ONE PIECE ~青天の大嵐~   作:じんの字

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緊急事態

 

「あんたがシルバース・レイリー…ってマジ、モノホン?」

 

 

今日は何だがすごい日だ!!金獅子に勧誘されたと思ったら今度は海賊王本人と副船長だと!?盆と正月が一緒に来ちまったゼイ!!祭りだ祭りだー!!

 

「うるせえばかやろう!!」

 

「何だとこの野郎!!」

 

「ウルセエなアホンダラどもが…」

 

「全くうちの船長は…」ヤレヤレダゼ

 

「oh…」

 

 

すでにMA★TU★RIでした。喧嘩してる2人と黙ってその隣で酒飲んでる3人。その周りで騒ぎながら賭けごとしているダメ大人ズ。何だこのカオス的な空間わ!!

 

あんたら知らんと思うけどこの人たち未来では本当にすごい人たちなのよ?

 

軽く頭を振った後、傍らのカクテルを一気に飲み干す。

イッキはだめだけど、口の中に砂糖とレモンの汁を含み、そこにお酒を入れて口の中で混ぜるというものだ。(※お酒は二十歳になってから!!byじんの字)

こういうちょっとした工程がいる食べ物飲み物は好きだ。

 

「…あ?」

 

お酒を少しずつ嚥下しているとき、そこでふと気付いた。いままで気にかけもしなかったが、一番奥の席に帽子を被った変な奴がいたのだ。

一般の人かもしれないが、それにしてもこんな海賊のばか騒ぎが起きている酒場によくいられるものだ。それに、何でこんなとこに電伝虫持ち込んでんだ?

 

『・・・まて。・・・ま、・・ししろ。』

 

「はい、分かりました。」

 

電話を切ると、視線をこちらに向けてきた。

 

何だったんだ?

 

すると、白ひげが急に立ち上がった。

 

「あ、おい、どうした?」

 

「ああ、ちょっとな。おい、そこのお前」

 

白ひげが急にそいつの胸元をつかみ空中にぶら下げた。てか何やってんのお前?暴力はイクナイヨ!!

 

「ヒイ!な、何ですか!?」

 

「それこっちのセリフだアホンダラ。オメエ今誰と話してやがった?」

 

「そ、それを話す義理はない!!」

 

ちょ、ちょっと!!片手に振動エネルギーが溜まってる!!ここでグラグラすんのマズイって!!

その様子を見ていた男は焦ってしゃべりはじめた。

 

「待て!!言う!言うからそれだけはやめてくれ!!」

 

「じゃあ吐け」

 

いつの間にか喧嘩は収まり白ひげの動向に全員が注視していた。

 

というか、

 

「明らか怪しいとはいえいきなり振動使うとかないわ・・・。」

 

あ、口に出ちゃった。

 

プルルルル プルルルル

 

急に電伝虫がなりだした。

 

「出ろ」

 

「え、ハイ?」

 

「さっさと出ろ」

 

「ハ、ハイ!!」

 

ガチャ

 

『やあ、ボガード君。海賊たちはどうかね?』

 

「ク、クインテット中将!」

 

中将?電話の向こうは中将なのか?

 

『1人でも逃げてしまったら作戦は失敗なのだよ。例の作戦までしっかりと見張ってくれたまえ』

 

「ちゅ、中将殿!!」

 

『いいか、くれぐれもばれるんじゃないぞ

 

ガチャ

 

そこまで言って電話は終わった。は~い、す〜でにばれてま〜すよ~。

 

「おい。海兵。作戦というのは何だ?」

 

「っ・・・・・」

 

成程、黙秘権ですか?

 

いつまでたってもしゃべらない海兵の男にいらついたのか白ひげがまた振動チャージを始めた。

 

というか、やめたげてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!男の人がいろいろしんじゃぅぅぅぅぅ!!

 

「分かった!分かった!言うよ、言えばいいんだろ!?」

 

知識があるからか振動に以上におびえる海兵。

身を持って体験したから言えるけど、振動攻撃はハッキリ言ってもの凄く痛い。しかも、白ひげはあれから振動の威力を上げている。

 

一般人には想像を絶する激痛になるだろうな・・・。

 

「さ、作戦名は…」

 

おっと、意識が飛んでる間に話が進展していたようだ。

 

「その名前はバ…“バスターコール”。」

 

 

 

 

 

“バスターコール”

 

 

 

 

その言葉をこの場所にいる誰もが反芻していた。酒場を一気に重苦しい空気が包む。しかし次の瞬間には酒場に面した通りは、まるでハチの巣をつついたような状態になった。

 

「バスターコールだあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

人々は口々にバスターコールと叫びながら通りから逃げ出していく。

 

「バスターコールが発令されたらしいぞ!!」

 

「何!?」

 

「早く家族を連れだすんだ!!」

 

「逃げるんだ早く!!」

 

「船を出せ!!急げ!!」

 

「ヒイイイイイイイイイイイイイイお、お助けぇぇぇ!!」

 

店主まで出て行ってしまった。

 

 

『……………』

 

 

うわ〜大変なことになっちゃったな〜。

 

原作ファンの皆さんはご存じでしょうがとりあえず。

 

 

 

“バスターコール”

 

 

 

うろ覚えだが、海軍中将5人が10隻の艦隊を率いて大砲打ちまくる作戦。

 

確か狙われた島は関係者とかそんなの関係ねえとばかりに皆殺しだっけか。

 

エゲツねえ…どっちか“辻斬り”だよ。

 

というか、死亡フラグ…orz

 

「…ははははは」

 

海兵の口から笑い声が漏れた。

 

「お前らは終わりだ!!今に中将殿が艦隊を率いてこの街にやってくる!!それだけじゃない、この街の海兵に先ほど連絡を入れておいた。お前らは捕縛され、生きながらにしてバスターコールの業火に焼きつくされるんだ!!」

 

「うるせえ」

 

「ふがふっ!!」

 

とりあえず斬って黙らせますた。え、暴力はいけないだって、何だそれ誰の話?

 

「安心せい峰打ちじゃ・・・。」

 

言ってみたかったんだよねこれ。

 

しかし、ヤベーなーバスターコールかー。

 

まさか、海軍がそこまで本気だとは思わなかった・・・。

 

 

「で?あなた達はどうするつもりだ?」

 

 

レイリーが口を開いた。

 

どゆこと?

 

 

「バスターコールが発令され、正直我々の命は絶体絶命だ。しかし、このまま黙ってやられるつもりなのか?と聞いている。」

 

 

う〜ん、そういわれてもなあ…。

 

 

 

 

「海賊ども!!民間人を解放して大人しく投降しろ!!」

 

 

 

 

 

とりあえず店の外に集まっているあいつらをとっちめるのが先じゃないのかね?

 


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