ONE PIECE ~青天の大嵐~   作:じんの字

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役者は揃った

 

カランカラン

 

店の扉が開閉する音も今の俺には全く耳に入らなかった。

 

目の前にいる男

 

“金獅子”のシキ

 

別名 空飛ぶ海賊、フワフワの実の能力者で、後に伝説の海賊の1人として恐れられている人物だ。

劇場版ストロングワールドの悪夢を覚えている人は多いはずだ。ルフィをその能力で苦しめ、一度勝利した、ということは覚えている。

 

しかし、まだこの時点ではまだ頭に車輪は刺さってない。それはそうだ。エッドウォーの海戦は怒っていないから当たり前と言えば、当り前なのだが…。

だが、その行動の1つ1つがその場を制圧するための布石のようにも感じる。

 

さすがは後の伝説の海賊!!

 

 

「どうした?こっちはスカウトしてやってんだぜ?何か言ったらどうだ?」

 

「うるせーよ竹〇ヴォイス。お前の話なんか聞くかよ、笑いながら怒ってろ。」

 

「フザケンジャネーヨ、バカヤロー!!」

 

「できんの!?」

 

やばい、コイツ以外とノリがいいぞ!!好きになってしまいぞーだ!!

 

「グンジョー気いつけろ…トボケているが、コイツはとんだ策士だ。隙を見せたらオシマイだぞ」

 

「・・・・分かってる。」

 

虎丸は用意しておこう。一瞬とぼけて見えるものの、今の時点でも実力は本物なのは間違いない。それに、こいつはさっきこの店にタッチしていた。

フワフワの実は触ったものを浮かべることができたはずだから、つまり今すぐにでも俺たちごと店を浮かべることができるということだ。

 

こりゃかなりマズイな。…やられる前に、やってやるか?

 

「ジハハハハハハハ!!何を警戒しているんだよ。別に今戦おうとしてるわけじゃねえ。だが、返答しだいじゃ(ドゴッ)ゲブガァ!?」

 

シキー!?

 

金獅子のシキが突然殴られカウンターの奥まで吹っ飛んで行った!!い、イッタイ、ナニガオコタンダー(棒)?

 

「ガハハハハハハムカつく奴がいたから“つい”なぐっちまった!!」

 

「敵とはいえ、いきなり殴ることはないんじゃないのか?というか殴るのを“つい”で済ますなよ、そのうちお前寝返りをうつ度に者壊してるんだから…」

 

「心配するな!俺はまだまだいける!!」

 

「少しは自重しろ!!」

 

急に変な集団キター!!何か1人すでにベロベロに酔ってて、それをもう一方が介抱している。

と、俺と白ひげの横のカウンター席にそいつら座ってきた。

 

「ウィスキー。それとツマミ。こいつには適当な酒を見繕ってくれ。」

 

「ヘ、ヘイ。」

 

マスターはおっかなびっくりしながら酒を出した後、マスターが厨房に入った。かわいそうに、彼も生きた心地がしないだろう。

 

というか、この状況何なんだ!?

 

伝説の海賊が吹っ飛び、吹っ飛ばした本人は酒飲みながらまだ何かウダウダ言っているが、相方の1人の男は静かに酒を飲んでいる。

というか、未だに煙が待ってる。これ、シキは絶対死んだんだろうな…。

 

「てめー何しやがんだ!?」

 

あ、生きてた。ツマンネ。

 

「ガハハハハ!!テメエこそ何でここにいやがんだシキ!!」

 

「それはこっちのセリフだロジャー!!」

 

何か殴られた本人はピンピンしてるし、殴った本人はピンピンしえいるし、何だこれなんだこの状況。

 

「ここであったが100年目だ!!いい加減俺の部下になれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「だが断る!!」

 

いきなり取っ組み合いを始める2人を眺めながら何とも言えない気持ちになっていた。

 

全く何喧嘩してやがんだ知り合いか?

 

え?ちょっと待って。

 

 

 

“ロジャー”?

 

 

 

「やあ」

 

頭の中で?と!が舞い上がる中、隣で飲んでいた話しかけてきた。

 

「どうも」

 

「初めましてだな」

 

「そうですね」

 

眼鏡をかけた白髪の男。いや、白髪だと思ったが、灰色に近い色をしている。むぅ、まさか…

 

「失礼ですが、お名前を聞いてよろしいですか?」

 

「ああ、構わないが」

 

酒をゴクリと飲みほした後、その男は口を開いた。

 

 

「俺の名前はシルバース・レイリー。で、あそこで喧嘩をしているのがうちの船長ゴール・D・ロジャー。俺たちはロジャー海賊団だ。よろしくな、“辻斬り”」

 

 

 

 

海軍基地 G-11支部

 

 

 

「『クインテッド中将』」

 

 

近くの島に潜伏している部下から報告が入った。

 

 

『ゴールド・ロジャー、シルバース・レイリー、エドワード・ニューゲート、金獅子のシキ、辻斬りグンジョー全員を確認。指示を待ちます』

 

「ふむ、御苦労」

 

 

事の発端は数日前部下の海兵から複数の報告が入ったことだった。

 

 

『中将!!船が素手でたたきこわさギャアアアアアア!!』

 

『助けてぇぇぇぇ!!船が浮かんでる!!』

 

『津波が斬撃がぼぼぼぼぼぼぼb』

 

 

近辺の海を監視していた複数の船が全く別の地点で破壊された。

 

この後調査をしてみると、今この海を賑わせている海賊達の仕業であるということが判明した。

 

ゴールド・ロジャー、シルバース・レイリー、エドワード・ニューゲート、金獅子のシキ、辻斬りグンジョー、それぞれ悪名高い海賊たちだ。

そして、こいつらは今近くのある島に集まっているという。これはこいつらを一網打尽にするチャンスだ!!

 

私は1ヶ月前の会議を思い出した。

 

海賊を海兵にする!?

 

そんなことできるわけないだろう!!

 

あの後、一応賞金を懸けると追うことで決着したが、それでも私にはあの発言だけはいまだに納得できない。

 

そもそもコングさんは海賊に甘すぎる。

 

この世界では海賊という肩書がある限り海賊は絶対悪だ!!ここで私があいつらを捕まえ、あの人の策を失敗に終わらせてやる。

ヤツの面子さえつぶしてしまえば、、次の大将の席に座ることになるのはこの私だ!!

 

私はそう決心しながら連絡用電伝虫をとった。

 

 

「G-11支部の海兵全員に告ぐ。総員戦闘準備。賞金首を打ち取るぞ。」

 

 

さあ海賊どもめ。血祭りにあげてやる。

 


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