね?

いや、生物の起源を辿っていけば草食っぽい肉食の生物も…いないか。

 

「グンジョーおりゃあ思い出したことがあるんだが」

 

「どうしたいってみろ」

 

「こいつら全員肉食ってんだろうな」

 

でしょうね。

 

でも、今はそんな時間ねぇ!!

 

「とりあえずどいてもらうぞ!!“暴風ウォークダウン”!!」

 

「「「「「「ギュニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」」」」」」

 

うんうん一掃にはこれが便利だ。

 

「一気に走りぬけるぞ!!」

 

「グンジョー」

 

「何だい」

 

「後ろからまたきてんぞ。」

 

振り返ると新手が追いかけてきた。

 

「イヤアアア!!!!」

 

「ちっしょうがねえな。」

 

振動で応戦する白ひげ。でも、敵は次から次へとやってくる。こっちは時間ねえのに、どうすりゃいいんだ!?

 

しかし、俺が気付くといつのまにか動物達の動きが止まっていた。

 

 

 

しかし、次の瞬間動物たちは地面に崩れ落ちた。

 

 

 

 

「!?」

 

「何が起きたんだ!?」

 

「カッ!!オメエラ!!なにわしの庭に勝手にはいっとんだ、カッーーーーー!!」

 

後ろを振り向くとそこには、明らかに気難しそうなジイサンがいた。

 

俺たちは一瞬にしてこう思った。

 

((こいつが刀鍛冶だな・・・。))

 


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